近世の公娼制度、戦時下の従軍慰安婦、現代アジア諸国への性侵略を生み出してきたものはなにか。家庭内離婚、セクシュアル・ハラスメント、若者の恋愛恐怖症から母子相姦、連続幼女殺人まで、愛と性を欠落させた日本の性風土の歴史的構造を究明する。
豊かで多様で混乱したフェミニズムの主張を、時代の中に位置づけ直す。女(男)の生き方を叫んだあなたは何者なのか?
文学テクストの言葉は、書き手の意織・無意識を問わずその社会的性格によって女性を抑圧する言説に傾きやすい。これまでの批評・解釈では看過されてきた女性の主体がきらめく瞬間をとらえること、性差別を超えた彼方を構想すること。本書はこうした「フェミニズム批評」の関心にもとづき、日本近代文学の著名なテクストの丹念かつ冒険的な読みを試みる。
わずか20年間のうちに、驚くべき成果をあげたフェミニズム批評の歩みと〈現在〉、そして未来への指向を、その豊かな多様性をそこなうことなく紹介する“もっと良く理解するためのフェミニズム文学批評入門書”。
古典古代からポストモダンまで、「天才」という語と概念の歴史に潜む、男の優越のレトリックを解明して、女の文化的業績評価への新しい戦略を提唱する。
ときには、フェミニズムを超え、ときには女として生きることにこだわって、親しい女性たちとのあいだで交わしてきた熱い対話。同時代を生きる尖鋭な個性との触れあいが鮮やかに浮かび上がらせる大庭みな子の〈詩〉と〈真実〉。
比類なき美しさが愛でられ、女性の理想タイプと讃えられるヒッチコックのヒロインたち-。彼女たちは「男の欲望」によって、スクリーンにピン留めされた蠱惑的存在なのか。初期から最晩年までのヒッチコック映画に構造化された「欲望」の眼差しを、フェミニズムの視点から解読した独創性溢れる書物。
19世紀末からナチ政権成立まで、ドイツ・ブルジョア女性運動穏健派の軌跡を追う。母性を軸に、家族とフェミニズムそして近代社会・国家の関係を問う。
本書では、世界の一線の科学者たちが現代社会における科学の位置について考察している。
先史時代から現代にいたるまでの各時代と社会における女性の条件を、男性の地位・権力との関係で考察し、それらに基づいてフェミニズム理論を構築する野心作。著名な社会学者が、独自の第三世界論の立場から、世界的な規模での女性の条件の変革の可能性を展望し、女性解放の道筋を探る。
身体・性と密接に結び付いている宗教。さまざまな現象を分析し、種々の角度から宗教の本質に関連する大胆な考察を試みる。