「生態系の多様性」すなわち「場の多様性」。危機は回避できる!トキ、ミヤマシジミ、ベッコウトンボ、カワラノギク、イシカワガエル…なぜ、絶滅の淵にあるのか、その理由を知ることから始まる。
SDGsを見据え、将来世代に引き継ぐべき「三つの共生」とは? 地球公共財をめぐる収奪・独占という利益第一主義を脱し、相利共生を実現する構図を示す。
古代ギリシャの哲学者へラクレイトスは、「なべての物は流れ、すべて〈ある〉はなく〈なる〉のみ」という有名な言葉を残した。本書の表題は、存在(ある)から発展(なる)への、つまりは可逆的な力学的世界観から不可逆的な熱学的世界観への転換を意味している。
古典物理学の三大支柱のうち、力学と電磁気学は、ある時刻における条件が与えられればその後の変化が確定的に決まるという意味で〈決定論的〉であり、また時間の向きを逆転してもそのまま成立するという意味で〈可逆的〉である。これに対し、熱力学は古典物理学においてきわめて異質的な存在で、その著しい特徴は不可逆性にある。熱現象に特有のこの不可逆性は可逆的な力学理論からどのようにして導出できるのであろうか。
本書は、非平衡熱力学の開拓者である著者が〈発展の物理学〉における自らの独創的業績の基礎を体系づけ、その哲学的意義を明示したものである。構想力に富む本書は、不可逆性への新しい視点を提供するとともに、物理学的世界観の変革への契機をはらむものとして注目を集めてきた。その後『混沌から秩序へ』を経て、〈複雑性〉の考え方につながる端緒となった著作である。
地球規模の気候変動が現前する21世紀。
その危機の拡散と克服への鍵を握るアジア諸国の環境問題の諸相に迫る
いまだ克服の道筋が見えない地球環境問題。
日本を含む東アジア、東南アジアから南アジア、そして西アジアまで。
豊富なデータと共に、各国環境問題の危機の多様性とダイナミズムを読み解く待望の研究入門書!
序章 アジアの環境問題:地域比較の視点
第1部 現代北東アジアと環境問題
第1章 熟議的民主主義の可能性──日本の高レベル放射性廃棄物最終処分場立地選定をめぐる合意形成
第2章 どこにでもある危機──朝鮮民主主義人民共和国の環境問題
第3章 中国の大気汚染問題とその対策
第4章 台湾の環境政策とシャマン・ラポガンの文学
第2部 現代東南アジアと環境問題
第5章 ベトナムが直面する環境問題をめぐって
第6章 東南アジア島嶼部の森林・水産資源の利用と環境問題──ボルネオ島北部を中心に
第7章 インドネシア独立以降の環境問題と環境保護対策への提言
第3部 現代南アジアと環境問題
第8章 バングラデシュの環境問題──グローバルな課題への挑戦
第9章 インド・デリーの大気汚染──その現状と対策
第10章 重層的に絡み合うパキスタンの環境問題の全体像
第4部 現代西アジアと環境問題
第11章 革命・戦争後の現代イランと環境問題──大気汚染、水資源不足、廃棄物処理問題を事例に
第12章 開発と紛争の影に追いやられた豊かな海──ペルシア湾の環境問題
第13章 トルコの環境問題──水資源問題を中心に
東洋経済新報社の元社長、元会長で現在は同社の姉妹組織である(社)経済倶楽部の理事長を務める著者が、『経済倶楽部講演録』(月刊)に執筆してきた時評と書評4年分、計101編を収録。数多くの経済人や識者と交流を深めてきたベテランジャーナリストならではの鋭い視点とユーモア溢れる文章に思わず引き込まれる。
SDGs(持続可能な開発目標)達成のためには「生物多様性の保全と持続可能な利用」が必要.それはヒトの衣食住や文化が「生態系サービス」に依存しているから.では将来への課題はどこにある? 生物多様性の大切さと問題を確認し,消費者にできること,教育現場での実践例,国内外でのユニークな取組みを知ろう.【オールカラー】
はじめに
1 生物多様性の危機
2 生物多様性から学ぶ・活かす
3 消費者としての実践と持続可能な農業
4 持続可能な未来のための自然環境学習と市民科学
5 持続可能な地域社会を築く「自然再生」
遺伝学は、祖先から子孫へ様々な特徴がどのように受け継がれるのかをひもとき、これほど多種多様な生命が地球上になぜ存在するのかを解き明かす学問です。遺伝学の知見は生命科学の分野だけではなく、物理学や化学、工学、さらには遺伝子組換え、ヒトゲノムの解読、ゲノム編集といった技術の発展に伴い、人文・社会科学にも影響を与えています。つまり、遺伝学とは現代の根幹を担う学問といえます。
本書には遺伝学の基礎知識から先端的な研究まで、豊富な知見が幅広くまとめられています。今の遺伝学の重要テーマを知り、遺伝学の歴史も俯瞰できるように工夫しました。広範囲にわたる内容は、各テーマをリードする研究者による書き下ろしです。
日本の遺伝学を牽引した木原均は「地球の歴史は地層に、生物の歴史は染色体に記されている」と述べました。本書には遺伝学の歴史が記されています。科学に挑む方にとって、未来への道標となる必携の書となっています。
神戸大学大学院教授鈴木竜太氏推薦!
「人々が自分らしく働き、組織には一体感がある
インクルージョン・マネジメントが目指す組織は、マネジメントに携わる人なら誰でも理想に持つ姿だ。
丁寧な理論的検討と実証研究を行っている本書は、それを深く考えたい人の大いなる助けとなる書である」
日本企業において、ダイバーシティ・マネジメントという「言葉」が定着し、各企業・組織おいて制度拡充が進められるようになって久しい。しかし、必ずしもそれが成果につながっているとは言い難いのが実情である。
本書では、多様性を成果につなげる考え方として、組織における帰属感と自分らしさの発揮の両方が実現されている状態である「インクルージョン」の概念に着目する。この言葉は元々、社会福祉や教育の分野で使われ始めたが、昨今、企業経営の場においても耳にするようになった。経営学の視点からこの概念を丁寧に整理し紐解いた上で、インクルージョン認識を積極的に活かしている企業と、形式的なダイバーシティ・マネジメントのみ行う企業との事例比較を行い、どのような取り組みがインクルージョン認識を高めるのか、また、インクルージョンを用いることでどのような組織成果が得られるのかを具体的に示し、真に多様性を活かす経営のメカニズムを提示する。
インクルージョンの本質を詳らかにし、それをわかりやすく実際に使える概念に落とし込んだ意欲的な研究書であり、研究者はもちろん、ダイバーシティ施策に取り組みつつも成果につながらないと悩む実務家にとって、多様性を活かすとはどういうことなのか、そしてそれを成果につなげるためには何が大切なのか、といった点で、新たな視点や示唆を得られるであろう。
【目次】
序 章 インクルージョン・マネジメントの探求に先立って
第I部 先行研究と研究課題
第1章 ダイバーシティにかんする先行研究
第2章 インクルージョンにかんする先行研究
第3章 日本企業の人材マネジメントにかんする先行研究
第4章 研究課題
第II部 事例研究
第5章 事例:男性総合職モデル企業
第6章 事例:インクルージョンを活かす企業
第III部 総合的考察と結論
第7章 事例研究からの総合的な考察
第8章 結論
序 章 インクルージョン・マネジメントの探求に先立って
第I部 先行研究と研究課題
第1章 ダイバーシティにかんする先行研究
第2章 インクルージョンにかんする先行研究
第3章 日本企業の人材マネジメントにかんする先行研究
第4章 研究課題
第II部 事例研究
第5章 事例:男性総合職モデル企業
第6章 事例:インクルージョンを活かす企業
第III部 総合的考察と結論
第7章 事例研究からの総合的な考察
第8章 結論
ジェンダー差別を生む構造はどのようなところにあるのか、どのような思想の元に成り立っているのかを知り、どのような人もありのままの自分でいられる社会のあり方について考えます。
◇新年のご挨拶 市民生活の向上、地方自治の発展、地域経済の活性化をめざして ●中山 徹
◇直言 社会のデジタル化とスマートシティ ●山田健吾
◇連続企画 「新型コロナ」から日本の社会を考える 第29回 新型コロナと介護 ●伊藤周平
◆特集 ジェンダー差別を超えて多様性の時代へ
文化の多様性とジェンダー平等 ●松岡悦子
東京・国立市 多様な性を尊重するまちづくり ●木山直子
ケア労働者の処遇改善のためには「ジェンダー平等」の社会が不可欠である ●森田 進
労組内での意思決定の場における女性の参画の現状について ●岡上則子清水万由子
シンポジウム 「法整備と SOGI」 に参加して ●編集部: 松川 遥
自治の視点が問われたー区画整理 再開発住民運動集会を終えてー ●遠藤哲人
◆連載
人つながる(22) NPO法人フリースクール「てだのふあ」 〜子どもたちが安心して過ごせる居場所づくり〜 ●山下吉和
検証 津久井やまゆり園事件を人権の視点から考える
第14回 津久井やまゆり園の地元住民としての想い…考え、行動 ●鈴木哲夫
おきなわ定点観測 第10回 日本国憲法の“真価”を私たちに問い続ける沖縄 ●関 耕平
シリーズ 地域発信 耕作放棄地に挑み果樹園の再生を! 第2回 荒れ地を開き安心安全なみかんを育てる ●渡辺卓也
@NEWS ユニチカ跡地住民訴訟と住民自治の展開 ●御代田桜子
BOOK REVIEW
ローカル・ネットワーク
年賀広告
Jつうしん/自治の風/編集後記
表紙写真 大坂 健
スケッチ 芝田英昭
自己複製の担い手たる遺伝子は,生命の多様性を育て,その多様性が物質とエネルギーの流れを生み出す.そして出来上がった自然こそが,生態系という新たな生命の揺籠となる.遺伝子と生態系をつなぐ自然原理を目指し,生態学者の新たな挑戦が幕を開ける.
まえがき
序 章 遺伝子・多様性・循環の科学とは [門脇浩明・立木佑弥]
第 I 部 進化と生物群集をつなぐ
第1章 進化から群集へ,群集から進化へ
──階層間相互作用の意義 [内海俊介]
第2章 チョウ類とそれを取り巻く生物群集
──急速な進化と断続平衡 [大崎直太]
第3章 外来種における生態と進化の相互作用
──外来種管理への応用は可能か [深野祐也]
第4章 代替生活史戦術と個体群動態
──行動学的基盤の視点から [立木佑弥・堀田淳之介・小泉逸郎]
コラム 1 小進化動態と生態的動態
──生態的適応度から考える [高橋佑磨]
第 II 部 生物群集と生態系をつなぐ
第5章 生物多様性と生態系機能
──実験系から自然群集・生態系へ [佐々木雄大]
第6章 湖沼生態系における生物と物理環境の相互作用
──正のフィードバック・履歴現象・中位捕食者の解放 [西嶋翔太]
第7章 環境汚染による攪乱が及ぼす微生物生態系への影響
──群集機能・多様性と環境応答 [濱村奈津子]
第8章 植物と土壌微生物のフィードバック
──その成り立ちとしくみ [門脇浩明]
第9章 地球システムにおける陸上生態系 [伊勢武史]
コラム2 1 万年目の農業 [舩橋真俊]
第 III 部 進化,群集,生態系をつなぐ
第10章 生態系とダーウィン・マシーン
──マイクロコズムから見た適応進化 [中島敏幸]
第11章 呼吸の多様性が駆動する元素循環 [瀬戸繭美]
第12章 生態化学量論から読み解く進化と生態のフィードバック [山道真人]
第13章 海洋島陸産貝類の群集と進化
──小笠原諸島を例として [千葉 聡]
終 章 生態学の領域融合へ [門脇浩明・立木佑弥]
テクニカルノート1 数理モデリングとその解析 [立木佑弥]
テクニカルノート2 生態系・群集生態学的解析法 [福森香代子・門脇浩明]
あとがき
参考図書
引用文献
索 引
◆各国法制度の特質の検討から、日本の消費者法の方向性を導く◆
消費者被害抑止の、より効率的なシステム構築へ。各国法制度の特質を探り、日本の消費者法の方向性を導く。日本(松本・小田)・ドイツ(宗田)・フランス(町村)・イギリス(菅)・アメリカ(籾岡)・ブラジル(前田)・中国(白出)。
「外来生物法」が施行され、外国産緑化植物の取扱いについて検討が進んでいる。近年、緑化植物として導入した外来種が急増し、在来植物を駆逐し景観まで変えてしまう例などが多数報告されているが、こうした問題を克服し、生物多様性豊かな緑化を実現するためにはどうしたらよいのか。本書は、これらの課題に長年取り組み、成果を出しつつある日本緑化工学会気鋭の執筆陣が、その理論と実践事例をまとめた総合的なハンドブックである。
個人と組織との関わりから人事・管理問題を考察した現代自治体組織論
能力・実績主義、人口減少時代の組織管理、フラット化など、自治体組織の編成や管理、機構改革をめぐる昨今の問題について、その本質を公共性と多様性を軸に多元的に分析する。研究者、自治体管理職、人事担当者のみならず全ての自治体職員に整理・俯瞰的視点を提供。
序 章
第1章 能力・実績主義的人事管理の運用
--人材育成としての人事評価制度の導入ーー
はじめに
1 企業における能力主義・成果主義型人事管理登場の必然性
2 地方公務員法改正の意味と意義
3 事例:池田市の人事評価制度
4 事例の分析と考察
おわりに
第2章 人口減少時代の自治体組織管理
--多様性の実現に向けてーー
はじめに
1 人口減少がもたらす問題
2 問題意識の背景
--自治体の組織管理、人事管理を取り巻く環境の変化ーー
3 組織管理における多様性の要請
4 自治体組織管理における多様性を進めるための法的環境整備
5 実地調査
おわりに
--期待される効果と論点ーー
第3章 大部屋主義の再検討と自治体職場における目標管理制度
はじめに
1 大部屋主義の再検討と目標管理との齟齬
2 事例の検討にあたって
3 事例:A県X県民局建設部の職務構造
おわりに
--目標管理の導入へ向けてーー
第4章 組織構造のフラット化
--階層の持つ意味ーー
はじめに
1 組織構造に関する分析視点
2 階層の位置づけ
--組織の合理性と個人の自律性のジレンマーー
3 行政組織の特質と階層構造の必然性
--代表性と自律性のジレンマーー
4 地方自治体における階層の意味
5 事例:静岡県における組織フラット化の取組み
6 事例の分析と考察
--むすびにかえてーー
第5章 内部組織の役割変容と機構改革
はじめに
1 福祉行政分野における制度改革の動き
2 複数の文脈における組織変容の要請
3 事例の検討
--三重県における福祉行政をめぐってーー
おわりに
第6章 自治体の組織と権能
--多様性を前提とした公共性に向けてーー
はじめに
1 自治体の持つ権能
2 今後の権能と組織のあり方
おわりに
第7章 公共サービスの外部化と組織管理における「公共性」概念
はじめに
1 イギリスにおける民営化と民間委託
2 アメリカにおける民営化と民間委託
3 日本における「公共性」に関する議論の経緯及び変遷
4 行政としての自治体にかかる公共性
5 公共サービスの外部化と組織管理にかかる公共性
おわりに
多文化教育における理論的展開の背景およびその批判的検討と現代的課題をおさえた上で、日本の社会科(地理・歴史・公民)での多文化教育の授業開発とその理論を概観する。小中高での実践事例や北米の事例研究を収録した多文化社会における社会科のあり方を考える上で有用な一冊。
エコロジーとデモクラシー、どちらも単独では問題を解決できないが、両者が組み合わされたとき、都市の新たな希望が生まれる。世界をつなぐ15の原則に導かれた、都市デザインへの圧巻の大著。
すごい本である。…本書はデザインの質およびデザイナーの資質に対して、きわめて振幅の大きな評価の物差しを持っていることがうかがえる。デザインはモノや空間の造形として体現される。この本では、造形のあり方に対しては寛容であるが、決して造形を軽視はしない。造形を生み出すデザイナーに頼ることはないが、デザイナー個人の空間や場所、造形に対するきわめて深い洞察力と創造力の資質なしには、エコデモの未来は切りひらけないという。それはすなわちランディ自身の歩んできた道である。--佐々木 葉(早稲田大学教授)
第1部 可能にする形態ーーー「隣の人たちと知り合いになれた」
第1章 中心性ーーセンター
第2章 つながり
第3章 公正さ
第4章 賢明な地位の追求
第5章 聖 性
第2部 回復できる形態ーーー生活、自由、そしてずっと続く幸福の追求
第6章 特別さ
第7章 選択的多様性
第8章 密度と小ささ
第9章 都市の範囲を限定する
第10章 適応性
第3部 推進する形態ーー「まちが人々の心に触れるようにしなさい」
第11章 日常にある未来
第12章 自然に生きること
第13章 科学に住まうこと
第14章 お互いに奉仕すること
第15章 歩くこと