・2022年に進化人類学者としてノーベル生理学・医学賞を受賞したスヴァンテ・ペーボ博士が発展させた古代ゲノム学は、人類進化史の研究だけでなく、医学研究にも大きな影響を与え大躍進を遂げている。
・古代ゲノム解析は、過去の感染症の病原体の追跡に有用で、古代ゲノム学は病原体の起源や進化、疾患の発生と進行、伝播経路の理解に重要な示唆を与え、疾患リスクに関連するヒトの遺伝的要因の解明も期待される。
・本特集では、古代ゲノム学と医学研究の第一線で活躍されている専門家の方々に、近年の古代ゲノム研究の動向、古人骨ゲノムの解明、古代ゲノム学と感染症学・医療の最新の成果と現状について解説していただいく。
■古代ゲノム学と医学の交差点
・はじめに
・古代ゲノム学と進化医学
〔key word〕古代ゲノム、進化医学、疾患リスク変異、病原体ゲノム
・感染症学と古代ゲノム学の接点ーー古人骨研究の視点
〔key word〕古病理学、古人骨、感染症、古代ゲノム
・古代から現代へと受け継がれてきた生活習慣病遺伝子
〔key word〕生活習慣病、環境適応、ゲノム多型
・古代人ゲノムと皮膚色関連多型
〔key word〕皮膚色、一塩基多型(SNP)、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、縄文人
・アルコール代謝関連遺伝子の多様性を現代人および古代人ゲノムから探る
〔key word〕1B型アルコール代謝遺伝子(ADH1B)、2型アルデヒド代謝遺伝子(ALDH2)、東アジア、自然選択
・古代人ゲノムからの表現型復元
〔key word〕古代ゲノム、表現型復元、適応
・狩猟採集から農耕への生業変化ーーそのダークサイドを考える
〔key word〕人口動態、農耕、トウモロコシ、トリプトファン、ビタミンB3(ナイアシン)
●TOPICS 麻酔科学
・手術中の筋弛緩モニターは術後肺炎を減らすための必須アイテム
●TOPICS 細菌学・ウイルス学
・バイオフィルムにおける黄色ブドウ球菌の薬剤耐性獲得
●連載 救急で出会ったこんな症例ーーマイナーエマージェンシー対応のススメ(14)
・ヘビ咬傷のあれこれ:鑑別編2--ヤマカガシ、シマヘビ、ジムグリ
〔key word〕ヘビ咬傷、幼蛇、成蛇、ヤマカガシ、シマヘビ、ジムグリ
●連載 医療システムの質・効率・公正ーー医療経済学の新たな展開(6)
・インフォーマルケアと医療・介護の自己負担
〔key word〕インフォーマルケア、認知症介護、社会的コスト、自己負担
●FORUM 病院建築への誘いーー医療者と病院建築のかかわりを考える
・特別編ーー感染症対策と建築7
●FORUM 後悔しない医学英語論文の投稿に向けてーーEditorの視点から(3)
・自身の論文の投稿先はどこにすればよいのか?
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・心筋炎は、心臓の筋肉の炎症性疾患と広く定義される。一般にウイルス感染をきっかけとした自己免疫が本態であり、重症心不全をきたし、しばしば致命的であるが、発症頻度は低く、少し特殊な心疾患と認識されてきた。
・昨今、COVID-19急性心筋炎、それに関連した小児多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)、さらにCOVID-19 mRNAワクチン関連心筋炎といった新たな疾患カテゴリーが次々と提唱され、心筋炎に対する関心は急速に高まった。
・本特集では、現在日本で行われている心筋炎の診断、治療に加え、病態メカニズム、特に病原体感染と免疫の関与に関する最新の知見を紹介し、今後の課題を明らかにする。
■ 心筋炎 ─医療と医学の最前線
・はじめに
・心筋炎・心膜炎の診断と病理
〔key word〕心筋炎、病理診断、リンパ球性心筋炎、好酸球性心筋炎、巨細胞性心筋炎、心膜炎
・ウイルス性心筋炎の病原ウイルス検索手法とその意義
〔key word〕心筋炎、ウイルス、polymerase chain reaction(PCR)、免疫組織化学、in situ hybridization
・心筋炎の薬物治療・非薬物治療
〔key word〕心筋炎、薬物治療、補助循環、免疫抑制療法、免疫調節療法
・慢性心筋炎と拡張型心筋症
〔key word〕慢性心筋炎、拡張型心筋症(DCM)、炎症性心筋症、CD3陽性Tリンパ球、リスク層別化
・心筋炎と免疫応答
〔key word〕心筋炎、免疫応答、T細胞、樹状細胞、ウイルス
・Onco-Cardiologyにおける心筋炎
〔key word〕腫瘍循環器、自己免疫、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、免疫関連有害事象(irAE)
・小児心筋炎とCOVID-19--MIS-C/PIMS
〔key word〕小児心筋炎、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、小児多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)、ワクチン後心筋炎
・COVID-19ワクチン関連心筋炎
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、ワクチン、副反応、心筋炎、臨床像、病理組織
●TOPICS
消化器内科学
・潰瘍性大腸炎の診断に有用な新たな自己抗体マーカー
腎臓内科学
・宇宙旅行時の腎臓の役割ーー“うちゅうじん”の正体
●連載
バイオインフォマティクスの世界
・18.プレシジョン・メディシンII--がんゲノミクスの応用
〔key word〕精密医療、がん変異、プロテオゲノム、腫瘍マイクロバイオーム、人工知能(AI)
人工臓器の最前線
・6.呼吸不全に対する膜型人工肺(VV-ECMO)--withコロナの時代に向けて
〔key word〕ARDS、重症呼吸不全、ECMO、体外式模型人工肺
医療AI技術の現在と未来ーーできること・できそうなこと・できないこと
・はじめに
・1.医療へのレディオミクスAIの貢献
〔key word〕レディオミクス、治療法選択、悪性度予測、予後予測、医療AI
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・3.グローバルヘルスにおけるジェンダー平等と女性のエンパワーメント
●書評
・書評『免疫学者のパリ心景 新しい「知のエティック」を求めて』
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・血管、リンパ管の機能不全は、動脈硬化、高血圧、肺高血圧症、浮腫などの疾患を引き起こす。また一方で、過剰形成は、がんや糖尿病網膜症の病態進行を促進する。
・シングルセルRNAシークエンシング技術の進展により、血管を構成する細胞の臓器、疾患における多様性が明らかになるなど、血管研究は大きなパラダイムシフトを迎えようとしている。
・COVID-19でも血管の機能不全が重症化の要因とされたことで、血管の形成や機能を制御するメカニズム解明の重要性は高まった。また、国内において様々な血管疾患への効果的な治療法が開発されつつある。
■血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
・はじめに
●血管の形成と制御因子
・血管内皮細胞の多様化
〔key word〕内皮細胞、組織特異的内皮細胞、単一細胞解析、細胞系譜
・血管壁細胞の分化決定メカニズム
〔key word〕壁細胞、血管平滑筋細胞、ペリサイト、神経堤細胞、中胚葉、細胞間相互作用
・VEGFとその受容体システムの血管新生、がん、炎症、妊娠高血圧症候群への関与
〔key word〕血管内皮細胞、増殖因子、血管透過性因子(VPF)、血管新生因子(VEGF)、腫瘍血管
・Tie2受容体活性化による血管安定化の誘導と血管病治療戦略
〔key word〕血管内皮細胞、Tie2、アンジオポエチン、血管成熟化
・TGF-β・BMPファミリーによる血管形成制御と機能維持
〔key word〕Transforming growth factor(TGF)-β、骨形成因子(BMP)、Smad、マルファン症候群(MSF)、肺動脈性肺高血圧症(PAH)
・Ephrinファミリーによる血管形成制御
〔key word〕Ephrin-B2、血管新生、細胞極性、血管内皮増殖因子(VEGF)シグナル
・抗血管新生因子ーー血管新生のブレーキ役としての血管新生抑制因子
〔key word〕ネガティブ・フィードバック制御因子、バソヒビンー1(VASH1)、微小管、脱チロシン化、細胞内輸送
・血管形成・血管新生・成熟化を担う転写制御ネットワークーー内皮エピゲノム環境に基づく転写制御
〔key word〕内皮エピゲノム、ゲノムワイド解析、bivalentエピゲノムスイッチ、内皮分化・活性化・成熟化シグナル、tip/stalk細胞
●血管構築と血管機能・病態
・メカノセンシングを介した血管細胞の分化誘導
〔key word〕流れずり応力(shear stress)、伸展張力(stretch)、血流、ES細胞(胚性幹細胞)、内皮前駆細胞
・血流に起因する力学的刺激が創傷治癒過程の血管新生を制御するメカニズム
〔key word〕血管新生、創傷治癒、内腔圧、BARタンパク質、TOCA1
・プロスタグランジンによる血管透過性の制御
〔key word〕血管透過性、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、プロスタノイド、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)
・造血幹細胞ニッチを形成する新たな血管起源の解明ーー内皮細胞の起源が血管多様性に与える影響
〔key word〕内皮細胞多様性、細胞起源、生体イメージング、造血幹細胞ニッチ
・動脈管の分化と閉鎖の分子機序
〔key word〕動脈管開存症、血管リモデリング、プロスタグランジンE(PGE)、EP4
●血管の臓器・疾患特異性とその変容の制御機構
・シングルセル解析による血管内皮細胞の細胞多様性研究
〔key word〕血管内皮細胞、細胞多様性、シングルセル解析、類洞血管内皮細胞、アエロサイト
・骨血管の多面性ーー部位による形態学的、および機能的差異
〔key word〕内軟骨骨化、血管内皮増殖因子(VEGF)、血管新生、老化
・血管内皮細胞が制御するがんの進展
〔key word〕腫瘍血管内皮細胞(TEC)、腫瘍血管新生、血管新生阻害療法、がん微小環境、アンジオクラインファクター
・がんの進展と転移における内皮間葉移行の役割
〔key word〕トランスフォーミング増殖因子(TGF)-β、内皮間葉移行(EndoMT)、部分的内皮間葉移行(partial EndoMT)、がん関連線維芽細胞(CAF)、EndoMTレポーターシステム
・血管狭窄時の内皮間葉転換の役割
〔key word〕頸動脈結紮モデル、内皮間葉転換(EndMT)、細胞間接着、血管リモデリング、低酸素応答
・低酸素シグナルによる心血管リモデリング
〔key word〕低酸素応答システム、低酸素誘導性転写因子(HIF)、心血管リモデリング
●リンパ管の形成と関連する病態
・リンパ管形成を制御するシグナル
〔key word〕リンパ管内皮細胞(LEC)、シグナル伝達、リンパ管発生、内皮細胞間接着
・FOXC転写因子によるリンパ管形成制御機構
〔key word〕FOXC、リンパ管新生、リンパ管の弁、パラクラインシグナル因子、臓器特異的リンパ管
・リンパ管の恒常性維持機構
〔key word〕リンパ管内皮細胞、細胞間ジャンクション、弁、内皮間葉移行(EndoMT)、炎症性サイトカイン
・リンパ管腫の増悪メカニズムに対する考察と展望
〔key word〕リンパ管新生、嚢胞性リンパ管腫、EGF(epidermal growth factor)シグナル、分子標的薬
●血管の炎症と老化
・血管の老化と慢性炎症
〔key word〕加齢、血管変化、慢性炎症
・動脈硬化性疾患克服に向けた新規脂質異常症治療薬の開発
〔key word〕アンジオポエチン様タンパク質3(ANGPTL3)、家族性高コレステロール血症(FH)、動脈硬化性疾患
・血管の老化とその治療、再生、若返りーー細胞老化の視点から
〔key word〕血管老化、治療、動脈硬化
・血管バリア機能の制御による重症感染症治療の可能性
〔key word〕血管透過性、重症感染症、血管内皮細胞、クローディンー5(CLDN5)、Roundabout4(Robo4)
●血管研究のフロンティア
・組織微小環境を制御するアンジオクラインシステム
〔key word〕アンジオクライン、恒常性維持、再生、がん、幹細胞
・三次元微小血管モデルを用いた組織構築による疾患・生体現象の解明
〔key word〕生体模倣システム(MPS)、微小血管モデル/デバイス、共培養、血管イベントの定量評価
・再構成解析系を駆使した血流による血管新生の生体力学機序の解明
〔key word〕血管新生、血流、力学刺激、マイクロ流路デバイス、血管内皮細胞運動
・血管機能の代謝調節
〔key word〕解糖系、脂肪酸代謝、ケトン体代謝、ミトコンドリア
●血管疾患と血管を標的とした治療法
・IL-6シグナルによる肺動脈性肺高血圧症の病態形成機構
〔key word〕肺動脈性肺高血圧症(PAH)、炎症、インターロイキン6(IL-6)、SM-22α-Cre、レグネース1
・心血管系の恒常性を維持する大動脈弁の役割と弁石灰化メカニズム
〔key word〕内皮細胞傷害、大動脈弁、石灰化、線維化
・遺伝性胸部大動脈瘤・解離とゲノム医療
〔key word〕遺伝性胸部大動脈瘤・解離(HTAAD)、次世代シークエンサー(NGS)、遺伝学的検査、個別化医療
・動脈硬化の病態と治療法の開発ーー心外膜脂肪組織の治療標的としての可能性
〔key word〕心外膜脂肪組織(EAT)、血管周囲脂肪組織(PVAT)、動脈硬化病変、心血管疾患(CVD)、治療標的
●血管疾患と血管を標的とした治療
・心血管病の炎症における酸化ステロールの分子生物学的役割の解明
〔key word〕酸化ステロール、血管内皮機能障害、単球・マクロファージ、炎症
●血管疾患と血管を標的とした治療法
・高血圧を標的とした治療ワクチンの開発
〔key word〕ワクチン、抗体、高血圧、核酸医薬
・虚血肢治療用血管再生遺伝子治療製剤の開発
〔key word〕遺伝子治療(gene therapy)、血管新生(angiogenesis)、肝細胞増殖因子(HGF)、末梢動脈疾患(PAD)、プラスミドDNA
・糖尿病性血管障害の発症機序と予防方法
〔key word〕インスリン抵抗性、動脈硬化症、自己由来DNA、Toll様受容体(TLR)9、cGMP-AMP synthase(cGAS)-stimulator of interferon genes(STING)
・網膜疾患における血管をターゲットとした分子標的治療
〔key word〕血管内皮増殖因子(VEGF)、抗血管新生療法、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・ヒトの体を構成する全細胞の情報を1細胞レベルで包括的にマッピングした「ヒト細胞アトラス」作成を目的としたHuman Cell Atlas(HCA)コンソーシアムが発足し、医療への応用も急速に進んでいる。
・HCAでは発足当初から、性別、年齢、地域などのデータの多様性を重視しており、世界人口の6割を超えるアジア地域の研究者の貢献を促進するために、HCAアジアオフィスを設立し、国際共同研究を促進してきた。
・HCAでは、標準化した方法でデータを生成、統合、解析するためのプロトコールを共有しており、得られる「ヒト細胞アトラス」は臨床診断、創薬、再生医療、精密医療など、医療のあらゆる側面に影響を与えることが期待される。
■ヒト細胞アトラスプロジェクトの現在地
・はじめに
・Overview of the Human Cell Atlas project
〔key word〕Human Cell Atlas(HCA)、ヒト細胞アトラス、国際共同研究コンソーシアム
・Human Cell Atlasの拡大ーー日本からの貢献
〔key word〕Human Cell Atlas(HCA)プロジェクト、Single Cell Medical Network(SCMN)、アジア人免疫多様性アトラス(AIDA)
・Human Cell Atlasにおける倫理と公平性に基づく試料の取得とデータ共有のための取り組み
〔key word〕Human Cell Atlas(HCA)、倫理原則、Ethics Working Group、Equity Working Group、データ・アクセス
・最新のシングルセル解析とその応用
〔key word〕一細胞解析、多層解析、空間解析
・機械学習を用いたシングルセル・空間的遺伝子発現の解析
〔key word〕機械学習、シングルセル遺伝子発現解析、空間的遺伝子発現解析
・シングルセル情報とゲノム情報の統合解析によるCOVID-19重症化メカニズムの解明
〔key word〕シングルセル解析、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、expression quantitative trait loci(eQTL)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
●TOPICS アレルギー学
・アンドロゲンによるTh2細胞と気道炎症の抑制
●TOPICS 免疫学
・循環型iNKT細胞による抗ウイルス・抗腫瘍応答の制御
●連載 救急で出会ったこんな症例ーーマイナーエマージェンシー対応のススメ(13)
・皮下異物、筋肉内異物診療の実際ーー異物迷入をどうするか?
〔key word〕異物、皮下異物、筋肉内異物
●連載 医療システムの質・効率・公正ーー医療経済学の新たな展開(5)
・医療において高齢者や複合課題をもつ世帯は経済的に保護されているのか
〔key word〕高齢者、医療福祉、経済的保護、複合課題、Behaviour Change Wheel(BCW)フレームワーク
●FORUM 数理で理解する発がん(1)
・発がんのプロセス
●FORUM 後悔しない医学英語論文の投稿に向けてーーEditorの視点から(2)
・論文投稿に際してのパラダイムシフト2
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
喘息の疫学・遺伝・発症予防・病態・診断・治療・管理まで、最新の知見を広く詳しく解説!
●進展著しい喘息の最新知見について、疫学・遺伝・発症予防・病態・診断・治療・管理まで網羅的に詳説。
●COVID-19と喘息・喘息治療薬の関わりなど、注目の話題についても豊富に掲載。
●この一冊に、喘息の遺伝的背景や病態、バイオマーカー、治療法の進歩に関する最新情報が満載!
【目次】
疫学、遺伝、発症予防
1.喘息の疫学
2.喘息と遺伝子
3.喘息の発症予防
病態
4.喘息のフェノタイプと炎症
5.アレルギー性炎症における好酸球の役割
6.喘息における獲得免疫系の役割
7.2型自然リンパ球
8.マスト細胞と好塩基球
9.好中球
10.上皮細胞、線維芽細胞
11.気道平滑筋細胞─気流閉塞と気道リモデリングへの関与
12.ウイルス感染と喘息増悪
13.ステロイド抵抗性喘息
診断と治療・管理
14.喘息の診断
15.成人喘息の診断・管理のためのバイオマーカー
16.喘息増悪の危険因子
17.『喘息予防・管理ガイドライン(JGL)2021』改訂のポイント;成人
18.最新の喘息ガイドラインのポイント;小児
19.家庭での喘息症状および発作への自己管理─ICS/ホルモテロール頓用を含めて
20.気管支喘息の急性増悪の治療
21.抗体医薬─2021-2022のアップデート
22.喘息とCOPDオーバーラップ(ACO)/喘息と気管支拡張症オーバーラップ
23.咳嗽と喀痰への対処
注目の話題
24.COVID-19と喘息・喘息治療薬
25.気管支サーモプラスティ─評価と課題
26.喘息におけるアレルゲン免疫療法
27.N-ERD、NSAID-ERD、NSAIDs過敏喘息
28.鼻炎、副鼻腔炎と喘息
29.アレルギー性気管支肺真菌症
30.肥満と喘息重症化
・薬物性肝障害(drug-induced liver injury:DILI)の多くは予測不能であり、肝細胞障害型では劇症化して死に至ったり、肝移植になる場合もあるが、その発生機序もほとんどが不明のままである。
・近年、肝障害のタイプ別では胆汁うっ滞型が減少し、肝細胞障害型が増加している。また起因薬にも変化がみられ、抗悪性腫瘍治療薬の頻度が増加している。
・本特集ではDILIの最新の知見についての執筆を、わが国の最先端の先生方にお願いした。読者の日常診療に有益なものになることを期待したい。
■ 薬物性肝障害の最新トピック
・はじめに
・薬物性肝障害発症機序と分類の最新理解
〔key word〕中毒性肝障害、アレルギー特異体質性、代謝特異体質性、間接型肝障害
・薬物性肝障害発症に関連するバイオマーカー
〔key word〕薬物性肝障害(DILI)、バイオマーカー、ゲノム、タンパク質
・薬物性肝障害の起因薬の変遷
〔key word〕薬物性肝障害、起因薬、健康食品、抗悪性腫瘍薬
・薬物性肝障害の診断
〔key word〕薬物性肝障害(DILI)、診断基準
・健康食品による肝障害
〔key word〕薬物性肝障害(DILI)、健康食品、サプリメント
・免疫チェックポイント阻害薬による肝障害
〔key word〕免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、免疫関連有害事象(irAE)、自己免疫性肝炎(AIH)、B型肝炎ウイルス(HBV)再活性化
・薬物性肝障害による急性肝不全とACLF
〔key word〕急性肝不全、acute-on-chronic liver failure(ACLF)、B型肝炎ウイルス再活性化、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬
●TOPICS
循環器内科学
・Cyclic GMP-Protein Kinase Gシグナルを標的とした新たな心不全治療戦略
脳神経外科学
・転移性脳腫瘍の個別化治療
免疫学
・Non-Coding DNA領域による制御性T細胞分化メカニズム
●連載
オンラインによる医療者教育
・22.コロナ時代の研修医リクルート
〔key word〕卒後教育、研修医、リクルート
COVID-19診療の最前線からーー現場の医師による報告
・14.米国の臨床現場からの報告ーーニューヨーク市での感染爆発を経験して
バイオインフォマティクスの世界
・3.プロテオミクスと質量分析ーー疾患の現場にいたのはどの遺伝子だ?
〔key word〕プロテオミクス、腸内細菌、質量分析、バイオインフォマティクス、タンパク質配列データベース
●フォーラム
中毒にご用心ーー身近にある危険植物・動物
・7.マグロ、カツオなど(ヒスタミン魚中毒)--保存状態の悪いものを食べると……
●速報
・先天性心疾患成人における癌併発ーー当施設での実態
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
日本におけるCOVID-19診療の貴重なアーカイブ!
●新型コロナウイルスの流行初期、医療従事者やウイルス学研究者たちは、いかにしてCOVID-19へ立ち向かったのかーー。
●ダイヤモンドプリンセス号での感染制御、クリニック・介護施設での予防策、専門家会議の実績と課題など、COVID-19診療の最前線に携わった執筆陣による、パンデミックとの激闘を記した貴重なアーカイブ!
●妊婦のCOVID-19感染や、COVID-19による虚血性脳卒中への影響、COVID-19後遺症、ウイルス感染後疲労症症候群および筋痛性脳髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)についてなど、今もなお課題であるトピックスについても解説。
【目次】
1.コロナ禍で明らかになった課題:臨床研究とPCR検査
2.COVID-19の疫学
3.SARS-CoV-2のウイルス学的特徴と変異
4.新型コロナウイルスの免疫逃避機構と重症化メカニズム
5.血栓症と炎症:多臓器不全・多様な症状への進行機序
6.新型コロナウイルス感染症の臨床像
7.新型コロナウイルス検査の性能と利用法
8.介護・医療施設における感染予防策・クラスター対策
9.クリニックにおける感染症予防策とPCR検査センター設置
10.クルーズ船と災害時感染制御支援チーム
11.COVID-19の薬物治療
12.呼吸療法
13.呼吸療法:侵襲的人工呼吸管理とECMO概論
14.専門家会議
15.COVID-19患者の宿泊療養
16.米国の臨床現場からの報告
17.妊婦のCOVID-19感染
18.COVID-19による虚血性脳卒中リスクへの影響
19.COVID-19後遺症
20.ウイルス感染後疲労症候群および筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の基礎と臨床
・日本アレルギー学会(JSA)では、2022年8月末に世界アレルギー機構(WAO)の「アナフィラキシーガイダンス2020」をベースに、アナフィラキシーガイドラインを8年ぶりに改訂した。
・診断基準が3つから2つに簡素化され、アレルゲンの曝露や曝露が疑われる場合には、単独の呼吸器症状(気管支攣縮・喉頭症状)でもアドレナリンの筋肉注射を躊躇わないでより積極的に行っていく方針が示された。
・本特集では、原因別のアナフィラキシーの詳細、場面別(学校、周術期)などに関して第一人者の先生方に執筆していただく。アナフィラキシーのへの対応が改善することを期待したい。
■アナフィラキシーup to date 2024
・はじめに
・「アナフィラキシーガイドライン2022」のポイント
〔key word〕アナフィラキシー、ガイドライン、アドレナリン自己注射薬
・アナフィラキシーの疫学
〔key word〕アナフィラキシー、医薬品、疫学、昆虫毒、食物
・食物によるアナフィラキシー
〔key word〕食物、アナフィラキシー、IgE
・学校におけるアナフィラキシー対応
〔key word〕エピペン®、学校、食物アレルギー
・昆虫刺傷とアナフィラキシー
〔key word〕昆虫刺傷、ハチ毒、アナフィラキシー、携帯型アドレナリン自己注射製剤(エピペン®)、アレルゲン免疫療法
・薬物によるアナフィラキシー
〔key word〕アナフィラキシー、IgE、IgE非介在性、MRGPRX2
・周術期のアナフィラキシー
〔key word〕筋弛緩薬、抗菌薬、トリプターゼ、ヒスタミン、好塩基球活性化試験(BAT)
●TOPICS 麻酔科学
・レミマゾラムーーわが国からのエビデンス
●TOPICS 癌・腫瘍学
・横紋筋肉腫の悪性度を決定する分子メカニズム
●連載 臨床医のための微生物学講座(6)
・侵襲性B群溶血性連鎖球菌感染症ーー高齢者〜新生児/乳児〜基礎疾患保有者における疾患のひとつとして
〔key word〕B群溶血性連鎖球菌(GBS)、侵襲性感染症、高齢者、新生児/乳児、基礎疾患保有者
●連載 緩和医療のアップデート
・はじめに
●連載 緩和医療のアップデート(1)
・在宅における緩和ケア
〔key word〕在宅医療、地域緩和ケア、呼吸困難、疼痛、カヘキシー
●FORUM 世界の食生活(15)
・食べるために生きる?--フランスにおける美食と健康の哲学
●FORUM 死を看取るーー死因究明の場にて(7)
・脳死2
●FORUM 数理で理解する発がん(9)
・ランダムウォーク
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
≪本誌の特長≫
●次代を担う臨床検査技師のための総合臨床情報誌。
●臨床検査業務に即応した最新情報を、より幅広くより豊かにビジュアルな誌面で提供し、わかりやすく解説・紹介。定評ある基本技術の解説とともに、診療支援の強化やチーム医療への参加といった時代のニーズに応える知識・情報を豊富に掲載!
≪特集テーマの紹介≫
●腸管感染症・食中毒の病原体は多岐にわたるため、検出や同定をするには、病原体についての知識とともに、目的に応じた検査を的確に選択・実施するスキルが求められます。
●本特集では、「腸管感染症と食中毒 Up to date」と題し、腸管感染症・食中毒の定義や種類などの基礎知識から、検体採取・保存の注意点、病原体別の検査のポイント、効率的な日常検査の組み立て方といった実践的な内容まで詳しく解説!
【目次】
1.腸管感染症・食中毒の基本
2.検体採取から検査までの注意点
3.病原体別の検査法
1)腸内細菌目細菌
2)その他のグラム陰性桿菌
3)グラム陽性菌
4)抗菌薬関連下痢症の微生物検査
5)ウイルス
6)腸管寄生性の原虫類
4.効率的な日常検査の組み立て方
■Editorial-今月のことば
視点を変える
■話題ーNEWS&TOPICS
『遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診療ガイドライン2021年版』が発行に
超音波検査室の精度認定制度に向けた日本超音波検査学会の取り組み
この先どうなる?どう変わる?未来の治療“CAR-T細胞療法”とそのシステム管理
■技術講座
甲状腺エコーにおける腺腫様結節・腺腫様甲状腺腫と濾胞性腫瘍との鑑別
■FOCUS
Clostridioides(Clostridium)difficile感染症(CDI)の検査室マネジメント
血流維持型汎用血管内視鏡により大動脈自然破綻プラークから採取した血液におけるコレステロール結晶の検出・観察法
■呼吸機能検査の苦手意識をなくそう! 2.スムーズな検査の実践へ
5)睡眠時無呼吸検査(PSG と簡易型睡眠時無呼吸検査)のポイント
■歴史に学ぶ 病理技術
5.矢島権八先生と矢島のPAM染色
■解説 診療報酬改定
令和4年度診療報酬改定の要点ー検体検査にかかわる改定を中心に
■臨床検査Q&A
尿沈渣検査における、異型細胞とウイルス感染細胞の区別のポイントを教えて下さい
■学会レビュー
第47回日本超音波検査学会学術集会
■編集部レポート
一般社団法人 日本臨床検査学教育協議会 第17回定時総会(令和4年度)
■LABO LIFE-私の仕事・私の明日
食品衛生監視員として働く
■L・Lの日常
L・Lの日常
・潰瘍性大腸炎やクローン病に代表される炎症性腸疾患(IBD)は日本における患者数増加が著しく、これを専門としない消化器医も診療する機会が増え、診断・治療について、よく理解しなくてはならない疾患となっている。
・本特集では、IBDのトップランナーの先生に執筆をお願いした。現在および将来のIBD診断や治療を俯瞰して理解できるようになり、難治例については適切なタイミングで専門施設へ紹介されるようになることを期待したい。
・すべてのIBD患者に適切な診断、疾患活動性評価、および積極的で適切な治療選択が行われ、予後が改善されることに、本特集が寄与することを期待したい。
■ 炎症性腸疾患 -診療と研究の最新情報
・はじめに
・腸内細菌と粘膜免疫から見た炎症性腸疾患の病態
〔key word〕腸内細菌、Th17、制御性T細胞(Treg)
・炎症性腸疾患における新規薬剤の使い分け
〔key word〕炎症性腸疾患(IBD)、抗TNF-α抗体製剤、抗接着分子抗体製剤、抗IL-12/23 p40抗体製剤、JAK阻害薬
・炎症性腸疾患における画像検査の疾患活動性評価とTreat-To-Targetの意義
〔key word〕炎症性腸疾患、大腸内視鏡検査、Treat-To-Target(T2T)
・炎症性腸疾患におけるバイオマーカーによる疾患活動性評価とTreat-To-Targetにおける役割
〔key word〕バイオマーカー、粘膜治癒、Treat-to-Target(T2T)、Leucine-rich alpha 2 glycoprotein(LRG)
・スペシャルシチュエーション(高齢IBD患者、妊娠)における課題
〔key word〕高齢者、妊娠前教育、日和見感染、胎児毒性、悪性腫瘍、胎児毒性
・炎症性腸疾患におけるレジストリ研究ーー明らかになる臨床課題
〔key word〕レジストリ、コホート、QOL、患者報告型アウトカム
・再生医療研究から生まれる将来の新規非薬物治療
〔key word〕粘膜治癒、腸管上皮幹細胞、再生医療
●TOPICS
循環器内科学
・プロテインキナーゼNが関与する心不全の新規メカニズム
輸血学
・東京オリンピック・パラリンピックに向けた輸血の新興・再興感染症対策ーー新型コロナウイルスの影響は?
神経精神医学
・腸内細菌と脳機能、ビフィズス菌による認知機能改善作用の可能性
●連載
臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学
・22.免疫疾患とゲノム医科学
〔key word〕自己免疫疾患、遺伝因子、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、ヒト免疫学、ゲノム機能学
バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用
・18.生物に学ぶ水中防汚技術
〔key word〕高分子電解質、ポリマーブラシ、親水性、防汚性、生物汚損
●フォーラム
パリから見えるこの世界
・99.プラトンの『テアイテトス』、あるいは「真に知る」ということ
天才の精神分析ーー病跡学(パトグラフィ)への誘い
・15.童謡詩人 金子みすゞ--心の軌跡
●速報
・全国国民健康保険診療施設協議会会員病院施設職員における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染状況把握のための血清疫学調査
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
わが国におけるワクチン開発の新展開を各分野のエキスパートが解説!
●コロナ禍を経て、ワクチン開発は、その基礎研究から開発研究にかけて各方面から多くのシーズやイノベーティブなプラットフォームなどの発見、発明が生まれている。
●本書では、日本でも活性化されたワクチン開発の新展開、とくにワクチン設計のサイエンスともいえる内容について、各領域で活躍する第一線の執筆陣が最新の知見と情報を提供。
●未知の感染症への備えの基盤となり、若い研究者の好奇心をくすぐり、次なる破壊的イノベーションへのヒントを示唆する一冊!
【目次】
総論
1.新型コロナウイルスのパンデミック収束のためのワクチンサイエンス
2.自然免疫アジュバントを用いた新規粘膜ワクチン開発
3.COVID-19からみえた獲得免疫記憶の特性
4.粘膜面における獲得免疫と感染防御
5.弱毒生ワクチンと不活化ワクチン
6.SARS-CoV-2特異的T細胞クロノタイプとエピトープ解析
7.アジュバント─in situワクチン,感染症予防,非感染性疾患への応用
8.機械学習によって加速される次世代アジュバント開発
9.SARS-CoV-2 Spike L452R変異は,細胞性免疫の逃避と感染性上昇に寄与する
10.安全性研究からのワクチン・アジュバント設計
11.有機合成化学研究からのワクチン,アジュバント設計─ワクチンアジュバント開発における有機合成化学の貢献と新たな取り組み
各論
【Non-viral vector】
12.プラスミドDNAベクターワクチン設計のサイエンス
13.新規創薬・ワクチンモダリティとしてのmRNA
14.RNA創薬を支える縁の下の力持ち─pH感受性脂質
【Viral vector】
15.アデノウイルスベクターワクチン設計のサイエンス─COVID-19に対するワクチン開発を中心に
16.ヘルペスウイルスベクターワクチン設計のサイエンス
17.麻疹ウイルスベクターワクチン
18.センダイウイルスベクターワクチン設計のサイエンス
19.組換え多価ワクチンベクターとしての水痘生ワクチンの可能性
20.ワクシニアウイルスベクターワクチンの設計
21.ヒトパラインフルエンザ2型ウイルスを用いた結核ワクチンの開発
【Bacterial vector】
22.BCGベクターワクチン設計のサイエンス
【Phage vector】
23.細菌に感染するバクテリオファージを担体とするファージワクチン設計
・一時代前には、細胞死は生存プロセスの崩壊によってもたらされる受動的な生命現象であると認識されていたが、現在は能動的な現象であり、生体の恒常性維持、ストレス応答などに必要な生命現象であると理解されている。
・細胞死研究はネクローシスとアポトーシスに二極化して考えられていた時期があったが、現在はネクロプトーシスやオートファジー細胞死など、多様な細胞死が存在していることが明らかとなっている。
・細胞死の基礎的研究は細胞死の多様性の発見によって新たなフェーズに入っているが、疾患研究においても、従来のアポトーシスからのアプローチが深化するとともに、多様な細胞死の概念が導入されつつある。
■ 細胞死のすべて -そのメカニズムと,生命現象・疾患との関わり
・はじめに
●アポトーシスと非アポトーシス細胞死
・細胞死研究の歴史ーーいかにして細胞死がホットトピックになったか
〔key word〕計画細胞死、アポトーシス、パイロトーシス、ネクローシス、ネクロプトーシス
・ミトコンドリアを経由するアポトーシス
〔key word〕ミトコンドリア外膜透過性亢進、Bcl-2ファミリータンパク質、シトクロムc、Apaf-1、BH3-mimetic薬
・デスレセプターを介したアポトーシス
〔key word〕TNF(tumor necrosis factor)レセプターファミリー、Fas(FS-7-associated surface antigen)、FADD(Fas-associated death domain)、カスパーゼ8
・カスパーゼによるアポトーシスの実行
〔key word〕細胞死、アポトーシス、カスパーゼ、システインプロテアーゼ、ブレビング
・ネクロプトーシスの分子機構と意義
〔key word〕ネクロプトーシス、ネクローシス、RIPK3、MLKL、炎症性疾患
・オートファジー細胞死
〔key word〕オートファジー細胞死、アポトーシス、BH3-onlyタンパク質
・パイロトーシスーー炎症をつかさどる“燃える”細胞死
〔key word〕パイロトーシス、ガスダーミンD(GSDMD)、インフラマソーム、IL-1β、NINJ1
・ネトーシスの誘導機構とその感染症における役割
〔key word〕好中球、ネトーシス、好中球細胞外トラップ(NETs)、新興感染症、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
・フェロトーシス(鉄依存性細胞死)--転写因子NRF2とBACH1による競合的制御とフェロトーシス伝播現象
〔key word〕フェロトーシス、転写因子、NRF2(nuclear factor-erythroid 2-related factor 2)、BACH1(BTB and CNC homology 1)、細胞死伝播
・ミトコンドリア膜透過性遷移を介したネクローシス
〔key word〕ネクローシス、ミトコンドリア膜透過性遷移(mPT)、シクロフィリンD(CypD)、虚血再灌流障害
●死細胞の行方
・脂質スクランブルによる“eat me”シグナルの提示
〔key word〕フリッパーゼ、スクランブラーゼ、“eat me”シグナル、脂質スクランブル、Xkrファミリー
・ゴーシェ病における神経細胞死誘導の新たな分子機構
〔key word〕ゴーシェ病、神経細胞死、β-グルコシルセラミド(β-GlcCer)、Mincle(macrophage inducible C-type lectin)、ミクログリア
・マクロファージによる死細胞貪食とその意義
〔key word〕マクロファージ、貪食、自己認識
●さまざまな細胞機能と細胞死
・小胞体ストレスと細胞死
〔key word〕小胞体ストレス、ストレス応答、小胞体ストレスセンサー、アポトーシス
・核小体ストレスによる細胞死と病態
〔key word〕ストレス、核小体、リボソーム
・細胞競合を制御する分子機構
〔key word〕細胞競合、ショウジョウバエ、細胞死、オートファジー
・治療ターゲットとしての細胞老化とその機能
〔key word〕細胞老化、細胞死、セノリティックス、SASP(senescence-associated secretory phenotype)
・ASK1と細胞死
〔key word〕ASK1(apoptosis signal-regulating kinase 1)、アポトーシス、ネクローシス、ストレス応答、酸化ストレス
・生死を制御するJNKシグナル伝達経路
〔key word〕JNK(c-Jun N-terminal kinase)、アポトーシス、オートファジー依存的細胞死、細胞生存
●さまざまな生命現象と細胞死
・発生と組織修復におけるカスパーゼの非細胞死性の機能
〔key word〕カスパーゼ、非細胞死性の機能、発生、組織修復
・成体脳におけるニューロンの細胞死と再生
〔key word〕細胞死、再生、ニューロン新生、脳室下帯、嗅球
・骨形成と細胞死
〔key word〕骨形成、プログラム細胞死、軟骨内骨化、膜内骨化(膜性骨化)、骨のリモデリング
・死細胞からのdanger-associated molecular patternsの放出機構
〔key word〕Danger-associated molecular patterns(DAMPs)、細胞膜障害、ネクロプトーシス、イメージング、Live cell imaging for secretion activity(LCI-S)
・自己免疫と細胞死
〔key word〕Damage-associated molecular patterns(DAMPs)、ネトーシス(NETosis)、全身性エリテマトーデス(SLE)、CD72、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎
・パイロトーシスによる自然炎症とその制御ーーオルガネラを標的とする新たな抗炎症薬の開発
〔key word〕自然炎症、パイロトーシス、NLRP3インフラマソーム、オルガネラ
●疾患と細胞死
・神経変性疾患における細胞死研究
〔key word〕神経変性疾患、神経毒性、凝集体、フィブリル、タンパク分解機構
・がんの細胞死回避戦略としてのワールブルグ効果とカルジオリピン代謝を制御するMieap液滴について
〔key word〕液滴、相分離、非膜オルガネラ、カルジオリピン、代謝反応、ワールブルグ効果、p53、 がん抑制
・非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と細胞死
〔key word〕非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アポトーシス、ネクロプトーシス、フェロトーシス
・メタボリックシンドロームと細胞死
〔key word〕慢性炎症、メタボリックシンドローム、肥満、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、マクロファージ
・自己炎症性疾患と細胞死
〔key word〕自己炎症性疾患、インフラマソーム、ピロトーシス
・皮膚疾患と細胞死ーー表皮角化細胞アポトーシスとリンパ球のダイナミクス
〔key word〕表皮真皮境界部皮膚炎、移植片対宿主病(GVHD)、アポトーシス
・脳梗塞における神経細胞死の誘導機序
〔key word〕脳梗塞、興奮毒性、神経細胞死、ダメージ関連分子パターン(DAMPs)
・放射線による細胞死と組織障害
〔key word〕放射線、DNA損傷、DNA損傷修復、組織障害、ベルゴニー・トリボンドーの法則
●細胞死を応用した創薬
・アポトーシス抵抗性BCL2ファミリー阻害薬BH3-mimetic drugsの基礎と臨床
〔key word〕BH3-mimetics、BCL-2、ベネトクラクス、がん
・IAPの医薬品開発ーーIAPアンタゴニストとSNIPER
〔key word〕IAP(inhibitor of apoptosis protein)アンタゴニスト、がん免疫療法、SNIPER(specific and nongenetic IAP-dependent protein eraser)、PROTAC(proteolysis targeting chimera)、targeted protein degradation
・TRAIL創薬
〔key word〕TRAIL、DR5、DR4、アポトーシス、がん
●細胞死解析技術とその応用
・ケミカルバイオロジーを用いた細胞死の解析
〔key word〕ケミカルバイオロジー、ラマンイメージング、アフィニティラベリング
・二分割発光タンパク質の再構成法を用いる細胞死イメージング
〔key word〕蛍光タンパク質、ルシフェラーゼ、アポトーシス
・蛍光タンパク質レポーターを利用した細胞死イメージング
〔key word〕蛍光タンパク質、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、キナーゼ局在変化レポーター(KTR)、アポトーシス、パイロトーシス、ネクロプトーシス、イメージング
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・本特集では、臨床において重要であり、かつ日本から優れた仕事がでている自己免疫性肝疾患のテーマを選び、それぞれのエキスパートに執筆をお願いする。
・自己免疫性肝炎(AIH)は中年以降の女性に好発する肝炎である。原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、中年以降の女性に好発する慢性進行性の胆汁うっ滞性肝疾患である。
・原発性硬化性胆管炎(PSC)は肝内外の胆管に多発性・びまん性の狭窄が生じ、胆汁うっ滞をきたす慢性肝疾患である。
■ 自己免疫性肝疾患 ─いま何が問題となっているのか?
・はじめにーー自己免疫性肝疾患の基礎知識
・自己免疫性肝炎ーー急性肝不全の隠れた成因?
〔key word〕急性肝不全、自己免疫性肝炎(AIH)、急性肝炎様発症(AP)、急性肝炎期、急性増悪期
・原発性胆汁性胆管炎の予後予測
〔key word〕原発性胆汁性胆管炎(PBC)、予後予測、GLOBE score、UK-PBC risk score
・自己免疫性肝炎・原発性胆汁性胆管炎のオーバーラップ
〔key word〕自己免疫性肝炎(AIH)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、オーバーラップ症候群
・原発性硬化性胆管炎の発症への腸内細菌の関与
〔key word〕原発性硬化性胆管炎(PSC)、腸内細菌、バクテリアルトランスロケーション、胆汁うっ滞、Th17細胞
・自己免疫性肝疾患患者のQOL
〔key word〕生活の質(QOL)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、自己免疫性肝炎(AIH)、原発性硬化性胆管炎(PSC)
・小児の自己免疫性肝疾患
〔key word〕原発性硬化性胆管炎(PSC)、自己免疫性肝炎(AIH)、炎症性腸疾患(IBD)、肝移植
・自己免疫性肝疾患に対する肝移植
〔key word〕肝移植、自己免疫性肝炎(AIH)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)
●TOPICS
細胞生物学
・サイクリックAMP濃度を光で一過的に操作する分子ツールの開発
腎臓内科学
・Meflinを発現する血管周囲間葉系細胞の腎線維化における役割
●連載
人工臓器の最前線
・15.人工膵臓の現状と将来展望
〔key word〕人工膵臓療法、外科的糖尿病、ベッドサイド型人工膵臓
医療AI技術の現在と未来ーーできること・できそうなこと・できないこと
・10.医療時系列データへのAI応用
〔key word〕時系列、RNN、Transformer、PhysioNet
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・4.AIを用いた内視鏡画像診断支援
〔key word〕上部消化管内視鏡、大腸内視鏡、胃癌、大腸癌、食道癌、人工知能、computer-aided diagnosis
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・12.ミャンマーの人々の団結と行動ーーコロナとクーデターの二重苦のなかで
●速報
・小児が発端者である新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の家庭内感染調査
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・多くの臨床医は血小板数が低下すると出血傾向を心配し、血小板製剤を輸注したくなる。しかしなかには、重大な血栓傾向をきたす疾患が隠れており、血小板輸注により病態が増悪し致死的となる場合もある。
・したがって、血小板減少に遭遇したら、まずは血栓症をきたす疾患を頭の隅におきながら、病態把握と治療の選択を迅速に行わなければならない。
・本特集では、出血をきたす血小板減少性疾患と血栓傾向をきたす血小板減少性疾患の両者を紹介し、その血小板減少をきたす病態や診断法を学び、適切な治療を選択できるようになることを目的とする。
■出血傾向あるいは血栓傾向をきたす血小板減少症と血小板機能異常症
・はじめに
●【出血傾向をきたす血小板減少症・機能異常症】
・免疫性血小板減少症/特発性血小板減少性紫斑病(ITP)--診断、検査、治療の最新の知見
〔key word〕網状血小板比率(RP%)、幼若血小板比率(IPF%)、ホスタマチニブ、エフガルチギモド
・先天性血小板減少症ーー病態、診断、検査、治療
〔key word〕遺伝子パネル解析、フローサイトメトリー、免疫蛍光染色、免疫性血小板減少症(ITP)
・先天性血小板機能異常症
〔key word〕血小板活性化、血小板凝集、出血傾向、GP2b-3a
・後天性血小板機能異常症
〔key word〕後天性血小板機能異常症、アスピリン、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
・後天性フォン・ヴィレブランド症候群
〔key word〕フォン・ヴィレブランド因子(VWF)、ずり応力、血管異形成、ADAMTS13
●【血栓傾向をきたす血小板減少症】
・血栓性血小板減少性紫斑病ーー病態、診断、治療の最新知見
〔key word〕血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、ADAMTS13、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)、リツキシマブ、カプラシズマブ
・非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)--疾患概要と抗補体治療時代の治療戦略
〔key word〕血栓性微小血管症(TMA)、補体介在性TMA、血漿交換、エクリズマブ
・ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)とヘパリン以外が原因となるHIT
〔key word〕anti-PF4 disorder、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)、ワクチン起因性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)、免疫学的測定法、機能的測定法
●【再生医療】
・間葉系幹細胞由来血小板様細胞の医療応用ーー再生医療等製品の開発への取り組み
〔key word〕血小板、間葉系幹細胞(MSC)、脂肪組織、難治性皮膚潰瘍、再生医療等製品
●TOPICS 社会医学
・COVID-19ワクチン接種状況と接種証明書の活用
●TOPICS 神経精神医学
・精神・神経疾患のニューロモデュレーション治療
●連載 医療システムの質・効率・公正ーー医療経済学の新たな展開(24)(最終回)
・健康・ウェルビーイング志向の社会システムづくり
〔key word〕健康志向の社会システム、地域共生社会、経済競争力、産官学民協働、データ駆動の健康まちづくり
●連載 遺伝カウンセリングーーその価値と今後(14)
・がん診療における遺伝カウンセリング
〔key word〕遺伝性腫瘍、遺伝学的検査、遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)
●連載 臨床医のための微生物学講座(4)
・肺炎球菌ーーワクチン導入により変化する肺炎球菌感染症
〔key word〕肺炎球菌感染症、血清型、肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)、薬剤耐性
●FORUM 世界の食生活(13)
・世界の病院食ーー世界の病人は何を食べているのか
●FORUM 死を看取るーー死因究明の場にて(5)
・生と死の境界線5
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
1細胞解析の技術開発の最先端の状況と、日本で得られた1細胞解析での成果を解説!
●ヒトのような多細胞生物はさまざまな細胞から構成されており、リンパ球や線維芽細胞のように、同じように見える細胞でも、がん細胞の隣にいる場合と毛細血管の隣にいる場合とでは、遺伝子発現は異なります。
●具体的にどう異なるのか?この問いに答えることのできるレベルまで、ついにオミクス解析の技術レベルが向上してきています。
●本特集では前半を技術編とし、この技術開発の最先端の状況を紹介し、後半には応用編として日本で得られた1細胞解析での成果を紹介します。
【目次】
技術
1.1細胞エピゲノム解析技術開発の最前線
2.1細胞プロテオーム解析はどこまできたか
3.1細胞メタボローム解析の現状
4.ライブイメージングによる1細胞動態解析
5.組織切片の空間トランスクリプトーム解析
6.1細胞ゲノム解析で多様な細菌叢を捉える
7.電気化学的なケミカルイメージングによる実時間1細胞解析
8.1細胞トランスクリプトームデータの解析技術
9.国際動向─Human Cell Atlasプロジェクト
応用
10.感染症の1細胞解析
11.新型コロナウイルス感染症の1細胞解析
12.免疫系の1細胞解析による転写制御機構の予測
13.1細胞解析でがん免疫療法に迫る
14.百寿者免疫細胞の1細胞トランスクリプトーム解析
15.発生・再生研究における1細胞遺伝子発現解析の現状
16.1細胞解析からわかる循環器病態
17.精神疾患患者試料を使用した1細胞研究の現在
18.がん治療における薬剤応答性の1細胞解析
・「われわれの病院には攻撃する価値のあるような重要な情報はないよ」とよく言われる。しかし、攻撃者が実際に人質にするのは“データ”ではなく“診療の継続”であり、すべての医療機関が攻撃対象になりうる。
・サイバー攻撃は、侵入から情報の詐取、身代金の受け取りまで、一連の過程が見えにくく、対策の重要性が十分に認識されにくい。また、外部からの攻撃だけでなく、大量に収集・管理する診療情報や、生成AI利用時に入力する情報など、内部からの情報流出リスクにも警戒が必要になっている。
・本特集が、医療機関でのサイバーセキュリティや診療情報の保護を再考する契機となることを期待したい。
■サイバーセキュリティと医療情報保護
・はじめに
・日本の医療機関に対するサイバー攻撃の状況ーーNCGMにおける実際の事例から学ぶ
〔key word〕サイバー攻撃、仮想専用通信回線(VPN)、多要素認証(MFA)、人的対策
・海外の医療機関等に対するサイバー攻撃事例
〔key word〕ランサムウェア、情報漏洩、身代金、訴訟
・医療機関におけるサイバー攻撃の具体的手法
〔key word〕VPN、電子保存の三原則、EDR、ランサムウェア攻撃、IT-BCP
・サイバー攻撃から医療機関を守るにはーーランサムウェアによる電子カルテシステム障害を経験した病院が伝えたいこと
〔key word〕サイバー攻撃、ランサムウェア、サプライチェーン攻撃、BCP(Business Continuity Plan)
・ランサムウェア感染からの復旧作業ーー電子カルテベンダーの視点
〔key word〕ランサムウェア、サイバーインシデント、システム復旧、セキュリティ対策
・サイバー攻撃にいかに備えるかーー企業が提供するサイバー防御のためのサービス
〔key word〕サイバーセキュリティ、リスクアセスメント、サイバー攻撃、ランサムウェア
・医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策
〔key word〕サイバー攻撃、サイバー攻撃を想定した事業継続計画(IT-BCP)、医療機関
・医療機関に求められるサイバーセキュリティ対策とクラウド型AIサービスの活用
〔key word〕サイバーセキュリティ、AI、SaMD、クラウド、医療DX
・AI開発・使用に関する医療分野の個人情報の保護
〔key word〕要配慮個人情報、クローリング・アルゴリズム・プロンプトの個人情報保護の位置づけ、個人情報保護法 改正後3年ごと見直し、AI事業者ガイドライン、匿名加工情報、仮名加工情報
・「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が求めるサイバーセキュリティ対策
〔key word〕医療情報システムの安全管理に関するガイドライン、厚生労働省、ITガバナンス、ゼロトラストネットワーク、事業継続計画(BCP)
●TOPICS 細菌学・ウイルス学
・B型肝炎ウイルスが感染受容体に結合するしくみ
●TOPICS 社会医学
・ノンアルコール飲料の提供による飲酒量減少効果
●連載 自己指向性免疫学の新展開ーー生体防御における自己認識の功罪(19)
・T細胞による自己・非自己認識の相克ーーゆらぐ自己、曖昧な自己
〔key word〕胸腺、T細胞、胸腺上皮細胞(TEC)、交差反応
●細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望ーー臨床への展開(5)
・肝硬変に対する間葉系幹細胞を用いた肝再生治療ーー基礎研究から臨床への展開
〔key word〕間葉系幹細胞、肝硬変症、マクロファージ
●FORUM ノーベル生理学・医学賞2024
・小さな線虫が導いた偉大なマイクロRNAの発見と生命現象の新たな理解
●FORUM 戦争と医学・医療(7)
・医学における軍学共同・デュアルユースーー君軍事研究に手を染めたまふことなかれ
●FORUM 数理で理解する発がん(18)
・固定までの待ち時間
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・1990年代、循環器内科領域における血栓止血領域への興味は少なかった。心筋梗塞などの血栓症を診ていたのに、血栓止血の視点が少なかったのは不思議であった。
・その後、抗血小板薬としてクロピドグレルが開発され市場が拡大した。さらに、心房細動の脳卒中予防に経口の直接的凝固因子阻害薬(DOAC)が開発され、数兆円の市場規模に至った。
・今回の特集では基礎的、臨床的視点から血栓止血学における最近の進歩をエキスパートに解説いただく。診療に役立つのみならず、読者の皆様の学術活動に資することを期待する。
■ 基礎と臨床の両面から挑む血栓止血学
・はじめに
・血小板と血栓形成ーー機序と臨床的意義
〔key word〕血小板、止血、動脈血栓、静脈血栓
・循環器領域における抗血栓治療の現状
〔key word〕虚血性心疾患、抗血小板薬、抗凝固薬
・血栓止血におけるプロコアグラント血小板の役割
〔key word〕血小板プロコアグラント活性、血小板第III因子、血小板、マイクロパーティクル、リン脂質、非活性化GPIIb/IIIa
・脳血管疾患発症制御における抗血栓療法
〔key word〕抗血小板療法、抗凝固療法、再灌流療法、経静脈的線溶療法
・血流下における血小板を中心とした血栓形成シミュレーター
〔key word〕血小板、GPIbα、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)、血栓形成、シミュレーション
・血栓性疾患の病理
〔key word〕アテローム血栓症、プラーク破綻、静脈血栓症、癌関連血栓症
・COVID-19に伴う血栓症
〔key word〕新型コロナウイルス感染(COVID-19)、血管内皮細胞傷害、微小血栓、D-ダイマー、サイトカインストーム
・フォン・ヴィレブランド因子と血栓・止血
〔key word〕フォン・ヴィレブランド因子(VWF)、フォン・ヴィレブランド病(VWD)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、血栓症、出血
●連載
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・26.シラミ症(この白くうごめくモノは?)
〔key word〕アタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミ、殺虫剤耐性、心のケア
オンラインによる医療者教育
・12.診療科の魅力が伝わるオンライン実習ーー北海道大学産婦人科の事例
〔key word〕オンライン実習、外科基本手技の遠隔指導、シネメデュケーション、プロフェッショナリズム
ユニークな実験動物を用いた医学研究
・10.ショウジョウバエから見出された非典型的ドパミン放出による学習強化モデル
〔key word〕ショウジョウバエ、ドパミン、オンデマンド放出、学習強化、一酸化炭素
COVID-19診療の最前線からーー現場の医師による報告
・4.血栓症と炎症:多臓器不全・多様な症状への進行機序
●特報
・ウイルス感染症の制御機構
・ヒトT細胞白血病ウイルス1型の生き残り戦略と病原性
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・インスリン非依存性の血糖降下薬として登場したSGLT2阻害薬は、近年、心不全や慢性腎臓病への有効性も示され、適応が拡大している。現在では糖尿病以外の治療にも広く使用され、不可欠な治療薬となった。
・SGLT2阻害薬から得られる利益は大きいが、残余リスクについて検討を要し、また、未知の薬効や副反応などに関する課題も多い。そのため、処方にあたっては薬理・薬効の正しい理解が必須である。
・本特集では、SGLT2阻害薬の交感神経制御への影響、尿路感染や膀胱機能障害、腎保護効果、心筋保護効果、肝臓保護、サルコペニアへの影響について解説する。適切な処方を考える一助となることを期待したい。
■SGLT2阻害薬を再考するーー機序・効果・安全性の最新情報
・はじめに
・SGLT2阻害薬と交感神経活性
〔key word〕交感神経活性化、SGLT2阻害薬、糖尿病性自律神経障害、心血管自律神経障害(CAN)、COMT
・SGLT2阻害薬と尿路への影響
〔key word〕尿路感染症、SGLT2阻害薬、尿路結石、膀胱尿管機能
・SGLT2阻害薬と腎臓保護
〔key word〕アルブミン尿、推算糸球体濾過量(eGFR)、eGFR低下速度
・SGLT2阻害薬と心筋保護
〔key word〕心不全、糖尿病、慢性腎臓病、SGLT2阻害薬
・SGLT2阻害薬と肝臓保護
〔key word〕SGLT2阻害薬、MASLD、肝線維化
・SGLT2阻害薬とサルコペニア
〔key word〕サルコペニア、フレイル、ロコモティブシンドローム、骨格筋、異化
●TOPICS 社会医学
・へき地における納豆アレルギーの伝承に向き合う
●TOPICS 腎臓内科学
・紅麹サプリメントの健康被害ーー日本腎臓学会の調査から
●連載 臨床医のための微生物学講座(23)
・麻疹ウイルスーー麻疹排除状態の維持と今後の課題
〔key word〕麻疹ウイルス、遺伝子型、基本再生産数、乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン、麻疹排除
●連載 緩和医療のアップデート(18)
・便秘のエビデンスアップデートーー医師・看護双方から発刊されたガイドラインを紐解く
〔key word〕便秘、オピオイド誘発性便秘(OIC)、エコー、高齢者、便意
●連載 自己指向性免疫学の新展開ーー生体防御における自己認識の功罪(10)
・CAR-T細胞機能における内在性リガンド反応性TCRの功罪
〔key word〕T細胞受容体(TCR)、キメラ抗原受容体(CAR)、シグナロソーム、マイクロクラスター、腫瘍免疫
●FORUM 死を看取るーー死因究明の場にて(24)
・死因究明の実践7
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
≪本誌の特長≫
◆リハビリテーション科医ほか関連各科の医師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など、リハビリテーションに携わる医師とスタッフのためのビジュアルで読みやすい専門誌!
◆リハビリテーション領域で扱う疾患・障害を斬新な切り口から深く掘り下げつつ、最新の知識・情報を紹介。臨床でのステップアップを実現する、多彩な特集テーマと連載ラインナップ!
≪特集テーマの紹介≫
●がん、心疾患、呼吸器疾患、腎疾患等の内部障害に起因する栄養障害は、悪液質(cachexia、カヘキシア)の病態が関与すると考えられている。
●悪液質は、根治を目標とした疾患治療に際しその耐用性を著しく低下させ、予後悪化の促進要因となる。
●その背景を踏まえ、本特集ではリハビリテーションスタッフが知っておくべき概念から疾患別の悪液質まで、最前線で取り組む専門家が解説。
【目次】
悪液質の病態と診断
悪液質の運動療法
悪液質の栄養療法
がん悪液質とリハビリテーション
心臓悪液質とリハビリテーション
CKD患者の悪液質・Protein-energy wastingとリハビリテーション
COPDの悪液質とリハビリテーション
慢性肝疾患の悪液質とリハビリテーション
■新連載
巻頭カラー 症例でつかむ!摂食嚥下リハビリテーション訓練のコツ
1.脳血管障害に対する嚥下促通法のコツ
■連載
リハビリテーションスタッフがかかわるチーム医療最前線
8.九州北部の地域医療を担う特定機能病院である 久留米大学病院の取り組み
ニューカマー リハ科専門医
小川真央
新型コロナウイルス感染症とリハビリテーション医療
4. COVID-19患者への遠隔リハビリテーション治療の効果と課題
リハスタッフが知っておくべきプレゼン(学会発表・講演)のコツ
5.症例プレゼン:3. プレゼンテーションにさらに磨きをかけるために:自分の中を意識する
リハビリテーションと薬剤
4.リハビリテーションでよく遭遇する症状・症候と薬剤:1ふらつき・転倒
リハビリテーション職種が知っておくべき臨床統計:基礎から最新の話題まで
13. 信頼性と妥当性の検証
ヘルステックとリハビリテーション医療
5. 遠隔心臓リハビリテーション(リモハブ)
心に残ったできごとーリハビリテーション科の現場から
2つの病院で学んだリハビリテーション科医師としての礎
≪本誌の特長≫
●次代を担う臨床検査技師のための総合臨床情報誌。
●臨床検査業務に即応した最新情報を、より幅広くより豊かにビジュアルな誌面で提供し、わかりやすく解説・紹介。定評ある基本技術の解説とともに、診療支援の強化やチーム医療への参加といった時代のニーズに応える知識・情報を豊富に掲載!
≪特集テーマの紹介≫
●脳波検査に関して、「電極の付け方やアーチファクトの除去法」について知りたいという読者の皆様のお声にお応えし、今月は基礎にフォーカスした脳波検査の特集をお届けします。
●1章では脳波検査のスタートラインに立つための知識、2章では導出法や賦活法に加え、発作時対応やベッドサイドでの検査などを、3章では成人と小児の脳波を読む際のポイントや異常脳波をご紹介いただきます。4章では、チャレンジ編として7 つの症例を提示しています。3章までの知識をもとに、ぜひ判読に挑戦してみて下さい。
【目次】
1.超音波検査のパニック所見の現状
2.超音波検査のパニック所見を報告できる検査室の体制づくり
3.このパニック所見、どう対応しますか?
1)頭頸部
2)心臓
3)腹部(腹部血管を除く)
4)血管(腹部血管、分枝、末梢血管)
Editorial-今月のことば
Au revoir
学会レビュー
第14回穿刺液(胸水・腹水・髄液等)細胞鏡検技師養成プログラム
第3回認定寄生虫検査技師養成プログラム
【新連載】クライテリア確立のための細胞所見ー鑑別疾患と重要所見
1.呼吸器領域
FOCUS
慢性子宮内膜炎診断におけるCD138免疫組織化学染色
薬剤感受性検査データ(MIC)の読み方と耐性菌検査
グラム陽性菌編
3.β-Streptococcus
基礎講座
コンピュータクロスマッチの基本
MT Seminar
5類に移行した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にどう対処するか?
臨床検査技師のための資格ガイド
日本臨床一般検査学会編
3.認定寄生虫検査技師
臨床検査Q&A
尿定性検査と尿沈渣鏡検が乖離する点について知りたいです。