その企業城下町には、暗黙の階層があった。誰もが企業に繋がりをもつ町で、千人余りのエリート社員とその家族は子供の頃から万事優遇されていた。多数の工員の子弟には、高校入学時の特別試験を突破することで社員の子弟だけの高校に進めた。数々受けた屈辱への復讐心をバネに木原高志は、わずかな機会を生かし、ついに社員の仲間入りをする。娘に気に入られ、副社長の娘婿という他人もうらやむ座をつかんだかに見えたのだが!?
雨かんむりの漢字には、物語がたくさん詰まっている
「霽」(さい、はれる=晴れる)は雨かんむりの漢字だが、晴れるという意味を持つ。雨なのになぜ晴れの意味を持つのか。漢字の起源は呪術から始まっていると言われる。呪術師の重要な役目は「雨乞い」なので、いつ雨が降り出すのか、いつ止んでしまうのかに関心があった。「晴れ」という概念は無きにひとしく、「雨が止んだ時」という意味で「霽」が使われたのだ。雨の漢字をひもとくことで漢字の起源や中国の歴史や文学にも触れることができる、無類に面白い漢字エッセイ。
雨かんむり漢字読本・目次
1 雨の章
天から降るものは何もかも雨
三日続けば霖、一〇日だと霪?
涙はこぼれて零になる
霤と反逆者たちの系譜
永遠の命は露とともに
鬼の霍乱と男装の麗人
2 雲の章
雲は空想力をかき立てる!
深い霧のその中で
霞の色はどんな色?
大地に霾が吹き荒れて
3 雷の章
雷は激しく鳴り、電は鋭く光る
大地が震えるそのわけは?
霹靂という名のハイテク・カー
4 雪の章
すべてを雪に流しましょう
歴史の雹と文学の霰
わびしい霙の美しさ
厳しさは秋の霜のように
5 晴れの章
神よ、明日は霽れますか?
薄くてはかない霓の魅力
幽霊と需要と舞雩の台
女の子にも関わらずスカートや化粧は嫌い、恋愛対象は女性。
小学校時代からずっと“男装”をしてきた著者・やまだあがる。
オナベホストをしたものの、お酒が飲めず半年で辞職。
好きな女性からは性転換して結婚するよう迫られ破局。
仕事も恋愛もうまくいかない人生だったが、
ある日、自分と真逆の“女装男子”アンズちゃんと知り合い、
結婚を決意するーーー。
一見すると普通の夫婦、でも実は性別が逆転しているふたり。
ほのぼのとした小さな幸せを分け合って生きる夫婦の、愛と感動のストーリーです。
プロローグ
1章 男装女子と女装男子のおいたち
2章 男装女子と女装男子の出会い
3章 男装女子と女装男子の日常
エピローグ
手を繋いだこともない、超奥手な騎士団長様。
そんな彼のために、男のふりをして
1週間限定の恋愛指南をする……ハズでしたが!
私の正体に気づいた彼は豹変!?
同じベッドで迎える朝にドキドキッ。
寝ている私にこっそりキス……って、
女性が苦手って言ってましたよね!?
「君が好きだ。今すぐ、君の全てが欲しい」
目覚めた愛情は超濃厚!
止まらないエッチ、愛の囁きにとろけまくり!
30才の初恋は強烈すぎて、まるで息ができません!!
どのルートでも死ぬ悪役令嬢に転生したセシリア。ヒロインは女性だけが選ばれる神子候補となり、自分はライバルとして死ぬ。とにかく死ぬ。それなら【男】になってフラグ回避しようと、セシリアは男装することに。ところがイベントを間違えて、義弟・ギルバートの代わりに神子を守る騎士になっちゃった!! しかも将来自分を断罪する王太子・オスカーにやたらと絡まれて……!? 女バレ=即死亡!? 目指せ、平和なのほほん生活!
どのルートになっても死ぬ悪役令嬢に転生したセシリアは、フラグ回避のため男装!
秘密を知る義弟・ギルバートにフォローされながらも、フラグをやり過ごしている。
平和な日常……のはずが、沈黙を貫いていた殺人鬼<キラー>が突如動き出し大ピンチ!
さらに王太子(兼婚約者)のオスカーに、本当はセシリアであることがバレそうになって!?
次から次へとやってくる死亡フラグの行方はいかに。絶好調WEB発ラブコメ第2弾!
人生初の婚活パーティーに参加するも、惨敗に終わったもえは、失意の帰り道で再会した宮野に励まされ、なんとか気持ちを立て直す。
大規模なパーティーは自分に向かないと気づいたもえは、
少人数の婚活パーティーや、相席制の居酒屋にも挑戦してみるが、とんでもない事態に巻き込まれてーーー?
男装女子の、悲喜入り混じるドタバタ婚活劇!
男装カフェで働いていることを、宮野にひた隠しにしているもえを見て、海野は「宮野のことが好きなのか?」ともえに問う。しかし肝心のもえは「好き」という感覚がイマイチつかめないでいた。そんな中、大学時代の元カレと再会し、もえの婚活模様にさざ波が…?そして臨時店舗も決まった矢先、海野は本社への異動が決定してーー。仕事も、恋も、転換期!?がむしゃらに挑んだ婚活の先に、見えた景色とは…?
本書は、国境線が幾度も引き直され、民族・文化・言語の混成が進んだポーランド北部・西部国境地帯が、社会主義末期ポーランドからドイツ連邦共和国へ移住した人々の文学において、いかに表象されうるかを論じている。研究対象とするのは、1950年代半ばから60年代、旧ドイツ領にあたるポーランド北部・西部国境地帯に生まれ、ポーランド語を母語とする人々である。冷戦末期の1980年代ポーランドから西ドイツへ移住した彼らは、冷戦終結後、各人各様に移動と定住を繰り返しつつ、ドイツ語ないしポーランド語で創作に従事している。
周辺の列強諸国による支配を受け19世紀という時代に国民国家を持つことを許されなかったポーランドでは、亡命知識人が、ポーランド語による文化活動や創作を通してポーランド民族の歩むべき道を示す、という伝統があった。20世紀になると、ポーランドからの亡命は多様化し、規模も拡大した。パリやロンドンといったポーランド亡命文化の拠点は、在外作家同士の連結点として機能し、良質の文学作品を発信することでポーランド語圏の文化や文学全体をけん引する役目を負った。しかし、ポーランドと歴史的文化的に分かちがたく結びつき、地理的にも近いドイツには、国交正常化条約の締結、労働組合「連帯」の活動を弾圧した戒厳令の施行、東西の冷戦終結、ポーランドの欧州連合加盟などを契機に、ポーランドから政治的亡命者、経済移民、ドイツ系帰還者といった様々な集団が流れ込んだ。そのため、ポーランド人コミュニティの雑種化が進み、伝統的な亡命文化・文学のモデルに当てはまらない文化活動が展開した。本書では、1990年代から2000年代初頭のドイツで繰り広げられたポーランド移民による文化活動を通して、その特徴を明らかにしている。
また、本書では移民作家による文学作品の分析に多くの頁を割く。従来、彼らの文学は亡命文学と対比され、「稼働移住の実態を描く写実的な文学」とされてきた。しかし本書では、1ドイツ・ポーランドにまたがる地域の固有性、21981年の戒厳令から体制転換を経て2004年に至るまでという時代性、3一人称体という語りの形式、という三つの観点から考察することによって、移民作家の文学の成立から発展の経緯を明らかにするとともに、彼らが時代や環境の変化の影響を受けながらテーマ・題材・手法を変化させてきたことを明らかにした。最終的には、彼らの文学における「国境地帯」が、地理的空間としてではなく、ヨーロッパ東西陣営の視線が交錯する過酷な生活空間、個人の内的分裂の投影先、文学的想像空間といった異質な場の総体として、多層的かつ多角的に表象されていることを示した。彼らの文学の中では、そうした様々なイメージが複数折り重なるように存在しており、境界の種類もその引かれ方も一様ではない。時には文学的想像力を駆使して、時には現実と斬り結びながら、境界というモチーフを変幻自在に操るところに、移民の文学の特徴があると考える。
ドイツ=ポーランド国境地帯の文学を代表する作家には、ダンツィヒのドイツ語作家ギュン…
王太子の護衛騎士として、双子の兄になり代わり、四六時中そばにお仕えする任務についたアリーセ。正体はバレていないはずなのに、ふとしたときに甘く急接近してくる彼・ジークハルトに、アリーセは胸の高鳴りを隠せない。一方のジークハルトも、アリーセに対して妙な気持ちが湧き起こってしまう自分にモヤモヤを抱えていて……。気づけば殿下の溺愛&発情の対象に!? 二人きりの特命任務は、ハラハラドキドキの連続でーー 文庫だけの書き下ろし番外編も収録!
《第2回ジュリアンパブリッシング恋愛小説大賞銀賞受賞作》とある事情で女性であることを隠し、騎士として日々鍛錬を重ねるフローリア。彼女が少女に戻れるのは、夢の中だけ。美貌の夢魔ルティとの逢瀬が彼女の楽しみとなっていた。そんなある日、彼から告白され、現実でもフローリアを見つけると宣言される。「たとえどんな姿をしていてもひと目顔を見れば必ず君だとわかる」ルティにそう囁かれて、期待と不安に揺れるフローリア。だが、時を同じくして「氷の貴公子」の異名をもつ騎士隊長アルトゥールとも距離が近づいていき……? 夢と現実が交錯する純愛ファンタジー。
女性が画家になれない国で弟の名前を借り絵を描いていた伯爵令嬢コリンヌは、ある日王子レオポルドから肖像画を頼まれる。男装して依頼を受けることにした彼女は、レオポルドに気に入られ侍従役もすることに。「ねえ、きみのこと、もっと確かめてもいい?」酔った王子の湯浴みの手伝いの際、女性だとばれ、うっとりした彼に全身を愛撫されてしまい!?
阪神・淡路大震災から30年。残念ながら、熊本や能登の地震を例に見る限り、社会の脆弱性は一向に減っていない。大災害を繰り返さないために、いま私たちにできることとは?活断層防災とそのための調査研究のあり方を原点から問い直す。
はじめに
第1章 阪神・淡路大震災の衝撃 1995-1996
活断層危険度は調査できる
活断層対策を議論すべき時
活断層のランク分け急務
防災の鍵握る活断層公表
第2章 活断層との共生を考える 1997
問われる自然災害観 -地震被害から何を守るのかー
災害対策 -限りある費用、人命優先でー
サハリン北部地震 -原野を引き裂く断層ー
アジア各国の活断層 -防災と経済ー
神戸の坂と活断層 -地形の『異常』-
活断層と暮らす -危険地帯を避ける計画的開発ー
第3章 2000年代の地震から学ぶ
「寝耳に水」の悲劇を繰り返さないために -2004年新潟県中越地震ー
2005年宮城県沖地震にみる地震危険度
防災情報の見直し必要 -2008年岩手・宮城内陸地震ー
災害ハザードマップを活かす
学校耐震と活断層
第4章 活断層大地震に備えるために 2008
陸の地震にも要注意!
仙台の街と活断層
直下型地震の衝撃
活断層を見つける
活断層は「いつ」動くか
活断層が動くとどうなるか
2004年中越地震は活断層が起こした!
2007年能登半島地震・中越沖地震と原発問題
活断層の真上に建つ敦賀原発
活断層はどこまでわかっているか?
活断層へ備える心構え
阪神・淡路大震災の教訓は生かせるか?
コラム「伊勢・伊賀・志摩・近江・尾張・美濃大地震の図」
第5章 原発の活断層問題 2011-2024
原子力規制庁による安全確認の責任一元化を
大飯原発再稼働における耐震性評価の問題
活断層を正しく畏れ、被害を最小に
活断層調査は緊急課題
活断層の厳格な再審査を
原発事故を二度と繰りかえさないために -新規制基準の制定ー
「原発と活断層」をめぐる「科学」の扱い
敦賀原発の断層が動けば大事故につながる
第6章 「想定外」を繰りかえさないために 2011-2024
東日本大震災の「想定外」問題について
東日本大震災の「教訓を生かす」とは?
阪神・淡路大震災と神戸の活断層を再考する
活断層調査の最前線 -航空レーザーによる活断層再発見ー
活断層沿いの対策 -熊本地震の教訓ー
熊本地震に学ぶ -活断層大地震への備え方ー
北海道胆振東部地震と石狩低地東縁断層帯の複雑な関係
能登半島地震 -繰り返される「想定外」の背景に何があるか?-
第7章 地震本部の取り組みと活断層防災の課題
地震本部のミッション
地震本部の取り組みと課題
活断層評価の課題
活断層防災の課題
活断層防災の第2フェーズに向けて
引用文献
おわりに