語用論は言語の意味を説明するという。意味論とはどういう関係にあるのか? 語用論とは言語理論の一部をなすものか? それともそれとは別の目標を持つのか?
言語理論の一方の雄・生成文法は、言語は人間に生物中で唯一性を与えており、人間の外(そと)には存在しないとする。他方の雄・認知言語学は、言語は人間の外にある認知的諸過程に本質的に依存すると主張する。
本書は3理論理解への最上の道である。
人と人との相互行為はそもそもどのように成り立っており、それは人間社会の仕組みとどう関係しているのか。ラオスでのフィールドワークの成果を生かしつつ、記号論の枠組みを活用し「関係性」に焦点を当てることで、今日まで十分に接点が見出されていなかった記述言語学、会話分析、民族学、言語人類学、社会言語学、認知科学など多くの学問領域の統合をめざす野心的な試み。
コピペ、パクツイが蔓延する時代。「同じ」と「違う」の、日本語学的分析。どこまで「類似」でどこから「盗作」?
60年以上の歴史を持つ学習理論「構造学習論」をベースにした思考術初の入門書。
社会言語学という学問の全体が論理的にわかるよう、変異を扱う方向と談話を扱う方向を組みあわせる体系的な枠組みを採用した新しい入門書。各章に【推薦図書】と【調査の課題】があり、大学生向けテキストに最適。もちろん独習にも。
■「まえがき」より
この本は社会言語学についての入門書として企画された。大部分の読者にとって、社会言語学という学問に触れるのは初めてと考え、前提の知識なしに、読めることを目指した。
従来の社会言語学の概説書の多くは、取り上げる対象や分野に偏りがあった。そこで、本書では、社会言語学という学問の全体が論理的に分かるような体系的な枠組みを採用した。この枠組みでは、変異を扱う方向と談話を扱う方向を組み合わせ、かつ地表上に広がる面積の大きさによって、配列したので、個々の現象を一定の研究分野に位置づけることができる。本書全体として大から小へ向かうという流れ、ストーリー性がある。世界全体を見渡す大きな視点から話が始まり、1言語の中の方言差や性差、集団差、敬語、文字のように、個人の使い分けの話になり、個人のことばの並べ方に移っていく。従来の社会言語学概説書と違うところは、言語相対論を冒頭におき、文字についての独立の章を設けたこと、談話についてしかるべき位置を与えたことである。
いかにして正しく古典を読むかー古典を実証的に解明するためには、そこに記された文字、それが示す言葉、その発音と意味との関係性を明らかにせねばならない。古代における音韻体系の把握から経書テクストの読みの刷新を目指した、戴震・段玉裁・王念孫らによる「古音学」の歴史と方法を精緻に論じる画期的成果。
生きたビジネス文書をネット上からコーパスとして取り出せる時代が到来した。クラウドソーシングをデータベースとし、日本語の国立国語研究所とAIの富士通研究所のコラボで、ビジネス日本語の諸問題と改善法を実証的に明らかにした、新境地を開拓する論文集!
執筆者:青木優子、浅井達哉、石黒圭、市江愛、井上雄太、岩崎拓也、岩田一成、赫楊、喬曉筠、熊野健志、佐野彩子、蒙韞、布施悠子、アンドレイ・ベケシュ
1908~09年に行われた「一般言語学講義」の第二回目。聴講したリードランジェとパトワの記録ノートを訳出。記号学の成立から言語の共時性へと至る。二人のノートを対応させながら講義内容を見るとより深く理解できる。
発想のユニークさと論理の明晰さで、言語学のみならず、日本語・日本文化論に数々の新知見をきりひらいてきた鈴木教授は、問題関心の出発点をつねに自身の知的・日常的生活に置いている。知る人ぞ知る座談の名手が、その発想工房の楽屋裏をはじめてみせてくれた1冊。
「幸福」という概念の考察にあたって言語学からの独特の光を当てたり、日・英語の積年の問題に意表を突く発想で切り込んで仕組みを解き明かしたり。ことばに関して思わず「そうだったのか」となる十数編の論考を収めた。
ソシュール、チョムスキーなど今世紀の言語学者13人を選び、言語をめぐる諸概念が形成される現場、言語認識論の歴史的ドラマを活写する。
松本言語学の出発点、古くて新しい「歴史言語学」の手法が鮮やかに提示される!ギリシア語の歴史と方言、および、リュキア語・ミノア文字・エトルリア語などギリシア語前のエーゲ海域の諸言語について考察。この分野の古典的文献についての書評・紹介も含む。