本書では、日本音楽の世界にあって独特の発展を遂げた「和楽器」の歴史と奏法の概略を、その代表的な位置にある箏、三味線、尺八を中心としてまとめ、そこから日本音楽のあり方を解き明かす。また、これから和楽器に取り組んでみようと考えている方のためには、楽器を選択する際の手がかりを示す。
音楽療法の実際のセッションのなかで生まれ、たくさんの療法士に口伝えで伝えられてきた名曲・珍曲・音楽遊びが、1冊の曲集になった。曲が生まれた背景や、実際の活動のすすめかた、応用の方法など、ていねいな解説つき。音楽ゲームを含めて、合計63の活動を紹介する。
「グラウトの西洋音楽史」は、30年前の発売以来、音楽史のバイブルとしてわが国で高く評価されている。グラウトの死後、パリスカが新しい時代に対応する改訂を行ってきたが、今回の第5版では内容が全面的に書き改められ、装いも一新されて、まさに今日的な西洋音楽史となっている。
客観的真理を基礎づける主観的真実へ、音楽・対話・治療関係に通底する“あいだ=ま”の沈黙がもたらす生=死の現象学。
学校の体育祭で記憶に残るブラスバンド部、スポーツ大会の入場行進の先頭でユニフォームに身を固めて勇壮な行進曲を奏でる吹奏楽隊、あるいは、無声映画の伴奏やチンドン屋、歌謡曲のバックバンド、酒場のバンドとして生活のなかで親しまれた楽隊…。明治期の日本への導入以来、象徴的には戦闘を告げるラッパのように、あるいは雨の神宮外苑の学徒出陣式のように、軍楽隊として戦意高揚に寄与したブラスバンドは、敗戦後は警視庁・自衛隊・消防庁などの音楽隊として、アメリカ軍駐留キャンプのジャズバンドとして、歌謡曲のバックバンド=歌伴として、場所と姿を変えて現在にいたっている。戦前から現在までのバンドマンの聞き書きも交えて、音楽文化の社会史を分析する。