本書は、1965年(昭和40年)以来、著者が追求しつづけた研究テーマ、「日本の労働組合とヨーロッパのそれとの比較」を、労働運動の展開と労使関係の歴史的形成という観点から論じたものである。
本書では、種々の加工茶について、その魅力を特に嗜好特性因子の「香り」というものに焦点をしぼって探っています。茶を一つの原点にして30年余り続けてきた香気分析に関する研究の過程と成果を、研究ノートとしてまとめました。
1848年革命の亡命者たちは圧倒的なドイツ政府のもとで苦痛を味わっており、全員亡命を余儀なくされたが、その政治的見解はマルクスやエンゲルスといった共産主義者から、インターナショナルな共和主義、立憲主義に至るまで幅広く異なっていた。仕立職人や大工のように低賃金の労働条件の仕事をめぐって貧しいイギリスの労働者の同胞と競争するものもいた。マルクスほかドイツ人亡命者たちは何故イギリスを選び、何を期待し何を見つけたか。
本巻は、福沢諭吉の著作のうち、明治十年代から二十年代にかけてかかわった自由民権運動を中心に、彼が新しい時代を迎えた日本において、自由と民権そしてそれを支える文明との関係をどのように把握していたか、この問題に焦点をあて論じた論稿から成り立っている。
「近現代史における日中関係の再検討」国際シンポジウムの記録。アジアの双璧として地域統合に多大の貢献をなしうる力を備えている日本と中国は、負の遺産として残された「過去」をどのように克服していくか、東アジア共同体の構築の上での最も重要な課題に挑む。
中国朝鮮族自身の教育の歴史をその社会経済的基盤と合わせて解明。激動の政治、社会変動の中を生きざるをえなかった朝鮮人が生活全般に、とりわけ将来を見据えての子女の教育に対してどのように主体的に対処してきたかを探究。
「ポストモダン派」マルクス経済学者たちの知の越境と経済学の新地平。
ジャカルタの都市コミュニティに暮らす人びとの生活世界を地域保健活動(ポスヤンドゥ)から読み解く-。「開発の時代」-ポスト「開発の時代」を通底する地域住民組織と地域住民活動の意義について考察する。
台湾造船公司を事例に、台湾総督府時代の経済インフラや旧日系企業の遺産を初期条件として押さえ、日本統治時代の台湾船渠株式会社との継承関係を詳細に検討し、その成立および1950年代以降の発展過程においてどのように技術移転が行われ、その過程で政府による政策がどのような役割を果たしたのか、具体的に検討。