第二波フェミニズムから半世紀,岐路に立つジェンダー関係と向き合い,
暴力や権力を根源に迫って捉え直す理論の冒険・挑戦.
人文・社会科学の垣根を越えた9論考!
「結婚相手は親が決めるの?」「女性から離婚することができないって本当?」世界のイスラーム教徒の様々な結婚・離婚事情を、実際のエピソードも交えつつわかりやすく紹介。イスラーム法の伝統と、時代とともに変わりゆく慣習が織りなす多彩な世界を活写する。
「イスラーム・ジェンダー・スタディーズ」シリーズ刊行にあたって
序ーー「変わるもの」と「変わらないもの」
第1部 結婚・離婚をめぐる法と手続き、慣習
第1章 結婚までのプロセスーーエジプトの例[竹村和朗]
第2章 ムスリムの離婚ーーエジプトの例[嶺崎寛子]
コラム1 離婚しなかった姉、離婚した妹ーーエジプト[嶺崎寛子]
第3章 多民族社会シンガポールにおけるムスリムの宗教間結婚[市岡卓]
コラム2 花婿の誓いーーインドネシアの「条件付き離婚」「離婚への取り決め」[小林寧子]
第4章 旧ソ連ムスリムの結婚と離婚ーーウズベキスタンの例[和崎聖日]
コラム3 越境する花嫁ーーパキスタン系移民のグローカルな結婚ネットワーク[嶺崎寛子]
コラム4 日本におけるイラン法解釈の一例[浦野修平]
第2部 歴史の中の婚姻とイスラーム法
第5章 古典イスラーム法の結婚と離婚[小野仁美]
コラム5 シャリーアとイスラーム法[小野仁美]
特論1 歴史に見るムスリムの婚姻契約ーー19世紀から20世紀初頭にかけての結婚
1 20世紀初頭のシリアの結婚[大河原知樹]
2 19世紀イランの婚姻契約文書に見える婚資[阿部尚史]
3 19世紀から20世紀初頭のロシアにおけるムスリムの婚姻と法[磯貝真澄]
コラム6 「カイラワーン式婚姻」--チュニジアの伝統的な一夫一婦制[小野仁美]
特論2 近代家族法の誕生
1 トルコの家族法[村上薫]
2 エジプトの「家族法」[後藤絵美]
3 イランの家族保護法[森田豊子]
コラム7 アタテュルクの離婚[宇野陽子]
コラム8 カッザーフィー体制下の女性と結婚[田中友紀]
第3部 現代社会の変化と多様な結婚の形
第6章 インドネシアにおける結婚ーー一夫多妻婚、秘密婚、異教徒間の婚姻[大形里美]
コラム9 エジプトのウルフィー婚ーー個人的経験から見た信仰心のジレンマ[鳥山純子]
第7章 映画に見る現代の結婚事情ーー『エジプトの二人の娘』から[後藤絵美]
コラム10 変化する一時婚制度[森田豊子]
第8章 現代イランにおける様々な「結婚」--女性の高学歴化に伴う晩婚化と若者に広がる「白い結婚」[山崎和美]
第9章 イトコ婚と遺伝病[細谷幸子]
参考文献
用語解説
第一部 雇用におけるジェンダー平等の実態とその要因、今後の課題
序 章 人間らしい労働の実現に不可欠なジェンダー平等
第一章 ジェンダー差別とその要因、政府・財界の労働力政策
第二章 人間らしい労働とジェンダー平等実現への課題??国際労働基準と日本
第二部 雇用におけるジェンダー平等実現への運動と職場でのたたかい方
第一章 全労連女性部調査に見る女性労働者の実情と労働組合のとりくみ
第二章 ジェンダー平等の実現と労働組合
第三章 労働組合のジェンダー平等実現へのとりくみの推進(チェックリストつき)
日本や欧米の歴史教科書やミュージアムの展示、少女マンガなどの素材から、現代日本の歴史教育・歴史認識をジェンダーの視点から見直し、その視点を歴史記述・教育にどのように織り込むべきかを真摯に探る。歴史認識を鋭く問うラディカルな問題提起の書。
医師や弁護士において女性の進出を阻む壁は何処にあり、そして看護師に女性が集中するのは何故か。本書は、それぞれの職業に女性がどのように参入し、その地位を確立していったのかを時代とのかかわりのなかで明らかにする。
戦時総動員体制、女性の戦争協力、そして「従軍慰安婦」問題ー再審される戦争の記憶を問い、ジェンダーの視点から『想像の共同体=国民国家』の解体を企てる、言説の闘争への大胆な参入。
学校教育のジェンダーバイアスが、男女を問わず一人ひとりの子どもが、その能力を十分開花させ、発揮し、自立していくことを妨げていないか。小中学校の児童・生徒、そして教師を対象にした画期的意識調査レポート。
ラディカル・フェミニズムの成果を享受する一方で、そのイデオロギーには違和感を覚える女性たち。フェミニズムはもはや存在意義を失ったのか?「政治的なもの」から「ポップなもの」へ、「社会的なもの」から「個人的なもの」へと重心を移しながら、多様な声を包みこむ第三波フェミニズムと、女性たちの文化実践を結ぶ、今日的フェミニスト・カルチュラル・スタディーズ。
視点を変えるとこれほど違う豊かな世界が見えてくる。歴史学における“ジェンダー主流化”への一里塚。
歴史のなかで女と男の関係はどう変わっていったのか。古代から現代、未来へ。小・中学生向き。
韓国社会における男女の生きざまと家族のありようを人類学的視点から分析・検討し,男女の自立と共生をすすめることにより植民地的近代の克服をめざす韓国社会論。
優生保護法、ウーマン・リブ、沖縄ーー戦時から敗戦期・戦後に連続して、女性の身体はいかに語られ、あるいは語られてこなかったのか。
【目 次】
序言・・・・・坪井秀人
第1章 優生学的想像力ーー津島佑子『狩りの時代』を読む・・・・・美馬達哉
第2章 引揚者医療救護における組織的人工妊娠中絶ーー優生保護法前史・・・・・松原洋子
第3章 生殖管理の戦後ーー優生保護法成立前の中絶と主体をめぐって・・・・・柘植あづみ
第4章 リブと依存の思想ーー中絶・子殺し・育てること・・・・・飯田祐子
第5章 『主婦之友』別冊附録にみる女性の身体・・・・・安井眞奈美
第6章 「肉体」から戦後を再考するーー田村泰次郎の「肉体文学」を中心に・・・・・光石亜由美
第7章 坂口安吾の戦後作品の肉体に見る<主体のゆらぎ>--「白痴」「磨の退屈」「戦争と一人の女」を中心に・・・・・狩俣真奈
第8章 洞窟からクリプトへーー山城知佳子『肉屋の女』を読む・・・・・菅野優香
序言・・・・・坪井秀人
第1章 優生学的想像力ーー津島佑子『狩りの時代』を読む・・・・・美馬達哉
第2章 引揚者医療救護における組織的人工妊娠中絶ーー優生保護法前史・・・・・松原洋子
第3章 生殖管理の戦後ーー優生保護法成立前の中絶と主体をめぐって・・・・・柘植あづみ
第4章 リブと依存の思想ーー中絶・子殺し・育てること・・・・・飯田祐子
第5章 『主婦之友』別冊附録にみる女性の身体・・・・・安井眞奈美
第6章 「肉体」から戦後を再考するーー田村泰次郎の「肉体文学」を中心に・・・・・光石亜由美
第7章 坂口安吾の戦後作品の肉体に見る<主体のゆらぎ>--「白痴」「磨の退屈」「戦争と一人の女」を中心に・・・・・狩俣真奈
第8章 洞窟からクリプトへーー山城知佳子『肉屋の女』を読む・・・・・菅野優香
なぜグローバル経済史にジェンダー視点は欠かせないのか。新旧の論点・論争をふまえ、18世紀から現代までの世界各地の事例から問う。
序 章 グローバル経済史にジェンダー視点を接続する
第1部 産業革命・グローバル史・ジェンダー
第1章 産業革命とジェンダーーーアレン=ハンフリーズ論争をめぐって
第2章 18-19世紀イギリスの綿製品消費とジェンダーーーグローバル史の視点から
第3章 18世紀フランスにおけるプロト工業化とジェンダー
コラム1 工業化期イギリスの女性投資家 坂本優一郎
第2部 19世紀グローバル化のなかのジェンダー
第4章 ハワイにおける珈琲業の形成ーーグローバル・レイバーヒストリーの試み
第5章 市場の表裏とジェンダーーー20世紀初頭南部アフリカにおける還流型移民を中心に
第6章 ドイツ植民地に模範的労働者階級を創造するーー青島の事例を中心に
コラム2 家事労働の比較経済史へ向けて
第3部 グローバル経済の現段階とジェンダーの交差
第7章 生産領域のグローバル化のジェンダー分析ーーバングラデシュの縫製産業を事例に
第8章 ポスト国際分業期におけるフィリピン女性家事労働者ーー市場と権力に揺れ動くジェンダー
コラム3 グローバル経済史とジェンダー史の交差の可能性
「男らしさ」「女らしさ」をめぐる労務の課題と実務の最適解がよくわかる。人事労務担当者はもちろん、部下を持つ管理職のテキストとしても使える!
フェミニズムの賞味期限はすぎたのだろうか?血となり肉となったことばたち。
「境界・同意・尊重」は、大人になっても役立つ大切な生活スキルです。自分が自分のからだの主人公であること、自分同様に他者を尊重することの大切さを身近な例を通して伝えます。巻末に子どもと話し合うためのヒント集付き。
「クリエイティブであれ(ビー・クリエイティブ)」という呪縛が生み出す、
現代の“終わりなき労働”とその構造──
「自由」や「自己実現」と巧みに結びついて若者を魅了するクリエイティブな世界。劣悪な労働環境を甘受し、マルチタスク化に対応する「新しいミドルクラスの女性」は、いかにして作り出されるのか?
クリエイティブ経済の絶頂期を、フェミニズムの視座から批判的に捉える。
序章 教育を通じた出会いとクリエイティブな経済
第1章 「クラブ」から「企業」へ
第2章 クリエイティブ労働のポリティクスを紐解く
第3章 人的資本としての芸術家
第4章 ポストフォーディズムのジェンダー
第5章 ファッション・マター・ベルリン
第6章 やりたい仕事を成功させる?
結論 ヨーロッパの展望
女性が犯罪報道の当事者となった場合、犯罪報道の「問題」がより深刻になる、
男性の場合と異なる問題が生じたりする事象を対象に研究。
ジェンダーとメディアという視点から考察を行うことにより、
犯罪報道が「ジェンダー」あるいは「女性」の概念の産出にどのように関与しているかという点に言及。
女性被害者や女性被疑者に対して、報道においてどのようなラベリングが行われているか、
そのラベリングはジェンダーとメディア研究とくに構築主義的な立場からみるとどのように解釈できるかをまとめる。