なぜ、また、どのように、精神障害者がグローバルな規模で連帯し、世界組織として活動してきたのか。
おかれている状況もそれに対する主張も異なる精神障害者が、どのように出会いどのように連帯し、一つの組織の中で活動してきたのか。
世界精神医療ユーザー、サバイバーネットワーク(World Network of Users and Survivors of Psychiatry: WNUSP)を主な対象として、
その歴史を詳細に追った労作。
オミナエシ、キキョウ、カワラナデシコといった在来植物の野生の個体を都会で見ることはほとんどありません。それは生物多様性ほどに、在来植物の多様性の保存は進んでいないからです。日本らしい自然を守るにはどうしたらいいのでしょう? 外来植物との関係は? 各地の保全活動をふまえ、今後の課題と将来を展望します。
はじめに
1 土手に秋の七草を咲かせたい
荒川区立汐入小学校五年生児童の挑戦
隅田川スーパー堤防での試み
土手の植物社会を観察する
汐入方式のすすめ
植物社会をまるごと観察する
地下茎(根茎)や根の広がりを類型化する
超多様性シバ地の植物社会
チガヤ草地の特徴
ススキのサイズは土壌条件で大きく変化する
半自然て何だろう
刈り取り、放牧、火入れが半自然草地をつくる
半自然草地の植物社会
光を求めて空間を棲み分ける
コラム 生産構造図づくりにチャレンジ!
2 外来植物が増えていくメカニズム
在来植物ってどんな草?
絶滅の危機にある在来植物
身近な野草が絶滅している
在来植物が絶滅するとどうなるか
攪乱のしすぎは在来植物の生育地を狭める
在来と外来タンポポの違いを見分けるために
外来生物は聞いたことがあるけれど
理解しにくいのは用語濫立のせい?
外来植物ってどんな草?
どんな外来(帰化)植物が、いつ持ち込まれたのだろう
なぜ外来植物は増えているのだろう
変化する堤防法面の植物社会
侵略的植物なら問題である
3 在来植物を守るわけ
「日本の自然」と「日本らしい自然」の違い
日本列島を覆うモンスーン気候と複雑な地形
地形や気候の特性はどんな気質の日本人を育てたのだろう
日本人のきめ細かさが生んだ景観
草本植物のかたち
半自然草地群落のかたち
優占種の役割
従属種と一時滞在種の特性
4 絶滅の危機にある在来植物を取り戻すために
なぜ絶滅の危機にあるのだろう
絶滅の危機から救い出す
在来野草のタネ播きから苗づくりまで
多様性のある群落づくり
各地で試みる「日本らしい自然の復元」
在来野草の花咲く土手に囲まれた田圃づくり
浅草七福神・石浜神社は在来野草の花盛り
在来野草を昔の棲みかに戻したいーー日本らしい自然を豊かにするために
野焼きと草刈りで伊豆・大室山の植物多様性を高める
キキョウの咲くススキ群落の復元
大室山の持続可能な開発目標(SDGs)を考える
参考文献
おわりに
中世の日韓海域交流から現代映画やヘイトスピーチまで、日韓関係の中でも「現場」レベルの活きた交流の多様性に注目する。交わればこそ直面するシビアな現実の中でも、歩みをとめない人々の姿に光をあてた書。韓国から渡りフランスで鮮烈なデビューを飾った作家グカ・ハン氏の講演と対談も収録。
第1部 つながる,交わる:対馬海峡沿岸社会における中近世の現場
第1章 中世対馬の海民と日朝交流
第2章 朝鮮三浦の倭人町形成と管理体制
第3章 朝鮮王朝の二つの対馬認識:15 世紀後半を中心として
第4章 美濃土岐氏による大蔵経請来と朝鮮:西日本以外の地域権力と朝鮮
第5章 航海からみた中世日朝交流:日本船の往来を事例として
第6章 通信使船が対馬海峡を渡るとき
附論1 近代釜山における在朝日本人の水産業経営:日本の朝鮮移住政策との関連から
第2部 出会う,伝え合う:学びの現場
第7章 日本における韓国教育院の役割変容
第8章 対外言語普及と「現地主義」アプローチ
第9章 アジア太平洋カレッジの挑戦:PBL/TBL で学び合う国際共同教育プログラムの構築
第3部 ことばを超える,国を越える:相互理解の現場
第10章 日本のヘイトと在日コリアンとしての生:ヘイトクライム,ヘイトスピーチのない社会をめざして
第11章 在日コリアン文学の現在
第12章 ディアスポラと労働・工作の表象:2014 年以後のチャン・リュル映画についての一考察
第13章 母語でない言語で書くということ:言語の重さと速度,そして距離
附論2 《対談》フランス語のほうへ/から:母語として存在しない〈 物語〉 をめぐるダイアローグ…グカ・ハン×辻𠄀野裕紀
個人と組織との関わりから人事・管理問題を考察した現代自治体組織論
能力・実績主義、人口減少時代の組織管理、フラット化など、自治体組織の編成や管理、機構改革をめぐる昨今の問題について、その本質を公共性と多様性を軸に多元的に分析する。研究者、自治体管理職、人事担当者のみならず全ての自治体職員に整理・俯瞰的視点を提供。
序 章
第1章 能力・実績主義的人事管理の運用
--人材育成としての人事評価制度の導入ーー
はじめに
1 企業における能力主義・成果主義型人事管理登場の必然性
2 地方公務員法改正の意味と意義
3 事例:池田市の人事評価制度
4 事例の分析と考察
おわりに
第2章 人口減少時代の自治体組織管理
--多様性の実現に向けてーー
はじめに
1 人口減少がもたらす問題
2 問題意識の背景
--自治体の組織管理、人事管理を取り巻く環境の変化ーー
3 組織管理における多様性の要請
4 自治体組織管理における多様性を進めるための法的環境整備
5 実地調査
おわりに
--期待される効果と論点ーー
第3章 大部屋主義の再検討と自治体職場における目標管理制度
はじめに
1 大部屋主義の再検討と目標管理との齟齬
2 事例の検討にあたって
3 事例:A県X県民局建設部の職務構造
おわりに
--目標管理の導入へ向けてーー
第4章 組織構造のフラット化
--階層の持つ意味ーー
はじめに
1 組織構造に関する分析視点
2 階層の位置づけ
--組織の合理性と個人の自律性のジレンマーー
3 行政組織の特質と階層構造の必然性
--代表性と自律性のジレンマーー
4 地方自治体における階層の意味
5 事例:静岡県における組織フラット化の取組み
6 事例の分析と考察
--むすびにかえてーー
第5章 内部組織の役割変容と機構改革
はじめに
1 福祉行政分野における制度改革の動き
2 複数の文脈における組織変容の要請
3 事例の検討
--三重県における福祉行政をめぐってーー
おわりに
第6章 自治体の組織と権能
--多様性を前提とした公共性に向けてーー
はじめに
1 自治体の持つ権能
2 今後の権能と組織のあり方
おわりに
第7章 公共サービスの外部化と組織管理における「公共性」概念
はじめに
1 イギリスにおける民営化と民間委託
2 アメリカにおける民営化と民間委託
3 日本における「公共性」に関する議論の経緯及び変遷
4 行政としての自治体にかかる公共性
5 公共サービスの外部化と組織管理にかかる公共性
おわりに
地球規模の気候変動が現前する21世紀。
その危機の拡散と克服への鍵を握るアジア諸国の環境問題の諸相に迫る
いまだ克服の道筋が見えない地球環境問題。
日本を含む東アジア、東南アジアから南アジア、そして西アジアまで。
豊富なデータと共に、各国環境問題の危機の多様性とダイナミズムを読み解く待望の研究入門書!
序章 アジアの環境問題:地域比較の視点
第1部 現代北東アジアと環境問題
第1章 熟議的民主主義の可能性──日本の高レベル放射性廃棄物最終処分場立地選定をめぐる合意形成
第2章 どこにでもある危機──朝鮮民主主義人民共和国の環境問題
第3章 中国の大気汚染問題とその対策
第4章 台湾の環境政策とシャマン・ラポガンの文学
第2部 現代東南アジアと環境問題
第5章 ベトナムが直面する環境問題をめぐって
第6章 東南アジア島嶼部の森林・水産資源の利用と環境問題──ボルネオ島北部を中心に
第7章 インドネシア独立以降の環境問題と環境保護対策への提言
第3部 現代南アジアと環境問題
第8章 バングラデシュの環境問題──グローバルな課題への挑戦
第9章 インド・デリーの大気汚染──その現状と対策
第10章 重層的に絡み合うパキスタンの環境問題の全体像
第4部 現代西アジアと環境問題
第11章 革命・戦争後の現代イランと環境問題──大気汚染、水資源不足、廃棄物処理問題を事例に
第12章 開発と紛争の影に追いやられた豊かな海──ペルシア湾の環境問題
第13章 トルコの環境問題──水資源問題を中心に
◆各国法制度の特質の検討から、日本の消費者法の方向性を導く◆
消費者被害抑止の、より効率的なシステム構築へ。各国法制度の特質を探り、日本の消費者法の方向性を導く。日本(松本・小田)・ドイツ(宗田)・フランス(町村)・イギリス(菅)・アメリカ(籾岡)・ブラジル(前田)・中国(白出)。
四季の風物の美しさと、竜巻・台風・局地的豪雨などの気象災害。定評あるテキストの著者が多種多様な天気の謎に迫る。雑誌『天気』の好評連載を書籍化。
効率的再分配、協調的労使関係、企業統治モデル、金融制度など、諸制度が経済パフォーマンスに与える影響を、質的・計量的に分析。あわせて多様性分析のためのツールも紹介する。
「外来生物法」が施行され、外国産緑化植物の取扱いについて検討が進んでいる。近年、緑化植物として導入した外来種が急増し、在来植物を駆逐し景観まで変えてしまう例などが多数報告されているが、こうした問題を克服し、生物多様性豊かな緑化を実現するためにはどうしたらよいのか。本書は、これらの課題に長年取り組み、成果を出しつつある日本緑化工学会気鋭の執筆陣が、その理論と実践事例をまとめた総合的なハンドブックである。
自己複製の担い手たる遺伝子は,生命の多様性を育て,その多様性が物質とエネルギーの流れを生み出す.そして出来上がった自然こそが,生態系という新たな生命の揺籠となる.遺伝子と生態系をつなぐ自然原理を目指し,生態学者の新たな挑戦が幕を開ける.
まえがき
序 章 遺伝子・多様性・循環の科学とは [門脇浩明・立木佑弥]
第 I 部 進化と生物群集をつなぐ
第1章 進化から群集へ,群集から進化へ
──階層間相互作用の意義 [内海俊介]
第2章 チョウ類とそれを取り巻く生物群集
──急速な進化と断続平衡 [大崎直太]
第3章 外来種における生態と進化の相互作用
──外来種管理への応用は可能か [深野祐也]
第4章 代替生活史戦術と個体群動態
──行動学的基盤の視点から [立木佑弥・堀田淳之介・小泉逸郎]
コラム 1 小進化動態と生態的動態
──生態的適応度から考える [高橋佑磨]
第 II 部 生物群集と生態系をつなぐ
第5章 生物多様性と生態系機能
──実験系から自然群集・生態系へ [佐々木雄大]
第6章 湖沼生態系における生物と物理環境の相互作用
──正のフィードバック・履歴現象・中位捕食者の解放 [西嶋翔太]
第7章 環境汚染による攪乱が及ぼす微生物生態系への影響
──群集機能・多様性と環境応答 [濱村奈津子]
第8章 植物と土壌微生物のフィードバック
──その成り立ちとしくみ [門脇浩明]
第9章 地球システムにおける陸上生態系 [伊勢武史]
コラム2 1 万年目の農業 [舩橋真俊]
第 III 部 進化,群集,生態系をつなぐ
第10章 生態系とダーウィン・マシーン
──マイクロコズムから見た適応進化 [中島敏幸]
第11章 呼吸の多様性が駆動する元素循環 [瀬戸繭美]
第12章 生態化学量論から読み解く進化と生態のフィードバック [山道真人]
第13章 海洋島陸産貝類の群集と進化
──小笠原諸島を例として [千葉 聡]
終 章 生態学の領域融合へ [門脇浩明・立木佑弥]
テクニカルノート1 数理モデリングとその解析 [立木佑弥]
テクニカルノート2 生態系・群集生態学的解析法 [福森香代子・門脇浩明]
あとがき
参考図書
引用文献
索 引
「生物多様性」をテーマにしたシリーズの第4巻。
生態系の中で重要な位置を占める菌類、原核生物の細菌とアーキア、生物界の特異な存在であるウイルス。生命の起源、生物界の大きな枠組み・系統を軸に、それぞれの群の多様性を解説する。
第 I 部 微生物の世界ーーその特性と大きな系統
1.微生物としての細菌と菌類
第 II 部 菌類の多様性と系統進化
2.菌類の多様性と分類体系
3.形態からみた多様性と系統
4.生活環からみた多様性と系統
5.生理・生化学的形質からみた多様性と系統
6.化学分類学的形質からみた多様性と系統
7.遺伝情報からみた多様性と系統進化
8.菌類集団の多様性と種分化
9.生態・分布からみた多様性
第 III 部 菌類群ごとの特徴 -図版解説ー
1.アクラシス菌門
2.タマホコリカビ門
3.変形菌門
4.ネコブカビ門
5.ラビリンツラ菌門
6.サカゲツボカビ門
7.卵菌門
8.ツボカビ門
9.接合菌門
10.子嚢菌門
11.担子菌門
12.不完全菌類(アナモルフ菌類)
13.地衣類
第 IV 部 細菌の多様性と系統
10.細菌の多様性と系統
第 V 部 ウイルスの多様性と系統
11.ウイルスの多様性と系統
ヤルツァンポ大峡谷で見られる約600種類の動植物を掲載!
「生物多様性」をテーマにしたシリーズの第5巻。
本書では、動物界のうち脊椎動物(と節足動物)を除いた各門、および原生生物界の中で光合成能力をもたないものを「無脊椎動物」として扱う。総論では、形態・分子・発生・古生物学など様々な視点から、動物の進化・多様性について概説する。各論では、各動物門ごとに特徴を捉えた図と説明をまとめ、コラムとしてキーとなる形質や動物間の関係などについてのトピックスを配した。
第 I 部 無脊椎動物の多様性と系統
1.総合的観点からみた無脊椎動物の多様性と系統
2.古生物学的観点からみた多細胞動物への進化
第 II 部 動物群ごとの特徴 -図版解説とコラムー
1.原生動物亜界
2.海綿動物門
3.平板動物門
4.中生動物門
5.刺胞動物門
6.有櫛動物門
7.扁形動物門
8.顎口動物門
9.紐形動物門
10.腹毛動物門
11.輪形動物門
12.鉤頭動物門
13.類線形動物門
14.線形動物門
15.動吻動物門
16.胴甲動物門
17.鰓曳動物門
18.緩歩動物門
19.有爪動物門
20.舌形動物門
21.軟体動物門
22.星口動物門
23.ユムシ動物門
24.有鬚動物門
25.環形動物門
26.内肛動物門
27.外肛動物門
28.有輪動物門
29.箒虫動物門
30.腕足動物門
31.毛顎動物門
32.棘皮動物門
33.半索動物門
34.脊索動物門
人種,民族,階級,ジェンダー,セクシュアリティなど「多」の分断を抱える現代のアメリカ合衆国は,いかなる「一」であろうとしてきたか.公民権運動以来の多様性の政治を歴史社会学的に追い,いまバックラッシュのなかで失敗が宣告される「アメリカ型多文化主義」にアメリカを動かすダイナミズムを読む.
難民、移民、海民、遊牧民ー移動しながら/移動させられながら生きる人々。戦争や開発のために移動しなければならなかった人、労働のためにやむを得ず移動する人、海や陸を移動しながら生きる人…事例を通じてその経験の多様なあり方を見つめ、移動や旅という言葉がはらむ意味をより豊かにする比較研究。