教師の役割や責任が変わりつつある今、教師教育も変わらなければならない。教師教育を変革するための最善の方法は何か。また、教師教育の成功をどのように評価するのか。本書では、教員養成と現職研修を見直すために有益な研究や調査を紹介した。OECD諸国の教師が直面している課題に着目するとともに、それぞれの社会的背景のもとで行われている具体的政策や実践とその意義を示した。
マサチューセッツ州初代教育長マンが、州の教育費削減案に抗し、教育の価値を金銭に換算して見せた時、新たな功利主義的教育観が誕生した。教育による労働者の資質・収入の向上、それに伴う一国の富の増進と階級闘争解消の効果等、教育の経済的生産性を公共性向上の裏づけに置くマンの教育観は、その後の米国教育思想のみならず、アメリカン・ドリームの原点とも言えよう。教育の公共性が問われる今、その思想の全貌と今日的意義を一次資料を通じ分析・考察した労作。
個人の道徳性と社会的正義を結んで考える。
国外・国内の情勢が目まぐるしく変動する今日、特に社会科教員は、常に社会と教育の全体像を俯瞰しながら、その時々の情勢に応じた「資質」や「専門性」が求められている。そういった教員を養成するために、教師教育に今必要とされるものは何かー?4部構成全18章の充実の章立てからなる、「よりよい教育」を志向した不断の研究・議論・実践の結晶の一冊!
本書で育てる『社会性』とは子どもたちが大人になり社会生活を営んでいくために必要な、コミュニケーション能力・実践力・社会適応・集団適応・規範意識等、特に「将来展望性」に焦点を当てた諸能力や資質の総体。
本書は、子どもを持つ親御さんや、教育現場で日々子どもに向き合っている先生に読んでもらうことを想定して、筆者が実施しているワークショップのプログラムやすぐ使えるコツも解説。
美術教育とは何か。また、美術作品を制作すること自体のもつ教育的意味とは何か。芸術における発見的な思考に着目するABR(Arts-Based Research:芸術的省察による研究)と美術教育/作品制作について、教育学者・美術制作者が思考を重ね、原理的に探究する。日本において、ABRの理論と実践を美術教育研究として本格的に扱う初めての書。
本書はアクション・リサーチ、つまり現場での研究を通して、現実場面での問題を実践的に解決しようとする研究法に基づく本である。アメリカ全国の現場の訪問を生かし、数十年にわたって何十もの場面で合計何十万もの児童・生徒や数千の教育者が参加して実施されたものをもとに、著者たちが執筆した。
日本の大学進学率は50%を超え、高等教育の大衆化が進んでいる。18歳人口の減少で大学進学が容易になり、定員割れが進む大学では留学生で定員を補充するという場合もある。アジア諸国の経済発展により急増した留学生の中には、日本語能力が不足し、大学生活に支障をきたしている者も多い。大学大衆化と留学大衆化が同時に進行し、大学の教育環境や教育内容が変化する中で、留学生教育をどのように位置づけるべきかが大きな課題となっている。
本書では、多様な学生を受け入れている大学を「大衆化型大学」とよび、その日本語教育と留学生受け入れ態勢を改善することを目的に、前半では高等教育政策と留学生政策の問題点について、マクロレベル(教育政策決定者)・ミドルレベル(大学運営責任者)・ミクロレベル(教育実施者・学習者)の3段階からそれぞれのアクター(行為主体)の動向に注目して相互の影響について分析を行う。後半では、大衆化型大学で求められる日本語教育の可能性について、グローバルシティズンシップの育成をいう観点から教育方法を提案する。
第1章 本研究の目的と課題
第2章 大学大衆化と大学教育で求められる資質・能力に関する先行研究
第3章 本研究の方法とデータの概要
第4章 高等教育政策と留学生政策の変遷に関する調査
第5章 留学生教育に対する大学教員の意識調査
第6章 大学・留学大衆化時代の留学生政策の検証
第7章 日本語教育におけるグローバルシティズンシップ教育実践の試み
第8章 教養教育におけるグローバルシティズンシップ教育実践の試み
第9章 本研究の結論と今後の課題
吃音のメカニズムや発話症状面に対する指導・支援に関する解説はもとより、「とらえどころのない」といわれてきた発話症状以外の部分にも着目し、最新の知見を織り交ぜながら包括的に吃音を評価、指導・支援する方法について具体的に詳述する。他の障害との重複やクラッタリングのある子どもの評価や支援も紹介。
I 発話の流暢性とその障害
A 発話の流暢性とは
B 発達性吃音
C 吃音と言語発達との関係
D 他の問題を併せもつ吃音のある子ども
E クラッタリング
F 神経原性吃音
コラム1 吃音が生じにくくなる条件─言語学的要因を中心に
II 吃音のある子どもの評価
A 吃音のある子どもの評価とは
B ICF による包括的な吃音評価
C CALMS モデルによる包括的な吃音評価
D 吃音症状の評価
E 吃音に対する感情や態度の評価
F 吃音に関連するその他の側面の評価
III 吃音のある子どもの支援
A 指導について
B 環境調整
C 吃音症状への対応
D 吃音に対する感情や態度への対応
E 吃音に関連するその他の側面への対応
コラム2 合衆国における吃音のある子どもの評価と支援の実際
IV 吃音のある子どもの評価と支援の実際
A 発吃間もない子どもの評価と支援の実際
B 幼児の評価と支援の実際
C 小学生の子どもの評価と支援の実際
D 思春期以降の子どもの評価と支援の実際
E グループ指導の実際
F セルフヘルプグループによる支援
5 他の障害との重複やクラッタリングのある子どもの評価と支援の実際
A 構音障害を伴う子どもの評価と支援の実際
B 発達障害を伴う子どもの評価と支援の実際
C 知的障害を伴う子どもの評価と支援の実際
D クラッタリングのある子どもの評価と支援の実際
子どもの発達段階に応じて心を育てる。頼み方断り方・協力・伝え方・自分理解・他者理解など、友達関係を築き豊かにする。
創造性が育つ世界最先端の教育。標準化・画一化から創造性の育成へ。世の中の革命的変化に向き合うための「教育革命」の最前線!
何のためにことばを教える/学ぶのか。今、言語教育の大きな課題は、母語・第二言語・外国語を超えて自覚的に他者とかかわる「市民」としての社会的行為主体のあり方である。