中欧を舞台にくりひろげられてきた、近代ドイツの芸術と社会のせめぎあい.その歴史を「表現活動と日常生活との密接なつながり」「ドイツとユダヤの共存の夢」「現代社会と切りむすぶモダニズム芸術の挑戦」の3つの位相から追っていく.著名な作家、芸術家、学者の人間像が生き生きと描かれ、市民の日常生活が照らし出される.ドイツが生んだ芸術文化の奥行きにふれる、読みごたえあるガイドブック
1表現のかたち 個人と社会をつなぐもの
1「近代への飛翔」 博物学に魅せられた画家メーリアン
2「啓蒙のメディア」 読書と市民社会
3「声の始源」 口承文化を発見した人びと
4「ピアノのある部屋」 市民的教養としての音楽
5「祝祭の共同体」 ワーグナーの綜合芸術プロジェクト
2共生の夢 ユダヤとドイツ
1「聖書の民」 中東欧ユダヤ人の源流
2「対話から同化へ」 メンデルスゾーン家の人びと
3「境界の文学」 ハイネとドイツ
4「存在と帰属」 カフカ家三代の歴史から
3モダニズムのゆくえ
1「カウンターカルチャーの耀き」 世紀転換期の青年たち
2 挑発するメディアアート」ハンナ・ヘーヒ、「騒然たる時代」を調理する
3「越境する批判精神」 フランクフルト社会研究所と亡命知識人
4「オスタルジーの彼方へ」 ドイツ統一と東ドイツの現実
小著でありながらその思想と主題を凝縮しているため、「知の巨人」の思考と独特の叙述に触れるのに格好の書。フッサールの『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』に基づいた「生活世界と技術化」、近代に芸術・技術が「創造的人間」の理念を産む経緯を辿った「自然の模倣」、修辞学を人間学的に解釈する「修辞学の現代的意義」のほか二本の小論と一編の講演からなる。
生活世界と技術化:現象学の観点より
自然の模倣:創造的人間の理念とその前史
修辞学の現代的意義:人間学的アプローチから
言語状況と内在的詩学
パラダイム:文法的に
エルンスト・カッシーラーを讃えて:クーノー・フィッシャー賞受賞挨拶
訳者解説
全国のギャラリーが取り扱う人気の陶磁器を、現存作家と物故作家に分けて、それぞれ作家別に紹介。また、陶磁器の購入先であるギャラリー、陶磁器の楽しみ方も紹介します。徳利やぐい呑などの酒器をはじめ、茶碗や茶入などの茶器、花瓶や壺などの花器、さらにオブジェまで。現代作家は、すべて価格付き。
1章 今、人気の陶芸家25人
2章 現代作家の多彩な陶磁器
3章 愛され続ける巨匠
4章 陶磁器を楽しむ
5章 全国ギャラリーガイド
難しい数式なしで、数学の面白さをやさしく解説! 幾何学から数、微分と積分、座標とベクトル、確率と統計、集合まで、理論を知ると面白いほどよくわかる! これだけは知っておきたい数学の基礎知識と、数に魅せられた天才たちの逸話を歴史をふまえて紹介。シリーズ累計20万部突破! 矢沢サイエンスオフィスの人気の「図解」シリーズに、ついに「数学」が登場!!
美術制作の基礎的な技法やしくみがわかる。日本美術の魅力が満載。話題の芸術家の作品と生き方に触れる。美術史上の主要な出来事が学べる。デザイン、工芸、建築の豊富な図版。イラストやジオラマを使ったわかりやすい資料。
今、地球人は“死と病気を芸術”にする「魂の医学」で解き放たれる!地球初!ドクタードルフィンの名言と写真で綴る魂を揺さぶるPhotobook、ここに完成!
特集 白磁 陰影の造形美
素材そのものの美しさを活かした、白く輝くような「白磁」。日本で初めて白磁が焼かれたのは、約400年前の佐賀県有田とされている。有田をはじめ、現在の九州にはロクロの技を活かした鉢や壺を得意とする白磁作家が多いが、白磁の素材である磁土が全国どこでも手に入るようになった今、若手を中心に新たな動きも起きている。カンナや彫刻刀で鋭く削り出された稜線を持つもの、水分を加えて泥状にした泥漿を型に流し込む鋳込み技法で成形したものなど、伝統的な器の形ではない、彫刻的な白磁が増えてきている。インスタレーションとして展示されることも多く、近年のアートフェアや公募展を席巻している。そうした寸分の隙のない、洗練された白磁がある一方で、薪窯で焼成して窯変を狙ったり、原初的な温かみのある白磁の姿を求めて作陶する作家たちもいる。いずれの白磁にも絵付などの装飾はないが、立体物である以上、常に陰影をまとい、白一色でありながらその表情は実に多彩で豊かである。本特集では50歳以下の16名の作品を通じ、拡張する白磁表現に注目する。
写真が誕生する以前、疾病を記録した細密イラストが雄弁に語りかけるー人々はいかに病気と闘っていたか、患者が社会からどのように見られていたのか。ブリティッシュ・ブック・デザイン・アンド・プロダクション・アワード最優秀作品賞受賞。
ルネサンスとは、一五世紀のイタリア・フィレンツェを中心に、古代ギリシャ・ローマ世界の秩序を規範として古典復興を目指した一大ムーブメントを指す。しかし、古代の文化が復興した理由、あるいは中世的世界観から脱する流れに至った理由を明確に答えることはできるだろうか。ルネサンスとは本来、何を意味し、なぜ始まり、なぜ終わったのかー。皇帝と教皇による「二重権力構造」をもち、圧倒的な存在として人々を支配していた中世キリスト教社会は、いかにして変革していったのか。美術との関係だけで語られることの多い「ルネサンスという現象」を社会構造の動きの中で読み解き、西洋史の舞台裏を歩く。
バクスト、ピカソ、シャネル、ストラヴィンスキー、伝説のダンサー・ニジンスキー…。天才アーティストたち天才アーティストたちが集結した「バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)」の〈総合芸術〉。
20世紀初頭、ヨーロッパをセンセーションの渦に巻きこんだ「バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)」。美術とダンス、音楽、文学、ファッションなどが結ばれてできた〈総合芸術〉が、モダン・アート史に大きな変革をもたらした。芸術世界を華やかに彩った「バレエ・リュス」の魅力と全貌を、ロシアの世紀末〈銀の時代〉から、「バレエ・リュス」の舞台・衣裳デザイン画、同時代の舞台芸術作品など約700点の図版を豊富な解説とともにします。
名著『ルネサンス 経験の条件』から17年ーー。
近代芸術はいかに展開したか。その根幹から把握する、美術史的傑作。
【推薦】
批評的視点による大胆かつ刺戟的な近代美術論。
そして何よりも「美術の力」理解のための絶好の案内書。
高階秀爾
我々はモダニズムや抽象ーーいやそもそもアートのことをまるで知らなかったのだ!
本書は素早く脳内に入り込むと爆弾のように破裂して悦ばしい驚きと混乱で満たし、交換台のように機能して無数の異質な情報から新しい世界像を紡ぎ出す。
読み終えたとき、あなたと世界は完全に更新されているだろう。
浅田彰
20 世紀美術を動かした真の芸術家たちは誰かーー
ヒルマ・アフ・クリント、夏目漱石、ヴァネッサ・ベル、トーレス・ガルシア、熊谷守一、ダヴィド・ブルリューク、ジョン・D・グラハム、ゾフィー・トイベル=アルプ、坂田一男、ジョルジョ・モランディ、岸田劉生、恩地孝四郎、村山知義、白井晟一、イサム・ノグチ、長谷川三郎、瑛九、内間安瑆──
「キュビスム以降の芸術の展開の核心にあったのは唯物論である。戦後美術史の不分明を晴らし、現在こそ、その力を発揮するはずの抽象芸術の可能性を明らかにする」(本書より)
第69回芸術選奨文部科学大臣賞(評論部門)受賞
第1部 抽象の力 本論
第2部 抽象の力 補論
第3部 メタボリズムー自然弁証法
第4部 批評を招喚する
ようこそ、書の部屋へ扉を開けば、墨の縁の始まり。昭和、平成、令和と書の文化をつなぐ38人の書家たち。制作や活動の拠り所で行うスペシャルインタビュー集。
都市デザインを席巻する「ツーリズム」。そこにはグローバルな「非日常性」と地域の文化や歴史に根ざした「日常性」の二極が見える。パリ、ロンドンの欧州各地から、ソウル、光州などアジア各地のツーリズムデザインを巡る旅。
はじめにーーツーリズムがもたらす都市のデザイン
01 オンリーワンの核づくり…現代の「ハコモノ」展開
02 祝祭都市…地域と世界を結ぶイベント
03 地域資産の再生…ありのままのデザイン
04 新しいブランドをつくる…わが街の誇りを見出す
05 コミュニティ・アート…地域とアートの最前線
おわりにーー国際観光と集客都市
海外で作品が高額で取引される村上隆が、他の日本人アーティストと大きく違ったのは、世界基準の戦略を立てたこと。
稀代の芸術家が、熱い情熱と冷静な分析をもって、アートとビジネスの関係を語る。