橋を渡って芝居へ行く。櫓〈やぐら〉や看版、鼠木戸、桟敷、船、幕…。また役者の名や紋ーこの世界を構成するさまざまなもの・ことの意味を解き、失われた近世の芝居小屋=祝祭空間を再現する、〈戯場国〉の精神史。
旅にあこがれた母さんは、ぼくをジャーニーと名づけた。ジャーニーが11歳の夏、母さんはジャーニーと姉さんのキャットをおいて、いってしまった。残されていた写真の切れはしの中に、ジャーニーは家族の絆と、両親の愛情を見つけだそうとする。『のっぽのサラ』でニューベリー賞を受賞した、今、アメリカで最も注目される作家の新作。
パリ、ワルシャワ、ジュネーヴ。ヨーロッパの国際都市を舞台に、三つの色が奏でる三つの愛の物語ー愛する夫と娘を車の事故で失ったジュリーは、すべてがブルーな色合いの中で自己を回復できるのか。雪のように白い肌のドミニクは、ポーランド人の夫の愛がもの足りず離婚裁判に持ち込むが…。優しい赤がよく似合うモデルのヴァランティーヌは、盗聴マニアの元判事に魅かれてゆく…ユニークな構成で贈る連作小説集。
ピラミッド・スフィンクス・ミイラ黄金の副葬品…人類の偉大な遺産を伝えるエジプト文化。ローマに攻められ危機におちいっていた古代エジプト王国をまもろうとした女王。
世界で最初の原爆被災の記録。写真家山端庸介さん(当時西部軍報道部員)の被爆翌日の撮影をたどる。
外部の消滅、差異の飽和、膨化した市民社会の混迷。
これは、17世紀のフランスのおはなしです。はなしのできる白いねこがくり広げる不思議で華麗な世界をのぞいてみてください。パリ郊外のアパートを毎日訪れたねこたちがモデルとしてたくさん登場します。
「ほんとうの私とは何か」という問いは、すべての人に重くのしかかっている。これに答えるには「もう一人の私」の認識が不可次だ。本書は「もう一人の私」について語りつつ、現代人のアイデンティティ探索に豊かなヒントを与えてくれる。
ますます充実した決定版トリュフォー伝。その後の「発見」を踏まえた書下し新稿と、写真構成による巻頭別刷16ページを増補。第1回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作の増補・新版。
16世紀ユダヤ人であるために苦労を背おいながら医学を修めてペストの治療に献身し、人々から奇跡の医者として尊敬されたノストラダムスの博愛にみちた真実の姿を描く。