はじめて武家政権を開いた平安末期の武将。数々の戦乱を制して、ついには最高権力者となった。実力で政権を奪う時代としての中世を切り開いたその生き方は、後世の武人政治家の範となっていく。同時代の貴族の日記や古文書などを丹念に繙きながら新史料の発掘を試み、政治動向の分析と併せて清盛の実像に迫る。従来の通説を覆した清盛伝の決定版。
万葉集は、古代史の宝庫である。有間皇子・額田王・大伴家持など、白鳳・天平時代を代表する歌人たちの生き方や政治とのかかわりを追究。作者の心理まで立ち入り、日本書紀・続日本紀では窺えない歴史の一面を考える。
道長を頂点とする藤原摂関家の栄華はいかに築かれたのか。平安遷都や数々の政変劇、外戚など、摂関政治の重要テーマを追求。執政者の自覚や日記の効用など、知られざる側面にも光を当て、平安時代史の新たな扉を叩く。
なぜ「5つの儀式」が若返りの効果を生むのか。そのパワーの秘密を探る。「5つの儀式」をはじめる前にするとよいウォーミングアップ体操、儀式・体操のやり方のコツ、うまくできない場合の工夫点などを解説。
幕末、尊皇攘夷の国体論を打ち立てた水戸学。会沢正志斎・藤田東湖らの思想と行動、その影響下にあった吉田松陰・横井小楠に迫る。明治維新の思想的推進力となり、近代天皇制イデオロギーとなった水戸学を問い直す。
食卓から家、街の風物まで人生の達人がつづる暮しの情景。豊かな日々。まだ本になっていない佳編・名編、51編。池波正太郎のラスト・エッセイ。
8000m超の巨峰、サハラ砂漠、そして北極点へ。友よ、誰のために何のために君は挑むのか。第9回小学館ノンフィクション大賞受賞作。
カフェー、ダンスホール。店頭のショーウインドーと煌めくネオンサイン。20世紀はじめ、都市には異国のにおいがする空間が現れる。西洋化・高層化・電化をキーワードに、盛り場のモダニズムとその「時代の気分」を描く。
明治になって公園はなぜ造られたのか。治安や伝染病予防のための街角の公園や、上野公園・皇居外苑など、パレードや博覧会が行われた国民統合の装置としての公園…。帝都東京の都市計画を探り、近代の公園を考える。
合気道の本質に目覚める稽古法の真髄!「呼吸力」の極意が浮かび上がる納得の一冊。
忘れてはならない負の記憶、植民地支配。日本人とアジアの人々との認識のギャップは、なぜ生まれたのか。旧植民地都市の姿から日本の植民地支配の特徴を浮彫りにし、今日のアジアと日本の問題を考える手がかりを示す。
武具の下剋上ー。古代より続いた弓射騎兵から、南北朝期の打物(刀剣類)騎兵の登場を経て、戦国期の歩兵主体のいくさへ。合戦の大転換はなぜ起こったか。『平家物語』『太平記』や絵画史料から、中世合戦の真実に迫る。
キッコーマン・ヤマサ・ヒゲタなどに代表され、日本の食卓に欠かせない調味料=醤油。関西や関東、北部九州を中心に、大手や地方中小メーカーの工夫を凝らした開発・販売の軌跡を辿り、「日本の味」誕生の舞台裏を描く。
新田義貞は鎌倉幕府を滅ぼした武将。後醍醐天皇の計画に呼応して倒幕を果たし、建武政府の一翼を担う。足利尊氏との対立を深め、南北朝動乱の中で、転戦の末、越前国藤島で不慮の戦死を遂げる。信頼し得る古文書を博捜し、義貞を支えた人的基盤を探るとともに、『太平記』によって創り出された凡将・愚将観を見直す。その実像を活写する義貞伝の決定版。
南北朝時代の武将。足利尊氏の子に生まれながら認知されず、長門探題に任じられて下向途中で父尊氏の命を受けた軍勢に襲撃され、九州に逃亡。尊氏が誅伐命令を出すなか、九州・中国地方を転戦。一度は尊氏を京都から追い出したが、敗れて再び中国地方を放浪し、石見での長い隠棲生活の果て没した。その波瀾の生涯と激動の時代を描き出す本格的実伝。
昭和戦前期、陸軍首脳部の重要ポストは陸軍幼年学校出身者で占められていた。なぜ陸軍は閉鎖的なエリート養成制度を作り出したのか。教育界の反発に対抗しつつ特権化を図る過程を、新発見の史料を駆使して解き明かす。
堂々たる体躯と大入道のような頭、鋭い眼差し、髭をたくわえ威厳に満ちた容貌の「伝・武田信玄像」は、本当に信玄なのだろうか。像主の髷・家紋、絵師の印を手がかりに謎を解き真実に迫る。絵画鑑賞のポイントも満載。
落語はキャラがおもしろい、だから噺がおもしろい。笑いのツボが見える古典落語60席。