福岡大学では総合大学としての機能を活用して、お酒・薬物・エイズのそれぞれの問題を専門とする医学部・病院、薬学部の教員と学生部が協力し、イッキ飲みやエイズに関する独自のパンフレットを配布したり、薬物乱用に関する講演などの機会を通して、学生やその保護者の理解を深めるよう努めてきました。本書は、今般、これらの蓄積された知的資産を学内だけにとどめず、広く社会に還元し、「正しい知識を身に付けることが自身を救う事につながる」との学生部の基本的な考え方を多くの方々にも共有していただきたいとの願いでそれらをまとめたものです。
わかりやすいドキュメントマンガ「キング・アガリクス」を併載し内容一新、感動をビジュアルで体験できます。
エイズが発見されて既に15年以上の歳月が経過しているが、…来世紀になってもエイズが克服できるか否かは疑問視されている。一方、マスコミは次第にこの問題に興味を失いつつあるにも拘ず、日本ではエイズ罹患者の数は確実に増加しており、その予防手段を全く講じていない現在の状態は、やがて爆発的な蔓延をひき起こす要因であることも留意すべきである。そこで、啓蒙の意味を含めてあえて本書を世に送り出した所以である。
1995年以前は正直なところ誰もがエイズは治る可能性のある病気だとは思っていなかった。しかし1996年を境にして、エイズの研究と治療は大転換の時期に入った。HIV(エイズの病原体)感染の仕組みが初めて分子レベルで明らかになった。その結果、エイズの治療の選択肢が広がり、これまで「不治の病」だったエイズに、完全治癒の燭光が見え始めたと言える。このため1998年のアメリカでのエイズの死亡率は実に半減した。いったい何が転機となったのか、その研究成果 と治療の最前線を紹介する。著者は、エイズ治療薬開発の最先端の現場から、人類の叡智は必ずやエイズを完治させることができると、生き生きと述べている。本書は「治る時代のエイズ」初の書である。
序章 基礎知識:エイズとHIV
0.1 エイズの発見
0.2 エイズの病因ウイルスの発見
0.3 HIVの起源
0.4 エイズの流行
0.5 エイズの検査
0.6 エイズの臨床
0.7 エイズの動物実験モデル
第1章 HIVのすべて
1.1 ウイルスの形態
1.2 ウイルスの侵入
1.3 ウイルスの増殖
1.5 ウイルス粒子の形成
第2章 ウイルスの遺伝子と働き
2.1 ウイルスRNA遺伝子
2.2 逆転写反応(RNA遺伝子からDNA遺伝子へ)
2.3 インテグレーション(プロウイルスの形成)
2.4 ウイルスDNA遺伝子
第3章 エイズと免疫
3.1 免疫系細胞と感染細胞の体内動態
3.2 サイトカインーリンフォカイン
3.3 サイトカインーケモカイン
3.4 免疫機能と免疫不全
3.5 エイズの発症とウイルスの表現型
3.6 長期末発症とCD4陽性T細胞機能
第4章 エイズの治療
4.1 エイズの化学療法
4.2 遺伝子治療
4.3 エイズの予防
終章 来し方行く末
編者が代表をつとめる「性を語る会」が「AIDS・教育・人権」のタイトルでシンポジウムを開始したのは1992年7月からです。特に’96 ’97 ’98年には会員からの要請もあって、3年間、3日間連続の『36時間エイズエデュケーターセミナー』を開きました。その間の記録(機関誌季刊)の中から、1冊の本にまとめました。
エイズに負けるな!栄養つけて生きのびろ!薬物療法と相補的に栄養療法を行うことで、二次感染症による致死的な栄養障害を改善できる。豊富な実践例と実用レシピで、「死に至る病」という観念を覆す。
本書は、一冊で最新のエイズの科学情報が総合的にわかる本です。エイズについての最新の科学・医学的知見を一般の読者や学生を対象に、海外の最新情報も取り入れながらわかりやすくまとめています。
これまで千数百万人が命を落としたとされる新病エイズ。緩やかに進行する地球規模の「危機」としてエイズをとらえ、感染者たちと支援者たちを取材してきたジャーナリストがHIV感染の現場で起きていることをリポートする。危機と闘う人びとの姿を伝えながら訴える支援と予防への取り組み、そして希望とは。
HIV感染者初の国会議員!!どう闘い、政治を変えたか。その全てはここに。
エイズという病気に苦しみ、貧しさのために困難な生活環境でくらさなくてはならない子どもたち。日本の子どもたちの活動をとおして、こうして子どもたちを支援する方法を考える。
1 死を待つ子ども,生きのびる子ども
2 エイズと闘う感染者たち
--せめて尊厳ある死を
3 治療を阻むWTO/知的所有権
--ジェネリック薬と特許の壁
4 勝利から生存へ
--南アフリカ・エイズ裁判とブラジルの「奇跡」
おわりに
エイズ・ウイルスは人を選びません。このままだと、ものすごくたくさんの人が感染してしまう。感染爆発を目前にあなたができることは?特効薬はきちんと知ること。
西欧の文化=権力が病い=病者におしつけてきた不健康な表象を批判し、自らの癌体験をもとに病いそのものを直視した本書は、卓抜な“病いの記号論”であると同時に、1980年代にひそかに進行していた一つの知的活動を代表する成果、今なお知的刺戟の源でありつづける古典なのである。