少年少女雑誌の分析を通じて、近代日本における「少女」という表象の成立とその受容過程を解明する。
第二次大戦やヴェトナム戦争、9・11期にいたる映画のなかの“性”は何を語るのか?『レベッカ』から『真夜中のカーボーイ』、『羊たちの沈黙』まで。
文学はどのようにして「男の仕事」となったのか。日本近代文学の自立過程は、そのジェンダー化のプロセスでもあった。ホモソーシャルな読者共同体の成立にいたる転換を鮮やかに描き出すとともに、そこにおける漱石テクストの振る舞いを精緻に分析。
フセイン政権から女性を「解放」し民主化の実現を掲げたアメリカ主導のイラク戦争から十数年、戦争によってイラク女性は「解放」されたのだろうか。占領統治の女性政策、「民主的」選挙の実情、イスラーム主義勢力の宗派対立と女性の処遇など、様々な側面から女性を通して戦後イラクの実態を分析する。
オペラにおいて女性と男性が文化としてどのように表現されているか?歴史上のさまざまな時代に欲望と快楽は音楽でどのように構成されてきたか?音楽理論ではジェンダーを内包するメタファーがどのように行き渡っているか?ジェンダーとセクシュアリティの視点からひらく音楽学の新たな地平。
女が主役、男は脇役=広告の世界。現実社会でも女たちは、主役だろうか。-広告から戦後の女と男のありようをとらえ、そこに投影された時代の意識とそれが意味するものをよむ。
「もう一つの日本時代」を提起することは、告発でもなく、糾弾でもない。戦後日台の民間交流の中で、築き上げてきた信頼関係があるからこそ、これからも過去の歴史に向き合い、理解を深めるという、本当の意味での和解が実現できると信じている(「はしがき」より)。台湾を知るための新しい社会史。
「女/母」の身体性から、いまフェミニンの臨床哲学を拓く。マイノリティ諸当事者の問題に対峙し、フェミニズムのポスト構造主義ジェンダー論からクィア理論の問題意識へと踏み込み、新たな倫理的価値軸と主体像を模索する。
スポーツはだれのもの?
「ジェンダー平等」が原理的に困難なスポーツにおいて、その限界がゆえにあぶり出される矛盾や齟齬がセクシュアリティやジェンダーの問題としてどのようにあらわれ、特に性的マイノリティをめぐってどのように変化しているのか。
今後のスポーツ界のより本質的な多様さと共存に向けた可能性を考える。
日本の現状について、自らの体験を通じて語った
下山田志帆氏、杉山文野氏、村上愛梨氏のインタビュー掲載!
災害時要援護者・災害弱者というカテゴリーでは拾えない「曖昧なニーズ」の典型としての「災害とジェンダー」。自然災害の被害とニーズを、地域単位の災害対応における被災者ニーズへの対応(=被災者ケア)という問題に即して検討し、保健師という職能の持つ可能性を提起する。
「女と男は違う!」というあなた。本当に違っているのだろうか。本当に違うなら、どうしてそんな違いができたのか。「女・男」にしばられずに自分らしく生きていくヒント。
女の子/男の子/母親/父親…『らしさ』の枠をあらためて問う。
女らしさとか男らしさって? 理系に男子が多いのは? 女性の総合職は少ないって聞くけど…… これらは「ジェンダー」にかかわる事柄です。本書は,あなたの常識に思わぬところから問いを投げかけます。読了後はいまより自由な世界が広がっていることでしょう。
Unit0 ジェンダー論はなにを明らかにするのか
第1章 性別をとらえなおす
Unit1 性別とはなにかセックスとジェンダー
Unit2 ジェンダーをとらえなおす
Unit3 セクシュアリティとはなにか
第2章 家族とジェンダー
Unit4 近代家族とジェンダー
Unit5 恋愛や家族をめぐる物語
Unit6 未婚化・少子化社会
第3章 労働とジェンダー
Unit7 女性の労働と賃金格差
Unit8 職場慣行
Unit9 ライフスタイルの中立とジェンダー
Unit10 無償労働とケアワーク
第4章 教育とジェンダー
Unit11 かくれたカリキュラム
Unit12 教育の男女格差
Unit13 ジェンダーフリー
第5章 日常生活とジェンダー
Unit14 演じられるジェンダー
Unit15 ストリートハラスメント,デートDV
第6章 国家とジェンダー
Unit16 国民国家・人権とジェンダー
Unit17 戦争と性暴力
Unit18 参政権と政治参加における男女格差
Unit19 グローバリゼーションとジェンダー
第7章 身体とジェンダー
Unit20 性と生殖に関する権利
Unit21 買売春,セックスワーク,ポルノグラフィ
Unit22 クィアとトランスジェンダー
第8章 フェミニズムとジェンダー
Unit23 フェミニズムの歴史
Unit24 フェミニズムがめざすもの
性別分業、女性の経済的依存、権力の格差…家族には男女間の不平等が折り重なっている。古代ギリシャ・ローマから現代に至るまで、公的領域における正義を追求した主流の政治理論・社会理論は、私的領域とみなされた家族のあり方をその射程に入れることはなかった。著者スーザン・モラー・オーキン(一九四六ー二〇〇四)は、本書でこれらの理論を根底から問い、正義に適った家族を実現する道を切り拓いた。フェミニズムがつねに立ち返るべき現代の古典。
男/女の二色刷から、個性の光る多色刷の社会へーー「育つ」から「シューカツする」、そして「ケアする」までの身近なできごとを、ジェンダーの視点から見なおし、「あたりまえ」をくつがえす。好評ロングセラーを全面改訂。
0 社会学とジェンダー論の視点(伊藤公雄)
1 育つ
--子どもの社会化とジェンダー(藤田由美子)
2 学ぶ
--教育のプロセスにおける性差別を考える(木村涼子)
3 語る
--ことばが開く新しい社会(中村桃子)
4 愛する
--恋愛を〈救う〉ために(牟田和恵)
5 シューカツする
--新しい働き方を考える(阿部真大)
6 働く
--労働におけるジェンダー格差(大槻奈巳)
7 家族する
--現実が変える「家族」(藤田嘉代子)
8 シェアする
--共同生活とジェンダー役割(久保田裕之)
9 遊ぶ
--男らしさの快楽とそのゆくえ(辻 泉)
10 悩む
--移りゆくジェンダー観のはざまで(小柳しげ子)
11 装う
--ファッションと社会(谷本奈穂)
12 つながる
--友人関係とジェンダー(辻 大介)
13 闘う
--戦争・軍隊とフェミニズム(佐藤文香)
14 移動する
--グローバリゼーションがもたらす新しい世界(上野加代子)
15 ケアする
--ケアはジェンダーから自由になれるか(斎藤真緒)
グローバル化、脱工業化、多文化化の進む現代社会は、その一面が豊かな社会として捉えられこそすれ、均質な社会でも、平等な社会でもない。むしろ異質性・差異と不平等の関係がかつてなく鋭く問われる社会となっている。経済財の配分をもって公正を議論することは限られたアプローチにすぎず、それをどのように超えて質的で、多尺度の成立可能な社会的条件のなかに公正の基準を見出していくか。今日の教育、福祉、社会運動、移民の研究に携わってきた研究者が、「公正な」関係や秩序とは何かを問う。
「境界・同意・尊重」は、大人になっても役立つ大切な生活スキルです。自分が自分のからだの主人公であること、自分同様に他者を尊重することの大切さを身近な例を通して伝えます。巻末に子どもと話し合うためのヒント集付き。
「プリキュアより仮面ライダーのほうが強い」と息子に言われたら、どうすればいい?--前著『これからの男の子たちへ』が大反響だった弁護士の太田啓子さんと、「男性学」研究の第一人者・田中俊之さんが語り合う“令和版・ジェンダーレスな男子の子育て論”。雑誌『STORY』のWEB連載を再構成し、かつ書籍化にあたり、灘中高等学校の名物教師や、YouTubeの性教育コンテンツが話題のバービーさんなど、4名のキーパーソンを取材。