世界のアートの最新トレンドをいつも敏感な読者にお届けする美術情報・批評誌特集
GENDER IS OVER!?
性をめぐるアートと想像力
現代を生きる私たちは、性に関する思い込みから、
どれだけ自由でいられるだろうか?
近年LGBTという言葉が広く知られるようになり、
女性や性的マイノリティに関する施策を進める企業も増えてきた。
いっぽうで世界各地での保守主義の台頭や、
SNS上での性差にまつわるトピックの炎上も目立つ。
そんないまこそ、アートをとおして、
ジェンダーやセクシュアリティについて改めて考えてみたい。
固定的なジェンダー規範には別れを告げながら、
いっぽうで「ジェンダー論なんてもう古いんじゃない?」という声には、
「本当にそうかな?」と疑問を投げかける。
私たちの性に関する考えを、揺るがし、広げ、ときに脅かし、
勇気づけてくれる、そんなアーティストたちの作品や表現を紹介する。
・セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(sexual reproductive health and rights:SRHR、性と生殖に関する健康と権利)は、基本的人権のひとつでありながら、すべての人に保障されている社会には至っていない。
・本特集では、妊娠中絶や望まない妊娠、性感染症、性暴力被害、LGBT、SOGIに関わる課題や妊娠・出産における自己決定などの知識を深め、次世代への教育や実践についても考える機会となるよう各専門家に執筆いただく。
・SRHRの課題は政策、法律、教育、文化、経済など多次元の問題を包含しているが、ここでは医学的な側面に焦点を当て、次世代のためのSRHRにとって実効性のあるアプローチを考える一助となれば幸いである。
■セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの新展開ー“私らしく生きる”を次世代に
・はじめに
・わが国の中絶・避妊の現状と課題
〔key word〕ヘルスリテラシー、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SHRH)、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標(SDGs)、女性の自己選択権、確実な避妊法、緊急避妊薬アクセス、経口中絶薬、避妊と中絶の取り扱い
・性感染症の現状と課題, 解決に向けて
〔key word〕性感染症(STI)、感染症の動向、国際セクシュアリティ教育ガイダンス
・性暴力の現状と課題ーーフォレンジック看護の視点から
〔key word〕性暴力、フォレンジック看護、支援、性暴力被害者支援対応看護師(SANE)
・LGBT、SOGI(性的指向・性自認)に関わる課題と解決への役割
〔key word〕LGBT、性的指向・性自認(SOGI)
・からだを自分自身のものにとり戻せ;からだの自己決定権を享受できる世界へーーセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツは基本的人権
〔key word〕からだの自己決定権(bodily autonomy)、国際連合人口基金(UNFPA)、国際人口開発会議(ICPD)、持続可能な開発目標(SDGs)、世界人口白書(State of World Population Report)
・思春期の子どもの保護者への性教育
〔key word〕セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)、包括的性教育、自己肯定感、エンパワメント
・包括的性教育
〔key word〕国際セクシュアリティ教育ガイダンス、人工妊娠中絶、ヒトパピローマウイルスワクチン(HPV)、避妊法、包括的性教育(CSE)
・妊娠・出産における自己決定
〔key word〕妊娠、出産、リプロダクティブ・ヘルス、自己決定、人間的出産
●TOPICS
消化器内科学
・潰瘍性大腸炎における抗インテグリンαvβ6抗体の同定
生理学
・レム睡眠中の大脳血流量の大幅な上昇の直接的な証拠ーー睡眠中の脳のリフレッシュ機構の解明に向けて
●連載
COVID-19診療の最前線からーー現場の医師による報告
・18.COVID-19による虚血性脳卒中リスクへの影響ーー救急診療への影響も含めて
バイオインフォマティクスの世界
・7.バイオインフォマティクスの根幹を担うデータベース
〔key word〕データベース、パスウェイ、リポジトリ、オントロジー
●フォーラム
中毒にご用心ーー身近にある危険植物・動物
・11.マムシ、ハブーー夏の山や森で咬まれると……
オンライン診療の二元論
・4.都会と地域ーー地域医療で芽生える「D to P with N」型オンライン診療
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
文×論。
[創作]
レコーダー定置網漁 津村記久子
疲れ果てた私は、休暇をもらっても録りだめたドラマを見るしかない。日常の中のささやかな希望描いた好短篇。
使者の夜 牧田真有子
「罪悪感のシェアっていうのはどうでしょうか」--「願い」をめぐるそれぞれの思惑の先に見つけた私の真実。
[新連載]
ショットとは何か 蓮實重彦
蓮實批評の特権的概念である「ショット」とは何か? 映画と世界をめぐる思考のはじまりを探究する巨大連載始動。
歴史の屑拾い 藤原辰史
「打ち捨てられたもの」の知から始まる、歴史叙述の新たなる試み。
[追悼 古井由吉]
個人の内面を徹底して見つめた作家・古井由吉が亡くなってから約二ヵ月。彼のまなざし、生き方、言葉がわたしたちに響き続ける。
奥泉光/角田光代/黒井千次/中村文則/蓮實重彦/蜂飼耳/保坂和志/堀江敏幸/町田康/松浦寿輝/見田宗介/山城むつみ/吉増剛造
古井由吉と現代世界ーー文学の衝撃力 富岡幸一郎
[インタビューズ]
佐野元春 時代を切り拓いた都市の詩 聞き手・文=石戸諭
ロック界を牽引してきた孤高の詩人がデビュー40周年を機に、ダイアローグで自らを見つめ直す。今なお新しい25000字インタビュー。
[特別対談]
つげ義春を読み直す 川上弘美×長嶋有
年を経てから読むと分かることがある。漫画読みの二人が初文庫化された『つげ義春日記』を読み、つげ漫画への驚きを語り合った。
[批評]
大江健三郎と「晩年の仕事」(レイト・ワーク)2 工藤庸子
ギー兄さんとは誰かーー大江健三郎と柳田国男2 尾崎真理子
[小特集 木木木木木木 おおきな森]
唯一無二の作家・古川日出男が持てる力を出し切った超大作「木木木木木木 おおきな森」。時空を越え、世界の殻を破った先に見えるものは何か。小説作法を語り尽くす。
古川日出男インタビュー「内側へ、内側へ、木木木木木木の奥にあるもの」 聞き手:波戸岡景太
われは満洲のみやこに、けふも犬のごとく逍へりーー古川日出男『木木木木木木 おおきな森』の費用対効果 波戸岡景太
[論点]
私たちは死につつあるなかで生きている、あるいは生かされているのである。今月の「群像」の論点ーー「伴侶種」「デリダ」。
人間と動物の「誘う・誘われる」関係 濱野ちひろ
ジャック・デリダの「死後の生」--ポストヒューマンと不死の行方 宮崎裕助
[短期集中ルポ]
ガザ・西岸地区・アンマン3「国境なき医師団」を見に行く いとうせいこう
[鼎談シリーズ]
徹底討議 二〇世紀の思想・文学・芸術 第4回「無意識とセクシュアリティ」 松浦寿輝×沼野充義×田中純
[最終回]
〈世界史〉の哲学 近代篇 大澤真幸
連載・随筆・書評・合評
瀬戸内寂聴
長野まゆみ
乃南アサ
保坂和志
堀江敏幸
ブレイディみかこ
武田砂鉄
星野概念
石井ゆかり
鷲田清一
皆川博子
三浦哲哉
穂村弘
熊野純彦
川名潤
青羊
小椋彩
野上志学
林道郎
山本浩貴
中島一夫
矢野利裕
山内マリコ
金ヨンロン
亀山郁夫
安藤礼二
日和聡子文×論。
[創作]
レコーダー定置網漁 津村記久子
疲れ果てた私は、休暇をもらっても録りだめたドラマを見るしかない。日常の中のささやかな希望描いた好短篇。
使者の夜 牧田真有子
「罪悪感のシェアっていうのはどうでしょうか」--「願い」をめぐるそれぞれの思惑の先に見つけた私の真実。
[新連載]
ショットとは何か 蓮實重彦
蓮實批評の特権的概念である「ショット」とは何か? 映画と世界をめぐる思考のはじまりを探究する巨大連載始動。
歴史の屑拾い 藤原辰史
「打ち捨てられたもの」の知から始まる、歴史叙述の新たなる試み。
[追悼 古井由吉]
個人の内面を徹底して見つめた作家・古井由吉が亡くなってから約二ヵ月。彼のまなざし、生き方、言葉がわたしたちに響き続ける。
奥泉光/角田光代/黒井千次/中村文則/蓮實重彦/蜂飼耳/保坂和志/堀江敏幸/町田康/松浦寿輝/見田宗介/山城むつみ/吉増剛造
古井由吉と現代世界ーー文学の衝撃力 富岡幸一郎
[インタビューズ]
佐野元春 時代を切り拓いた都市の詩 聞き手・文=石戸諭
ロック界を牽引してきた孤高の詩人がデビュー40周年を機に、ダイアローグで自らを見つめ直す。今なお新しい25000字インタビュー。
[特別対談]
つげ義春を読み直す 川上弘美×長嶋有
年を経てから読むと分かることがある。漫画読みの二人が初文庫化された『つげ義春日記』を読み、つげ漫画への驚きを語り合った。
[批評]
大江健三郎と「晩年の仕事」(レイト・ワーク)(2) 工藤庸子
ギー兄さんとは誰かーー大江健三郎と柳田国男(2) 尾崎真理子
[小特集 木木木木木木 おおきな森]
唯一無二の作家・古川日出男が持てる力を出し切った超大作「木木木木木木 おおきな森」。時空を越え、世界の殻を破った先に見えるものは何か。小説作法を語り尽くす。
古川日出男インタビュー「内側へ、内側へ、木木木木木木の奥にあるもの」 聞き手:波戸岡景太
われは満洲のみやこに、けふも犬のごとく逍へりーー古川日出男『木木木木木木 おおきな森』の費用対効果 波戸岡景太
[論点]
私たちは死につつあるなかで生きている、あるいは生かされているのである。今月の「群像」の論点ーー「伴侶種」「デリダ」。
人間と動物の「誘う・誘われる」関係 濱野ちひろ
人間と性を巡る教育と文化の総合情報
人間と性を巡る教育と文化の総合情報
世の中、性の健康のための基礎知識が欠けている。お医者さんだって性の話は苦手だ。キンゼイ研究所のデータを駆使して、性の悩みに科学的に答えた最新の啓蒙書。
外傷体験はショックや傷、それとともに、不安、悪夢、症状、欲望の停止などを思い起こさせる。そこからどのようにして抜け出せばよいのだろうか。いくつもの臨床的事例によって、いかに外傷の主体的経験は常に特異的であり、どのように分析経験は各自にその人独自の解決法を創出させ、はまり込んだ袋小路から抜け出すのを可能にするかを例示する。
「リアル・ワールド」から「バチェラー」まで
アメリカにおいてリアリティーショーはテレビの最大勢力のジャンルの一つとなりつつある。そして、リアリティ・ショーで有名人となったドナルド・トランプが大統領になったことが象徴的に表しているように、リアリティ・ショーはエンターテイメントの世界だけでなく、現実の世界も変えつつある。社会学者の著者が、現在のリアリティ・ショーのかたちの先駆けとなった「リアル・ワールド」(1992)の最初のエピソードから、「バチェラー」における数限りないローズ・セレモニーまでを分析し、そこに映された人種、性別、階級、セクシュアリティなどに対する考え方がいかに保守的であるかを明らかにし、その「フィクション」が「リアル」を侵食しつつあることに対し警鐘を鳴らす。
サイボーグや人工知能のように、ポスト・ヒューマンともいうべき事象が噴出する現在、電子テクノロジーにとって私たちの身体はどのような意味をもつのか、そうした身体の意味に対応する倫理思想をどう立ち上げるべきかを思索する理論研究の成果。
序
第1部 サイバー・カルチャーへの誘い
第1章 ヴァーチャル・ワールドのジェンダーとセクシュアリティーーその両義性
1 ヴァーチャル・ワールドのジェンダー・スイッチング
2 ヴァーチャル・ワールドのセクシュアリティ
3 一元化する自己
4 日本のヴァーチャル・ワールドの現状をめぐって
5 セクシュアリティ再考
第2章 MMORPGにおけるジェンダー・スイッチングに関する一考察
1 研究の目的
2 調査内容と結果
3 結果の考察
資料
第3章 コンピュータを介したコミュニケーションの倫理学的検討
1 テキストをベースとしたコミュニケーションがうむ共感
2 ビデオゲームにおけるシミュレーションと同一化の考察
第2部 サイバー・カルチャーにおける自己と身体をめぐる考察
第4章 情報社会における自己の多元化ーーその倫理的可能性を考える
1 デネットの自己の分析とその検討
2 インターネット時代の自己像
3 多元化する自己の倫理的可能性
第5章 サイバー・スペースの自己と身体に関する考察
1 サイバー・スペースのなかの自己の誕生と身体
2 ゲームプレイにおける身体経験に関する考察
第6章 サイバー・カルチャーにおける〈身体論的〉転回
1 初期のサイバー・カルチャーと現在のサイバー・カルチャー
2 サイバー・カルチャー研究の新たな動向
3 新たな〈身体〉経験がもたらすものーー身体の枠組みの再構築
第3部 これからのサイバー・カルチャー研究に向けて
第7章 生成としてのサイボーグに関する一考察
1 ティラドーの議論
2 「逃走線」とは何か
3 なぜ「機械」なのか
第8章 〈サイボーグ〉という経験を捉える視座とはどのようなものか
1 科学はどのように捉えられるのか
2 社会構築主義・再考
3 科学・芸術・哲学
第9章 覆い隠された〈身体〉経験の顕在化に向けてーーサイバー・カルチャー研究の方法
1 ニュー・メディア・スタディーズのアプローチとしての現象学的方法
2 パフォーマンス研究との共通点
引用・参考文献など一覧
あとがき
研究の緻密化と並行して細分化が進むなか、「帝国」の構造や植民地支配のあり方を総体として把握・理解する必要性がますます高まっている。そのために必要な論点を、政治・経済の制度と文化的側面の双方に目を配りつつテーマ別に整理し、第一線の研究者36人がわかりやすく解説する。研究の到達点と今後の展望を提示する画期的入門書。
進展いちじるしい脳科学とコンピュータ科学。そのめざすところを情報と生命という視点からさぐり、われわれが自明の前提にしてきた思考の枠組を解体・組換える。