論考篇では『拾穂抄』『秘訣』中の先人・定家、宗祗、仙覚等に対する態度を探り、その文献主義を述べることで季吟の『万葉集』研究を国学へと続く近世上代文学研究の先駆けと位置付け直す。また、刊本『拾穂抄』の底本である惺窩校正本の諸本の成立と歌句改変の意図を論じ、多くの人材を輩出した惺窩の研究を精査。加えて『万葉集』受容史研究の今後の展望も記すほか、資料篇として季吟自筆と目される岩瀬文庫本『拾穂抄』翻刻を収載する。
京都府南部地域・南山城における仏教遺跡を対象として、国家仏教と氏族仏教の相克を視座に、仏教文化の受容と伝播の過程を丹念に追究。その特異性と普遍性を明らかにする。
近代日本の黎明期にイタリアへ渡った井尻儀三郎、緒方惟直、川村清雄、長沼守敬ら若き日本人たち。彼らは明治政府がすすめる近代化政策の中で、イタリアから何を受容したのか。知られざる西洋文化受容史を描き出す。
主要5業種のケーススタディにより事業性判断から融資ネタまでを解説。
ロックを中心に世界の最新の音楽を鋭く評論【特集】 文学としてのボブ・ディラン
10月13日に報じられたボブ・ディランにノーベル文学賞が授与されるというニュースは、世界に衝撃を与えた。ミュージシャンが同賞を受けるのはもちろん史上初。それゆえに賛否両論が飛び交った。彼の作品が文学として評価されたポイントはどこなのか。そもそもボブ・ディランとはどのようなアーティストなのか。一気にその深淵に触れる緊急特集!
■ 歌ありて、という詩人であること(小倉エージ)
■ ボブ・ディランはディランを発明しつづける(みうらじゅん×湯浅学)
■ 活動の軌跡──“概念”から逃げてきた“謎の男”(和久井光司)
■ 文学よ、“feel”の声を響かせよ──詩人ボブ・ディランとは(堀内正規)
■ ボブ・ディラン わたしの一曲(青山陽一、あがた森魚、市川紗椰、浦沢直樹、遠藤賢司、おおはた雄一、大和田俊之、岡田拓郎、奥田英朗、金子勝、KUMI/ラブサイケデリコ、桜井芳樹/ロンサム・ストリングス、佐藤良成/ハンバート ハンバート、柴田元幸、菅野ヘッケル、曽我部恵一、高田漣、高橋修、東京ボブ、直枝政広/カーネーション、中川五郎、中川敬/ソウル・フラワー・ユニオン、中村まり、中森康弘/ヒックスヴィル・ましまろ、ピーター・バラカン、細馬宏通、前野健太、真島昌利/クロマニヨンズ、町山智浩、森達也)
■ 『ライヴ 1966』──歴史的ライヴ音源が36枚組で登場(宇田和弘)
■ 復刻〜日本初登場のLP『ボブ・ディラン』ライナーノーツ(中村とうよう)
【特集】 ヴォーカル・エフェクトの可能性
ボン・イヴェール、フランク・オーシャン、カニエ・ウェスト、ロバート・グラスパー・エクスペリメント…。2016年、多くの話題作から“ロボ声”が聞こえてきた。70年以上前のトーキング・ギターやソノヴォックスから、ヴォコーダー、トークボックス、オートチューンと、現在まで脈々と続いてきたヴォーカル・エフェクトの歴史は、いまどんな状況になっているのか。持って生まれた自分の声を変えて、テクノロジーに歌を委ねる音楽家たちに迫ってみたい。
■ 生まれもった自分の声では表現しきれない思いや信念を、ロボ声に託す(新田晋平)
■ いま聴きたいロボ声19選(新田晋平)
ほか