文字をよみかきできないひとびとにとって、文字はどのようにせまってくるものなのか?「識字」「非識字」のなにが問題であり、なにをするべきなのか。識字問題の解決のために、ほんとうに必要なことはなにか。
統計的な方法を用いて言語を研究するとは、どういうことか。“量”の視点から言葉を捉えるときに、明らかになる言語事実とは、どういうことだろうか。言語研究に際して、信頼性の高いデータを整え、的確に分析するには、どのように行なえばよいのかを学べる頼りになる1冊。
温泉が湧き、冬ごもりの聖地となっているらしい町・ウタツにたどり着いたハカバ一行。家を修理するものの、壁材をケンタウロスに食べられてしまう…こんなんで魔界の冬が越せるのか!?
言葉へのアプローチ。近年、研究の多様化著しい言語学を各分野ごとに概説し、同時に現在の問題点と研究方向を平明簡潔に紹介した入門書。巻末の文献解説は言語学小史の役割をも果たす。
言語を人間のコミュニケーションの中にとらえ直し、戦時体験の語りからネット上の言語まで、現代の様々なコミュニケーション現象に迫る。文化・認知・社会を繋ぐ新しい言語学の試み。
本書では、「とにかくドイツ語とはこういうものだ」といった規範的立場ではなく、ドイツ語に固有の現象を他の言語の分析にも通用するような言語普遍的な立場から解説する。
過去ならびに歴史を振り返ることは、今を知り、将来の設計を立てる上で何よりも重要である。理論言語学史の歴史を振り返り、未来を考える。「初期理論から障壁理論まで」「経済性理論から極小主義まで」「認知言語学」「形式意味論」「生物言語学」の5部構成で、7人の執筆者が詳説する。
本書は、認知科学の諸分野において明らかにされた「カテゴリー化」に関する知見、とりわけプロトタイプ理論を言語分析に取り入れた認知言語学の概説書…メタファー、メトニミー、スキーマ、フレーム、スクリプト、認知モデル、領域、図と地、輪郭づけ、ランドマーク、トランジェクター、動機づけなど、従来の言語学にはあまり見られない概念が使用されている。…認知言語学は、このような認知一般とのインターフェイスに関わる概念とも深く関わりを持ちながら理論的整備が遂行されている点に特徴がある。
研究の進展が著しい認知言語学とその関連領域の用語を、原則1ページで分かりやすく解説。改訂にあたっては、その後の研究成果を踏まえて、旧版の記述を見直し、用語も大幅に追加。「認知言語学を学ぶ人のための基本文献案内」を新たに付録として掲載。学生・研究者必携の事典。
本書は、変形生成文法の源流を、17世紀の合理主義思想に求め、デカルトからポール=ロワヤル文法へ、さらにフンボルト、ロマン主義へと連なる言語学の流れを明らかにする。その試みは、言語行動における自由と創造性に光をあて、自らの言語観、人間観を示す「方法序説」となっている。
言語聴覚士養成校で学ぶ「言語発達障害学」のテキストとして最適な1冊。第3版では日本言語聴覚士協会が2018年に発表した「言語聴覚士養成教育ガイドライン」を踏まえた目次立てとするとともに、学生が学ぶ際の指針として各章・各項目ごとに学修の到達目標を明示する。さらに今版では事例の記載を充実させ、臨床をイメージできる内容とするとともに、保健・福祉・教育との連携や言語発達障害支援の最前線についても解説する。
現代言語学の雄、エミール・バンヴェニストの代表的論文21篇を収めたものである。最近の言語理論に関する簡潔な展望からソシュールの歴史的意味、コミュニケーションの問題、構造と分析、さらに統辞機能、語彙と文化まで、現代の言語学をめぐる“諸問題”をあつかっている。
日中両国の理論言語学者による新たな交流から生まれたシリーズ第二巻。一般言語学に寄与し得る学術的提言を目指した、最新の研究成果がここに。
はしがきーー大野 晋
はじめに 考古学と日本語……大野 晋×金関 恕
『日本語の起源』のころ/土井ヶ浜の発掘で学ぶ/縄文日本人と米作/縄文・弥生の酒/稲・粟の種類と餅の形/弥生時代の墓と石,金属/ものを細かく見ない日本人/欧米流考古学と日本考古学/東の考古学,西の考古学/言語能力と文化/考古学者たちの思い出
形質人類学との対話……馬場悠男先生をお迎えして
日本語の起源ーータミル語と接触したのか/タミル人は日本へ来たのか/弥生人とは誰なのか/アイヌ人と縄文人/弥生人はどこから来たのか/昔の人類学は正確ではない?/渡来弥生人の拡がりかた/偶然とは考えられないタミル語との対応関係/稲作は中国から来たのか/タミル人は7000キロを旅したのか/タミルからは文化だけを受け入れたのか/沿岸地域に別の稲作文化があった?/骨から見た人類の変化
縄文学との対話……小林達雄先生をお迎えして
人間はいつから言語を持ったのか/縄文人の言語と文化/縄文文化は進んでいた/日本語とタミル語の対応関係/縄文語はどんな言葉だったのか/数詞をどう考えるか/縄文の言葉と文化はどこまで受け継がれているのか/縄文の言葉はどこまで弥生文化の影響を受けたのか/文化の伝播と東西のちがい/記号文とグラフィティの類似は偶然か
アイヌ語学との対話……中川 裕先生をお迎えして
「弥生以前」の謎/アイヌ語はどこでいつ話されていたのか/縄文人はアイヌ語をしゃべっていたか/アイヌ語と日本語は関係があるか/文明の受容と言語/アイヌにとってのカムイとは/アイヌ語にくわわった日本語/東の言葉と西の言葉/日本語はどこから来たのか
朝鮮考古学との対話……西谷 正先生をお迎えして
日本語とタミル語の関連について/考古学から見た日本・朝鮮・南インド/稲作文化の来た道をたどる/人々の流れをさぐる
おわりにーー金関 恕