障害のある子どもも、気になる子どもも、養育に問題のある子どもも、そうでない子どもも、みんなが一緒の場で共に育ち合う保育が「インクルーシブな保育」です。
“困っている子”をクラスから隔てることなく、子ども同士が認め合うクラスづくりのために、保育者は何をしたらよいのでしょうか。具体的な事例から、本人やクラスの子どもの“困り感”を捉え、個別対応とインクルーシブな対応を考えます。担任一人で抱え込まないクラス運営のポイントや、保護者の気持ちに寄り添った対応についても押さえています。
今、世界は、気候変動、生物多様性の損失、汚染という三つの危機に直面するとともに、国際的にはロシアのウクライナ侵略、イスラエルの軍事行動など、地政学等に大きな転機を迎えています。さらに、我が国は、世界に先駆けて人口が減少し、高齢化が進んでいることに加え、社会生活の維持に必要なエネルギー・資源・食料等を海外に依存しています。その依存度を下げ、環境の危機に対応することは、我が国の安全保障を考える上でも重要な課題です。本年5月に閣議決定した第六次環境基本計画では、地上資源基調の、無形の価値、心の豊かさをも重視した「循環・高付加価値型の経済社会システム」への転換を求めています。2030年頃までの10年間に行う選択や実施する対策は、現在から数千年先まで影響を持つ可能性が高く、今がその「勝負の10年」の真っ只中にあります。それらに対応するには、十分なスピードとスケールをもって、政府一体となって、本計画に基づく重点戦略等の施策を進めていく必要があります。個人、地域、企業、国、地球はいわば「同心円」の関係にあるのであり、国民一人ひとりがどのように意識し、行動するかが極めて重要となります。
フランス語音韻論研究の成果をまとめた1冊を日本の学習者・語学教師向けにアレンジした日本語版。記述的な視点から,北フランス・南フランス・ベルギー・スイス・アフリカ・海外県と海外領域圏(DROM)・北アメリカで採集されたさまざまなフランス語を音声つきで解説。フランス語の多様性を見渡す最新の書。
「生物多様性の維持がいかに人類の健康で文化的な生活のために必要か」をテーマに、生物多様性の喪失が人間の健康に与える潜在的脅威の全てを考察した初めての本。人間の豊かな生活が原因で起こる危険について警告している。
刊行によせて/序文/訳者序文
第1章 生物多様性とは何か?
種絶滅率の測定/二次的な絶滅/個体群と遺伝的特性の喪失/結び
第2章 人類の生活が生物多様性に与える脅威
陸上における生息環境の消滅/海洋における生息環境の消滅/淡水域における生息環境の消滅/天然資源の乱獲/移入種問題/感染症の脅威/環境汚染/紫外線(UV)/戦争や武力衝突が環境に与えるダメージ/地球規模の気候変動
第3章 生態系サービス
生態系サービスの特徴/生態系サービスの経済的価値/生態系サービスにとっての脅威/結論
第4章 自然界からの薬品
なぜ天然薬品なのか/天然産物の医薬品としての歴史/薬発見の伝統的な医療の役割/南米土着の医薬/いくつかの天然由来の薬品の概観/工業国でのハーブ治療薬/医薬品の可能性のある食品/殺虫剤および防かび剤としての天然産物
第5章 生物多様性と生物医療研究
医科学研究の歴史概略/生医学研究における動物と微生物の役割/結論
第6章 絶滅危機にある医学上有用な生物
両生類/クマ類/霊長類/裸子植物/イモガイ類/サメ類/カブトガニ類/結論
第7章 生態系の攪乱、生物多様性の消失および人間の感染症
生態系の攪乱と感染症への影響/媒介者、病原体、宿主の多様性と人間の感染症/生物的制御/種の搾取とブッシュミートの消費/気候変動と感染症への影響/結論
第8章 生物多様性と食料生産
歴史的背景/農業/家畜(酪農?)生産/水生態系からの食料/結論
第9章 遺伝子組み換え作物(GM作物)と有機農業
遺伝子組み換え食品/有機農業/複合農業/結論
第10章 生物多様性の維持のために一人一人が何を為すべきか[提案の章]
自分たちの地球に何をしているのか?/なぜ浪費は止まらないのか?/生物多様性を保全する方法/多くの声が当局を動かした実例/すばらしい業績を残した個人活動家/生物多様性の維持に貢献ー私たちができる10の事柄
教師に求められる資質・能力の一つとして挙げられるファシリテーションとは何か。識者に今一度、ファシリテーションについて解説していただくとともに、多様な子どもたちがいる教室でファシリテーションがどのように機能しているのか、具体的な実践で見せる。
1.巻頭言 学校とファシリテーション
2.誌上レポート 授業の中のファシリテーション〜豊田哲雄さんの教室〜
3.ファシリテーションとは何か
4.座談会 学校教育実践におけるファシリテーションの現在地を探る
5.ファシリテーションで授業が変わる
6.特別寄稿 学校教育とファシリテーションの歩み〜「学校教育に関するファシリテーション書籍一覧表」をもとに〜
科学の現場のダイナミズムに迫る
本書は、「科学とは何か」という極めて大きな問題を巡る、ほぼ半世紀にわたる著者の議論のエッセンスを、分かりやすくまとめたものである。
20世紀における科学の急激な発展と、それが引き起こした倫理的諸問題の考察からはじまり、科学には限界があるか、他の形態の知とどのような関係を保たなければならないのだろうかという問いに答えようと試みる。
本書の軸となる章では、科学の対象が異なるのに応じて用いられる方法も多様になるが、この多様性によって提起される問題の柔軟性にもかかわらず、科学の内に見出される統一性とは何を意味しているのか、そして、数理科学と経験科学という科学的知識の二つのタイプの対象および方法の相違、それらの間の関係が論じられる。
地域活性化策として注目を集める地域ブランディングについて,ビジネス・ブランディングの理論を援用しながら,その本質に迫る。そして,これまで別々に議論されてきた地域空間と地域産品のブランディングを統合し,地域ブランディングを体系的に考察する分析枠組みを提示する。また,本書では,食文化資源を活用した事例を多数取り上げ、地域ブランディングにおける食文化資源の有用性も明らかにしている。
序 章 地域ブランド研究の意義と本書の目的
第1部 理論編
第1章 ブランドの意味と役割ーーブランドの基礎知識⑴
第2章 ブランドのマネジメントーーブランドの基礎知識⑵
第3章 地域ブランドの分析視角ーー地域ブランディングの統合モデル
第2部 事例編
第4章 地域ブランドの付与条件ーー事例:あきたこまち
第5章 地域ブランドの製品選択ーー事例:仙台牛たん焼き
第6章 地域ブランドの市場選択ーー事例:関あじ・関さば
第7章 地域ブランドのダイナミズムーー事例:大阪産(もん)
第8章 地域ブランド資源としての地域産品ーー事例:富士宮やきそば学会
第9章 地域ブランドのマネジメントーー事例:食の都・大阪推進会議
第10章 地域ブランドの競争と共創ーー事例:B-1グランプリ
終 章 地域ブランディングの論理ーーその固有性とビジネス・ブランディングへの示唆
神戸大学大学院教授鈴木竜太氏推薦!
「人々が自分らしく働き、組織には一体感がある
インクルージョン・マネジメントが目指す組織は、マネジメントに携わる人なら誰でも理想に持つ姿だ。
丁寧な理論的検討と実証研究を行っている本書は、それを深く考えたい人の大いなる助けとなる書である」
日本企業において、ダイバーシティ・マネジメントという「言葉」が定着し、各企業・組織おいて制度拡充が進められるようになって久しい。しかし、必ずしもそれが成果につながっているとは言い難いのが実情である。
本書では、多様性を成果につなげる考え方として、組織における帰属感と自分らしさの発揮の両方が実現されている状態である「インクルージョン」の概念に着目する。この言葉は元々、社会福祉や教育の分野で使われ始めたが、昨今、企業経営の場においても耳にするようになった。経営学の視点からこの概念を丁寧に整理し紐解いた上で、インクルージョン認識を積極的に活かしている企業と、形式的なダイバーシティ・マネジメントのみ行う企業との事例比較を行い、どのような取り組みがインクルージョン認識を高めるのか、また、インクルージョンを用いることでどのような組織成果が得られるのかを具体的に示し、真に多様性を活かす経営のメカニズムを提示する。
インクルージョンの本質を詳らかにし、それをわかりやすく実際に使える概念に落とし込んだ意欲的な研究書であり、研究者はもちろん、ダイバーシティ施策に取り組みつつも成果につながらないと悩む実務家にとって、多様性を活かすとはどういうことなのか、そしてそれを成果につなげるためには何が大切なのか、といった点で、新たな視点や示唆を得られるであろう。
【目次】
序 章 インクルージョン・マネジメントの探求に先立って
第I部 先行研究と研究課題
第1章 ダイバーシティにかんする先行研究
第2章 インクルージョンにかんする先行研究
第3章 日本企業の人材マネジメントにかんする先行研究
第4章 研究課題
第II部 事例研究
第5章 事例:男性総合職モデル企業
第6章 事例:インクルージョンを活かす企業
第III部 総合的考察と結論
第7章 事例研究からの総合的な考察
第8章 結論
序 章 インクルージョン・マネジメントの探求に先立って
第I部 先行研究と研究課題
第1章 ダイバーシティにかんする先行研究
第2章 インクルージョンにかんする先行研究
第3章 日本企業の人材マネジメントにかんする先行研究
第4章 研究課題
第II部 事例研究
第5章 事例:男性総合職モデル企業
第6章 事例:インクルージョンを活かす企業
第III部 総合的考察と結論
第7章 事例研究からの総合的な考察
第8章 結論
「生物多様性」をテーマにしたシリーズの第3巻。
かつては植物の中の一群とされていた藻類だが、現在では多様な起源をもつ生物の集まりであるとわかってきている。研究の歴史や人との関わりをはじめ、原核生物や原生動物との系統関係、葉緑体の起源や細胞内共生による進化過程など、さまざまな視点からこの生物群を解説する。
豊富な植物画を配し、分類形質一覧表等の付録も充実。
第 I 部 藻類の多様性と分類体系
1.藻類の多様性
2.藻類の多様性研究の歴史
第 II 部 さまざまな形質からみた藻類の多様性と系統・進化
3.分子系統学からみた多様性
4.葉緑体にみる多様性
5.光合成色素にみる多様性
6.鞭毛と鞭毛装置にみる多様性
7.有性生殖にみる多様性
8.藻類の光運動反応
9.藻類の概日時計
10.細胞内共生による葉緑体の獲得と藻類の多様化
第 III 部 植物群ごとの特徴 -図版解説とコラムー
1.藍色植物門
2.原核緑色植物門
3.灰色植物門
4.紅色植物門
5.クリプト植物門
6.不等毛植物門
7.ハプト植物門
8.渦鞭毛植物門
9.ユーグレナ植物門
10.クロララクニオン植物門
11.緑色植物門
会社はなぜ存在するのか。そして、どのようになっていくのか。オックスフォード大学クラレンドン講義に基づいた著者最新の研究成果が、企業理論の新たな地平を切り開く。
奈良県大宇陀で守られる日本最古の私設薬園、史跡、森野旧薬園が所蔵する門外不出の家宝「松山本草」全10巻を初めてフルカラーB5判上製本で公開。
森野家は奈良県大宇陀で約450年の間、吉野葛製造を営んできた旧家である。薬草を中国からの輸入に頼り、財政を逼迫させていた享保年間に、森野家10代目、初代藤助賽郭は、八代将軍吉宗の命を受けた幕府採薬使、植村左平次とともに大和地方を調査した功により、幕府より薬草を下賜され、これを自家の裏山に植えたのが森野旧薬園のはじまりである。
江戸へ出かける機会の増えた藤助賽郭は、さまざまな専門家との交流を経て、晩年、自家の山に「桃岳庵」を建て、そこで薬草や動物の写生を日課とした。これが「松山本草」であり、主に702種の植物の他、昆虫、鳥獣、貝が彩色されて全1001種が描かれている。「草上」「草下」「蔓草藤」「芳草・灌木」「山草・湿草・毒草」「水草・石草」「殻草」「木」「鱗蟲禽獣」「介」の名前が各巻に付けられた和装冊子の状態で全10巻となっている。
藤助賽郭の植物画は、江戸享保改革期の薬種国産化政策を背景に、当時の生薬基原種や、すでに生息していた西洋生薬など、園内の植生を描き出している。
1750-1768年の間、森野藤助賽郭が写生した「松山本草」には1丁に2頁が描かれており、多くは1頁に2種の植物が描かれている。大和地方調査時に発見し、その後森野家がカタクリ粉製造をする端緒となった、カタクリの頁には「本草綱目」「大和本草」の説明文が引用され、賽郭の思いが伝わる。本書ではそれらを1頁に1頁ずつ収載している。薬草は使用部位も描かれ、開花時期、異名、上品、中品、下品などの記載もみられる。
ほかに、現在の植物と「松山本草」の全図絵にある植物の比較解説を行い、図絵への書き込みをデータ化し、収載するとともに和名、学名を記した図絵解読一覧、森野旧薬園の植生調査リストを掲載。江戸期の薬園の姿をいまに伝える森野旧薬園の姿と意義を明らかにする。
はじめに
序章 本書の視角:松山本草と森野旧薬園研究
第一章 森野藤助通貞賽郭真写『松山本草』
森野藤助賽郭と松山本草
生薬品質における基原植物同定と博物学
松山本草翻刻
1. 第1巻 草上 (59頁:1-121種) 121種
2. 第2巻 草下 (61頁:122-241種) 120種
3. 第3巻 蔓草藤 (51頁:242-341種) 100種
4. 第4巻 芳草・灌木 (19頁:342-377種) 36種
5. 第5巻 山草・湿草・毒草 (43頁:378-459種) 82種
6. 第6巻 水草・石草 (31頁:460-518種) 59種
7. 第7巻 穀菜 (33頁:519-582種) 64種
8. 第8巻 木 (61頁:583-702種) 120種
9. 第9巻 鱗蟲禽獸 (48頁:703-787種) 85種
10. 第10巻 介 (55頁:788-1001種) 214種
図絵解読一覧 (計1001種)
第二章 森野旧薬園から学ぶ生物多様性の原点と実践
江戸・享保改革期の薬種国産化政策と森野家
森野薬園時代の漢薬種育成と生薬栽培の伝統
森野旧薬園における生育植物の現況
生息植物リスト(2010〜11年時現在)
森野旧薬園の環境社会学的意義:国内における生息域保全
終章 総括と展望
おわりに
民主政治の根幹をなす選挙は、はたして公正・中立に行われているのか。選挙制度が選挙結果に与える影響は既に多くの研究がなされているが、選挙実務そのものがいかなる影響を及ぼしているかを、国内外の実態調査から余すところなく解明する。本書では、世界各国の選挙ガバナンスの多様性を紹介し、選挙管理制度がなぜバリエーションに富み、いかなる選挙ガバナンスが選挙管理の質、民主主義の質に良好な影響を与えるかを考察する。
著者は、米国で25年間、最先端の医療経済学の研究と教育に従事した後、2020年に日本へ帰国。「99%」の住民の生活水準を改善するため、「プランB」を提案している。「プランB」とは、日本が採用している大企業・大都市中心の「プランA」のオルタナティブ(代替案)である。「プランB」を経済学的な切り口から詳解したのが、前著『日本再生のための「プランB」-医療経済学による所得倍増計画』(2021年3月集英社新書刊)。本著と前著は姉妹本であり、どちらから先に読んでも理解できるように執筆した。
本著は、同じ「プランB」を別の切り口から説明している。すなわち、個人の職業選択、創造性の伸ばし方、海外への転職、地方が悩む人口減少などの具体的な質問に回答する書簡形式で、「プランB」がどのように役立つかを説明。
また、本著は、「プランB」の最小単位である一個人の内部の多様性を豊かにする「道具としての(アウグスト・ボアールの)演劇」への招待状であり、すべての年代、地方を担う人々への応援の著でもある。
地域の和、科学の眼、自然の力、元気な生態系を取り戻そう。
2000年にデンマークのNGO(Stop the Violence)が、北欧最大級の音楽祭であるロスキレ・フェスティバルで始めた「人を貸し出す図書館」ヒューマンライブラリー。障害者、ホームレス、性的少数者など、社会のなかで偏見やスティグマを経験したことのある人々が「本」になり、一般「読者」と対話をするこの「図書館」は、世界中に広がり、現在では90カ国以上で開催されている。本書では、大学や団体をはじめとする国内外の多様な実践を紹介すると同時に、偏見の低減効果、ヒューマンライブラリーの運営がもたらす学習効果などに関する分析を行い、自己と他者の関係性の再構築、また、日常の生活空間と差異を再構築する場としてのヒューマンライブラリーの意義を論考する。