本書の第1部では、歴史的に藻類の多様性がどのように研究され、認識されてきたか、そしてそれに伴って分類体系がどのように変遷して今日にいたったかを解説する。さらに藻の分布や日常生活における藻の多様な利用などについても言及した。第2部では「さまざまな形質からみた藻類の多様性と系統・進化」を論じる。取り上げる形質はDNA、葉緑体、光合成色素、鞭毛、生殖、光運動、概日時計、細胞内共生など、その範囲は分子レベル、細胞レベルから個体レベルに及び、最近の研究成果に基づく論議が展開される。第3部は藻類の各群ごとの解説で、藻類を11の門に分け、それぞれの門について、生育、光合成色素、形態、細胞構造、生殖、生活環などの特徴を述べ、さらに分類・系統にも言及した。
食草選択と擬態の謎にせまる。約150種の美しいアゲハチョウが見せる多様性ワールド。
会社はなぜ存在するのか。そして、どのようになっていくのか。オックスフォード大学クラレンドン講義に基づいた著者最新の研究成果が、企業理論の新たな地平を切り開く。
アフリカン・ディアスポラが体現する多様性が切り結ぶ人種連帯からニューヨーク都市史を捉えなおそうという試み。
史跡・森野旧薬園(奈良県宇陀市大宇陀町)は、現存する日本最後の私立植物園で、現在も薬用植物を学ぶのに適した薬園である。当時の大和大宇陀の自然、里山の暮らしを垣間見ることができるだけでなく、生物多様性が叫ばれる昨今、自然環境保全に対する温故知新の情報を秘めている。
世界遺産条約採択40周年。世界遺産条約はどのように生まれ、生物多様性条約とはどんな関係にあるのか。世界遺産条約によって生物多様性を保全することはできるのか、できないとしたらどうしたらよいのか。
なぜ宇宙は人々を惹きつけてやまないのか?
宇宙とは何かという,この世の中でももっとも根源的な部類に属する問題に取り組む宇宙論の研究は,現在,目覚ましい発展を遂げているさなかにある。その原動力となっているのは,宇宙観測の飛躍的な拡大である。これにより,宇宙論は単なる思索の対象から定量的な実証科学へと変貌を遂げた。
宇宙の大規模構造は,宇宙空間に広がる数億光年?数十億光年にもおよぶ大きな構造である。ビッグバンから始まる宇宙の歴史の中で,大規模構造がどのように形成されてきたかを探ることは,この宇宙そのものの起源を探ることに直結している。宇宙の大規模構造を用いた宇宙論の研究は,将来的にも最も期待される手法のひとつとされ,大規模な観測計画が世界中で立案されている。
本書の目的は,宇宙の大規模構造を用いた宇宙論の研究を解説することにある。最初に,現代宇宙論の現状や,いま研究されている未解決問題を概観し,同時に宇宙論の研究に用いられる基礎的な物理の原理を解説する。そして,宇宙の大規模構造の進化を記述するための理論的基礎を解説する。さらに,大規模構造形成における理論的な最前線の紹介として,摂動論的手法に基づいた最近の理論的進展を解説する。
前半の章では基礎的なレベルから始めて,後半の章では多少高度な話題についても触れている。宇宙論の現状や研究の雰囲気をある程度詳しく概観するのにも適している。
第1章 はじめに
1.1 宇宙論の疑問
1.2 宇宙観の広がりと現代宇宙論
1.3 宇宙のダークな側面
1.4 単純性と真実性のはざま
1.5 精密宇宙論
1.6 宇宙の大規模構造
1.7 大規模構造と宇宙論
第2章 一様等方宇宙
2.1 宇宙原理とロバートソン・ウォーカー計量
2.2 赤方偏移と共動距離
2.3 一様等方宇宙のアインシュタイン方程式
2.4 宇宙論パラメータとフリードマン方程式
2.5 光度距離と角径距離
2.6 ダークエネルギー
第3章 密度ゆらぎの進化
3.1 宇宙の構造形成
3.2 流体方程式と密度ゆらぎ
3.3 線形近似とジーンズ不安定性
3.4 バリオン音響振動
3.5 密度ゆらぎの線形成長
3.6 非線形摂動論
3.7 球対称密度ゆらぎ
第4章 密度ゆらぎの統計と観測量
4.1 宇宙論における統計量の重要性
4.2 キュムラント展開定理
4.3 モーメントとキュムラントの母関数
4.4 多変数ガウス分布
4.5 密度ゆらぎのパワースペクトル
4.6 線形パワースペクトル
4.7 初期非ガウス性
4.8 天体のバイアス
4.9 赤方偏移空間変形
4.10 大規模構造とバリオン音響振動
4.11 ハローの形成と質量関数
第5章 大規模構造と非線形摂動論
5.1 構造形成における非線形性
5.2 標準摂動論による非線形パワースペクトル
5.3 摂動展開の図形的表現
5.4 摂動論におけるバイアス効果
5.5 摂動論における赤方偏移空間変形効果
5.6 ラグランジュ的摂動論
第6章 統合摂動論の基礎
6.1 ラグランジュ的摂動論と観測量
6.2 ラグランジュ描像バイアスと摂動論
6.3 ラグランジュ的摂動論における赤方偏移空間変形
6.4 多点伝播関数
6.5 変位ベクトルの頂点部分和
6.6 バイアスの頂点部分和とくり込まれたバイアス関数
6.7 統合摂動論における図形対応規則のまとめ
第7章 統合摂動論の応用
7.1 ハローに対するくり込まれたバイアス関数のモデル
7.2 1 ループ近似の準非線形パワースペクトル
7.3 質量のパワースペクトルと相関関数
7.4 ハローのパワースペクトルと相関関数
7.5 初期非ガウス性によるスケール依存バイアス
第8章 おわりに
8.1 宇宙の構造を観察する
8.2 次世代の大規模構造観測
8.3 未知の領域を探る
8.4 宇宙全体の理解を目指して
大手企業等での事例も収録!「基礎編」の続刊として、導入のステップや留意点など、ダイバーシティ推進のための実践的な手法や考え方を、女性活躍を中心に紹介。
脈々と連なる遺伝子の川を縦糸に、多様に枝分かれした生き物たちの関わり合いを横糸に、実験室とフィールドワークの出会いが織りなす知のタペストリー。動物学・植物学・生物物理学など、対象も手法も異なる多彩な研究の結びつきから浮かび上がってくる生物界の全体像を鮮やかに描き出す。
40億年にわたる地球の動物の進化をふりかえりつつ、厖大な動物の種(大きく見積もって2億種)を公平に要約して35の系統に分け、ふだん見られない動物たちに重点を置きつつ、540点余の貴重な図版とともに紹介する。
深海や極寒の地の動物、「最強の動物」クマムシ、はっとするほど美しいもの、奇妙な形や生態のもの、グロテスクなものなど、動物の既成概念を根底から覆す痛快なオールカラー図鑑。
【本書の特徴】
1.地球上の動物を40億年の進化を踏まえて35系統に分けて紹介
2.日本を含む世界中の研究者たちによる、貴重かつ美しいカラー図版を540点余掲載
3.35系統それぞれの体の構造とそのはたらき、生活様式、起源と類縁関係を解説
4.各系統の種数、大きさ、多様性、生息環境、特徴を一覧できる
「外来生物法」が施行され、外国産緑化植物の取扱いについて検討が進んでいる。近年、緑化植物として導入した外来種が急増し、在来植物を駆逐し景観まで変えてしまう例などが多数報告されているが、こうした問題を克服し、生物多様性豊かな緑化を実現するためにはどうしたらよいのか。本書は、これらの課題に長年取り組み、成果を出しつつある日本緑化工学会気鋭の執筆陣が、その理論と実践事例をまとめた総合的なハンドブックである。
グローバリゼーションの逆進化ともいえる内向き現象が各国・各地域に顕在化してきた。あらためて“際”を問うことが求められているのではないだろうか。