1955年にはじめて出版された、世界中の世界一記録を集めた本。今では37の言語に訳されて100カ国で発売されている。通算1億冊以上も売れている、驚異の大ベストセラー。
若さゆえの道化ぶりを随所で演じてみせる主人公。ジョイスは一人の若者の成長過程を、幼年期から青年期にいたる感情と意識の移ろいに合わせ、巧みに文体をあやつって描いた。閉塞状況からの脱却と芸術家としての出発ーこの作品には時として音楽が流れ、『ユリシーズ』等につながる喜劇的精神が息づいている。新訳。
中国での茶樹発見以来1600年、世界中に広まり各国で独自の喫茶習慣を生み出し、多くの絵画や文学にも描かれてきた緑茶と紅茶。その長い歴史に秘められた、茶にまつわる伝説・逸話・名言・芸術のすべてを詳述する緑茶・紅茶文化の一大データベース。茶文化研究の大家の古典的名著、待望の初邦訳。
無限の「流動する心」が、私たちの心の奥底で動いている。魂の住処、多摩丘陵のオレンジ色の研究所で、神話、絵画、地形、音楽などを横断し、「はじまりの知性」を探しもとめる。
NY近郊に住む映画批評家のミッチ・バーガー。彼はピンク色の奇抜な家に住む高名な現代芸術家と知り合い、交遊を深めていた。ある朝、静かなこの村で爆殺事件が発生。ミッチは女性警官ミトリーと捜査に乗り出すが、村の開発を巡り疑わしい住人が次々と現れて…。MWA賞作家による人気シリーズ第2弾。
完走を目指す主婦・綱島幸子、そんな母と併走する海人、沿道から応援する夫・大造と娘のなぎさ。4人は一丸となって「湘南国際マラソン」に挑む。一家が大会を通じて知り合った参加者・染川夏乃。彼女の父・義介もまた、「湘南ランナーズ・ハイ」のメンバーとしてレースに参加していた-。家族の絆、ランナー同士の友情、自己との戦い…そして突然訪れる驚愕と感動。“怪奇小説家=倉阪鬼一郎”のイメージを鮮やかに覆す、衝撃のマラソン・ミステリー。
メタモルフォーズする官能の女性像、流麗なアラベスク模様、象徴的な動植物モティーフー。アールヌーヴォーやユーゲントシュティールなど「世紀末芸術」は、19世紀末、爛熟の極に達した西欧文化の中から、一斉に花ひらいた。混沌とした転換期の鋭敏な感受性が、華麗な装飾性や、幻想的な精神世界などを追求しはじめたのだ。そこにはすでに、抽象表現の台頭、諸芸術の綜合、芸術言語の国際化等、20世紀芸術にとって大きな意味をもつ諸問題が提起されていた。新時代への「美の冒険」でもあった芸術運動を、絵画や彫刻、建築、装飾、デザインの分野にわたって捉える。
ノートル=ダム大聖堂やサント=シャペルの意外な見どころ、パリに三つほどしか遺っていないロマネスクの教会、ルーヴルのしずかな一室、シャトルやサンリスといった近郊の街の楽しみ方…。パリとその近郊にあるロマネスクやゴシックの美を求め、旅する5日間。歩き方ガイド&詳細地図付き。
系統発生は個体発生を繰り返すという「生物発生原則」を主張し、系統樹を初めて発案し、ダーウィンの進化論を強力に支持したドイツの博物学者エルンスト・ヘッケル(1834〜1919年)。画家を志したこともあるヘッケルが、対称性と秩序をテーマに描いた本書は、ヘッケルの思想を表わす集大成となっている。また、その息を呑むような美しさから、アール・ヌーヴォーやユーゲントシュティールといった20世紀初頭の芸術や建築にも大きな影響を与えた。放散虫や珪藻類、植物などの精緻な100枚の図版が、見たこともなかったような生物の「かたち」の世界へと読者をいざなう。
所轄署の異動で、警察寮から実家に戻ってきた刑事の築山。隣人の日本画家・志紀と再会した途端、「君の裸を描かせてくれない?」と頼まれ、モデルをすることに!!絵以外に興味がなく、浮世離れした美貌の志紀は、実は十年越しの片想いの相手。忙しい捜査の合間に通うけれど、鈍い志紀は彼を弟としか見てくれない。そんなある日、所轄で婦女暴行事件が発生!!捜査線上で志紀の名前が浮かび…。
人口1万5千人の海辺の町で90年以上続く映画館。出演者や監督が次々に舞台あいさつに訪れるピンク街のアート系映画館。「幽霊通り」と呼ばれた駅前を復活させた映画館ー。全国の“わが町”に銀幕を掲げる16の映画館。その幸福と苦悩を凝縮。
1920年ドイツ。表現主義と抽象全盛の時代に突如現れ、束の間妖しく輝き、やがてナチスの「血と大地」の神話の陰に消え去った、幻の芸術があった。歴史の狭間に忘れ去られた画家たちの軌跡を克明にたどり、仇花のごとき芸術の誕生と死を通して、ある時代の肖像を鮮やかに描きだした名著。
1972年に田中光二、1974年に山田正紀ー。大型新人の登場が相次ぐ一方、『日本沈没』が国民的ベストセラーに!陣容を整えた国産SF界が名実ともに黄金期を迎える。
学歴うんぬんは関係ありません!仕事を含めて生活全般が整理できている人こそ、「頭のいい人」なのです。「本当に必要なこと」をテーマに整理された本書を読めば、あなたも効率のいい人になれるはず。
作家ブルガーコフ、詩人マンデリシターム、詩人マヤコフスキー、作家ゴーリキー、作曲家ショスタコーヴィチ、映画監督エイゼンシテイン。スターリンによる大粛清の時代をかい潜った六人の作家や芸術家たちは、「独裁」といかに闘い、サヴァイヴしたのか?一九九〇年代以降に公開された文献をもとにその真相に迫る、著者入魂の大佛次郎賞受賞作。二〇世紀初頭の終末論的熱狂を考察した『終末と革命のロシア・ルネサンス』の続編。
多様化するキャラクター受容の現在。現代の日本のキャラクター論は大まかに二つの方向性に分けられるだろう。ひとつは、個々のキャラクターの歴史的系譜や人気の背景などを分析したキャラクター文化論。もうひとつが、キャラクターの商品としての流通形態やメディアでの展開、さらには政府のコンテンツ政策などに注目したキャラクター産業論。本書は前者、キャラクター文化論の立場からみるものである。
名著・名作の宝庫、岩波文庫は実は「傑作挿し絵」のWonderlandだった。