階層性と意図共有を言語進化の2つの柱として、言語学および脳科学・生物学など各関連分野から未来の言語進化学への提言を行う。本書は、文科省新学術領域研究『共創言語進化』を進める中で組織された「若手の会」メンバーにより企画され、若手による意欲的な論考12編と、領域計画班代表5名によるコメント論文、そして自由闊達な座談会からなる。2022年9月に金沢で開催の国際学会『言語進化合同会議』(JCoLE)開催記念出版。
言語学の広い分野を統合整理し、近年急速に研究が進んだ新しい概念も取り込んだ、初学者から研究者まで使える辞典。総項目総数約330、引きやすく読みやすい紙面レイアウト、便利な「目次索引」「英日対照表」付き。言語学に親しみ、学ぶための格好の書。
コピペ、パクツイが蔓延する時代。「同じ」と「違う」の、日本語学的分析。どこまで「類似」でどこから「盗作」?
目に見えず直接観察できない人間の言語能力をどのように分析するか。言語に関わる脳内の認知システムの解明に取り組む研究を掲載。「正しいデータ収集の方法」「適切な対象者」「データの説明が理論に基づくこと」を重視した。
■「まえがき」より
突拍子もなく聞こえるかもしれないが、言語は月の満ち欠けのように自然現象のひとつと捉えることができる。日本語や英語などの言語は、コンピューター言語などの人工言語のエスペラント語のように意識的に人間が考えて設計したものではなく、自然に発現したものである。それゆえ「自然言語」と呼ばれる。実は、第二言語も、第一言語と同様に自然言語の特徴を有している。
第二言語習得研究の科学シリーズの第3巻は、そのような自然言語を習得するための「人間の能力」に焦点を当てたものである。つまり、言語に関わる脳内の認知システムの解明に向けて取り組む研究を掲載している。言語(習得)の能力は、目に見えず直接観察することができない。そのため可視化が必要である。
■「シリーズまえがき」(第1巻)より
本シリーズの各章は、大学で言語習得・言語指導・言語学を学ぶ学部生および大学院生を念頭に置いて書かれている。外国語を勉強中の方や教えていらっしゃる学校現場の先生方にも、これらの研究の魅力に触れていただけることを願って編集した。また各章の章末に、著者からの「外国語教育にかかわる人が知っておくべきポイント」「執筆者から読者へのメッセージ」を掲載した。こちらもぜひ参考にしていただきたい。
■編者
大瀧綾乃(静岡大学)
須田孝司(静岡県立大学)
中川右也(三重大学)
横田秀樹(静岡文化芸術大学)
■執筆者一覧
畠山雄二(東京農工大学)
本田謙介(茨城工業高等専門学校)
田中江扶(信州大学)
松村昌紀(名城大学)
横田秀樹(静岡文化芸術大学)
白畑知彦(静岡大学)
スネイプ・ニール(群馬県立女子大学)
鈴木孝明(京都産業大学)
村野井仁(東北学院大学)
尾島司郎(横浜国立大学)
冨田祐一(学習院大学)
1 日本語の文法現象と第二言語習得ー母語の文法を実感することー
畠山雄二・本田謙介・田中江扶
2 多義語の意味構造と第二言語習得ー言語知識の創発的特性を視野に入れてー
松村昌紀
3 言語学と第二言語習得研究ー生成文法の視点からー
横田秀樹
4 第二言語習得における英語代名詞の解釈ーインプットと普遍文法の関わりー
白畑知彦
5 第二言語習得における冠詞の習得ー明示的知識と暗示的知識ー
スネイプ・ニール
6 第二言語習得における束縛現象ー生得的言語知識と帰納的学習ー
鈴木孝明
7 教室第二言語習得研究と英語指導法ー文法運用力を育てる指導過程の提案ー
村野井仁
8 脳波で可視化する第二言語習得ー意味と統語の脳内処理ー
尾島司郎
9 複雑系理論と第二言語習得ー歴史的流れを概観し,応用可能性に迫るー
冨田祐一
シリーズあとがき
白畑知彦
沈黙するか、そっと伝えるか、ずばり言うか、それとも意図を明示し、かつ聞き手に配慮して話すのか。言語の対人関係的機能をBrown and Levinsonのポライトネス理論から考察。ポライトネスは、敬語や「丁寧さ」とどう違うのか。理論言語学的議論に加えて、著者の私的視点も思い切って導入。楽しく読める語用論の入門書。
1908~09年に行われた「一般言語学講義」の第二回目。聴講したリードランジェとパトワの記録ノートを訳出。記号学の成立から言語の共時性へと至る。二人のノートを対応させながら講義内容を見るとより深く理解できる。
本書は,これから言語学の勉強や研究を始めようという方や,言語学を始めてからまだ日が浅いという方が,「実験を用いた言語研究」の立場から言語について学び,科学的な研究を行えるようになるための入門書である。言語学,心理学,脳科学など多様な観点からの研究が取り上げられており,最先端の研究トレンドに触れながら言語学の基礎を固め,統計的な視点を養うことができる。
本書は次のような構成となっている。第I部(第1〜6章)では,言葉の世界を言語の単位(音,単語,文など)ごとに分けて紹介し,各章の前半でその章で取り上げる言語単位について知っておくべき基礎事項を解説する。各章の後半では,具体的な研究事例を掲載して研究手法や統計分析について紹介するとともに,興味深い言語現象なども取り上げる。第II部(第7〜12章)では,言葉の世界を運用の観点から分類し,解説する。第II部の各章も前半で基礎知識を身に付け,後半でより実践的な事例に触れられるような構成になっている。第III部(第13〜17章)では,言語の研究で有用な統計手法や統計ソフト,ならびにその使い方について,予備知識のない人にもわかりやすいように平易に系統立てて解説する。
各章末には,練習問題とさらに学びたい人のための文献案内が掲載されている。練習問題の答案ができたら,巻末の「解答の手引き」でチェックしてみてほしい。
本巻では、ことばの感性的・身体的側面にかかわる能力、さらにはこの種の能力を含むより包括的な認知能力を基盤とする言語現象を、認知意味論の観点から解説する。メタファー、メトニミー、イメージスキーマ変換、参照点構造、主体化、意味拡張、スキャニングなど、これまでの形式・構造を中心とする言語研究では扱われていない言語現象を広範に取り上げ、体系的に解説する。
いかにして正しく古典を読むかー古典を実証的に解明するためには、そこに記された文字、それが示す言葉、その発音と意味との関係性を明らかにせねばならない。古代における音韻体系の把握から経書テクストの読みの刷新を目指した、戴震・段玉裁・王念孫らによる「古音学」の歴史と方法を精緻に論じる画期的成果。
ソシュール、チョムスキーなど今世紀の言語学者13人を選び、言語をめぐる諸概念が形成される現場、言語認識論の歴史的ドラマを活写する。
「幸福」という概念の考察にあたって言語学からの独特の光を当てたり、日・英語の積年の問題に意表を突く発想で切り込んで仕組みを解き明かしたり。ことばに関して思わず「そうだったのか」となる十数編の論考を収めた。
言語学の歴史と現在を総括し、21世紀の言語研究へ向けて新しい基礎を築く言語および言語学の百科全書。