1977年6月20日、イギリス・アングリアTVでオン・エアされた一本の科学番組「オルタナティブ・スリー(第三の選択)」は世界中で一大センセーションを巻きおこした。大金持ちの支配者たちは、汚染と人口過剰で危機を迎えた地球から大脱出するために、火星と月とにドーム都市を築き疎開しようとしている。その計画のために科学者や一般人が続々と誘拐されているというのだ。このあまりに常識を越えた内容に人々はいったい何を求めたのだろうか。しかし、著者のジム・キースは専門の陰謀情報を駆使して、客観的な傍証を豊富に加え、裏付けの乏しかった「第三の選択」を見事に甦らせた。番組やその後に出版された本そのものは明らかにフィクションの形をとっているが、その示唆するところは、大方事実であるという結論を出している。本書は真の「第三の選択」の姿を浮き彫りにし、さらにはそれを凌ぐ「第四の選択」の存在をもつよく訴えている。
エイズとたたかった少女と彼女をささえた人たちとの11年間の愛の物語。小学中級以上むき。
血友病患者のHIV感染は、まごうことなく人為的な罹患である。新たに「発見」された資料は、1983年当時、すでに厚生省が非加熱製剤の危険性を認識していたことを証明した。だが、加熱製剤導入は圧殺された。導入見送りを決定した「空白の一週間」に何が起こったのか。最新情報と膨大の資料の分析、そして患者とその家族の悲しみと憤りが、厚生省と医薬界の「犯罪」を告発する。
『東京に原発を!』の著者が怒りの告発。ふれてはならない日本のタブーに手をふれる。薬害エイズから「もんじゅ」大事故まで、すべて黒い鎖でつながっている。驚愕すべき人脈。緊急書き下ろし。
本書は、そんな耐え難い運命にみまわれながらも、けんめいに生き抜いたたくさんの人たちの中の、三人とその家族の愛と勇気の物語です。
薬害エイズ裁判とは一体なんだったのか?和解解決から二年余、提訴から現在まで渦中にあった二人が、「いまだから、明らかにできる」衝撃の真実を語る。
「お母さん、この恨み、晴らして…」。血友病患者はなぜ“エイズ感染”という悲劇に直面しなければならなかったのか。薬害エイズ裁判「東京HIV訴訟」に鋭く迫り、医師、厚生省、製薬会社の責任を厳しく問う。第26回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
古来、疫病は、社会を変え、歴史を変え、人々の世界観を変えてきた。いま、新たな感染症が懸念される時代に、人と病との長い歴史から、疫病の意味論を読む。
人口爆発、環境汚染、エイズを含めた感染症の問題などは、人類の生存や未来を脅かす地球的規模の課題である。これらに対して我々は、さまざまな分野の研究成果を応用しながら立ち向かっていかなくてはならない。そうした時、中心的役割を担う学問分野の一つが国際保健学である。本書は、学際的かつ応用的側面を併せもつ国際保健学の初歩を、歴史的背景にもふれながらわかりやすく解説しようと試みた入門書。
エイズの研究と治療はいま大転換の時期にある。「不治の病」だったエイズに完全治癒の燭光が見えはじめた。何が転機となったのか。その研究成果と治療の最前線を紹介する。
最新の精神障害診断基準(DSM-IV)にもとづいた構成・各疾患・障害の背景説明、アセスメント、コミュニケーション方略を述べ、想定される看護診断を呈示。その上に立って短期・長期の看護計画・看護目標を解説。とくに、患者ー看護者間の治療関係の構築に意を注いだコミュニケーションの方略の解説と看護診断の設定は、今日の精神科看護のニーズを満たすものとなっている。HIVやAIDS患者、ホームレス、被虐待者など今日社会問題化しつつある課題についても言及。また、単に精神科看護にとどまらず、Mental Health Care(精神保健)についてもプラクティカルなガイドが示されている。
発展途上国はHIV/エイズの問題を簡単に無視することができない。1996年には約150万人がエイズで亡くなった。1日に、約8500人が新たにHIVに感染し、このうち1000人は子供である。これらの感染の約90%が発展途上国で起きており、エイズが発展途上国の貧困と不平等の問題を悪化させる可能性がある。本書は、政策担当者、開発や公衆衛生の専門家など、HIV/エイズについて公的政策の立案にかかわる人々が、この感染症に取り組むうえで効果的な戦略をたてるために必要な情報と分析を提示している。このレポートは3つの知識体系に依拠している。3つの知識体系とは、HIVを疫病として考える疫学、疾病予防に注目する公衆衛生学、そして特に、限られた公共資源を配分するうえでトレードオフの判断に焦点を当てた公共経済学である。