災害時要援護者・災害弱者というカテゴリーでは拾えない「曖昧なニーズ」の典型としての「災害とジェンダー」。自然災害の被害とニーズを、地域単位の災害対応における被災者ニーズへの対応(=被災者ケア)という問題に即して検討し、保健師という職能の持つ可能性を提起する。
忙しく働くお母さん、育休をとるお父さん!? 校長先生も政治家も男の人ばかりなのはなぜ?
社会でも根強く残る思い込みや「らしさ」をマンガで紹介。
これからの社会を変えていくにはどうすればよいのか、考えます。
「日本時代」とは何か。印象論的な「親日台湾」を乗り越え、台湾のいまを知るためには、とりわけ日本が深く関わった時代に正面から向き合う作業が避けて通れない。植民地統治は、当時の台湾の人々の生活とその戦後をどのように規定していったのか。本書は語られなかった、書かれなかった日本時代にフォーカスし、個人史と家族史を中心に新たな視座を提供する。
はしがき
第一章 理解と和解の間:「親日台湾」と歴史の記憶
第二章 読み書きと植民地:台湾の識字問題
第三章 植民地の法と慣習:台湾社会の女児取引をめぐる諸問題
第四章 近現代台湾女性の識字とエンパワーメント
第五章 植民地台湾の製帽業にみられるジェンダー・階層・帝国
第六章 帝国日本のなかの女性の移動:台湾を中心に
第七章 戦争記憶と植民地経験:在台日本人女性の日記から
第八章 ある台湾人少女の帝国後:嶺月の文学活動と脱植民地化
第九章 戦後の台湾農村における学歴と教職
初出一覧
あとがき
索 引
「為政者に都合の悪い政治や社会の歪みをスポーツを利用して覆い隠す行為」として、2020東京オリンピックの頃から日本でも注目され始めたスポーツウォッシング。
スポーツはなぜ”悪事の洗濯”に利用されるのか。
その歴史やメカニズムをひもとき、識者への取材を通して考察したところ、スポーツに対する我々の認識が類型的で旧態依然としていることが原因の一端だと見えてきた。
洪水のように連日報じられるスポーツニュース。
我々は知らないうちに”洗濯”の渦の中に巻き込まれている!
「なぜスポーツに政治を持ち込むなと言われるのか」「なぜ日本のアスリートは声をあげないのか」「ナショナリズムとヘテロセクシャルを基本とした現代スポーツの旧さ」「スポーツと国家の関係」「スポーツと人権・差別・ジェンダー・平和の望ましいあり方」などを考える、日本初「スポーツウォッシング」をタイトルに冠した一冊。
第一部 スポーツウォッシングとは何か
身近に潜むスポーツウォッシング
スポーツウォッシングの歴史
主催者・競技者・メディア・ファン 四者の作用によるスポーツウォッシングのメカニズム
第二部 スポーツウォッシングについて考える
「社会にとってスポーツとは何か?」を問い直す必要がある ──平尾剛氏に訊く
「国家によるスポーツの目的外使用」その最たるオリンピックのあり方を考える時期 ──二宮清純氏に訊く
テレビがスポーツウォッシングを絶対に報道しない理由 ──本間龍氏に訊く
植民地主義的オリンピックはすでに<オワコン>である ──山本敦久氏に訊く
スポーツをとりまく旧い考えを変えるべきときがきている ──山口香氏との一問一答
西村 章(にしむら あきら)
1964年、兵庫県生まれ。
大阪大学卒業後、雑誌編集者を経て、1990年代から二輪ロードレースの取材を始め、2002年、MotoGPへ。
2010年、第17回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞。
2011年、第22回ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。
著書に『MotoGP 最速ライダーの肖像』(集英社新書)、『再起せよ スズキMotoGPの一七五二日』『MotoGPでメシを喰う』(三栄)など。
臨床的有効性としてではなく文化理論における試みとして女性性と願望充足、男性性と断念を結びつけることで見えてくるフロイト宗教理論の批評的根拠。フロイトの女性蔑視が果たす知的機能ー。フロイトはなぜ、キリスト教徒女性性は心理的・文化的にもっとも価値が低く、理想
本書は「女人禁制」に関する問題点を読み解く実践的な試みである。賛成か反対か、伝統か差別かの二者択一を乗り越えて、開かれた対話と議論を促す。文化人類学の立場からの考察を主軸に、民俗学や宗教学、歴史学や国文学の成果も取り込んで、総合的に考察する。女人禁制の問題を考える人にとって長く活用される必読書となるべき1冊。
○第一章 相撲と女人禁制
2018年に大相撲の舞鶴巡業の際に、土俵上で倒れた市長を助けるために女性が土俵に上がって「女人禁制」が問題視された出来事を取り上げる。「土俵の女人禁制」について、その起源と展開を考察する。近代の国技館開設以後、表彰式などの「近代の儀式」を創出した大相撲は、「国技」としての権威を高めてナショナリズムと同調していった。戦後は、前近代以来の「土俵祭」の伝統を維持する一方で、表彰式を男性参加に限定して土俵上で行うという矛盾が露呈して、「土俵の女人禁制」が問題視されることになった。
○第二章 穢れと女人禁制
「女人禁制」を古代・中世・近世・近代の穢れの変化と関連付けて検討。古代では、戒律に基づき、仏教寺院の「結界」として女性を排除した。一方、山と里の間の「山の境界」は、仏教の影響を受けて「山の結界」となり、「女人結界」へと変化。女性の穢れ観も歴史的に変化し、中世後期には『血盆経』の影響で罪業観や血穢の強調ともに展開し、近世には民衆の間に広がって定着。明治5年に女人結界は解禁されてほぼ消滅した。またスリランカやインドの事例など人類学の理論をふまえて、穢れ論の再構築と一般化の可能性を探った。
○第三章 山岳信仰とジェンダー
女人禁制の言説を、歴史の中の女人禁制、習俗としての女人禁制、社会運動の中の女人禁制、差別としての女人禁制に分け、ジェンダーの問題を視野に入れて論じる。地域社会の事例として、現在も女人禁制を維持する大峯山の山上ケ岳山麓の洞川を取り上げた。神仏分離以後の再編成、国立公園の登録、交通路の整備、山麓寺院の女人解禁、禁制地区の縮小、女性による新たな動き、伝統の再発見、禁制解禁の胎動、世界遺産、日本遺産などを関連付けて、女人禁制の行方を展望する。
○「現代の相撲の女人禁制関連の出来事」「近代女人禁制関係年表」などの年表や、詳細な索引を附した。
○著者は、文化人類学の碩学であり、大相撲や大峯山の女人禁制に関して、常にマスコミから識見を求められてきた。『女人禁制』(吉川弘文館、2002年)以降の研究の進展を踏まえ、現時点の思索の到達点として世に問う。
マンガ、アニメ、ゲーム、ケータイ、ネット、ポップス、ファッションなどの面から現代の日本と海外の若者像を浮き彫りにする。
二〇〇九年、オバマが「チェンジ」を合言葉に登場。医療保険、同性婚支持、移民政策において、平等化への歴史に新たな一ページを刻んだ。八年後、トランプも「チェンジ」を訴えて登板した。「チェンジ」の価値化こそは、アメリカ文化の柱だ。しかし、どのような「チェンジ」か。本書は、アメリカの社会変革の原動力として、人種、移民、女性、LGBTの平等化運動を取り上げ、政治、経済、社会、文化の歴史的変化を見る。そして、トランプ政権による揺り戻しと、反動への抵抗勢力の激突を描き出す。
日本の非正規雇用率は37%と言われていますが、女性だけでみると5割を超えています。その不安定な働き方から社会問題にもなっており、新型コロナ禍においてその問題がさらに浮き彫りになりました。非正規雇用で働く人たちの実像を政府統計やアンケート調査結果などから明らかにし、その問題点をいかに解決していくかを考え、労働組合がこの問題にどう立ち向かっていくべきかを提言します。
第1部 非正規雇用労働者とは誰なのか
第2部 非正規雇用労働とジェンダー
第3部 非正規雇用労働と社会保障・労働法制
第4部 非正規雇用労働と労働組合
戦後の住宅インフラを支えてきた団地。日本においても、戦後すぐは先進的な生活の象徴として、現代では20世紀へのノスタルジーの対象として、70年以上にわたってあらゆる世代の人びとがこの集合住宅に想いを託してきた。そうした時代の流れは団地が登場するフィクション=「団地作品」にも反映されている。
本書では15年にわたって団地作品について語るイベントを50回開催してきた集団=「団地団」が、団地作品の歴史を通覧。社会、風俗、家族、ジェンダー、創作などさまざまな観点から、戦後社会の変遷とフィクションの役割を考える。
【目次】
第一部 団地はなにを映してきたか?
第一章 団地映画の誕生と高度経済成長の終焉 1961年〜
第二章 社会のダークサイドの象徴として 1978年〜
第三章 団地ルネッサンスの夜明け 1994年〜
第四章 アフター『団地ともお』の世界線で 2003年〜
コラム1 団地と「地霊」の物語 大山顕
第二部 団地はなにを作ってきたか?
第五章 団地と女の60年
コラム2 「団地」もまた物語を産み出す「場」--「侵入」と「脱出」 佐藤大
コラム3 漫画「団地で育ったヤバい私」 妹尾朝子 (うめ)
第六章 なぜ世界的映画監督は団地で映画を撮るのか
【著者略歴】
団地団 (だんちだん)
団地トークユニット。2010年結成。写真家の大山顕、脚本家の佐藤大、ライター・編集者の速水健朗、ライター・編集者の稲田豊史、小説家の山内マリコ、漫画家の妹尾朝子(うめ)が中心メンバー。著書に『団地団 ベランダから見渡す映画論』(キネマ旬報社)。2025年3月12日から8月24日にかけて高島屋史料館TOKYO 4階展示室で「団地と映画ー世界は団地でできている」を開催。
平等幻想の影で作られる「女らしさ」。教室観察や進路希望のデータなどから見えてくる現実。男が主・女が従という「かくれたカリキュラム」の構造を解く。
少年少女雑誌の分析を通じて、近代日本における「少女」という表象の成立とその受容過程を解明する。
「結婚相手は親が決めるの?」「女性から離婚することができないって本当?」世界のイスラーム教徒の様々な結婚・離婚事情を、実際のエピソードも交えつつわかりやすく紹介。イスラーム法の伝統と、時代とともに変わりゆく慣習が織りなす多彩な世界を活写する。
「イスラーム・ジェンダー・スタディーズ」シリーズ刊行にあたって
序ーー「変わるもの」と「変わらないもの」
第1部 結婚・離婚をめぐる法と手続き、慣習
第1章 結婚までのプロセスーーエジプトの例[竹村和朗]
第2章 ムスリムの離婚ーーエジプトの例[嶺崎寛子]
コラム1 離婚しなかった姉、離婚した妹ーーエジプト[嶺崎寛子]
第3章 多民族社会シンガポールにおけるムスリムの宗教間結婚[市岡卓]
コラム2 花婿の誓いーーインドネシアの「条件付き離婚」「離婚への取り決め」[小林寧子]
第4章 旧ソ連ムスリムの結婚と離婚ーーウズベキスタンの例[和崎聖日]
コラム3 越境する花嫁ーーパキスタン系移民のグローカルな結婚ネットワーク[嶺崎寛子]
コラム4 日本におけるイラン法解釈の一例[浦野修平]
第2部 歴史の中の婚姻とイスラーム法
第5章 古典イスラーム法の結婚と離婚[小野仁美]
コラム5 シャリーアとイスラーム法[小野仁美]
特論1 歴史に見るムスリムの婚姻契約ーー19世紀から20世紀初頭にかけての結婚
1 20世紀初頭のシリアの結婚[大河原知樹]
2 19世紀イランの婚姻契約文書に見える婚資[阿部尚史]
3 19世紀から20世紀初頭のロシアにおけるムスリムの婚姻と法[磯貝真澄]
コラム6 「カイラワーン式婚姻」--チュニジアの伝統的な一夫一婦制[小野仁美]
特論2 近代家族法の誕生
1 トルコの家族法[村上薫]
2 エジプトの「家族法」[後藤絵美]
3 イランの家族保護法[森田豊子]
コラム7 アタテュルクの離婚[宇野陽子]
コラム8 カッザーフィー体制下の女性と結婚[田中友紀]
第3部 現代社会の変化と多様な結婚の形
第6章 インドネシアにおける結婚ーー一夫多妻婚、秘密婚、異教徒間の婚姻[大形里美]
コラム9 エジプトのウルフィー婚ーー個人的経験から見た信仰心のジレンマ[鳥山純子]
第7章 映画に見る現代の結婚事情ーー『エジプトの二人の娘』から[後藤絵美]
コラム10 変化する一時婚制度[森田豊子]
第8章 現代イランにおける様々な「結婚」--女性の高学歴化に伴う晩婚化と若者に広がる「白い結婚」[山崎和美]
第9章 イトコ婚と遺伝病[細谷幸子]
参考文献
用語解説
お茶の水女子大学21世紀COEプログラム「ジェンダー研究のフロンティア」の研究プロジェクトの一環として、2005年度(平成17年度)から2007年度(平成19年度)に得られた成果をまとめたもの。
◆刑事法や刑事司法に潜むバイアスが見える - 女性の生きづらさや差別を解消し,公正な社会の実現することを目指す◆
社会構造の歪みや伝統的性別役割、慣習や立法・解釈・適用等、刑事法や刑事司法に潜むバイアス。リアルなジェンダー差別社会を、ジェンダーレンズの精度を上げて見てみよう。刑事法の世界が、これまでと違った、より女性のリアリティに近い視点から、「何が問題か」、身近に見えてくる。
永遠の「文系・理系」論争、ついに現れた基本書にして決定版!
「文系」と「理系」という学問上の区分けは、進路選択や就職など私たちの人生を大きく左右するのみならず、産業や国家のあり方とも密接に関わる枢要なものです。ところが現実には、印象論にすぎないレッテル貼りが横行し、議論の妨げになるばかり。そこで本書では、そもそも文系と理系というカテゴリーがいつどのようにして生まれたのか、西欧における近代諸学問の成立や、日本の近代化の過程にまで遡って確かめるところから始めます。その上で、受験や就活、ジェンダー、研究の学際化といったアクチュアルな問題に深く分け入っていくことを目論みます。さあ、本書から、文系・理系をめぐる議論を一段上へと進めましょう。
*以下、本書目次より抜粋
第1章 文系と理系はいつどのように分かれたか? --欧米諸国の場合
第2章 日本の近代化と文系・理系
第3章 産業界と文系・理系
第4章 ジェンダーと文系・理系
第5章 研究の「学際化」と文系・理系
オペラにおいて女性と男性が文化としてどのように表現されているか?歴史上のさまざまな時代に欲望と快楽は音楽でどのように構成されてきたか?音楽理論ではジェンダーを内包するメタファーがどのように行き渡っているか?ジェンダーとセクシュアリティの視点からひらく音楽学の新たな地平。
女が主役、男は脇役=広告の世界。現実社会でも女たちは、主役だろうか。-広告から戦後の女と男のありようをとらえ、そこに投影された時代の意識とそれが意味するものをよむ。
ジェンダーにかかわる動向や状況と法の接点を丁寧に抽出することによって、問題の客観的な掌握だけでなく、問題への法的思考をも修得できるジェンダー法学の標準テキスト。女性活躍推進およびジェンダー平等の促進に向けた新法や性犯罪条項にかかわる法改正など初版刊行(2012年)以降の新たな動向を踏まえ全面的に補訂。