なぜ車輪の発明からスーツケースにキャスターがつくまで5000年も要したのかーこれは名だたる経済学者・思想家も思案してきた謎だ。「男性はかばんを自力で持つべき」「女性の長距離移動は制限されるべき」こうした社会のジェンダー感に変化が起きた時、スーツケースは転がり始めた。男らしさ・女らしさに関する支配的な通説がどうして、今からすれば「単純な」発明を妨害できるほど強固だったのだろう。いったいどうして、お金を稼ごうとする市場の欲望より頑固だったのだろう。そしてこんな乱暴な考えが、業界を世界規模で変えるであろう製品の可能性を見失わせるのはなぜなのか?このような疑問が、本書の核である。私たちは、ジェンダーの観点からイノベーションについて考えることに慣れていないのだ。
この本では、男/女ということにこだわりながら、友だちづきあい、容姿とモテ、セックス、恋愛、家族、仕事と将来、などの問題をとりあげ、大人になるための作法と予備知識を提示する。
女が主役、男は脇役=広告の世界。現実社会でも女たちは、主役だろうか。-広告から戦後の女と男のありようをとらえ、そこに投影された時代の意識とそれが意味するものをよむ。
儒教文化に基づく女性規範と見なされてきた「良妻賢母」は、近代が生み出した伝統であることを緻密に解明。近代中国女性史に新しい視座をひらく。
「クリエイティブであれ(ビー・クリエイティブ)」という呪縛が生み出す、
現代の“終わりなき労働”とその構造──
「自由」や「自己実現」と巧みに結びついて若者を魅了するクリエイティブな世界。劣悪な労働環境を甘受し、マルチタスク化に対応する「新しいミドルクラスの女性」は、いかにして作り出されるのか?
クリエイティブ経済の絶頂期を、フェミニズムの視座から批判的に捉える。
序章 教育を通じた出会いとクリエイティブな経済
第1章 「クラブ」から「企業」へ
第2章 クリエイティブ労働のポリティクスを紐解く
第3章 人的資本としての芸術家
第4章 ポストフォーディズムのジェンダー
第5章 ファッション・マター・ベルリン
第6章 やりたい仕事を成功させる?
結論 ヨーロッパの展望
新型コロナ・パンデミックの彼方に
文化芸術・世界遺産の国・オランダの素顔 2018年夏・オランダ紀行
新型コロナ・パンデミック(世界大流行)が地球を覆い、人類の生存そのものが脅かされている。武器を捨てて緑の種を育てよう。地球(自然)共に生きる「ワンヘルス」アプローチ、性の多様性を認めあえるジェンダー平等の社会がいい。オランダも日本も虹色の未来を見つめて人類の旅は続く。
女の子/男の子/母親/父親…『らしさ』の枠をあらためて問う。
もし夫の胸から「母乳」ならぬ「父乳」が出たら!?
PMS(月経前症候群)を体験できるサーフボードがあったら?
旧来的な性別役割をユーモラスにひっくり返す、想像力にあふれた小説集。
【著者略歴】
山崎ナオコーラ(やまざき・なおこーら)
1978年福岡県生まれ。2004年「人のセックスを笑うな」で第41回文藝賞を受賞し、作家としてデビュー。著書に『浮世でランチ』『ニキの屈辱』『昼田とハッコウ』『反人生』『美しい距離』『偽姉妹』『リボンの男』などがあり、近年はエッセイ集『母ではなくて、親になる』『ブスの自信の持ち方』なども話題に。
芸術とは何か?天才がイメージさせるのはいかなる人物か?芸術と工芸との境界とは?プラトンにまで遡る理論言説の小史をジェンダーという視点から振り返り、美をめぐるその思考のうちに暗黙裡に潜む、男性的/女性的という、二項対立的な概念体系の伝統を批判的に解明。そして今、もはやそれら過去の規範では解釈しきれない現代アートについてどんな言葉で語りえるのか、フェミニスト・アートを具体例にみながら、美学の新たな可能性を探っていく。
もはやジェンダーの視点なしに宗教を語ることはできない。これまでの宗教学が掲げる客観性や中立性を問題視し、わたしと世界との望ましい関係をつくりだすためのスリリングなテクスト。
フセイン政権から女性を「解放」し民主化の実現を掲げたアメリカ主導のイラク戦争から十数年、戦争によってイラク女性は「解放」されたのだろうか。占領統治の女性政策、「民主的」選挙の実情、イスラーム主義勢力の宗派対立と女性の処遇など、様々な側面から女性を通して戦後イラクの実態を分析する。
第二次大戦やヴェトナム戦争、9・11期にいたる映画のなかの“性”は何を語るのか?『レベッカ』から『真夜中のカーボーイ』、『羊たちの沈黙』まで。
ピエール・ブルデューの『ディスタンクシオン』の問題意識を共有しながら、社会調査や計量分析を基に、日本における文化的オムニボア(文化的雑食性)という特性を浮き彫りにする。そして、日本で文化の再生産が隠蔽されてきたメカニズムを解き明かす。
「女/母」の身体性から、いまフェミニンの臨床哲学を拓く。マイノリティ諸当事者の問題に対峙し、フェミニズムのポスト構造主義ジェンダー論からクィア理論の問題意識へと踏み込み、新たな倫理的価値軸と主体像を模索する。
文学はどのようにして「男の仕事」となったのか。日本近代文学の自立過程は、そのジェンダー化のプロセスでもあった。ホモソーシャルな読者共同体の成立にいたる転換を鮮やかに描き出すとともに、そこにおける漱石テクストの振る舞いを精緻に分析。
アニメ、映画、ウェブサイトーー活字で書かれた小説でなくても、現代文化では様々なメディアを通じて物語が発信され、受容されている。小説が現代の多様な文化のなかで受容者を獲得し拡張する可能性、サバイブする戦略を、多角的な視点から解き明かす。
はじめに
--ジェンダー・スタディーズとは
1 ジェンダー・スタディーズの理論
1 フェミニズムとジェンダー研究
2 フェミニズム理論の見取り図
3 ジェンダー・スタディーズのインパクト
4 グローバル・フェミニズム:国際的な人権確立の流れ
2 ジェンダー・スタディーズの諸相
1 文化とジェンダー
A 育つ・育てる
1 ジェンダーと社会化
2 幼児教育・保育
3 かくれたカリキュラム
4 生徒文化
5 家庭科
6 進路選択
7 性教育
8 子育て・育児戦略
B 多様な文化・多様なくらし
1 婚姻・親族・子育て
2 儀礼
3 性別分業
4 世界観
5 女子割礼/女性性器切除
6 グローバル化と文化研究の新しい展開
C ‘his story’ を超えて
1 社会史のインパクト
2 近代家族
3 性と生殖
4 労働史
5 農村女性史
D 想像と創造
1 エクリチュール・フェミニン
2 フェミニスト・クリティーク
3 西洋美術とジェンダー:つくられた身体
4 日本絵画とジェンダー:天皇皇后肖像
5 女ことば・男ことば
6 ことばとセクシュアリティ
7 言語の男性支配
2 社会とジェンダー
A 社会システムを考える
1 性役割
2 メディアとジェンダー
3 家族とジェンダー
4 コミュニケーション
5 社会階級論・社会階層論
6 ライフコース論
7 男性学
8 サブカルチャーとジェンダー
9 宗教:「混在するめぐみ」として
10 エスニシティ
B 心のなかを見つめる
1 ジェンダーと発達
2 ジェンダー・アイデンティティ
3 ジェンダー・ステレオタイプ
4 摂食障害
5 トラウマ・PTSD
6 フェミニストカウンセリング
7 性差別主義
C お金と労働のあいだ
1 ジェンダー統計・ジェンダー予算
2 開 発
3 アンペイド・ワーク
4 ジェンダー・セグリゲーション
5 ペイ・エクイティ
6 移民女性労働
7 非正規雇用とジェンダー
8 女性の貧困
9 家 計
10 ワーク・ライフ・バランス
D 人間という存在を問う
1 公共圏
2 シティズンシップ
3 正義論
4 ポストモダンニズム/ポストコロニアリズム
5 暴 力
E 法というシステム
1 憲 法
2 民 法
3 労働法と男女雇用機会均等法
4 刑法とジェンダー
5 国際人権法
3 身体とジェンダー
A 生物としての人間
1 自然科学とジェンダー
2 性差の科学言説
3 技術・技術史
4 脳の性差論
5 先端医療技術と女性
6 科学史とジェンダー
7 進化生物学
8 性同一性障害
B 身体/スポーツを考える
1 近代スポーツにおける女性の排除
2 学校体育・学校スポーツ
3 身体能力の性差再考
4 スポーツにおけるハラスメント・暴力
5 ホモフォビア
C ケアする/される
1 ウィメンズ・ヘルスケア
2 セクシュアリティと看護
3 社会福祉思想とジェンダー
4 社会福祉政策とジェンダー
5 ケアと労働
3 ジェンダー・スタディーズの最前線:領域横断的なトピック
1 セクシュアル・マイノリティ
2 マイノリティ女性の人権
3 障害(ディスアビリティ)とジェンダー
4 戦時性暴力と日本軍「慰安婦」問題
5 犯罪とジェンダー
6 女性と子どもに対する暴力
7 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
8 「第三世界」の女性
9 ホモソーシャリティ
10 国民国家と軍隊
11 性の商品化とセックスワーク
12 「代理出産」をどうみるか
13 空間へのアプローチ:フェミニスト地理学
14 親密圏・親密権
15 自然災害とジェンダー
16 ハラスメントとジェンダー
17 母性愛神話
事項索引
人名索引
世界26カ国で翻訳され、英語版だけで28万部超のベストセラー!
英国のAmazon評価6000件、レビュー800件以上の話題作!!
行き過ぎた「多様性尊重」は、社会をどのように破壊したのかーー
ダイバーシティ先進国で起きている「不都合な真実」。
LGBT、フェミニズム、反レイシズム運動などをめぐり、欧米社会で広がる偽善と矛盾、憎悪と対立。おかしいと思っても誰も声に出せない同調圧力の実態とは。
アイデンティティ・ポリティクス、インターセクショナリティ…新たなイデオロギーはいかにして生まれ、なぜ急速に広まったのか。
ツイッターやグーグルなど、シリコンバレーが進める機械学習が生み出す歪んだ歴史と新たな偏見。その基底に潜むマルクス主義。
……さまざまな事象から問題の本質を見抜き、その複雑な構造を読み解いていく驚きに満ちた快著。
世界的ベストセラー『西洋の自死』の著者が、圧倒的な知性と知識を武器に新たなタブーに挑む!
◎世界で相次ぐ本書への称賛
「マレーの最新刊は、すばらしいという言葉ではもの足りない。誰もが読むべきだし、誰もが読まなければならない。ウォーク(訳注/社会的不公正や差別に対する意識が高いこと)が流行するなかではびこっているあきれるほどあからさまな矛盾や偽善を、容赦なく暴き出してい
る」
──リチャード・ドーキンス(イギリスの動物行動学者)
「実にみごとだ。最後まで読んだ瞬間、数年ぶりに深呼吸をしたような気分になった。大衆が狂気に陥っているこの時代に、正気ほど気分をすっきりさせてくれるものはない。刺激的だ」
──サム・ハリス(アメリカの神経科学者)
「アイデンティティ・ポリティクスの狂気についてよくまとめられた、理路整然とした主張が展開されている。興味深い読みものだ」
──《タイムズ》紙
「マレーは、疑念の種をまき散らす社会的公正運動の矛盾に切り込み、大衆の九五パーセントがそう思いながらも怖くて口に出せないでいたことを雄弁に語っている。必読書だ」
──《ナショナル・ポスト》紙(カナダ)
「ばかばかしいエピソードから悲劇的な逸話まで、マレーはアイデンティティ主義者が陥ったさまざまな病理を、冷静さを失うことなく描写している。この本は、政治闘争を呼びかける鬨(とき)の声ではなく、構造的特徴が転々と変わり矛盾が絶えず噴き出すこの奇妙な世界を案内する地図である」
──《コメンタリー》誌
グローバル化、脱工業化、多文化化の進む現代社会は、その一面が豊かな社会として捉えられこそすれ、均質な社会でも、平等な社会でもない。むしろ異質性・差異と不平等の関係がかつてなく鋭く問われる社会となっている。経済財の配分をもって公正を議論することは限られたアプローチにすぎず、それをどのように超えて質的で、多尺度の成立可能な社会的条件のなかに公正の基準を見出していくか。今日の教育、福祉、社会運動、移民の研究に携わってきた研究者が、「公正な」関係や秩序とは何かを問う。