文学はどのようにして「男の仕事」となったのか。日本近代文学の自立過程は、そのジェンダー化のプロセスでもあった。ホモソーシャルな読者共同体の成立にいたる転換を鮮やかに描き出すとともに、そこにおける漱石テクストの振る舞いを精緻に分析。
第二次大戦やヴェトナム戦争、9・11期にいたる映画のなかの“性”は何を語るのか?『レベッカ』から『真夜中のカーボーイ』、『羊たちの沈黙』まで。
アニメ、映画、ウェブサイトーー活字で書かれた小説でなくても、現代文化では様々なメディアを通じて物語が発信され、受容されている。小説が現代の多様な文化のなかで受容者を獲得し拡張する可能性、サバイブする戦略を、多角的な視点から解き明かす。
「多様性」の時代のヒーローとは──
【推薦コメント】
本書はヒーローの変遷を歴史的な流れのなかで見通すひとつの示し、手がかりを与えてくれる。
────三木那由他氏(大阪大学大学院講師・『言葉の風景、哲学のレンズ』、『会話を哲学する』)
【おもな内容】
世界を救う、「正義」の象徴たるヒーローは、圧倒的な“マジョリティ”として表象されてきた。
しかし21世紀を迎え、ジェンダー、加齢、障害、新自由主義といった様々な観点への理解・変化から、留保なしでその存在は認められなくなった。
では、ヒーローたちはどのように「多様性」と向き合うのか?
そして、「ポスト真実の時代」とどう対峙していくのか?
本書は、ヒーローの誕生から発展までの歴史的視座を参照し、アメリカと日本のポップカルチャーに登場、活躍する《新しいヒーロー像》を縦横無尽に論じる。
ヒーローを考えることは社会を考えることだ!
【目次】
序章 多様性の時代の正義
第一章 法の外のヒーローたち
第二章 二つのアメリカと現代のテーレマコス
第三章 トランプ時代の「お隣のヒーロー」
第四章 多様性の時代に「悪」はどこにいるのか?
第五章 「オレはまだまだやれる!」──中年ヒーローの分かれ道
第六章 障害、加齢とスーパーヒーロー
第七章 日本のヒーローの昔と今
第八章 正義のパロディとニヒリズムとの戦い
第九章 デスゲームと「市場」という正義、そしてケアの倫理へ
第十章 ポストフェミニズムと新たな「ヒーロー」
終章 私たちの現在地
おわりに 正義はどこへ行くのか?
【著者略歴】
河野真太郎(こうの・しんたろう)
1974年、山口県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。
博士(学術)。
専修大学国際コミュニケーション学部教授。
専門はイギリス文学・文化およびカルチュラル・スタディーズ。
著書に『はたらく物語 マンガ・アニメ・映画から「仕事」を考える8章』(笠間書院)、『新しい声を聞くぼくたち』(講談社)、『増補 戦う姫、働く少女』(ちくま文庫)、翻訳にウェンディ・ブラウン著『新自由主義の廃墟で』(人文書院)など多数がある。
「女/母」の身体性から、いまフェミニンの臨床哲学を拓く。マイノリティ諸当事者の問題に対峙し、フェミニズムのポスト構造主義ジェンダー論からクィア理論の問題意識へと踏み込み、新たな倫理的価値軸と主体像を模索する。
世界26カ国で翻訳され、英語版だけで28万部超のベストセラー!
英国のAmazon評価6000件、レビュー800件以上の話題作!!
行き過ぎた「多様性尊重」は、社会をどのように破壊したのかーー
ダイバーシティ先進国で起きている「不都合な真実」。
LGBT、フェミニズム、反レイシズム運動などをめぐり、欧米社会で広がる偽善と矛盾、憎悪と対立。おかしいと思っても誰も声に出せない同調圧力の実態とは。
アイデンティティ・ポリティクス、インターセクショナリティ…新たなイデオロギーはいかにして生まれ、なぜ急速に広まったのか。
ツイッターやグーグルなど、シリコンバレーが進める機械学習が生み出す歪んだ歴史と新たな偏見。その基底に潜むマルクス主義。
……さまざまな事象から問題の本質を見抜き、その複雑な構造を読み解いていく驚きに満ちた快著。
世界的ベストセラー『西洋の自死』の著者が、圧倒的な知性と知識を武器に新たなタブーに挑む!
◎世界で相次ぐ本書への称賛
「マレーの最新刊は、すばらしいという言葉ではもの足りない。誰もが読むべきだし、誰もが読まなければならない。ウォーク(訳注/社会的不公正や差別に対する意識が高いこと)が流行するなかではびこっているあきれるほどあからさまな矛盾や偽善を、容赦なく暴き出してい
る」
──リチャード・ドーキンス(イギリスの動物行動学者)
「実にみごとだ。最後まで読んだ瞬間、数年ぶりに深呼吸をしたような気分になった。大衆が狂気に陥っているこの時代に、正気ほど気分をすっきりさせてくれるものはない。刺激的だ」
──サム・ハリス(アメリカの神経科学者)
「アイデンティティ・ポリティクスの狂気についてよくまとめられた、理路整然とした主張が展開されている。興味深い読みものだ」
──《タイムズ》紙
「マレーは、疑念の種をまき散らす社会的公正運動の矛盾に切り込み、大衆の九五パーセントがそう思いながらも怖くて口に出せないでいたことを雄弁に語っている。必読書だ」
──《ナショナル・ポスト》紙(カナダ)
「ばかばかしいエピソードから悲劇的な逸話まで、マレーはアイデンティティ主義者が陥ったさまざまな病理を、冷静さを失うことなく描写している。この本は、政治闘争を呼びかける鬨(とき)の声ではなく、構造的特徴が転々と変わり矛盾が絶えず噴き出すこの奇妙な世界を案内する地図である」
──《コメンタリー》誌
コレット・ダウリングの『シンデレラ・コンプレックス』が刊行され、話題をよんだのは一九八二年。すでに二十年以上になるが、その間、「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫」などのプリンセス・ストーリーは、ますます大量に生産され、消費されている。大量に消費されるからその影響力も絶大である。本書では、ディズニーのアニメを題材に、昔話にはどんな意味が隠されているかを読み解く。いつの間にか思い込まされている「男らしさ」「女らしさ」の呪縛から、男も女も自由になり、真の男女共同参画社会を目ざす。
「クリエイティブであれ(ビー・クリエイティブ)」という呪縛が生み出す、
現代の“終わりなき労働”とその構造──
「自由」や「自己実現」と巧みに結びついて若者を魅了するクリエイティブな世界。劣悪な労働環境を甘受し、マルチタスク化に対応する「新しいミドルクラスの女性」は、いかにして作り出されるのか?
クリエイティブ経済の絶頂期を、フェミニズムの視座から批判的に捉える。
序章 教育を通じた出会いとクリエイティブな経済
第1章 「クラブ」から「企業」へ
第2章 クリエイティブ労働のポリティクスを紐解く
第3章 人的資本としての芸術家
第4章 ポストフォーディズムのジェンダー
第5章 ファッション・マター・ベルリン
第6章 やりたい仕事を成功させる?
結論 ヨーロッパの展望
力仕事は男子がするべき? スポーツが苦手なんて男の子らしくない!? 勉強をがんばるのは「男の子だから」!?
若い世代にも根強く残る「らしさ」をマンガで紹介し、自分らしく自由に生きるために大切なことを伝えます。
グローバル化、脱工業化、多文化化の進む現代社会は、その一面が豊かな社会として捉えられこそすれ、均質な社会でも、平等な社会でもない。むしろ異質性・差異と不平等の関係がかつてなく鋭く問われる社会となっている。経済財の配分をもって公正を議論することは限られたアプローチにすぎず、それをどのように超えて質的で、多尺度の成立可能な社会的条件のなかに公正の基準を見出していくか。今日の教育、福祉、社会運動、移民の研究に携わってきた研究者が、「公正な」関係や秩序とは何かを問う。
広告をコミュニケーションとして捉える現在の研究動向をふまえ,全体像を捉えつつ各領域の重要理論や知見を幅広く解説する手引書。広範にわたる広告研究の領域をバランスよく紹介し,広告をより学際的な眼で見わたし,専門的に考察するための必携書になっている。
序 章 ホリスティックな広告理解のために
第1部 社会科学のなかの広告研究
第1章 現代経済学のなかの広告理解
第2章 現代法学研究から見た広告規制
第3章 経営組織論からの広告理解
第4章 企業会計と広告
第2部 人間科学のなかの広告研究
第5章 広告と社会学
第6章 広告と社会心理学
第7章 ジェンダー研究と広告表現
第8章 広告への物語論的アプローチ
第9章 コミュニケーション論的広告理解
第3部 広告の歴史的理解
第10章 日本の産業史と広告
第11章 広告の社会史
第12章 広告表現の史的研究
第13章 メディア社会の宣伝・広告・広報
第4部 マーケティング論と広告研究
第14章 日本のマーケティングと広告
第15章 ブランド論と広告
第16章 販売促進と広告
第17章 広告計画のマネジメント
第5部 広告論の新地平
第18章 現代の情報環境と広告のゆくえ
第19章 コンテンツ産業として見た広告表現制作
第20章 広告研究のアイデンティティ問題
ジェンダーの視点から,自分たちの性とそのあり方を問い直していく入門テキストの第3版。恋愛,労働,育児など,さまざまな生活の場面に焦点を当てた本文と,マンガ,特別講義,コラムやエクササイズなど,工夫をこらした構成で日本の現状に鋭く迫る最新版。
第1章 女であることの損・得,男であることの損・得
第2章 作られる〈男らしさ〉〈女らしさ〉
特講1 女性学って何?
マンガ1 あなたとわたし
第3章 ジェンダーに敏感な教育のために
第4章 恋愛の女性学・男性学
特講2 男性学って何?
第5章 ジェンダーと労働
マンガ2 花子さんの見た未来?
第6章 多様な家族に向かって
第7章 育児はだれのもの
マンガ3 今日の一日の幸
第8章 国際化のなかの女性問題・男性問題
特講3 平和の思想と〈男らしさ〉
第9章 ジェンダー・フリー社会の見取り図
「情熱と怒りに満ちた歴史」-ザ・タイムス紙
ギリシャ時代から続くジェンダーバイアスが「女性であるというリスク」をいかに刷り込み、不適切な治療で女性にみじめでつらい思いをさせ、時には死へと追いやってきたか。
現代哲学を「政治的正しさ」の呪縛から解放する快著
──帯文・東浩紀
ポリティカル・コレクトネス、差別、格差、ジェンダー、動物の権利……いま私たちが直面している様々な問題について考えるとき、カギを握るのは「道徳」。進化心理学をはじめとする最新の学問の知見と、古典的な思想家たちの議論をミックスした、未来志向とアナクロニズムが併存したあたらしい道徳論。「学問の意義」「功利主義」「ジェンダー論」「幸福論」の4つのカテゴリーで構成する、進化論を軸にしたこれからの倫理学。
哲学といえば、「答えの出ない問いに悩み続けることだ」と言われることもある。だが、わたしはそうは思わない。悩み続けることなんて学問ではないし、答えを出せない思考なんて意味がない。哲学的思考とは、わたしたちを悩ませる物事についてなんらかのかたちで正解を出すことのできる考え方なのだ。(…)
この本のなかでは、常識はずれな主張も、常識通りの主張も、おおむね同じような考え方から導きだされている。それは、なんらかの事実についてのできるだけ正しい知識に基づきながら、ものごとの意味や価値について論理的に思考することだ。これこそが、わたしにとっての「哲学的思考」である。(…)倫理学のおもしろさ、そして心理学をはじめとする様々な学問のおもしろさをひとりでも多くの読者に伝えることが、この本の最大の目的である。(「まえがき」より)
【目次】
■第1部 現代における学問的知見のあり方
第1章 リベラルだからこそ「進化論」から目を逸らしてはいけない
第2章 人文学は何の役に立つのか?
第3章 なぜ動物を傷つけることは「差別」であるのか?
■第2部 功利主義
第4章 「権利」という言葉は使わないほうがいいかもしれない
第5章 「トロッコ問題」について考えなければいけない理由
第6章 マザー・テレサの「名言」と効果的な利他主義
■第3部 ジェンダー論
第7章 フェミニズムは「男性問題」を語れるか?
第8章 「ケア」や「共感」を道徳の基盤とすることはできるのか?
第9章 ロマンティック・ラブを擁護する
■第4部 幸福論
第10章 ストア哲学の幸福論は現代にも通じるのか?
第11章 快楽だけでは幸福にたどりつけない理由
第12章 仕事は禍いの根源なのか、それとも幸福の源泉なのか?
終章 黄金律と「輪の拡大」、道徳的フリン効果と物語的想像力
あなたの正義とわたしの正義って同じですか?シングル・マザー、同性愛者、移住労働者、性暴力被害者、原発事故被災者など、この社会で懸命に生きる人々が直面する課題を取り上げ、ジェンダーと平和から「ありうべき」社会を考える。
スポーツはだれのもの?
「ジェンダー平等」が原理的に困難なスポーツにおいて、その限界がゆえにあぶり出される矛盾や齟齬がセクシュアリティやジェンダーの問題としてどのようにあらわれ、特に性的マイノリティをめぐってどのように変化しているのか。
今後のスポーツ界のより本質的な多様さと共存に向けた可能性を考える。
日本の現状について、自らの体験を通じて語った
下山田志帆氏、杉山文野氏、村上愛梨氏のインタビュー掲載!
性別分業、女性の経済的依存、権力の格差…家族には男女間の不平等が折り重なっている。古代ギリシャ・ローマから現代に至るまで、公的領域における正義を追求した主流の政治理論・社会理論は、私的領域とみなされた家族のあり方をその射程に入れることはなかった。著者スーザン・モラー・オーキン(一九四六ー二〇〇四)は、本書でこれらの理論を根底から問い、正義に適った家族を実現する道を切り拓いた。フェミニズムがつねに立ち返るべき現代の古典。
この本は、LGBTQの啓発活動をしている浦狩知子さんの「小学校低学年の子どもたちにもトランスジェンダーというものを分かりやすく説明したい」という要望に応える形で、高校生が制作しました。この本には、1冊の中に2つの物語が書かれています。1つ目のお話は、女の子として生まれた「えみちゃんのお話」です。2つ目のお話は、男の人として生まれた「レイ先生のお話」です。どちらのお話も実話を元にしています。ぜひこの絵本を手に取っていただき、トランスジェンダーについて、たくさんの人に少しでも知って貰えると嬉しいです。