身近なトピックを題材に、教養としてジェンダーと平和にかかわるさまざまなテーマを学び、ジェンダー論と平和学の視点と考え方を身につける。
序 教養としてのジェンダーと平和 (風間 孝・今野泰三)
1 教 育
◆1-G 性的マイノリティと教育 (風間 孝)
◆1-P 転換期を迎える平和教育 (金 敬黙)
2 記 憶
◆2-G 性的マイノリティと寛容 (風間 孝)
◆2-P 「平和する」ツーリズム (加治 宏基)
3 安 全
◆3-G セクハラ (山口 佐和子)
◆3-P 「脅威」とは何か (春名 展生)
4 労働・消費
◆4-G 就職活動(風間 孝)
◆4-P 武力紛争とフェアトレード (今野 泰三)
5 人 権
◆5-G D V (山口 佐和子)
◆5-P 国際法と人権:人権は思いやりなどではない (高橋 宗瑠)
6 差 別
◆6-G 賃金格差 (風間 孝)
◆6-P 対テロ戦争と中東 (齊藤 優子)
7 歴 史
◆7-G 性規範の変化 (風間 孝)
◆7-P 民族紛争という幻想 (金城 美幸)
8 地 域
◆8-G パートナーシップ制度 (風間 孝)
◆8-P 地域から問い直す日米安保体制:島嶼防衛に揺れる石垣島から考える (池尾 靖志)
9 性
◆9-G 性的マイノリティとスポーツ (風間 孝)
◆9-P 戦争におけるジェンダーの利用 (古沢 希代子)
10 性暴力
◆10-G レイプ (山口 佐和子)
◆10-P 慰安婦問題 (梁 澄子)
11 文 化
◆11-G 性的マイノリティの労働環境 (風間 孝)
◆11-P アートが紡ぐ平和への希望 (今野 泰三)
12 メディア
◆12-G セクシュアリティ教育 (風間 孝)
◆12-P 戦争プロパガンダと平和ジャーナリズム (今野 泰三)
13 グローバル化
◆13-G リプロダクティブ・ヘルス/ライツ (風間 孝)
◆13-P 戦争の民営化 (齊藤 優子)
14 国 家
◆14-G 3歳児神話 (風間 孝)
◆14-P 難民問題と国民国家 (金城 美幸)
15 公衆衛生
◆15-G 性別役割分業と自死 (風間 孝)
◆15-P ユニバーサル・ヘルスを拓く主体 (加治 宏基)
「男らしさ」「女らしさ」をめぐる労務の課題と実務の最適解がよくわかる。人事労務担当者はもちろん、部下を持つ管理職のテキストとしても使える!
力仕事は男子がするべき? スポーツが苦手なんて男の子らしくない!? 勉強をがんばるのは「男の子だから」!?
若い世代にも根強く残る「らしさ」をマンガで紹介し、自分らしく自由に生きるために大切なことを伝えます。
「恋愛禁止」と異性愛規範、「卒業」制度に表れるエイジズムなど、アイドルというジャンルは演者に抑圧を強いる構造的な問題を抱え続けている。アイドルの可能性と問題性について、手放しの肯定でも粗雑な否定でもなく、「葛藤しながら考える」ための試論集。
同居家族介護における主介護者続柄割合は娘19.1%、嫁17.3%、息子16.3%。要介護高齢者への虐待加害者続柄割合は娘16.4%、嫁5.2%、息子40.3%。息子加害者の割合がかくも高いのはなぜか。「男性=暴力的」図式を退け、老親介護という、息子としてしか存在しえない場で彼らが経験する重圧と軋轢をジェンダーの視点から分析する。
序章 息子という経験──なぜ息子介護を問うのか
第一章 息子介護の分析視角──ケアにおけるマネジメント、関係としてのケア
第二章 息子によるケア──親の老いの受けとめ方ときょうだい関係
第三章 介護する息子の語り方・語られ方──「説明可能にする実践」としてのジェンダー
第四章 介護を土俵とした「男らしさ」の競演──セルフヘルプ・グループの陥穽
第五章 「老母に手を上げてしまう息子」の構築──暴力の行使はいかにして自然化されているか
終章 息子介護研究が照らし出すもの──男性学は何を見落としてきたのか
あとがき
参考文献
人間の不平等の問題は、所得格差の面からだけでは解決できない。一九九八年にノーベル経済学賞を受賞した著者は、本書で、これらの問題を「人間は多様な存在である」という視点から再考察することを提案した。「潜在能力アプローチ」と呼ばれるその手法は、経済学にとどまらず、倫理学、法律学、哲学など関連の学問諸分野にも多大な影響を与えている。現代文庫版では、参考文献を改訂し、現代の日本における不平等に関する議論を本書の視点から考察した訳者による解説を新たに付した。
「日本時代」とは何か。印象論的な「親日台湾」を乗り越え、台湾のいまを知るためには、とりわけ日本が深く関わった時代に正面から向き合う作業が避けて通れない。植民地統治は、当時の台湾の人々の生活とその戦後をどのように規定していったのか。本書は語られなかった、書かれなかった日本時代にフォーカスし、個人史と家族史を中心に新たな視座を提供する。
はしがき
第一章 理解と和解の間:「親日台湾」と歴史の記憶
第二章 読み書きと植民地:台湾の識字問題
第三章 植民地の法と慣習:台湾社会の女児取引をめぐる諸問題
第四章 近現代台湾女性の識字とエンパワーメント
第五章 植民地台湾の製帽業にみられるジェンダー・階層・帝国
第六章 帝国日本のなかの女性の移動:台湾を中心に
第七章 戦争記憶と植民地経験:在台日本人女性の日記から
第八章 ある台湾人少女の帝国後:嶺月の文学活動と脱植民地化
第九章 戦後の台湾農村における学歴と教職
初出一覧
あとがき
索 引
グローバル化、脱工業化、多文化化の進む現代社会は、その一面が豊かな社会として捉えられこそすれ、均質な社会でも、平等な社会でもない。むしろ異質性・差異と不平等の関係がかつてなく鋭く問われる社会となっている。経済財の配分をもって公正を議論することは限られたアプローチにすぎず、それをどのように超えて質的で、多尺度の成立可能な社会的条件のなかに公正の基準を見出していくか。今日の教育、福祉、社会運動、移民の研究に携わってきた研究者が、「公正な」関係や秩序とは何かを問う。
「社会的に作り出された男女の違い」を意味するジェンダーという概念は、1970年頃から登場し、現在ではマスメディアや行政の場で広く使われている。しかしその概念を正確にとらえるためには、ふだん私たちが拠り所としている「常識」の中に潜む矛盾や思い込みに気づき、それらを打ち破っていく必要がある。本書は、客観的なデータと最新の科学的知見に基づき、個人の生き方、恋愛、結婚、家族、社会などのあらゆる場面と深く関わるジェンダーの意味、その周辺に存在する問題に迫る。
▲データによる実証分析とモデルによる理論分析の協演!
▲ビジネス・テック・政治といった他分野を越境するミクロ経済学
▲入門書や教科書の「先」を知りたい人のための新しいスタイルの研究書
昨年のノーベル経済学賞授賞対象となった「因果推論」。そうした学問的進展を踏まえながらも、経済学の伝統である理論分析をどういかすか。「ジェンダー」「プラットフォーム」「自民党」といった現代日本における喫緊のテーマを対象にして著者自身が携わった研究成果をまとめる。ミクロ経済学の「実践」の新たなる可能性を示す。
1990年代前後に来日した、移民第二世代の若者たち。その人生を振り返り紡いでくれた170名のひとりひとりの歴史、悩み、将来の夢から、直線的でも一様でもないホスト国日本への適応過程とその要因、世代間にまたがる文化変容の型がみえてくる。
環境、エネルギー、技術革新、働きがい、人権、教育、健康……フライブルクではSDGsに関わる市民・企業活動が広がっている。本書では、それらがなぜ個々の活動をこえて地域全体の持続可能性につながっているのかを探り、SDGsを実現するために自治体や企業、市民が考えるべきこと、政策や計画立案、協働・連携のヒントを示す。
あなたの正義とわたしの正義って同じですか?シングル・マザー、同性愛者、移住労働者、性暴力被害者、原発事故被災者など、この社会で懸命に生きる人々が直面する課題を取り上げ、ジェンダーと平和から「ありうべき」社会を考える。
ジェンダーの視点から,自分たちの性とそのあり方を問い直していく入門テキストの第3版。恋愛,労働,育児など,さまざまな生活の場面に焦点を当てた本文と,マンガ,特別講義,コラムやエクササイズなど,工夫をこらした構成で日本の現状に鋭く迫る最新版。
第1章 女であることの損・得,男であることの損・得
第2章 作られる〈男らしさ〉〈女らしさ〉
特講1 女性学って何?
マンガ1 あなたとわたし
第3章 ジェンダーに敏感な教育のために
第4章 恋愛の女性学・男性学
特講2 男性学って何?
第5章 ジェンダーと労働
マンガ2 花子さんの見た未来?
第6章 多様な家族に向かって
第7章 育児はだれのもの
マンガ3 今日の一日の幸
第8章 国際化のなかの女性問題・男性問題
特講3 平和の思想と〈男らしさ〉
第9章 ジェンダー・フリー社会の見取り図
資料・用語解説から授業実践まで、調べ学習と活用のための手引き。小・中学生向き。
性別分業、女性の経済的依存、権力の格差…家族には男女間の不平等が折り重なっている。古代ギリシャ・ローマから現代に至るまで、公的領域における正義を追求した主流の政治理論・社会理論は、私的領域とみなされた家族のあり方をその射程に入れることはなかった。著者スーザン・モラー・オーキン(一九四六ー二〇〇四)は、本書でこれらの理論を根底から問い、正義に適った家族を実現する道を切り拓いた。フェミニズムがつねに立ち返るべき現代の古典。
この本は、LGBTQの啓発活動をしている浦狩知子さんの「小学校低学年の子どもたちにもトランスジェンダーというものを分かりやすく説明したい」という要望に応える形で、高校生が制作しました。この本には、1冊の中に2つの物語が書かれています。1つ目のお話は、女の子として生まれた「えみちゃんのお話」です。2つ目のお話は、男の人として生まれた「レイ先生のお話」です。どちらのお話も実話を元にしています。ぜひこの絵本を手に取っていただき、トランスジェンダーについて、たくさんの人に少しでも知って貰えると嬉しいです。
「女と男は違う」。ではどこが違うのか? 本当に違っているのだろうか? 本当に違うのなら,どうしてそんな違いができたのか? 本書を読み進めることで,知らないうちに,女らしさや男らしさに取り囲まれて生活している自分に気づくことでしょう。そしてそれらにしばられない自分らしい生き方のヒントをみつけていこう。
歴史を語るモノとしての系譜・神話を独自の視点から読み解き、古代における「歴史感覚」の特質を解明するとともに、ジェンダーと権力をめぐる普遍的な議論をふまえた斬新な女帝論を提示。古事記・日本書紀により垂直の時間軸をもつ王統譜として成型された「王権の歴史」の枠組みを超え出て、私たちの古代認識を根底から問いなおす、新しい日本古代王権論。