アジアから問い直すー奴隷国家から移民国家へ。しかし、そこには「中国人問題」が存在した。南北戦争後の国家と社会の再編のなか、帝国的拡大と人種や性や労働の問題が交錯する“アメリカ人”の境界画定の動きを鋭く読み解き、アメリカ史像の核心をうつ。
ひきこもり、カルト、おたく、境界例、リストカット、ポケモン、強迫ーちょっと変わった若者たちの世界を気鋭の精神科医が冒険する。
性機能不全(性機能障害)に対する治療やカウンセリングについて、現場の第一線で臨床や実践にあたる専門家が解説。心理的療法を中心に、身体的診断や治療、各ライフステージにおけるセクシュアリティ、パートナーとの関係性や社会性まで考慮し、性の喜びをサポートできるセックス・セラピーを目指す。実用的な問診票フォーマットも収載されている。最新のセックス・セラピーを詳しく知りたい人におすすめの一冊。
●自分は大丈夫だ、やれるんだという気持ち。自分は案外イケているじゃないか、という自信。それが自己愛だ。恥はそれが侵害され、圧し潰された時の感情として理解できる。それは深刻なトラウマ、すなわち「自己愛トラウマ」体験を引き起こすのである。ではその自己愛トラウマを引き起こす加害者は誰なのだろうか? 多くの場合、加害者の存在はあいまいである。しかしそうであっても、自己愛トラウマを被った人の傷の大きさは変らない。そしてそこから新たな怒りや加害行為を生むこともある。いま日本ではさまざまな問題が起きている。それらを理解するうえで、この自己愛トラウマやあいまいな加害者という概念を切り口として提唱する。
●目次
まえがき
序章 恥と「自己愛トラウマ」
恥の問題は格段に興味深い/これほど大事な恥の感情なのに/恥による傷つきはトラウマである/見られることはトラウマか、願望か?
第1部 「自己愛トラウマ」と現代人の怒り
第1章 怒りと「自己愛トラウマ」
人の怒る仕組みーー怒りの二重構造/二次的感情としての怒り/健全な自己愛、病的な自己愛/一次的な感情としての怒り/他
第2章 アスペルガー障害の怒りと「自己愛トラウマ」
「怒りは抑圧され、暴発する」という常識/「怒りの暴発モデル」は精神分析が起源である/「抑圧 - 発散モデル」は日常体験により近い/他
第3章 凶悪犯罪と「自己愛トラウマ」--秋葉原事件を読み解く
はじめに/KTの診断は何か?/KTに見られる怒りの特質ーーアスペルガー障害の「自己愛トラウマ」/KTを「自己愛トラウマ」から救えたのか?
第4章 「モンスター化現象」とトラウマ
モンスターたちを未熟とする論拠/モンスター化を社会現象としてとらえる/クレーマー社会は、被クレーマー社会、被トラウマ社会でもある/他
第2部 いじめとうつと「自己愛トラウマ」
第5章 いじめと「自己愛トラウマ」
いじめを生む「排除の力学」/「排除の力学」への文化の影響/日本の均一性こそが、いじめによる自己愛トラウマを生む/他
第6章 「現代型うつ病」と職場でのトラウマ
果たして「現代型」、「新型」のうつなのか?/いっそ、うつ病と考えないほうがいい/結局決め手は自殺率であるーー張賢徳医師の見解/他
第3部文化装置としての恥
第7章 トラウマ回避のための「無限連鎖型」コミュニケーション
日本人にとっての恥の意味ーー出発点としてのベネディクト/ベネディクトヘの賛否両論/日本社会における罪の意識/他
第8章 学校教育とは「自己愛トラウマ」の伝達だろうか?
対人体験は苦痛でもある/恥は一種の学習装置ではないか?/恥の装置と仲間への忠誠心/他
第9章 災害トラウマを乗り越える --津波ごっこと癒し
津波ごっことアートセラピー/一見常識的な介入がトラウマ的になる? いわゆる「CISD」の問題/トラウマと思うからトラウマになる?/他
第4部 トラウマとセクシュアリティーー見られることをめぐって
第10章 「見るなの禁止」とセクシュアリティ
「見るなの禁止」は誘惑を意図したものか?/文化の装置としての「見るなの禁止」は「粋(いき)」にも通じる/他
第11章 恥と慎みをめぐるある対話
■解説
私が診察室で出会う、会社に行けなくなった患者さんのかなりの部分が、上司とのやり取りでトラウマを背負っている。ひどく暴言を吐かれたり、夜中近くまで詰問されたり、仕事の「無茶ぶり」をされたり。それらはかなり深刻な自己愛トラウマの原因となっている。その結果として抑うつ気分や倦怠感が生じ、仕事に対する意欲を失い、欠勤がちになって医師のもとを訪れる。医師の多くは、「それはがんばりが足りないからだ」「あなたの弱さだ」とはねつけるが、一部は診断を下す。その場合はまずはうつを考える。もちろんそのような患者の多くは抑うつ症状を持っている。しかし同時に会社での仕事の環境に対する不安を抱いている。これは漠然とした不安というよりは、上司や同僚とのかかわりによって体験されたトラウマに基づくもので、職場に戻ることを考えたり、それを思い出させるような状況に遭遇した時に不安に襲われるのだ。トラウマとは不思議なもので、その当座はさほどインパクトを持たなくても、その場を離れてしまうと逆に恐怖感が増すことがある。休職になった後は、それまで毎日通っていた職場に行くこと自体に強烈な不安がともなうことがある。離婚した後前夫(前妻)に対して、その後にさらに恐怖感が増大していき、その持ち物にさえ触れられなくなる、ということもよくある。このような状況を考えると、実は「現代型うつ」における症状のかなりの部分を説明できる。なぜ休職中はうつが改善するのか。なぜ夕方五時以降は元気を取り戻すのか。それは彼らの示す症状が、うつというよりは不安、さらにはある特定の状況に対する恐怖症だからなのだ。(「第6章」より)
●幅広い精神状態に対する適切な看護を実践するため,精神障害,精神保健対策の最新動向や法改正,研究データをもとに内容をアップデートした好評テキストが待望の改訂!
●アルコール,ギャンブル,ネットなどへの依存が社会問題として重要視される中,改訂では,新たに「アディクションと精神保健」の新章を追加し,アディクションと精神保健の関わりについて解説.他章についても加筆・修正を行った.
序章 精神保健とはなにか
第1章 心の発達
第2章 セクシュアリティと精神保健
第3章 生活の場とクライシス(精神的危機)
第4章 医療現場における精神危機
第5章 がんと共に生きる人の精神保健
第6章 災害後の精神保健活動:看護職とこころのケア
第7章 アディクションと精神保健
本書は,日本臨床心理士会第1期医療保健領域委員会(津川委員長)が行った全国規模の大型研修会等のアーカイブから,医療保健領域(非精神科領域)に関する議論をピックアップしたものです。
性的な問題,ジェンダー,周産期医療,成人期発達障害,終末期医療,移植医療など,拡大する心理の仕事とそのポイントを実務レベルで描きました。また,付録には,医療領域で働く臨床心理士必携の「医療保健領域における臨床心理士の業務」も掲載。
初学者だけでなく中堅〜ベテランの方にも読んでもらいたい1冊です。
序 論 津川律子
第1章 身体の生涯発達とメンタルヘルス──産婦人科医の視点から 大川玲子
第2章 周産期における心理臨床について
紹介とまとめ 周産期における心理臨床について 東山ふき子
(1)新生児科医から 堀内 勁
(2)周産期心理臨床の実際 橋本洋子
第3章 セクシュアリティと心理臨床
紹介とまとめ 「セクシュアリティと心理臨床」を企画して 花村温子
(1)精神科日常診療におけるセクシュアリティ 塚田 攻
(2)看護とセクシュアリティ──その現状と課題 大谷眞千子
(3)セクシュアリティと向き合うこと 大石敏寛
第4章 医療における成人の発達障害
紹介とまとめ 医療における成人の発達障害 津川律子
(1)発達障害のある青年・成人への医療的対応 田中康雄
(2)心理アセスメントと心理療法を中心に 糸井岳史
第5章 終末期医療と家族ケア
紹介とまとめ 終末期医療と家族ケア──病院・地域臨床において,ともに創造する役割 江口昌克
(1)病院・地域臨床において,ともに創造する役割──在宅ケアにおける家族ケアの実際と課題 秋山正子
(2)病院におけるがん患者の家族ケアの実際と課題 長友隆一郎
第6章 ドナーとドナー家族の相談窓口の設置
(1)移植医療への臨床心理士の関わり 大崎明美
(2)相談窓口設置に至るまで 谷中みゆき
付録 医療保健領域における臨床心理士の業務
第1部 性非行の理解と治療教育
1 「触りたい、のぞきたい」と思ってしまうあなたへ
2 「性非行」に対応する大人たちに知っておいてほしいこと
3 性問題行動および性非行への対応の基本
第2部 非行少年の回復の現場から見えてきたこと
4 子どもを犯罪の被害者にも加害者にもしないために
5 少年犯罪、その鏡に映るいくつものこと
6 愛着・暴力・セクシュアリティ
7 児童自立支援施設について思うこと──心理教育プログラムの導入を通して
第3部 性犯罪・性暴力の理解と介入
8 性犯罪と嘘
9 性暴力行動の評価と介入
第4部 犯罪行動を変えるために
10 アセスメントからケースフォーミュレーション
11 犯罪者はどんな人たちか?
12 加害行動変化のための治療教育
13 治療共同体による薬物依存離脱プログラム──ある官民協働刑務所の試み
14 トラウマティック・ストレスからみた犯罪行動──その理解と治療教育
おわりに
初出一覧
今こそ性の学びをすべての人へ
子ども・青年・学生はもとより、大人・市民の間からも性について学習する機会を求める声が切実に上がっています。2016年に本書を発刊してから、「LGBT(性的マイノリティ)」への社会・学校等せの周知がすすみ、性の多様性のとらえ方が大きく変化しました。この変化を、私たちは性自認や性的指向のちがいを超えた「ジェンダー・セクシュアリティの平等」という観点から、「人間の性をどう見るか」という新しい人間観につながる課題として受け止め、刑法や法律の改定、最新のデータを取り入れ、この改訂新版を編みました。次の時代を生きる人びとへのメッセージの意味も込めて本書を刊行いたします。(著者一同)
本書では、トラウマとジェンダーが重なる問題として、対人的なトラウマ、それも親密な関係における長期反復的なトラウマであるドメスティック・バイオレンスや性暴力、児童虐待の事例を数多く取り上げ、議論しているが、これらは社会的にも対応に危急を要するテーマでもある。臨床にすぐ役立つ、ジェンダー・センシティブなアプローチの要点を提示し、さらに、臨床現場にトラウマとジェンダーの視点をとり入れることで、具体的にクライエントの何を見、どのような働きかけをし、どんなことに気を配るかを事例検討で明らかにしている。
パンツを穿いた“好色なサル”は、20万年にわたって、どのような“性生活”を送ってきたか?今後、人類のSexはどう進化するのか?本書は、進化生物学・心理学、人類学などの専門分野の知見をもとに、人類20万年史における性の進化をたどり、現在の私たちの性と欲望のあり方の謎に迫った「性の進化論」である。米国で『キンゼイ・レポート』以来と言われる“大論争”を巻き起こし、世界21か国で翻訳出版されている。
多くの関心を集めている学問分野の社会学。あらゆる方向に向かって触手を伸ばしつづけている現代の社会学の全貌を捉えるために、本書は見開き構成で簡潔明快にその基幹部分を解説していく。好評既刊の内容を最新情報にアップデートするとともに、より現代的テーマもとりあげて生きた社会学の現在を伝える。