本書は現代の小児歯科医にとって最も大きな課題である不正咬合の推移の管理と治療を、生物学的な法則に基づいた顎顔面オーソペディック法によって説いたものである。不正咬合の矯正には時間がかかる。本書は不正咬合を予防、抑制するための解剖学的所見、はもとより、矯正治療時の抜歯の問題、咬合と姿勢、さらには栄養学的な問題に至るまで系統立てて解説されており、臨床医が最良にして、簡略な治療手段を決定する際の指針となるであろう。
歯牙解剖は技工士として直接関連がある歯と,そしてこれに密接な関係をもつ口腔,およびその周辺の形態と構造を攻究する学問である.したがって歯科技工士を志す人々が最初に学ぶ学問である.故に本書は歯科技工士教授要綱に基づいているが,内容は簡略に,そしてぜひ学び知らねばならない点について詳しく,かつ理解しやすいよう記述した.
無歯顎者の口腔に装着されている全部床義歯の多くが著しく不適切な床外形をしており、特に下顎義歯にこの傾向が著しい。正しい印象採得の技術は今世紀初頭から明らかにされているが、多くの全部床義歯補綴に関する成書にはきめ細かなフォローに至るまで明示されていない。本書は、解剖学およびそれに基づく印象技術はもちろん、従来の成書には見られなかった患者の心理状態や取り扱い方にまで及び、総義歯は患者と一体になって作り上げるものだという観点に立って書かれた印象採得のためのユニークな書である。