変容する社会のなかで、北欧諸国の介護は市場化がもたらす課題にどのように向き合っているのか。日本の介護労働の実態は北欧諸国とどのように異なり、どのようにあるべきか。
グローバル化、新自由主義的政策の流れのなかで、普遍的給付を原則としてきた北欧諸国の高齢者介護は市場化と多様化の向きを強めている。スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、それぞれの社会情勢や歴史、政策方針を背景にして変化する「介護サービス」の最新動向を、北欧諸国の介護研究の第一人者との共同研究から分析する。また、日本の介護労働は北欧と比較してどのような状況にあるのか、大規模な比較調査から明らかにする。
はじめに 社会の変容と高齢者介護ー国際比較、介護現場の視点から
第1部 NORDCARE調査からみた北欧諸国と日本の高齢者介護
第1章 「施設」と「在宅介護」の境界線ー介護労働者の日常からみえるもの
第2章 スウェーデンと日本の介護労働者の実像ーホームヘルパーと施設職員の属性を中心に
第3章 日本とデンマークの介護労働環境ー介護労働者のストレスとその背景
第4章 仕事の裁量とやりがいーWærnessの「ケアの合理性」概念に焦点をあてて
第5章 スウェーデンの認知症ケアにおける認知症看護師の役割ーヴェクショー市の事例をもとに
第2部 北欧諸国の高齢者介護の今ー市場化動向とその多様性
第6章 北欧4カ国における高齢者介護の市場化とその特徴
第7章 スウェーデンにおける高齢者介護の市場化ー競争、選択、より厳格な規制の要請
第8章 デンマークにおける高齢者介護の市場化ー自由選択、質の向上と効率化の追求
第9章 ノルウェーにおける高齢者介護の市場化ー背景とトレンド、それに対する抵抗
進む老朽化と増え続ける空き家問題。
少子高齢社会の現代、集合住宅の価値を高め、安心して暮らすために必要なことは何か。
団地再生の最新の取り組みをハードとソフトの両面から、海外と併せ合計46の事例を豊富な写真・図版と共にオールカラーで解説。
本書は団地再生とまちづくりを、そして持続可能な社会の実現するためのシリーズ最新刊。
全5巻完結・オールカラー
脈々と連なる遺伝子の川を縦糸に、多様に枝分かれした生き物たちの関わり合いを横糸に、実験室とフィールドワークの出会いが織りなす知のタペストリー。動物学・植物学・生物物理学など、対象も手法も異なる多彩な研究の結びつきから浮かび上がってくる生物界の全体像を鮮やかに描き出す。
1970年代、荒れ狂う若者たちを撮り続けたカメラマンの秘蔵写真が今甦る。
環境問題に対して、メディアの果たす役割は極めて大きいにもかかわらず、その実態について整理・分析した研究は少ない。本書は、そのような状況に鑑み、環境問題とメディアの関係について、様々な角度から検討を加える。
40億年にわたる地球の動物の進化をふりかえりつつ、厖大な動物の種(大きく見積もって2億種)を公平に要約して35の系統に分け、ふだん見られない動物たちに重点を置きつつ、540点余の貴重な図版とともに紹介する。
深海や極寒の地の動物、「最強の動物」クマムシ、はっとするほど美しいもの、奇妙な形や生態のもの、グロテスクなものなど、動物の既成概念を根底から覆す痛快なオールカラー図鑑。
【本書の特徴】
1.地球上の動物を40億年の進化を踏まえて35系統に分けて紹介
2.日本を含む世界中の研究者たちによる、貴重かつ美しいカラー図版を540点余掲載
3.35系統それぞれの体の構造とそのはたらき、生活様式、起源と類縁関係を解説
4.各系統の種数、大きさ、多様性、生息環境、特徴を一覧できる
グローバリゼーションの逆進化ともいえる内向き現象が各国・各地域が顕在化してきた。あらためて〈際〉を問うことが求められているのではないだろうか。
はじめに
第1章 シンガポールの政治的安定と統治制度ー立法・行政評議会改革を中心にー
第2章 イギリス委任統治下のパレスチナにおけるスカウト運動
第3章 五輪招致行動の「際」にみる様相ー戦前の日伯スポーツ交流が1964 年東京五輪招致決定に与えた影響ー
第4章 教育の国際標準化に伴う各国の際立ちーPISA の受容をめぐるドイツとわが国の対応ー
第5章 情報デザイン教育におけるオンライン教材開発ーウェブデザインを題材としてー
第6章 日本における「孝」の諸相ー仮名文学の「孝」を中心にー
第7章 中国の人名用漢字についてー日本人名のデータとの比較を通してー
第8章 十二神祇神楽の伝承過程における2つの「段階」-定着的段階と生成的段階ー
第9章 コア技術展開型複合事業企業の国際戦略ーオムロンの事例ー
国内外の実践から多様な学びのあり方を学び、発達障害のある子も含めたインクルーシブ教育を進めるための具体的な方略を学べる1冊。
はじめに 宇野宏幸
第1部 学びの多様性へのアプローチ
第1章 これからの学び,学校の未来と発達障害
-欧米と日本の文脈をめぐって……宇野宏幸
第2章 学びの多様性をふまえたインクルーシブ教育……鳥居深雪
第3章 行動分析学からの多様性へのアプローチ……井澤信三
第2部 学び方の多様性で考える授業・学校づくり
第4章 通常の学級の特別支援教育からインクルーシブ教育へ……花熊 曉
第5章 マルチ知能を活かす授業デザインとその実際……涌井 恵
第6章 ユニバーサルデザインからみたこれからの授業づくり
-子どもの多様なつまずき方から学ぶ……阿部利彦
第7章 授業で満足度を高める学校づくり……中嶋信啓
第3部 諸外国の理念に学ぶ我が国のインクルーシブ教育
第8章 国際的な動向を踏まえたわが国のインクルーシブ教育とは……石橋由紀子
第9章 オランダの教育事情とイエナプラン教育……奥村好美
第10章 イエナプランスクール大日向小学校の開校までとその後の学校づくり
……桑原昌之・宅明健太・佐藤麻里子・吉冨一九子
第11章 アメリカの小さな学校から考えるインクルーシブ教育……赤木和重
おわりに 井澤信三
アメリカの奴隷制を正面から取り上げ、19世紀最大のベストセラーとなった『アンクル・トムの小屋』。奴隷制や人種問題、南北問題、キリスト教、家庭小説としての価値や女性運動、ジャーナリズムとの関係など、『アンクル・トム』が内包する複雑で多様なテーマをさまざまな角度から論じる初の本格的批評書。
安すぎるバナナほど、高くつく。熱帯雨林破壊につながる「因果関係のネットワーク」を描き出す。生物多様性保全のためのポリティカル・エコロジー入門。
多様な存在を認めあい、誰も排除されない「共生社会」はいかにして実現されるか。「共生社会」をめぐる現状・考え方を紹介し、「共生社会学」の礎を築くハンドブック。
社会学界の最前線で活躍している若手研究者による論文集。都市社会学、地域社会学、沖縄研究、移民研究、地域福祉、障害研究、宗教社会学、生活史調査などの専門家が、社会の現状分析を試みる。
鱗翅類の形態についての専門用語の平易な解説。チョウ・ガの系統や高次分類について多数の線画や写真を伴って詳しく解説する。寄主植物別にガ類の検索ができる。初めて図説された種を多数含む幼虫を中心に、卵、蛹、成虫を含めたカラー写真により図説する。
グローバル化に伴う留学生の増加やグローバル人材育成といった社会的要請のもとで、異なる言語・文化的背景をもつ学生たちとの意味ある交流を通して学び合う授業ー国際共修ーが今日の各大学で進められている。本書では、国際共修の理論および国内外の実践事例の詳細な分析を通して、わが国にふさわしいカリキュラムや教授法、評価法といった、具体的な授業実践に資する方途を提供する。2020時代の高等教育を担う若手研究者・教職員・学徒必読の一冊!
ネズミ類研究の最前線ーー多様性や進化研究のモデル動物として注目されるアカネズミをはじめ,琉球列島のケナガネズミやトゲネズミ,人間とのかかわりが深いハツカネズミ,ネズミ類が媒介する人獣共通感染症など,気鋭の研究者たちが多様で興味深い研究内容を紹介する.
はじめに(本川雅治)
序 章 日本のネズミ(本川雅治)
I 進化
第1章 日本のネズミの起源(佐藤 淳)
第2章 日本のネズミ化石(西岡佑一郎)
第3章 アカネズミの形態変異(新宅勇太)
第4章 アカネズミの集団史と進化(友澤森彦)
II 生態・生活史
第5章 アカネズミの採餌行動(島田卓哉)
第6章 アカネズミの社会行動(坂本信介)
第7章 実験動物としてのアカネズミ(越本知大)
第8章 琉球列島のネズミ類(城ヶ原貴通)
III ヒトとネズミ
第9章 ハツカネズミの歴史(鈴木 仁)
第10章 ネズミ類が媒介する感染症(新井 智)
終 章 これからのネズミ研究(本川雅治)