『歌うカタツムリ』(毎日出版文化賞)などの著作で筆力に定評ある進化生物学者が、強力な「天敵」としての外来生物の研究史を通して、計り知れない複雑さをはらむ「自然」と、そこに介入せずには済まない人間と科学の業を描く。
外来の天敵種は有害生物を制圧する救世主となりうる一方で、ときに最強の侵入者にもなりうる。それでも、生物多様性が秘める可能性に魅了された多くの生物研究者たちが、自ら「夢の」天敵種と信じる外来生物を招いてきた。本書が語るのは、そうした天敵導入をめぐる知的冒険、成功、そして、壊滅的な失敗の歴史だ。
またその歴史は、産業革命の時代からグローバリゼーションの時代まで、時々の社会が奉じてきた自然観の驚くべき変転を映しだす鏡でもある。著者は、長く信じられてきた「自然のバランス」の実像や、生態系メカニズムの今日的な理解へと、読者を慎重に導いていく。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』に敬意を払いつつ、その自然観をアップデートする書でもある。
終盤では、著者自身が小笠原の父島で経験した、ある天敵との死闘が語られる。生物多様性の魅惑と生態学の醍醐味が詰まった、渾身の書き下ろし。
はじめに
第一章 救世主と悪魔
夢の薬 / 自然のバランスを取り戻せ / 夢の天敵 / 赤い寄生蜂
第二章 バックランド氏の夢
外来生物 / 世界を支配するものは何か / 創造主の慈悲と夢の食材 / 豚か仔牛のようで、キジのような風味がある / 素晴らしい未来のために善を為せ
第三章 ワイルド・ガーデン
帝国の恵み / グレイヴタイ・マナーの領主 / 自然な庭園 / 赤い雑草 / 侵略の生態学
第四章 夢よふたたび
金の時計とダイヤモンドのイヤリング / 不毛な大地 / これを「自然のバランス」と呼ぶ / あれこれ考えるより、まず行動
第五章 棘のある果実
ブリスベンでの出会い / 赤い染料 / サボテン旅行委員会 / 謎の蛾 / 最初の一撃 / 赤い大群
第六章 サトウキビ畑で捕まえて
旅する昆虫学者 / 葉の上を跳ぶもの / 少しでも多く獲れ / グレイバックの災い / 海を渡ったカエルたち
第七章 ワシントンの桜
旅の始まり / 異国の旅 / 悲しい成功 / 友好の証 / 退く天敵 / 高まる敵意 / 危機を未然に防ぐとヒーローになれない / 大義の前に情を捨て
第八章 自然のバランス
分類学なくして防除なし / 密度依存 / 動物集団のバランス / 自然のバランス論争 / 自然はたいてい複雑である
第九章 意図せざる結果
理論か実用か / 光と陰 / 諸刃の剣 / 反自然的行為はもうやめなければならない / パラダイムシフト / 天敵には天敵を / 前車の覆るは後車の戒め
第一〇章 薔薇色の天敵
カタツムリの悪夢 / 戦いの始まり / 病気より悪い治療法 / 薔薇色の狼 / 楽園の行方
第一一章 見えない天敵
群島にて / 賑やかな夜 / 見えない捕食者 / 防除の行方 / もうひとつの道 / 封印の解き方
謝辞
参考文献
索引
ダイバーシティは、解決すべき「問題」ではなく、活かすべき「強み」。長年にわたり組織のダイバーシティ推進を支援してきた著者が伝える、ダイバーシティの本質的な意義とその重要性。
国民が愛する“国技相撲”。そこには勝敗だけではない美しさがある!!そしてその最高峰に位地するのが“横綱”。“価値の多様性社会における普遍的ルールとは何か”を著者なりにまとめあげた一冊。
本書はAI研究におけるコミュニケーションの現状や、様々なコーパス及び在外資料を活用したコミュニケーションの実態の把握と検討、また日本語学習者や発達障害児の言語とコミュニケーションの関係などをまとめた論文集である。
■「まえがき」より
中島氏の論考は「AI and 対話」と「AIを相手として対話する」の2つの視点からAI研究の歴史と現状を検討し、人間とAIシステムの違いを解説したものである。続く5つの論考は、国立国語研究所が構築してきた方言コ -パス、歴史コーパス、日常会話コーパス、学習者コーパス、在外資料など言語資源を活用して、配慮の表現・行動の観点からコミュニケーションの実態を探り、そこに潜む問題点を検討している。
後半の4つの論考は、「健常な成人の母語話者によるコミュニケーション」を対象にした旧来のコミュニケーション研究から、外国語として日本語を学ぶ人(日本語学習者)や障害を持つ人、さらには外国語との比較などに視点を広げ、言語とコミュニケーションの関係を考察したものである。
本書の刊行を通じて、言語とコミュニケーションの研究がさらに深まることを期待したい。
第1章
AIと対話
中島秀之
第2章
丁寧表現形式「デス」の地域差ー日本語諸方言コーパス(COJADS)からー
木部暢子
第3章
対人配慮の歴史をどう捉えるかー『平家物語』の〈受諾〉〈断り〉表現をめぐってー
高山善行
第4章
書き言葉・話し言葉における縮約形の実態ーコーパスに基づく分析を通してー
小磯花絵
第5章
ハワイとカリフォルニアに渡った日本人女性たちによる敬語と女性文末詞
朝日祥之
第6章
日本語学習者の配慮の表現・行動から出発するコミュニケーションの対照研究
野田尚史
第7章
日本語学習者のフィラーの習得と評価ー中国語を母語とする日本語学習者3名を対象にしたケーススタディー
石黒 圭
第8章
自閉スペクトラム症の言語コミュニケーション
藤野 博
第9章
NPCMJを用いた文構造の出現頻度に関する調査ー主語省略文と受身文を例にー
プラシャント・パルデシ、長崎 郁
第10章
プロソディーの多様性と音声コミュニケーション
窪薗晴夫
索 引
編者・執筆者紹介
生物学者ピアソンと分子系統学者ボグラーによるハンミョウ類の分類・形態・進化・生物地理・保全までを網羅した『Tiger Beetles』の全訳。原著の出版以降明らかになった補足や訂正、訳者によるカラー生態写真が追加される。
序文
日本語版への序文
第1章 はじめに
ハンミョウ研究のおもしろさ
ハンミョウ研究の先人たち
科学研究におけるハンミョウの価値
第1部 分類的多様性─進化および世界的分布でみたハンミョウ
第2章 ハンミョウとは
どの仲間に近いのか
ハンミョウの特徴
生活環の各発育段階
第3章 分類と進化
ハンミョウ科の分類
多様性の進化
第4章 種と種分化
種とは何か
なぜ種を問題とするのか
第5章 遺伝─特異な性決定様式
染色体と生殖細胞
染色体の進化と種分化
第6章 生物地理
なぜ、ある地域では種数が多く、別の地域では少ないのか
ハンミョウはどこから、どのようにして来たのか
第2部 生態的多様性─自然環境でのハンミョウ
第7章 自然を生き抜く
物理的生息場所の中のハンミョウ
安定した体内環境の維持
長期的な環境変化に対する応答
その他の進化上の問題
第8章 交配相手の探索と求愛
性淘汰と雌の選り好みの論理
交配と繁殖
第9章 敵からの逃避と回避
天敵はどんな動物か
対捕食者形質
複合的な対捕食者防衛
防御化学物質─局所的な適応か、歴史的な成り行きか
第10章 競争者に立ち向かう
植物と採餌行動
ハンミョウはどのように競争に立ち向かっているのか
群集内の共存種の組合せに規則性はあるのか
ハンミョウの適応放散─何が多様性を促進したのか
第11章 経済と保全
経済的な利用価値
バイオミメティクス(生物模倣)
保全
分類群間の比較と統計上の自己相関の問題
分子レベルの研究と保全
市民化学者と保全
第3部 生態的多様性と分類的多様性の相互作用
第12章 今後の研究と統合
分布パターンの研究
亜種の研究の必要性
世界全体での比較
系統樹の改良とその予測力の強化
剛毛の配列様式と統合
気候変動
結論
付録A ハンミョウの観察と採集
付録B 世界の主な属の自然史
訳者あとがき
引用文献
学名索引
分類名・和名索引
人名索引
事項索引
多民族・多言語多文字社会である中国における「調和的言語生活の構築」とは、何を意味しているのか。言語政策の現代的展開を追いつつ、その実施過程に現れた諸問題と「言語意識」の危機的状況を明らかにするとともに、圧倒的力を持つ「普通話」(=国語)のもとでの危機に瀕した(方言を含めた)少数言語の現状と、その位置づけを展望する。
まえがき 今、なぜ危機言語か/石剛
言語意識と現代中国と/石剛
1.はじめに
2.「語言生活派」というブランド
3.社会言語学研究の今日的状況
4.言語政策発想の転換
5.言語政策の実行過程に見る諸関係
6.言語政策と言語意識
7.おわりに
危機言語の認定と保護/黄行
1.国家言語と民族言語
1.1.言語同一性と同一言語の認知/1.2.国家言語/1.3.民族言語/1.4.国家言語と民族言語への帰属認識
2.危機言語の基準
2.1.危機言語/2.2.言語の認定基準/2.3.中国の言語グループと民族グループ/2.4.危機言語の認定と保護
3.少数民族言語使用状況調査
3.1.少数民族言語文字調査状況/3.2.少数民族言語文字政策/3.3.中国少数民族言語の使用発展状況/3.4.少数民族言語文字使用状況調査の理念
中国における言語の多様性と言語政策/周慶生
1.はじめにー中国における言語政策の「主体性」と「多様性」
2.「主体多様」言語政策とその受容
2.1.建国時期の言語政策/2.2.文化大革命時期における言語政策
3.改革開放下の言語政策
3.1.普通話の等級標準化/3.2.少数民族言語文字の規範化
4.国家通用言語文字法の公布とその実施
4.1.『言語法』の主な原則/4.2.『言語法』の実施
5.現代中国の言語政策とその実施
5.1.方言使用の実態/5.2.少数民族言語使用と二言語教育
おわりに
言語の危機と言語の権利ーー付録:中国危機言語データベース基準(案)/範俊軍
少数民族の言語危機と言語人権についてに
1.危機言語の歴史趨勢と現実的緊迫性/2.危機言語と言語生態学の視角/3.危機言語の保護の人権視角
付録:中国危機言語データベース・デジタル基準(案)
1.中国危機言語データベース・デジタル基準説明/2.中国危機言語データベース・デジタル基準
潮州語、温州語、そして播州語ーーその現状と言語多様性のゆくえ/寺尾智史
1.45年前の、そして45年後の『タイからの手紙』--バンコクから
2.温州語のネットワークーー世界に散らばる商用リンガ・インテルナ
3.90年後の『方言矯正方案』-華僑/華人を受け入れた側の言語再考
新疆ウイグル自治区における漢語教育と検定試験ーーHSK、MHKの比較分析から見た政策変容/王瓊
はじめに
1.HSK体系について
1.1.HSKの定義/1.2.HSKの構造/1.3.HSKによる「民漢兼通」の新基準
2.MHK体系について
2.1.MHKの定義と内容/2.2.MHKの構造/2.3.構造からみたMHKの動向ーー「民漢兼通」の最終的な意味/2.4.MHKによる新たな「民漢兼通」基準の設定
おわりに
あとがき 言語意識の危機/石剛
戦後期における日本の保守および保守政治家とはいかなるものか、保守政権とはどのような役割をはたしてきたのか、問い直す。各章二人の政治家を縦軸・横軸・対称軸からカップリングさせた事例研究。自民党(旧自由党、旧民主党、旧進歩党)の多様性を論究しつつ、日本的保守政治家の実相と特質を解明する。
雄しべ・雌しべの出現時期や活性期がずれる雌雄異熟の現象を追究した異色の観察図鑑。自家受粉を避け、多様な遺伝子を取り込むべく展開される雄しべと雌しべのしたたかなドラマ。雄性期・雌性期の実相を明らかにし、花の新しい常識を今拓く。鹿児島県小・中・高等学校理科教育研究協議会推薦、鹿児島植物同好会推薦。241種掲載。
個人と組織との関わりから人事・管理問題を考察した現代自治体組織論
能力・実績主義、人口減少時代の組織管理、フラット化など、自治体組織の編成や管理、機構改革をめぐる昨今の問題について、その本質を公共性と多様性を軸に多元的に分析する。研究者、自治体管理職、人事担当者のみならず全ての自治体職員に整理・俯瞰的視点を提供。
序 章
第1章 能力・実績主義的人事管理の運用
--人材育成としての人事評価制度の導入ーー
はじめに
1 企業における能力主義・成果主義型人事管理登場の必然性
2 地方公務員法改正の意味と意義
3 事例:池田市の人事評価制度
4 事例の分析と考察
おわりに
第2章 人口減少時代の自治体組織管理
--多様性の実現に向けてーー
はじめに
1 人口減少がもたらす問題
2 問題意識の背景
--自治体の組織管理、人事管理を取り巻く環境の変化ーー
3 組織管理における多様性の要請
4 自治体組織管理における多様性を進めるための法的環境整備
5 実地調査
おわりに
--期待される効果と論点ーー
第3章 大部屋主義の再検討と自治体職場における目標管理制度
はじめに
1 大部屋主義の再検討と目標管理との齟齬
2 事例の検討にあたって
3 事例:A県X県民局建設部の職務構造
おわりに
--目標管理の導入へ向けてーー
第4章 組織構造のフラット化
--階層の持つ意味ーー
はじめに
1 組織構造に関する分析視点
2 階層の位置づけ
--組織の合理性と個人の自律性のジレンマーー
3 行政組織の特質と階層構造の必然性
--代表性と自律性のジレンマーー
4 地方自治体における階層の意味
5 事例:静岡県における組織フラット化の取組み
6 事例の分析と考察
--むすびにかえてーー
第5章 内部組織の役割変容と機構改革
はじめに
1 福祉行政分野における制度改革の動き
2 複数の文脈における組織変容の要請
3 事例の検討
--三重県における福祉行政をめぐってーー
おわりに
第6章 自治体の組織と権能
--多様性を前提とした公共性に向けてーー
はじめに
1 自治体の持つ権能
2 今後の権能と組織のあり方
おわりに
第7章 公共サービスの外部化と組織管理における「公共性」概念
はじめに
1 イギリスにおける民営化と民間委託
2 アメリカにおける民営化と民間委託
3 日本における「公共性」に関する議論の経緯及び変遷
4 行政としての自治体にかかる公共性
5 公共サービスの外部化と組織管理にかかる公共性
おわりに
※2022年3月に、最新版となる第3版を発売しました。
『学校と子ども、保護者をめぐる 多文化・多様性理解ハンドブック 第3版』(ISBN978-4-909095-21-3)
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ある日学校に、外国につながる子どもがやってきた!
手続きは何からすればいい? コミュニケーションのコツは?
地域の学校へ、外国につながる子どもが転入学してくることは
グローバル化が進んだ昨今、決して珍しいことではなくなりました。
学校現場の先生、保護者、地域の方々が戸惑わずに受け入れられるよう、
基本的な知識と情報を詰め込んだ1冊です。
2018年発行の初版に、新しい情報を加えた2020年発行の改訂版。
1 外国につながる児童生徒とその保護者、その多様性を豊かさに
松永典子
2 グローバル化と日本の学校文化ーー説明の必要性
施 光恒
3 多用な先生、多様な児童ーー文学に「学び」、文学で「遊ぶ」ヒント
波潟 剛
4 外国人保護者が捉える日本の学校文化ーー相互理解と母語・母文化保持の観点から
S.M.D.T ランブクピティヤ
< 資料編>
1 クラス、学校に外国につながる児童生徒がやってきたら
2 役に立つリンク集・活用例
大学受験指導では外すことのできない「生態系・生物多様性」分野。生物教育や環境問題に係わる先生方の声を反映して、生物多様性に関する用語解説はもちろんのこと、系統立てた生物多様性の解説や保全対策などを紹介するほか、多数のコラム(下記参照)を掲載。高校生物の教科書を補うのに最適な一冊!
<コラム>
種の多様性の表し方、多様度指数、生物模倣技術隆盛時代、生物多様性が生態系サービスに寄与する理由、生態系サービスの経済評価、自然選択による適応進化の実例、ダーウィンと生物多様性、保全単位、大型哺乳類の大量絶滅、カエルの受難:オレンジヒキガエルの絶滅、決定論的要因と確率論的要因:植物の場合、アリー効果のいろいろ、近交弱勢の主要な要因:有害遺伝子の発現、絶滅の渦、レッドリストとニホンウナギ、国の外来種対策:奄美大島のジャワマングース、東京蝶モニタリング
第1章 生物多様性ってなに?
1.1 生物多様性とは
1.2 種内の多様性(遺伝的多様性)
1.3 種の多様性
1.4 生態系の多様性
1.5 バイオームと人為的改変
1.6 生物多様性を保全すべき理由
1.7 生態系サービス
1.8 ミレニアム生態系評価とシナリオによる予測
第2章 生物多様性の形成と維持
2.1 生命の歴史と生物の多様化
2.2 多様化は生物の遺伝・進化の必然
2.3 自然選択による適応進化
2.4 種分化とエコタイプ
2.5 生物間相互作用と生物多様性
2.6 競争に抗して多種共存を可能にするのは
2.7 モザイク環境と撹乱:さとやまの生物多様性とヒト
第3章 生物多様性の危機と人間活動
3.1 生命史第六番目の大量絶滅
3.2 現代の絶滅リスクの高まり
3.3 地球環境の限界を超えた「生物多様性の損失」
3.4 絶滅どころか蔓延する種
3.5 乱獲・過剰採集
3.6 絶滅をもたらすハビタットの分断・孤立化
3.7 外来生物の影響
第4章 絶滅のプロセスとリスク
4.1 絶滅に向かう過程と小さな個体群
4.2 小さな個体群の絶滅リスク
第5章 生物多様性の保全(制度)
5.1 生物多様性条約
5.2 ワシントン条約と種の保存法
5.3 ラムサール条約と条約湿地
5.4 生物多様性基本法と生物多様性戦略
5.5 外来生物法
5.6 自然再生と自然再生推進法
第6章 生物多様性の保全(実践の多様性)
6.1 生物多様性保全と市民科学
6.2 絶滅危惧種の保全と再導入・再野生化
6.3 コウノトリ(東アジア個体群の再生)
6.4 土壌シードバンクを活用した自然再生事業
※ 各章にcolumnを多数掲載
「生物多様性」をテーマにしたシリーズの第3巻。
かつては植物の中の一群とされていた藻類だが、現在では多様な起源をもつ生物の集まりであるとわかってきている。研究の歴史や人との関わりをはじめ、原核生物や原生動物との系統関係、葉緑体の起源や細胞内共生による進化過程など、さまざまな視点からこの生物群を解説する。
豊富な植物画を配し、分類形質一覧表等の付録も充実。
第 I 部 藻類の多様性と分類体系
1.藻類の多様性
2.藻類の多様性研究の歴史
第 II 部 さまざまな形質からみた藻類の多様性と系統・進化
3.分子系統学からみた多様性
4.葉緑体にみる多様性
5.光合成色素にみる多様性
6.鞭毛と鞭毛装置にみる多様性
7.有性生殖にみる多様性
8.藻類の光運動反応
9.藻類の概日時計
10.細胞内共生による葉緑体の獲得と藻類の多様化
第 III 部 植物群ごとの特徴 -図版解説とコラムー
1.藍色植物門
2.原核緑色植物門
3.灰色植物門
4.紅色植物門
5.クリプト植物門
6.不等毛植物門
7.ハプト植物門
8.渦鞭毛植物門
9.ユーグレナ植物門
10.クロララクニオン植物門
11.緑色植物門
「シリーズ 話し合い学をつくる」待望の第二巻。多領域からの研究・実践報告や議論を通して、「共創」を実現するための「話し合いのモデル」と、それを基調とする「社会・制度・政策のあり方」を探求する「話し合い学」の構築をめざす。
執筆者:村田和代、井関崇博、森篤嗣、杉山武志、青山公三、加納隆徳、田村哲樹、荒川歩、小宮友根、土山希美枝、篠藤明徳、坂野達郎、佐野亘
会社はなぜ存在するのか。そして、どのようになっていくのか。オックスフォード大学クラレンドン講義に基づいた著者最新の研究成果が、企業理論の新たな地平を切り開く。
シロオビアゲハ,ドクチョウの翅パターンに関する遺伝的研究から,適応について何がわかるか。目玉模様の数と位置はどう決まるか。斑紋多様性解明の鍵となる諸分野(遺伝子,発生,形態,進化,理論モデル)について,国内外の最新の研究成果を紹介。
● チョウの斑紋研究は,遺伝学,発生学,進化学,生態学,そして数理モデル解析などを結び付け,統合化する非常に良い例を提供する。チョウの斑紋の分子生物学,遺伝学分野での新発見が相次いでおり,本書の著者の数人はその発見者でもありNature, Nature Genetics, Science など世界の主要科学雑誌で原著論文を数多く出版している。
● チョウの斑紋研究は,今後5年以内に大いに進展すると思われる。というのも,昆虫の分子生物学における最近の技術革新 (例えば, low cost whole genome sequencing, gene knock out/down, and genome editingなど) が,それを後押しするからである。本書はチョウの斑紋の統合的研究の進展に大いに貢献するのは間違いない。
● 本書のトピックは時期を得たものである。チョウの斑紋の変異,生態学的役割,関連遺伝子の特定,突然変異体,翅の表現型の構造など,最近20〜30 年間に非常に多くの研究がなされてきた。しかし,チョウの斑紋に関する包括的書籍は,H. Frederik Nijhout著“The Development and Evolution of Butterfly Wing Patterns”(Smithsonian Institution Press, 1991) 以来ほとんど出版されていない。本書は,従来の発生生物学とチョウの系統分類学の本とは異なり,最新の分子生物学的結果と数理モデル解析などを含む包括的書籍であり,いま急速に進展している新しい研究分野に貢献するユニークな本である。
里山や川の土手には多くの草花が生えています。それらは日本に古くからある植物、それとも近年外国から入ってきたもの?人の手が加わると在来植物に、ほったらかしにすると外来植物になり、多様性が失われていきます。それはなぜ?多様性を保つには何が必要なのでしょうか。各地の実践例も紹介しながら考えます。
奈良県大宇陀で守られる日本最古の私設薬園、史跡、森野旧薬園が所蔵する門外不出の家宝「松山本草」全10巻を初めてフルカラーB5判上製本で公開。
森野家は奈良県大宇陀で約450年の間、吉野葛製造を営んできた旧家である。薬草を中国からの輸入に頼り、財政を逼迫させていた享保年間に、森野家10代目、初代藤助賽郭は、八代将軍吉宗の命を受けた幕府採薬使、植村左平次とともに大和地方を調査した功により、幕府より薬草を下賜され、これを自家の裏山に植えたのが森野旧薬園のはじまりである。
江戸へ出かける機会の増えた藤助賽郭は、さまざまな専門家との交流を経て、晩年、自家の山に「桃岳庵」を建て、そこで薬草や動物の写生を日課とした。これが「松山本草」であり、主に702種の植物の他、昆虫、鳥獣、貝が彩色されて全1001種が描かれている。「草上」「草下」「蔓草藤」「芳草・灌木」「山草・湿草・毒草」「水草・石草」「殻草」「木」「鱗蟲禽獣」「介」の名前が各巻に付けられた和装冊子の状態で全10巻となっている。
藤助賽郭の植物画は、江戸享保改革期の薬種国産化政策を背景に、当時の生薬基原種や、すでに生息していた西洋生薬など、園内の植生を描き出している。
1750-1768年の間、森野藤助賽郭が写生した「松山本草」には1丁に2頁が描かれており、多くは1頁に2種の植物が描かれている。大和地方調査時に発見し、その後森野家がカタクリ粉製造をする端緒となった、カタクリの頁には「本草綱目」「大和本草」の説明文が引用され、賽郭の思いが伝わる。本書ではそれらを1頁に1頁ずつ収載している。薬草は使用部位も描かれ、開花時期、異名、上品、中品、下品などの記載もみられる。
ほかに、現在の植物と「松山本草」の全図絵にある植物の比較解説を行い、図絵への書き込みをデータ化し、収載するとともに和名、学名を記した図絵解読一覧、森野旧薬園の植生調査リストを掲載。江戸期の薬園の姿をいまに伝える森野旧薬園の姿と意義を明らかにする。
はじめに
序章 本書の視角:松山本草と森野旧薬園研究
第一章 森野藤助通貞賽郭真写『松山本草』
森野藤助賽郭と松山本草
生薬品質における基原植物同定と博物学
松山本草翻刻
1. 第1巻 草上 (59頁:1-121種) 121種
2. 第2巻 草下 (61頁:122-241種) 120種
3. 第3巻 蔓草藤 (51頁:242-341種) 100種
4. 第4巻 芳草・灌木 (19頁:342-377種) 36種
5. 第5巻 山草・湿草・毒草 (43頁:378-459種) 82種
6. 第6巻 水草・石草 (31頁:460-518種) 59種
7. 第7巻 穀菜 (33頁:519-582種) 64種
8. 第8巻 木 (61頁:583-702種) 120種
9. 第9巻 鱗蟲禽獸 (48頁:703-787種) 85種
10. 第10巻 介 (55頁:788-1001種) 214種
図絵解読一覧 (計1001種)
第二章 森野旧薬園から学ぶ生物多様性の原点と実践
江戸・享保改革期の薬種国産化政策と森野家
森野薬園時代の漢薬種育成と生薬栽培の伝統
森野旧薬園における生育植物の現況
生息植物リスト(2010〜11年時現在)
森野旧薬園の環境社会学的意義:国内における生息域保全
終章 総括と展望
おわりに