わたしたちは言葉や行動をどうやって学んできたのか? ゆらぐアイデンティティを言語で確立するには? 変えたい行動はどうすれば変わるのか?--言葉は感情・行動・思考に大きな影響を与えていて、言葉がなければ感じることも考えることもむずかしい。にもかかわらず、言葉はまるで空気のように生活に浸透していて、言葉を定義するのはもっとむずかしい。
行動分析学、機能的文脈主義、関係フレーム理論、そしてACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)が、この難問に答えを与えてくれる。ありふれた日々の出来事、カウンセリング現場、そして働くことを題材に、謎がいっぱいの「言語」と「行動」をまなぶ。
公認心理師発展科目「学習・言語心理学」準拠、「言語」と「行動」をまなぶ心理学入門講義!
第1章 言語と行動の機能分析
ACT Matrixを使った行動のセルフマネジメント
第2章 関係フレーム理論
スキナーの言語行動の定義
関係フレーム理論
言語的自己概念
文脈的行動科学
関係反応を測定する(IRAPとFAST)
第3章 アクセプタンス&コミットメント・セラピーと関係フレーム理論
アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)
関係フレーム理論とACT
第4章 ACTを用いた心理療法と心理教育プログラム
抑うつとACT
不安とACT
ACTを用いた心理教育プログラム(ACT Training)
第5章 ACTと働くということ
働くことの機能
キャリア教育
エントリーシートを活用する
言語を人間のコミュニケーションの中にとらえ直し、戦時体験の語りからネット上の言語まで、現代の様々なコミュニケーション現象に迫る。文化・認知・社会を繋ぐ新しい言語学の試み。
ー速記文字で80の言語と文化にふれるー
線や点といったシンプルな符号を駆使して、会話などの人の言葉を素早く写しとる速記術。本書は独学で工夫を重ねてアルファベットを中心に独自の速記文字を開発した著者が、その多言語兼用の速記術を各言語ごとに例文を載せながら分かりやすく解説した、日本で唯一の佐藤式速記術のテキストです。フランス語やイタリア語などのお馴染みの言語はより詳しく、それ以外にもクルド、チベット、マケドニア、バスクなどバリエーション豊かな80言語の速記術を掲載。姉妹編の『60言語の簡単速記術』と併せご活用ください。
目次
14言語の簡単速記術
ドイツ
フランス
スペイン
イタリア
ブラジル
ルーマニア
ロシア
ブルガリア
ポーランド
チェコ
ハンガリー
フィンランド
トルコ
スウェーデン
13言語の簡単速記術
ペルシャ
アラビア
ハングル
中国
オランダ
ハンガリー
現代ギリシャ
デンマーク
ノルウェー
ウクライナ
セルビア、クロアチア
現代ヘブライ
リトアニア
19言語の簡単速記術
リトアニア
ラトヴィア
エストニア
インドネシア
マレー
フィリピン
ベトナム
ヒンディー
ベンガル
タイ
ラオス
ビルマ
カンボジア
モンゴル
ネパール
ウルドゥー
エスペラント
英語
日本語
44言語の簡単速記術
英語
日本語
18言語の簡単速記術
エジプト アラビア
ラテン
ウズベク
ウイグル
パンジャービー(パキスタン)
パンジャービー(インド)
シンハラ
タミル
台湾語
上海語
広東語
グルジア
スワヒリ
アムハラ
アイスランド
アイルランド
英語・日本語の簡単速記術
英語・日本語
17言語の簡単速記術
英語・日本語
ドイツ
フランス
アイヌ
古典ギリシャ
古典ヘブライ
現代ギリシャ
現代ヘブライ
バスク
カルターニャ
ロマ
テルグ
マラーティー
アゼルバイジャン
カザフ
スロベニア
ハウサ
ヨルバ
12言語の簡単速記術
スペイン
イタリア
ロシア
クルド
ブラジル
チベット
アルバニア
アルメニア
イディッシュ
スロヴァキア
マケドニア
ベラルーシ
著者略歴
まえがきより(一部省略・修正)
第1章は,クリスチャン・マティスンの論考で,音声から日常のディスコースへと探究の領域を移動しながら体系機能言語理論を概観し,言語とかかわるための体系機能的なストラテジーを導入している。ストラテジーとして導入される音声ヨガやディスコース日記,ディスコース地理と意味の潜在性をとらえる理論が言語を探究するのに必要な「言語のセンス」を高め,後続する章の探究を支援している。
第2章では,日本語の体系機能文法を意味分析のリソースとしてもちいて,日本語の意味・文法システムとそのシステムの具現化をテクスト環境に位置づけ記述している。それは,テクストの底辺にある意味をあらわにするのに体系機能的なテクスト分析が有用であり,言語の専門家でなくともテクストの意味づくりを知ることができるということの一例でもある。
第3章は,照屋がマティスンと開発をすすめているレジスター研究の概要を示したものである。英語教育,日本語教育,言語学教育に実践応用している枠組みでもある。意味のまとまりとしてのテクストに焦点をあて,異なるコンテクストで展開する社会意義活動を8つのフィールド(活動領域)に類型化し,あるフィールドで展開するテクスト群があるレジスター的な意味文法的素性をもちながら,テクストタイプとして具現していることを例示している。
第4章は,ジョン・ベイトマンのマルチモダリティ理論と方法論に関する論考である。意味づくりの様式である意義モードを理論・実証的に再考し,意義モードを物質と形式,ダイナミックなディスコース意味論が密接に相関したまとまりとして定義づけ,それが存在論的基盤となってはじめてマルチモーダルメディアとジャンルの緻密なマルチモーダル分析が可能となることを提示した。
第5章の奥泉香の論考は,意味表現様式の異なるひとつ以上の様式,モードによって具現されたマルチモーダルテクストのなかから絵本を国語科教育の学習対象としてとりあげ,絵本のイメージと言語が相補的に,かつ独立してつくりだす意味を系統的に提示している。国語科の授業で示された中学生の意味づくりが,体系機能的なマルチモーダル研究とマルチモーダルリテラシーの必要性を示唆している。
第6章は,ハイジ・バーンズの論考で,第二言語発達を把握することに焦点をおきながら,公共一般や特殊な場面での言語使用に不自由を感じない第二言語の使用者を育成するために,指導による言語発達をどのように想定するべきなのかという疑問を専門家に投げかけ,それと同時に,体系機能理論をベースにした方法論だけでなく,教育実践につなげていく枠組みを提示している。
第7章は,公開講座のためにハリデー先生が準備なされた未出版の原稿を照屋が翻訳した。ハリデーは,言語の性質と機能についての意識を獲得することは,教育をうけた一般大衆でも可能であり,言語がもつ意味づくりの機能を理解することが21世紀への挑戦につながっていくことを,体系機能言語学的な観点から多言語を複雑な環境社会体系のなかに位置づけている。
1980年代から始まった認知言語学による比喩研究は、当初はメタファーを中心としたものの、その後メトニミー、アイロニー、シミリー、ブレンディング、文法構文、ディスコースへと研究対象を拡大するとともに、理論的枠組みを洗練しながら、コーパスや実験的手法など新しい研究方法を取り入れつつある。本書はそうした潮流を概観し、「「比喩的」とはどういうことか?」に答えることを試みた最新かつ最も包括的な概説書である。
第1章 序論
第2章 メタファーの基本
第3章 メタファーの構造:レベルと関係
第4章 メンタル・スペースとブレンディング
第5章 メトニミー
第6章 文法構文と比喩的意味
第7章 メタファーの通言語的研究
第8章 談話における比喩
第9章 結語
言語と言語学を愛してやまなかった著者による珠玉の精選エッセイ集。ラーメンの命名論からスラブの文字までことばの面白さと奥深さを語る、目からウロコの17篇に書き下ろし1篇収録。
これまで埋もれていた半世紀にわたる執筆作品を自身でセレクトし、整理・編集した著作集の2冊目であるセレクシヨン2には、1963年〜1998年の言語学に関する小篇、論文、講演録など32篇を収めた。
ここに収めた田中克彦の論考を通して、戦後日本の言語学の変遷を読み取ることができる。
特に日本語ではなく、国語と称されるに至った経緯やピジン・クレオール語、民族語についての論考は、現代の終わりの見えない民族対立について考えるきっかけになるだろう。
セレクシヨン2へのまえがき
第一部 一九六〇年代〜一九七〇年代
日本語を考える
戦後日本における言語学の状況
言語観の再検討を
論理学に対する現代言語学の立場 -山田広行『論理学』をめぐってー
言語学と言語学的現実
恥の日本語
「読む」ことと「見る」こと 現代詩への一考察
地域と言語
「エッタ」を私はこう読んだ
第二部 一九八〇年代
言語批判の視点 『国語の将来』『国語史』『標準語と方言』その他
国語愛と教育のことば
支配の装置としての学術語 社会科学用語のジャルゴン性を撃つ
エスペラントを包囲する 言語学イデオロギー
《本から本へ》クレオール くずれたフランス語の学び方
ヨーロッパと言語イデオロギー
《講演録》社会言語学的にみた日本文化の気質
《百科問答》外国語における「差別語」は?
エスペラント百年に思う
言語・エトノス・国家
「影響」の影響力
《講演録》「国際」の政治意味論
第三部 クレオールと多言語主義
ピジン、クレオールが語る言語の本質
書くことは自由か
《講演録》ことばとエコロジー
《講演録》明治日本における「国語」の発見
《講演録》一言語主義から多言語主義へーーフランス語の未来
国語の形成
《講演録》二一世紀の世界における日本語
世界・日本・ローマ字
人間にとってことばとは何か
国語と国家語
《講演録》ことばの環境と経済
読む、書く、聞く、話すーー私たちは何気なくことばを使って意思疎通をしている。古代ギリシャ時代から始まったともいわれる言語学研究は、音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論、応用言語学など、人間の営みにかかわる様々な分野に広がってきた。本書ではそんな言語学という不思議の国に魅せられた3人の英語教育の研究者でもある言語学者たちが自分たちの追い求める「白ウサギ」=不思議を紹介。表現や声の捉え方、世界の捉え方など、普段使っている中にこそ言葉の不思議は潜んでいる。音声から学習、思考にいたるまで、言語学・応用言語学への案内役となる一冊。
はじめに ことばの国のアリス
第1章 発音変化に見る音と綴り字のズレ
第2章 魅力的な声の秘密
第3章 あいまいな日本語の私
第4章 切っても切れないことばと心
第5章 ことばを通して世界を見れば
第6章 オーストリアはオーストリア語?!
第7章 通じる英語と通じない英語
第8章 英語が上手くなるための心得
おわりに オズのことば使い
本巻では、ことばの感性的・身体的側面にかかわる能力、さらにはこの種の能力を含むより包括的な認知能力を基盤とする言語現象を、認知意味論の観点から解説する。メタファー、メトニミー、イメージスキーマ変換、参照点構造、主体化、意味拡張、スキャニングなど、これまでの形式・構造を中心とする言語研究では扱われていない言語現象を広範に取り上げ、体系的に解説する。
言語聴覚士養成校で学ぶ「言語発達障害学」のテキストとして最適な1冊。第3版では日本言語聴覚士協会が2018年に発表した「言語聴覚士養成教育ガイドライン」を踏まえた目次立てとするとともに、学生が学ぶ際の指針として各章・各項目ごとに学修の到達目標を明示する。さらに今版では事例の記載を充実させ、臨床をイメージできる内容とするとともに、保健・福祉・教育との連携や言語発達障害支援の最前線についても解説する。
言語コーパス研究における統計利用のための、本格的入門書。言語学者と統計学者のコラボレーションによる執筆・編集。英語研究と日本語研究の両方に対応。CD-ROM収録のソフトウェア・分析用データで研究の手法を体験しながら学べる。
これまで日本語や外国語の習得研究は、事例を使った「直感」的な研究が多かった。しかし、特定の表現だけで現象を説明しようとすると、視点が偏りがちになる。そこで本書では、「直感」で推論された仮説を、コーパス、テスト、実験などで集めたデータを統計的に解析して「実証」するというアプローチの研究を、詳細な解説を含んで8つ掲載した。
執筆者:王蕾、斉藤信浩、張婧禕、初相娟、早川杏子、毋育新、毛文偉、大和祐子
まえがき
第1章 待遇表現の授業効果の検証
ー対応のあるサンプルの t 検定による検討ー
毋 育新
第2章 初級中国人日本語学習者のテ形習得のメカニズム
ー反復のある分散分析と単純対比による比較ー
初 相娟
第3章 テキストの読み処理過程の解明
ー学習者はどのように日本語のテキストを読むかー
大和 祐子
第4章 反応時間実験パラダイムによるバイリンガルモデルの検証
ー中日バイリンガルを対象にー
早川 杏子
第5章 回帰分析による因果関係の証明
斉藤 信浩
第6章 ブランドネームの知覚モードを介した態度形成のメカニズム
ー質問紙調査へのデータフィッティングの適用ー
王 蕾
第7章 夏目漱石の中・長編小説14篇の文章特性分析
ーテキスト分析のための統計手法ー
毛 文偉
第8章 語彙習得における外国語としての日本語学習者の特性分類
ーIBM SPSS Statistics と R によるクラスタ分析の紹介ー
張 婧禕
索引
編者および著者の紹介
めざましい発展を遂げている英語学・言語学研究について、音声学、音韻論、統語論、意味論などの主要分野はもちろん、歴史言語学、社会言語学、認知言語学、英語教育、コーパス言語学などの様々な関連領域における重要な用語約3200語を取り上げて、11の分野に分けて簡潔・明解に解説する。 用語間の相互参照を多く設け、分野内・分野間の有機的連関を図るよう工夫された学習者・研究者にとって必携の用語辞典。