摂食障害の発症については,ストレスなどの心理的要因によるものとする見方が長らく定説とされてきたが,具体的にどのようなメカニズムで摂食障害を引き起こすのだろうか? 引き起こすとすればそのエビデンスはなにか?
長年にわたって臨床心理士として医療機関で摂食障害とかかわってきた著者は,そうした疑問を背景に,発症の経過や契機,性格傾向,体重と症状との関連などについて事実にもとづいて検討し,それぞれ得られた結果を専門学会や論文で発表してきたが,本書はそうした一連の報告内容を整理したものである。
著者の経験をもとに提示される臨床的事実と,エビデンスから導き出される具体的な治療アプローチや精神病理についての考察は,摂食障害を理解し,かかわっていく上で貴重な知見として読み継がれていくだろう。
第1部 摂食障害の代表例,神経性無食欲症(AN)の臨床的事実
本書における摂食障害の診断基準
神経性無食欲症(AN)の典型例
事実1 発症経過
事実2 発症契機
事実3 発症前の性格傾向
事実4 男子例
事実5 低体重,低栄養状態が心身にもたらす深刻な弊害
事実6 経過中にみられる「せわしさ」,過活動
事実7 体重が回復すると症状は改善する
事実8 体重はスムーズに増えるわけではない
事実9 体重が回復していく過程で発現する過食行動
第2部 神経性無食欲症(AN)の臨床的事実を踏まえて
1 臨床的事実としての発症経過,発症契機,発症前の性格傾向が意味するもの
2 エビデンスにもとづく治療的アプローチ
3 痩せ願望以外の動機によって発症する摂食障害
4 古典とされるANの古い報告例も痩せ願望だったのか?
5 古典例や痩せ願望以外による摂食障害ーーそしてANに共通するもの
6 ANは心理的ストレスなど心理的環境要因が原因なのか?
7 従来指摘されてきた精神病理をどうみるか
8 エビデンス的事項のまとめ
水電解質代謝や酸塩基平衡,輸液の基本的考え方から最先端のトピックスまでを解説するとともに,小児から高齢者,外来から救急の50症例を通じ,水電解質・酸塩基平衡異常の病態とその治療が学べる1冊.1つの病態に対し数例の症例を提示するなど,各症例に対しどのようなアプローチをしたか,するべきかが具体的に解説されるほか,理解度を測る演習問題もあり,腕試しができる.
わが国初のNICEガイドラインを活用した摂食障害治療の実践書。エビデンス豊富なNICEガイドラインを、わが国の摂食障害治療に活かすべく、症例とともに詳細、かつ平易に解説。プライマリケア医から専門医まで、摂食障害に関わる人、必読の1冊。
膨大な法令・政府資料は見やすく抜粋。化学式や代謝・人体のしくみはひと目でわかる図で解説。覚えにくい知識は表やフローチャートにして掲載。役立つデータ・資料なんと500点収載!すべてに読み取りポイントつき!
人間は“教育されうる動物”といわれるが、それは人間の赤ん坊の脳が、将来、育て方、教育のし方でどんなにでもなりうる未熟な状態で生まれてくるからで、この教育の可能性があるからこそ人間は“教育されねばならない動物”なのだと著者はいう。脳の仕組み、働きと子どもの育て方・家庭のあり方・脳の鍛え方を説く。
砂浜の消失問題が指摘されて久しい。専門家の分析によれば、最悪の場合、今世紀末までに日本の6割の沿岸で砂浜が完全に消えるおそれがあるという。
本書は、米国のジャーナリスト、コーネリア・ディーンが、丁寧な取材のもとに、砂浜の消失や海岸侵食は護岸壁や突堤等の人工構造物に起因することを明らかにしていく。原書の初刊は約20年前。しかし、「砂浜=インフラ」として保全の必要性を説く本書は、古びていないどころか先を行き、海と人間社会の望ましい関係について根源的で新鮮な内容で、今の日本の状況を予言したかのような記述がいくつも出てくる。
護岸工事をして海岸近くに建てられた建築物を守ろうすると、その人工構造物は自然な砂の動きを止めてしまうため、海岸侵食が進む。侵食が進んだ砂浜に、巨額の費用をかけて大量の砂を投入する「養浜」を行ったり、さらなる構造物をつくって制御しようとするも、長くは続かない。私たちは砂浜に対する姿勢を考え直さねばならない時期に来ているのだ。
巻末には、高知工科大学教授で、国土交通省の有識者会合「津波防災地域づくりと砂浜保全に関する懇談会」座長の佐藤愼司先生による「日本語版への解説」を収録。2019年6月5日(水)に開催された第9回懇談会で、砂浜を法律で「海岸保全施設」に指定して、すなわち砂浜を「インフラ」と位置づけて保全していくという国のガイドラインを来年度をめどに決める方針がまとまった。「日本語版への解説」の中でも、今後の砂浜の保全管理の在り方が解説され、大変有意義かつ時宜にかなった内容となっている。
現役教師を中心に、どうすれば生徒たちが理科や科学の面白さを伝えることができるのかなどのアイデアを結集。
第1章 身の回りの不思議をサイエンスで解こう!
・光と色の不思議な世界[炎色反応を楽しもう]
・ドライアイスから炭をとりだそう[ドライアイスをマグネシウムで還元]
・状態変化を粒子モデルで考えよう[臭しゅう素そ 管かんを使った実験]
・光の不思議な性質[最短より最速]
・動物の体のしくみを知ろう[イカの体を大解剖!]
・身近な花を観察しよう[花と昆虫の関係に着目!]
・炭を科学的に説明しよう[君ならどう答える?]
・放射能って何だろう?[身近にある放射線]
・手を触れずにものを動かそう[静電気のしくみ]
第2章 サイエンスホビーを楽しもう
・なんでも標本にしてみよう![集めることに意味がある]
・ビーチコーミングをしよう![海岸漂着物の観察]
・地域の自然を次世代に受け継ごう[「横浜メダカ」へのこだわり]
・メダカを観察しよう[絶滅危惧種を身近で飼育]
第3章 学校では習わない、こんな実験もある
・-196℃の世界を体験しよう[液体窒素でガチガチ]
・食材でつくろう理科教材モデル[おいしく楽しむ食欲魔人の実験]
・すごいやつ! 菌類・細菌類[台所は実験材料の宝庫]
・ムラサキキャベツでつくろう虹にじ色いろ[酸・アルカリによるグラデーション]
・これは氷山の一角?[氷はいかにしてとけるのか]
第4章 グレードアップ、サイエンス実験と学習
・はじめの一歩は「なぜ」から?[モーターを作ろう]
・実験装置を自作しよう[電気泳動の実験]
・楽器の原理を探求実験[ストローパーンパイプの謎]
・自己評価で勉強を好きになろう[学習意欲向上作戦]
レーダーチャートで漢方処方がわかる,「漢方処方プロセス」シリーズの第3弾!
胸やけや胃もたれ,食欲不振,下痢・便秘など,プライマリ・ケアでも遭遇することが多い消化器症状の悩みを漢方薬でサポートしましょう.症例を豊富に挙げつつ漢方薬の処方プロセスを解説しますので,漢方にあまりなじみのない方にもおすすめです.
[ここがポイント]
・レーダーチャートで漢方薬の特性が視覚的に理解できる!
・適切な漢方薬を選択するために必要な診察方法がわかる!
・漢方薬を構成する生薬の性質がわかる!
【目次】
1 総論
1. レーダーチャートの使い方
2. 気血水診断のポイント
3. 漢方の診察(脈・舌・腹)は何を診ているのか?
2 症候から考える処方プロセス
1. 胸やけ
2. 胃もたれ
3. 食欲不振
4. 胃腸炎
5. 嘔吐
6. 腹部膨満感
7. 腹痛
8. 便秘
9. 下痢
10. 過敏性腸症候群
11. 痔
12. 逆流性食道炎
13. 口内炎
3章 漢方診療実践のポイント・ヒント
1. 医師は何をよりどころとして漢方薬を処方するのか?
2. たかが便秘,されど便秘
3. 原因不明の腹痛に当帰湯
4. 気剤のなかにても揮発の功あり
5. がんに対する支持療法
6. Q&A集
1 総 論
1 レーダーチャートの使い方
2 気血水診断のポイント
3 漢方の診察(脈・舌・腹)は何を診ているのか?
2 症候から考える処方プロセス
1 胸やけ
2 胃もたれ
3 食欲不振
4 胃腸炎
5 嘔 吐
6 腹部膨満感
7 腹 痛
8 便 秘
9 下 痢
10 過敏性腸症候群
11 痔
12 逆流性食道炎
13 口内炎
3 漢方診療実践のポイント・ヒント
1 医師は何をよりどころとして漢方薬を処方するのか?
2 たかが便秘,されど便秘
3 原因不明の腹痛に当帰湯
4 気剤の中にても揮発の功あり
5 がんに対する支持療法
6 Q&A集
巻末付録 生薬の豆知識
冴えわたる“勘”と“ひらめき”そして明晰な分析力、臨床のアートとサイエンスの神髄がここに結集。クリニカルパールあふれる沖縄ケースカンファレンス。
誕生から死までの一生の期間、全ての人間の生活活動は脳によって支配されている。そして脳そのものの充実と機能化の構築に食べ物が大きく関係していることが解明されてきた。本書は脳の仕組みから脳を支える栄養素、脳機能の反映した行動と栄養との関わり、そして脳機能に影響を及ぼす食品成分について取り上げた。高ストレス社会、高齢化社会の中で、充実した人生を最後まで尊厳をもって全うするためには健全な脳機能を維持していくことは極めて重要である。本書は脳にとっての最適な栄養条件とは何かという事について随所にその方向性を示した最新の書である。
第1章 緒論ー食べ物と人間の行動
第2章 脳の仕組みと神経細胞
第3章 脳機能を支える栄養素
第4章 脳機能と栄養条件ー脳と栄養の接点
第5章 脳機能活性で注目される食品成分
わが国では,近年高齢者が急増し,厚生労働省や日本医師会が在宅医療を推進している反面,緩和医療技術が追いついていないという実状が指摘されている.本書では,がんおよび非がん疾患に対して「治す医療から支える医療」の実践のために必要な知識と技術について,地域で実際に在宅の緩和医療や終末期ケアに携わる医師を中心とした執筆陣が,わかりやすく解説している.
「傷ついた野鳥育ててー里親ボランティア募集ー」、そんな新聞記事がきっかけで、動物好きの主婦が、「傷病鳥獣」の保護ボランティアを始める。「傷病鳥獣」とは、巣から落ちた野鳥のヒナ、病気やケガや迷子などで保護された野生動物たちのこと。自然保護センターで研修を受け、獣医の先生や先輩ボランティアの力を借りながら、ムクドリやムササビの里親として大活躍。保護ボランティアとして日々学んでいく著者が、「野生動物とのつきあい方」について考えていく様子を含めて、楽しく綴る。
●はり師きゅう師国家試験対策に最適な参考書.◯×式の正誤問題を解いていくことで効率的に知識の整理ができる.要点チェックには2色刷りで明示した暗記のポイントを集約してある.
●短期間の学習で「東洋医学臨床論」を得点源にできる.国試対策はもとより,毎日の授業のまとめにも活用できる大好評の重宝な1冊.
●1 本書は○×解答式の問題集です.2 左側に問題,右側に解答と解説が示されています.3 問題ごとに文章の正誤を○×で判断します.解答が×である場合は,解説の下に赤字で正しい記述を示しています.4 解説文中の重要な語句は赤字で示しました.添付の赤シートを用いると,穴埋め問題としても利用できます.5 問題の先頭に□を付してあります.結果チェックに活用してください.6 誤った場合には,解説文を熟読し,正しい知識を習得できるように徹底的に暗記してください.7 重要な項目については,参考事項として表にまとめました.
第1章 治療総論
第2章 全身の症候
第3章 頭部・顔面部症候
第4章 胸部・心臓器系・呼吸器系症候
第5章 腹部・消化器系症候
はじめに
私は弘前大学医学部を卒業した後,同大学神経精神医学講座に入局し精神科医になりました.手っ取り早く一人前の医師になるためには,精神科の薬物治療のスキルを向上させることを第一に考えました.大学院に入り,臨床薬理学で学位を取得し,スウェーデンのカロリンスカ研究所臨床薬理学教室にも留学をしました.帰国後も弘前大学医学部附属病院で臨床精神薬理学に従事してきました.臨床精神薬理学とは精神疾患のどのような患者さんにどの薬がどのように効くのかを検討する学問です.臨床精神薬理学の研鑽とともに臨床経験を手に入れるため,年間のべ7,000人という数多く患者さんを診察してきました.そこで研究活動と臨床経験でわかったことは,西洋薬はある特定の患者に一定の効果しかもたないこと.さらに,多くの患者に不快な副作用が出ることです.そこから外れた人に対する治療法を持っていないことです.この問題を解決するために,精神療法や電気けいれん療法,光治療などにも手を出し,治療の選択肢を増やしましたが,いずれも一般診療への普及という点では問題がありました.
私は学生時代に弘前大学医学部東洋医学研究会に所属していました.この会は相当マニアックで1年間で傷寒論を通読することを目標にしていましたが,毎年少陽病のあたりで挫折することを繰り返していました.この苦い経験からすっかり漢方嫌いになってしまい,最近まで漢方薬は臨床でほとんど使用しませんでした.それでもいくらか「証」の考え方は自然と身に付いていたようで,精神科臨床ではリスペリドン証,オランザピン証という考え方を無意識に行い,それを薬理学的機序で説明しようしていたのかもしれません.
私と漢方との再会は,新見先生の「フローチャート漢方薬治療」との出会いです.後輩がいつも持ち歩き,たまたま診察室に置き忘れていたのをチラ見しました.学生時代にすっかり嫌気がさしていた難しい漢方理論を無視する画期的な書物でした.西洋薬で効果が出ず困っていた何名かの患者に「フローチャート漢方薬治療」を見ながら試しに漢方薬を出しました.劇的に効いたのは「半夏厚朴湯【はんげこうぼくとう】【●16】」と「酸棗仁湯【さんそうにんとう】【●103】」と「抑肝散【よくかんさん】【●54】」でした.そこから徐々にいろいろな症例に漢方薬を試すようになっています.西洋薬では対処しきれない症状に対して簡単に解決してくれることが多くなり臨床家としての治療の幅が広がったと実感しています.今回は私の臨床経験の紹介に過ぎませんが,今後は漢方における西洋医学的エビデンスを構築し,一般臨床医に受け入れやすい科学的根拠に基づくガイドラインを作成したいと考えております.
2019年2月
古郡規雄
人体でホルモンはどのようにはたらいているのか。日々の多様な場面とホルモンのかかわりはどのようなものなのか。ホルモンについてしっかり知りたい人のための1冊。
ホルモンは体のどこで作られ、どのように作用するのか、私たちにどう影響しているのかを解説。さらに、人生の段階や生活の場面ごとに、ホルモンのはたらき、バランスを欠いた場合の問題、健やかに過ごすためのヒントを詳しく紹介。最後に、ホルモンの利用についての実際、医療や科学の現状と将来を見渡す。
序文
[第1章] ホルモンは何をしているのか
[第2章] ホルモン入門
成長/体液とホルモンの関係/性の発達/生殖/閉経と更年期/睡眠/脳の機能と感情/消化、食欲、体重/ホルモンに関わる病気/老化
[第3章] ホルモンが開く未来
用語集
索引