「なぜ朝敵と言われなければいけないのか。我に何の罪があるというのかーー」
心ならずも「朝敵」とされた桑名藩主・松平定敬(さだあき)は、兄で会津藩主の松平容保(かたもり)とともに徳川家のために戦おうとするが、新政府に従うことを決めた最後の将軍・徳川慶喜に遠ざけられてしまう。
一方、上方に近い桑名藩は、藩主不在のなか、重臣・酒井孫八郎のもとで官軍に白旗を掲げ、藩主を幼君に挿げ替えて新政府に恭順することを決める。
藩主の座を追われた定敬は、わずかな家臣とともに滞在していた江戸を離れることに……。帰国することもできず、越後、箱館、そして上海まで彷徨うことになった男は、心に如何なる哀しみを宿していたのか。
美濃高須松平家の四兄弟の運命を描いた、本書の姉妹編『葵の残葉』で新田次郎文学賞&本屋が選ぶ時代小説大賞をW受賞した作家が、幕末の悲劇を炙り出し、明治維新とは何だったのかを改めて問う傑作歴史小説。
忘れてもいい。
思い出してもいい。
君が幸せなら、それだけでーー。
感涙必至! 「記憶」に悩む人々が集う、不思議なアパートの物語。
◇あらすじ
そのアパートの住人たちには、不思議な共通点がある。それは全員、「記憶」に関する悩みを抱えていることーー。記憶喪失の男子高校生、前世の記憶があるOL、若年性認知症の男性、胎内記憶を持つ女の子……そして、大家である「坂下さん」にも、ある秘密があった。つらい思い出は忘れたほうが幸せなのか、自分の記憶は本当に正しいのか。現代人の悩みに優しく寄り添う、感動の連作短編集。
文庫書き下ろし。
大学新入生の蒼太郎は、同級生の麻莉奈に惹かれ、興味がないのに非公認サークル「オカルト研究会」に入会。しぶしぶ活動をはじめるが、メンバーは変人ばかりで定例会は怖い話のオンパレード。退屈な講義に眠気をこらえ、居酒屋のバイトで四苦八苦。メンバーの影響でオカルトへの興味が湧く一方、最恐の事故物件を訪れてから怪異が頻発、麻莉奈が謎の失踪を遂げーー。
息苦しい日常を解き放つ青春ホラーミステリー。
文庫オリジナル。
花見小路を右に左にと折れた先にある甘味処「もも吉庵」。
人生の酸いも甘いも嚙み分けてきた元芸妓の店主・もも吉に助言を求めて訪れるのは、息子との関係に悩む父親、勝算のあるビジネスを提案先の社長から即座に否定され混乱する銀行員、夫の最期の願いをかなえられず悲嘆にくれる妻……。
彼らに対し、もも吉がかける厳しくも温かい言葉とは。
一方、もも吉がどうしても娘に言えなかった花街の秘密が明かされーー。
人気「祇園人情物語」シリーズの第9巻。
文庫オリジナル。
灘の酒蔵から、訳あって江戸の酒蔵・山屋に修業に出された小次郎は、着いて早々に意気投合した浪人・龍之介とともに働きはじめる。ところが山屋は不注意から酒を腐らせてしまい、杜氏や蔵人たちが離反、江戸っ子からの信用も失った。再建を託された小次郎は、龍之介とともに新たな仲間を探し、斬新な酒造りで乾坤一擲の大勝負に挑む!
時同じくして、生き別れた妻が江戸にいることを知った龍之介は……。
文庫書き下ろし。
人類も地球環境も、微生物にささえられている
生命あふれる現在の地球環境は、微生物によってつくられ、その環境を維持しているのも微生物です。目に見えないけれど、どこにでもいる、さまざまな微生物のはたらきと私たちの暮らしとのかかわりをさぐるとともに、人類がかかえる諸問題を解決するために研究されている微生物を紹介します。
第1章 微生物って何だろう?
微生物とは?/微生物の種類と大きさ(細菌、古細菌、ウイルス、菌類、原生生物)/微生物はどこにいる?/生命の始まりは微生物/微生物から多細胞生物へ/微生物の発見と研究の歴史/コラム:微生物学に大きな功績を残した日本人研究者たち
第2章 人・環境と微生物とのかかわり
人体と微生物/食品と微生物/生態系と微生物(炭素の循環、窒素の循環、水の浄化)/病原体と微生物/食中毒と微生物/コラム:微生物がつくり出す美しい風景
第3章 人類がかかえる問題と微生物
地球環境と微生物/環境問題と微生物/食料問題と微生物/エネルギー問題と微生物/創薬と微生物/コラム:新種の微生物を見つける技術
全米ベストセラー、日本上陸! 絵画に釘付けになったり、音楽に感動した
りするだけで、健康で長生きする! 脳科学が初めて明かした「アートの効用」。
本書では、アートがいかにして私たちの生活の質を高め、より良いコミュニティを築いていくのかについて、科学的根拠とともに示していく。日々のさまざまな美的経験によって、どのような生物学的変化が起きるのか、その仕組みについても説明する。たとえば、
・ニューヨーク州北部では、アルツハイマー病の症状が進んだ男性が昔よく聴いていた曲を聴き、5年ぶりに息子を認識した。
・フィンランドでは、産後うつを患った若い母親が生まれたばかりのわが子に歌を歌い、抗うつ剤だけに頼るより早く回復している。
・世界各地の医療現場では、美術館を訪れることが患者に処方されている。
・感覚的に豊かな環境では学習の効率が高まり、記憶の定着率が高いという近年の研究結果から、多くの学校や職場、公共施設では環境が見直されている。
このようなかたちで、あらゆるアートには健康・ウェルビーイング・学習・繁栄を促進する効果がある旨も明らかにしながら、ビジネスパーソンのみならず子供から高齢者まで生活のなかにアートを取り入れる手法を順序立てて紹介する。
○本書の内容
はじめに 人間を変えるアートの効用
テスト 生活にアートを取り入れるー美的マインドセット
Chapter1 体と美の不思議でおもしろい関係ーアートの解剖学
Chapter2 部屋の照明、周囲の音、匂いが最高の美的経験になるー幸福感を育む
Chapter3 自分を取り戻すために、描く、歌う、踊る、作るーメンタルヘルスの回復
Chapter4 アートが寿命を延ばす噓のような本当の話ー体を癒す
Chapter5 仕事と学びに遊び心を!-学習を拡張する
Chapter6 マンネリ気味の日常を変える6つの条件ー持続的幸福
Chapter7 人類はアートとともに進化するーコミュニティの構築
おわりに 未来のアート
あたたかいオーブンの中で、ぐっすりねむってしまったカップケーキちゃんたち。
「ぴーぴーぴー」おおきな音が聞こえても、「ぴゅうぴゅうぴゅう」つめたい風がふいてても、カップケーキちゃんたちはおきません。
すると、上から「たぷんっ」とクリームがおちてきて……。
「ぱちっ!」カップケーキちゃんたちの目がさめた!
だけどあれれ? よくみると……。たっぷりクリームのせたのに、まだまだねてるのはどの子かな? それなら次は、フルーツをのせてみよう!
だけどあれれ? さっぱりフルーツのせたのに、なかなかおきないのはどの子かな? それなら次は……?
ページをめくるたびに、カップケーキちゃんたちの姿が大変身! 読み聞かせにもぴったりな、ときめきと可愛さがたっぷりつまったカラフルな1冊です。
大人気! 『まぜて まぜて』につづく、会話が弾むふれあい参加型絵本、待望の第2弾!
まっかなりんご、つみきのおうち、すなのおしろ……ほんをもって、ゆらしてみたらどうなる?
ゆらゆら、ちいさく、つよく、ゆっくり、そーっと……ゆらす加減を変えながら絵の変化を楽しんだり、擬音をくり返し読んでみたり、子どもが喜ぶ遊び心いっぱいの1冊!
まっかな りんご ゆらして ゆらして。ほんを もって ゆらゆら ゆらゆら ゆらしてみたら……?
つみきの おうち ゆらして ゆらして。ほんを もって つよく つよく ゆらしてみたら……?
すなの おしろ ゆらして ゆらして。ほんを もって おおきく おおきく ゆらしてみたら……?
●損得で考えるな
●理性に縛られるな
●好き嫌いで生きよ
人間から感情が消えた……そう思いたくなることが最近多い。消えた感情の代わりに現れたものは何かというと、人工的なつくりものの感情である。感情が人工化すると、生の天然の感情が抑えつけられ、それによって感情の流れが滞り、感情の整理が出来なくなる。
ダジャレではないが、人工的な感情は「勘定」に似ていると思う。つまり、損か得かだ。人工的な感情を操れば得をするかもしれないが、それは人生の心地よさとは関係がない。しかし「勘定生活」から「感情生活」へと舵を切れば、人生が損得を超えて、間違いなく楽しくて気持ちいいものになっていくはずである。(本書まえがきより)
2024年春、麻雀引退を表明した桜井章一。代打ちとしての20年、そしてその後も無敗を続けた”雀鬼”が語る、ライバルに、世の流れに、自分自身に負けない心の持ち方。
※本書は2016年刊行のPHP文庫『感情を整える ここ一番で負けない心の磨き方』(PHP研究所)を再編集・新装復刊したものです。
「老後」と聞いて、誰もが気になるのがお金のこと!
しかし年をとってお金を稼ぐ力が小さくなる頃には、必要なお金も徐々に減ってくるものです。むしろ持っているお金の多少よりも、「お金をどう使うかで、その人の価値が見えてくる」と、精神科医の著者は語ります。
本書は、現役時代とは大きく異なる定年後の「節約」のあり方や、その楽しみ方を具体的にレクチャー。“人生の総決算”に向けた、本当に自分の大切なことに「お金・時間・エネルギー」を注ぐ知恵を伝授します。
内容(一部)
「節約は楽しい!」--足りなくなったら買いに行くから卒業
家族が減ったら、鍋やフライパンのサイズを見直す
「費用対効果」を高めるには?
趣味のお金は老後もケチらないーー思いがけない行動力を生む
小さい仕事をバカにしないーーとにかくやってみる、続けてみる