「お母さん、この恨み、晴らして…」。血友病患者はなぜ“エイズ感染”という悲劇に直面しなければならなかったのか。薬害エイズ裁判「東京HIV訴訟」に鋭く迫り、医師、厚生省、製薬会社の責任を厳しく問う。第26回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
古来、疫病は、社会を変え、歴史を変え、人々の世界観を変えてきた。いま、新たな感染症が懸念される時代に、人と病との長い歴史から、疫病の意味論を読む。
人口爆発、環境汚染、エイズを含めた感染症の問題などは、人類の生存や未来を脅かす地球的規模の課題である。これらに対して我々は、さまざまな分野の研究成果を応用しながら立ち向かっていかなくてはならない。そうした時、中心的役割を担う学問分野の一つが国際保健学である。本書は、学際的かつ応用的側面を併せもつ国際保健学の初歩を、歴史的背景にもふれながらわかりやすく解説しようと試みた入門書。
1995年以前は正直なところ誰もがエイズは治る可能性のある病気だとは思っていなかった。しかし1996年を境にして、エイズの研究と治療は大転換の時期に入った。HIV(エイズの病原体)感染の仕組みが初めて分子レベルで明らかになった。その結果、エイズの治療の選択肢が広がり、これまで「不治の病」だったエイズに、完全治癒の燭光が見え始めたと言える。このため1998年のアメリカでのエイズの死亡率は実に半減した。いったい何が転機となったのか、その研究成果 と治療の最前線を紹介する。著者は、エイズ治療薬開発の最先端の現場から、人類の叡智は必ずやエイズを完治させることができると、生き生きと述べている。本書は「治る時代のエイズ」初の書である。
序章 基礎知識:エイズとHIV
0.1 エイズの発見
0.2 エイズの病因ウイルスの発見
0.3 HIVの起源
0.4 エイズの流行
0.5 エイズの検査
0.6 エイズの臨床
0.7 エイズの動物実験モデル
第1章 HIVのすべて
1.1 ウイルスの形態
1.2 ウイルスの侵入
1.3 ウイルスの増殖
1.5 ウイルス粒子の形成
第2章 ウイルスの遺伝子と働き
2.1 ウイルスRNA遺伝子
2.2 逆転写反応(RNA遺伝子からDNA遺伝子へ)
2.3 インテグレーション(プロウイルスの形成)
2.4 ウイルスDNA遺伝子
第3章 エイズと免疫
3.1 免疫系細胞と感染細胞の体内動態
3.2 サイトカインーリンフォカイン
3.3 サイトカインーケモカイン
3.4 免疫機能と免疫不全
3.5 エイズの発症とウイルスの表現型
3.6 長期末発症とCD4陽性T細胞機能
第4章 エイズの治療
4.1 エイズの化学療法
4.2 遺伝子治療
4.3 エイズの予防
終章 来し方行く末
最新の精神障害診断基準(DSM-IV)にもとづいた構成・各疾患・障害の背景説明、アセスメント、コミュニケーション方略を述べ、想定される看護診断を呈示。その上に立って短期・長期の看護計画・看護目標を解説。とくに、患者ー看護者間の治療関係の構築に意を注いだコミュニケーションの方略の解説と看護診断の設定は、今日の精神科看護のニーズを満たすものとなっている。HIVやAIDS患者、ホームレス、被虐待者など今日社会問題化しつつある課題についても言及。また、単に精神科看護にとどまらず、Mental Health Care(精神保健)についてもプラクティカルなガイドが示されている。
発展途上国はHIV/エイズの問題を簡単に無視することができない。1996年には約150万人がエイズで亡くなった。1日に、約8500人が新たにHIVに感染し、このうち1000人は子供である。これらの感染の約90%が発展途上国で起きており、エイズが発展途上国の貧困と不平等の問題を悪化させる可能性がある。本書は、政策担当者、開発や公衆衛生の専門家など、HIV/エイズについて公的政策の立案にかかわる人々が、この感染症に取り組むうえで効果的な戦略をたてるために必要な情報と分析を提示している。このレポートは3つの知識体系に依拠している。3つの知識体系とは、HIVを疫病として考える疫学、疾病予防に注目する公衆衛生学、そして特に、限られた公共資源を配分するうえでトレードオフの判断に焦点を当てた公共経済学である。
遺伝子診断、人工臓器、動物からの移植など、最先端の医療技術がもたらす極限の道徳的な問い。誰もが治療を受けられる最良の医療制度とは?臨場感あふれる必読のケーススタディ。
人類共通の緊急課題である「エイズとの闘い」に人々が関心を示さない状態が続いているのはなぜか?
厚生省担当記者としてエイズ発生当初から取材をし続けてきた著者が、世界規模でのHIV/エイズ対策をリポートする。
●数字で見るエイズの現在
●はじめに SARS危機とエイズ危機
●第1章 不特定神話
●第2章 HIVアンテナショップ
●第3章 横浜の遺産
●第4章 沈黙を破れ
●第5章 21世紀の保健戦略
●第6章 危機の20年を歩く
●あとがき 再び日本の現実から
●ブックガイド ●年表 ●索引
人混みがこわい、電車に乗れない、突然息が苦しくなる…ドキドキしても大丈夫。バイバイ、パニック!マンガで楽しく読むガイドブック。
本書は、つくるとはどういうことなのか、どうすれば創造できるのか、つくるということに焦点を絞り、つくることの意味と構造をクリエイターの言葉をヒントに解説したものである。
優れた取材力によって中国のヴェールを剥ぐ。マスコミが報じない中国がここにある。初めて明らかになる中国の真実!中国報道の金字塔。
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アフリカほど、生産や輸出の低迷、武力紛争と民主化、構造調整、貧困の深まりなど、今日の世界の直面しているほとんどの問題が凝縮して発生している地域はないだろう。2001年、アフリカ諸国は停滞を打ち破り、未来を切り開こうと「アフリカ開発のための新パートナーシップ」を採択し、大きく変わろうとしている。日本も、こうした動きに呼応して東京アフリカ開発会議を開催するなど、アフリカ支援を強めている。アフリカとのよりよい関係を築き上げていくためにも、今後いっそう理解を深めていく必要がある。本書では、植民地以前から構造調整に至る経済の歴史や政治と社会の変動のありようを紹介するとともに、今日のアフリカ経済を、製造業、農業、貿易、債務問題、HIV/エイズ、援助など多角的視点から考察した。
85〜86年に日本テレビ系で放映されたSFロボット・アニメのDVDシリーズ。OVAとしてリリースされた「エイジ1996」「ル・カイン1999」「刻印2000」の3作を収録。