「息子のカジムを養子にして、きみの手で育ててほしい」余命いくばくもない雇い主、ファイサルに懇願され、出産時に亡くなったカジムの母に代わって、大切に子供の面倒を見てきたナニーのエリンは快く請け合った。ところがファイサルの死後、彼の弟でザヒールと名乗る男性がアラブのクバー王国からやってきた。「病に倒れた高齢の父が孫にひと目会いたがっている」動転しつつも、エリンは子供を連れてクバーを訪れた。ファイサルとザヒールが王家の一族であり、カジムが王位継承者であるなどとは夢にも思わずに。
ターリアは父が創業した高級宝石店を手伝っているが、店はここ数年、業績悪化の一途をたどっていた。破産を免れる方法はただ一つー店に興味を持っているという前途有望な企業“バンテージ”に売却することだ。その“バンテージ”から面会の申し出があり、早速出向いた彼女は、案内された部屋で待つ男性を見て自分の目を疑った。タノス・サワキス!前日、知人の画廊で見かけ、ひと目で惹かれた。だが、国際的な企業グループのトップである彼は、明らかにターリアに軽蔑のまなざしを向けたのだ。その彼がどうして今ここに?訝る彼女はタノスの次の言葉を聞いて身を震わせた。「君に復讐できる日をずっと心待ちにしていたよ」。
重要な定義、インド特許制度史の概要、出願手続に関するインドの特許実務、審査手続および異議申立、バイオテクノロジー、化学、およびソフトウェアの発明に関する特許法上の問題、ならびにインドにおける主要な判例の意義などについて紹介。特定の項目について詳細に説明する本文に加えて、適切な出願書類の様式例や特許に関連する法律の条文なども盛り込み、専門家のみならず一般読者も利用することができるインド特許法および実務に関する包括的な書籍。
驚くべき多様性に満たち恐竜たち。分岐分類学の精緻な系統解析によって、個々の恐竜の発生と進化、生態を詳述。骨格や組織構造などの多角的な視点から恐竜の「温血性生物説」を検証、従来の“小惑星衝突による絶滅説”を相対化し「白亜紀-第三紀境界」の真相に迫る。恐竜研究の最新成果。
母の死後、まだ幼い異父弟ジーノを育てているリビーのもとに、イタリア巨大企業の後継者ラウル・カルドゥッチが訪ねてきた。彼の養父、そしてジーノの実父でもある先代が亡くなり、遺言によってジーノに莫大な財産が遺されたというー母子ともにイタリアで暮らすことを条件として。問題は、リビーがジーノの母親だとラウルが信じていることだ。貧しい私が母ではなく姉とわかれば、弟は連れていかれてしまう。とはいえ、病気がちな弟に良い環境を与えてやりたいとも思う。たとえ財産狙いと思われても、母親と偽ってイタリアへ行こう。私への軽蔑の念を隠そうともしない、この尊大な男性と…。
セーヌ河岸、美術学校そばの路地。シャンピオンはその一隅に暮らしたベル・エポックの出版人である。古文書を尋ね、古本屋をめぐり、有名無名のパリジャンたちを語る回想録。
チャンピオン、カスパロフはなにと闘い、そして敗れたのか。チャンピオンのセコンドによる、カスパロフ陣営の内情、再戦をめぐるIBMとの葛藤の克明な描写!カスパロフ本人による序文と指し手解説付。
その昔、カスティリア王国に生を受けた王子クレオマデスは、人並み外れた勇気の持ち主でした。ある日かれは、空飛ぶ木馬に運ばれてトスカナの王国にやってきました。この国の王女、5月のバラよりも優雅なクラルモンディーヌは、気高い王子を見つめれば見つめるほど、好きになっていったのです。あの愛の短剣ーこれまでたくさんの男女の心に傷を与えてきたあの短剣に刺されてしまったのです。王子の方も同じです。そして、この2人を見舞った試練とは…。5月のバラよりも美しく優雅な姫君のために一身を賭し、数々の試練を克服してゆく若者クレオマデス王子の世にも不思議な冒険物語。
古代ギリシア文学の出発点にして世界文学の永遠の名作ーホメロスによる二つの英雄叙事詩『イリアス』『オデュッセイア』をヤングアダルト向けにわかりやすく記した読み物。