フェミニズムをまともに語り直すために。法を社会的差別の隠蔽装置とする短絡を戒め、法の役割を真剣に考える。安逸と独断のまどろみを衝く、法哲学の鋭鋒。
植民地主義と性差別主義の結びつき
戦後沖縄における性暴力や性売買をめぐる問題は、これまでフェミニズムの観点から様々に論じられてきた。しかし、広大な米軍基地を抱え、アメリカや日本との複雑な権力関係にさらされるこの地の問題を考えるためには、それだけでは不十分である。植民地主義と性差別主義が深く結びついているからだ。不可視化されてきたこの問題を分析するため、ポストコロニアル・フェミニズムの手法を本格的に社会学に導入し、女性を取り巻く言説を問い直す、刺激に満ちた気鋭の力作。
「ポストコロニアル・フェミニズムという視点は、重要でありながら、あるいは、重要であるからこそ隠され続けてきた植民地主義と性差別主義とのつながりを可視化することができる。ポストコロニアル・フェミニズムは、過去から現在へ続く不正義の発見を助ける眼鏡であると言える。」(本書より)
フェミニズム映画理論の視点から古今東西の映画を見渡し、男性によって撮られ/見られる存在でありながら、自らもメガホンを取った女性監督たちの挑戦的な試みの数々を紹介・批評する。現在の映画とジェンダーに通底する問題群を縦横に考察する論集。
まえがき
1 映画とジェンダー
『海から来た娘たち』--娘たちが語るとき、新しい黒人女性像へ
もし僕の指を……--ゴダールとフェミニズム
映画とジェンダー/セクシュアリティ
足立正生の映画とフェミニズム
既成イメージを打ち破るフェミニスト・ヒロイン
可視と不可視の間にーーあるささやかな考察
反復・分身・夢ーーファスビンダーの『ベルリン・アレクサンダー広場』
セクシュアリティと情念ーージャック・ドゥミ映画の「母親」
映像のフェミニズムについて私が知っている二、三の事柄
2 撮られる女/撮る女
ヒッチの陰に女性ありーーハリウッド幻想を逆手にとるヒッチコックの女性たち
フェミニスト映像作家・出光真子
フィルムメーカーとしてのオノ・ヨーコ
ドライヤーが描くもう一つの奇跡
女が書き、女が撮るときーー田中絹代と田中澄江
無愛想な監督と無愛想な女優
映画人・左幸子ーー女優として、監督として
アリス・ギイはなぜ映画史から忘れられたのかーー『映画はアリスから始まった』
ジェンダー・トラブル・マリリン
アケルマン・マジック
カウンター・フェミニズムの攪乱ーーウルリケ・オッティンガー
ニナ・メンケスーー沈黙と抵抗の間
3 スクリーンとの対話
男性・女性、オトコとオンナの間ーーゴダール『男性・女性』
男性か女性か、それが問題だーーハワード・ホークスのジェンダー力学
小川プロ神話を解体するーー『Devotion 小川紳介と生きた人々』
メロドラマ的身体と欲望の法則ーー『乳房よ永遠なれ』『乱れる』
フェミニスト・メロドラマとしての『ピアノ・レッスン』--音楽と触覚性による映像的官能性
無条件の自発性、あるいは最高の劇的な物語ーージャック・ロジエ
リヴェット効果、あるいは女性たちの連帯
初出一覧
あとがき
ルールはいつも、マジョリティのもの。決められてばかりは、もうゴメン!見せかけの「権利」を与え、シタリ顔の温情を施すーそんなお仕着せの平等は真っ平。理解を求めるだけの“よい子の婦人運動”と訣別する、叛逆とアートの痛快フェミニズム講座!
生誕200年、初めてわがくにで初訳刊行。わかりにくい原文が日本語ですらすらよめる!
1845年、アメリカで出版されたマーガレット・フラーの代表的な著作、
神話や文学作品を引用しながら、今なおアメリカの女たちの困難を語りつつ、理想の希求を基調とし、希望の証拠を挙げていく。
掲げられた理想を現実の真実にすることを希ったフラーの夢は、これからも継承されなければならない。
私たちはテクノロジーと不可分なポストヒューマンな時代を生きている。
テクノロジーは私たちの身体の内奥に入り込み、「人間」の存在を根底から揺さぶっている。
「人間」の再定義が求められている時代に、私たちはいかに身体とフェミニズムを思考すべきか。待望のポストヒューマン・スタディーズ入門書。
既存の政治党派をのりこえ、批判的抵抗運動の中枢にあるイギリス・フェミニズムの思想と活動を生き生きと伝える。
女性性無視の上に築かれた仏教思想の問題性を釈尊の思想にまで遡り,種々の方面から根源的に告発。
ポスト構造主義とフェミニズム理論を横断的に架橋し、理性=男性中心的な文化制度の中で誤読されてきたアメリカ女性作家の作品を蘇生させる。男性支配に馴れ親しんだ〈女性〉の裏切りを超えて、近代/ポストモダンの対立を揚棄する試み。
近世の公娼制度,戦時下の従軍慰安婦,現代アジア諸国への性侵略を生み出してきたものはなにか。愛と性を欠落させた日本の性風土の歴史的構造をラディカルに究明。山下・源・大越の書下し論考。
はしがき
性侵略・性暴力の歴史と構造 山下明子
日本の貧困なる性風土 源淳子
フェミニズムは愛と性を語れるか 大越愛子
比類なき美しさが愛でられ、女性の理想タイプと讃えられるヒッチコックのヒロインたち-。彼女たちは「男の欲望」によって、スクリーンにピン留めされた蠱惑的存在なのか。初期から最晩年までのヒッチコック映画に構造化された「欲望」の眼差しを、フェミニズムの視点から解読した独創性溢れる書物。
ISBN978-4-8118-0457-6にてオンデマンド版として2022年復刊しました。
1. 自分の世界をきり拓きはじめた女たち……日本から
2. 行動する、心やさしい女たち……アメリカから
3. 子連れで共同家庭をつくる女たち……日本から
4. 男社会に風穴をあける女たち……日本の学校からI
5. 異論をたいせつにする女たち……日本の学校からII
6. 性の神話を突きくずす女たち……シンガポールから
山田詠美、林真理子、森遥子、吉本ばなな、荻野アンナ、柴門ふみ、ヒラリー・クリントン、ジャンヌ・モローらの、「女を磨く」選び抜かれた150フレーズ。
「名作」の深層にひそむ罠、戦略、可能性。島崎藤村、太宰治、金子光晴ら男性作家の文学テクストに対峙しつつ、フェミニズム批評の成熟へむけて女性たちのことばを精緻に織り上げる。
現代人にとっては、あまりにも当たり前のことになってしまった避妊。それはいつ、なぜ、どのようにしてはじまったのでしょう。生殖をコントロールするのが「正しい」ことになってゆく過程で、私たちはなにを失い、なにを得たのでしょう。これは、産む、産まないをめぐる熱い闘いについての「歴史」であると同時に、「いま」の私たちの位置についても考えるための本です。
フェミニズムという新しい視点で私たちの生活を見つめなおすために、女性をめぐる「現在」に焦点をあてて理論と実践の両面からわかりやすく解説する。