六十年余を経て実現した幻の「多喜二伝」。多喜二を生み、育て、そして寄り添い続けた母セキの思いがあふれ、等身大の実像が浮かび上がる。
突然の降板を宣言した有名劇作家に代わり、帝国劇場の急場を救うことになった演出家・渡紳一郎。元妻で脚本家の小野寺ハルと共に土壇場で作り上げた舞台は、大女優らの名演で大入りが続く。だが一本の怪電話で事態は一変。「二億円用意しろ。さもなくば大詰めで女優を殺す」。舞台の裏で絡み合う愛憎劇、そして事件は驚愕の幕切れへー。読者を虜にして離さない華麗なる傑作ミステリ長編。
漢方薬組成一覧表改訂。豊富なケーススタディ収載。花粉症やストレスなど現代疾患の処方のコツも収載。
「神の手」と評判の若き院長、岸川に請われてサンビーチ病院に転勤した秋野翔子。そこでは性同一障害者への性転換手術や、性染色体の異常で性器が男でも女でもない、“インターセックス”と呼ばれる人たちへの治療が行われていた。「人は男女である前に人間だ」と主張し、患者のために奔走する翔子。やがて彼女は岸川の周辺に奇妙な変死が続くことに気づき…。命の尊厳を問う、医学サスペンス。
親から子へ、語り継ぎたい名作をあつめました。お父さんお母さんのひざに抱かれて、あるいはあたたかいおふとんのなかで、目をかがやかせてお話に聞きいった記憶はきっと子どもにとって忘れられない宝物になるはず。さあ、わくわくドキドキの、物語の扉をひらきましょう。
くすっと笑った瞬間、心はもう前を向いている。「エチカの鏡」(フジテレビ系列)で大きな感動を呼んだ、5000枚のはがきと家族の物語。
乳癌と闘いながら、懸命に仕事を続ける、泣き虫先生(「雨に濡れて」)。診療所を守っていた父を亡くし、寂れゆく故郷を久々に訪れた勤務医(「百日紅」)。三十年間地域で頼りにされてきたクリニックを、今まさに閉じようとしている、老ドクター(「終診」)。医師は患者から病気について学ぶのではなく、生き方を学ぶのだー。生命の尊厳と日夜対峙する、十人の良医たちのストーリー。
1965年に公開され、現在でも世界で人気の映画『サウンド・オブ・ミュージック』に出てくるトラップ一家は、実在の家族合唱団でした。そしてそのトラップ一家を支えつづけたのがマリア・フォン・トラップです。一家は破産したり、ナチスドイツに支配された故郷をはなれて難民となったり、アメリカにわたっても家がなかったり、合唱団の人気がでないなど、さまざまな困難にあいますが、マリアは一家を導き、家族の未来を音楽で切りひらいていきました。何事にもくじけず明るく生きたマリアの人生は、真実の『サウンド・オブ・ミュージック』の物語として世界中の人びとをひきつけています。