阪神・淡路大震災から30年。残念ながら、熊本や能登の地震を例に見る限り、社会の脆弱性は一向に減っていない。大災害を繰り返さないために、いま私たちにできることとは?活断層防災とそのための調査研究のあり方を原点から問い直す。
はじめに
第1章 阪神・淡路大震災の衝撃 1995-1996
活断層危険度は調査できる
活断層対策を議論すべき時
活断層のランク分け急務
防災の鍵握る活断層公表
第2章 活断層との共生を考える 1997
問われる自然災害観 -地震被害から何を守るのかー
災害対策 -限りある費用、人命優先でー
サハリン北部地震 -原野を引き裂く断層ー
アジア各国の活断層 -防災と経済ー
神戸の坂と活断層 -地形の『異常』-
活断層と暮らす -危険地帯を避ける計画的開発ー
第3章 2000年代の地震から学ぶ
「寝耳に水」の悲劇を繰り返さないために -2004年新潟県中越地震ー
2005年宮城県沖地震にみる地震危険度
防災情報の見直し必要 -2008年岩手・宮城内陸地震ー
災害ハザードマップを活かす
学校耐震と活断層
第4章 活断層大地震に備えるために 2008
陸の地震にも要注意!
仙台の街と活断層
直下型地震の衝撃
活断層を見つける
活断層は「いつ」動くか
活断層が動くとどうなるか
2004年中越地震は活断層が起こした!
2007年能登半島地震・中越沖地震と原発問題
活断層の真上に建つ敦賀原発
活断層はどこまでわかっているか?
活断層へ備える心構え
阪神・淡路大震災の教訓は生かせるか?
コラム「伊勢・伊賀・志摩・近江・尾張・美濃大地震の図」
第5章 原発の活断層問題 2011-2024
原子力規制庁による安全確認の責任一元化を
大飯原発再稼働における耐震性評価の問題
活断層を正しく畏れ、被害を最小に
活断層調査は緊急課題
活断層の厳格な再審査を
原発事故を二度と繰りかえさないために -新規制基準の制定ー
「原発と活断層」をめぐる「科学」の扱い
敦賀原発の断層が動けば大事故につながる
第6章 「想定外」を繰りかえさないために 2011-2024
東日本大震災の「想定外」問題について
東日本大震災の「教訓を生かす」とは?
阪神・淡路大震災と神戸の活断層を再考する
活断層調査の最前線 -航空レーザーによる活断層再発見ー
活断層沿いの対策 -熊本地震の教訓ー
熊本地震に学ぶ -活断層大地震への備え方ー
北海道胆振東部地震と石狩低地東縁断層帯の複雑な関係
能登半島地震 -繰り返される「想定外」の背景に何があるか?-
第7章 地震本部の取り組みと活断層防災の課題
地震本部のミッション
地震本部の取り組みと課題
活断層評価の課題
活断層防災の課題
活断層防災の第2フェーズに向けて
引用文献
おわりに
熊本、鳥取、福島沖──なぜ、大地震が頻発するのか? 地震の連鎖は「活動期」に入ったからなのか? 日本列島に走る活断層の数はなんと2000以上、次の地震を引き起こす「火種」は今もどこかでくすぶりつづけている──。活断層とは何か? 直下型地震はどうして起きるのか? 今知りたい疑問に答えます。
熊本、鳥取、福島沖──なぜ、大地震が頻発するのか?
活断層の動きが活発化する「地震の活動期」に入ったのか?
日本列島に走る活断層の数は2000以上。
活断層とは何か? 直下型地震はどうして起きるのか?
今知りたい疑問に答えます。
地震とは、地殻内にたまった歪みが断層を通じて一瞬のうちに解放される現象です。日本列島には、確認されているだけで2000以上の活断層が存在し、互いに複雑に影響しあっています。ひとたび地震が起きれば、その歪みが別の活断層へと伝播し、新たな地震へと連鎖する構造になっているのです。今もどこかで次の地震を引き起こす「火種」はくすぶりつづけている──これが私たちが住む日本列島なのです。次の地震はいつ、どこで起きるのか? 活断層と直下型地震のメカニズムと最新の研究成果を豊富な図と写真でわかりやすく解説します。
これからも容赦なく大地震は起こり続けます。建物は強くできても、地震を制御できるわけではありません。過密化した都市直下での内陸地震は、まだ阪神・淡路大震災以降経験していません。今後想定もしていない被害がもたらされる可能性があります。私の行ってきた活断層研究が地震の予測や防災・減災にすぐに役立つとは考えていませんが、地学現象のひとつとしての活断層を理解していただくことが、防災・減災にも遠回しに繋がるのではないかと考えています。(あとがきより)
プロローグ 熊本地震
第1章 日本を襲う2種類の地震
第2章 地震と断層
第3章 活断層はどこまで解明されたか
第4章 内陸地震を予測する
第5章 内陸地震のハザード評価
第6章 平成28年熊本地震はどのような地震だったのか
第7章 地震は連鎖する──活断層地震の「火種」とは
第8章 直下型地震に備える
ムスリム女生徒のスカーフ着用が、ヨーロッパ各国で問題となっている。西欧とイスラームはなぜ対立するのか。それぞれの社会の基本原理とは?その現実とは?そして共生の条件は?衝突か、和解か。憲法学と社会学の共同作業による、比類なき一冊。最終章、樋口陽一氏を招いての鼎談は圧巻。
阪神・淡路大震災の原因となった「活断層」とはいったい何か、地震とどんな関係があるのか、またどのように危険なのか。正確にわかりやすく解説。
マリアは死にたいと思った。日本に着いたその日から売春を強要されて身も心も引き裂かれんばかりであった。こんなことがいつまで続くのか。もはや覚醒剤を打ち、性の快楽に溺れるしか絶望から逃れる術はないのか?ダンサーを夢みたフィリピーナの苛酷な現実と在日韓国人家族の悲劇。国境を超えた人間存在の闇を問う山本周五郎賞作家の初期傑作。
どこまでも続く山並み、深い谷ーー。美しい日本の風景の秘密は、じつは活断層にあった! 地震大国・日本において名前ばかりが独り歩きし、誤解されることも多い「活断層」を正しく楽しく知るための入門書。全国のユニークな34の活断層にスポットを当て、断層がつくり出す地形の妙を、3D地形図をはじめ多くの地図やイラストで浮かび上がらせる。現地へのアクセスや断層にまつわる歴史・観光情報も満載で、ガイドブックにも最適。
《主な目次》
●活断層ってなんだろう?
●日本の活断層34
01 泉郷断層(北海道/石狩低地東縁断層帯)
02 青森湾西断層(青森県/青森湾西岸断層帯)
03 寒河江ー山辺断層(山形県/山形盆地西縁断層帯)
04 観音寺断層(山形県/庄内平野東縁断層帯)
05 棚倉西・東断層(茨城県/棚倉構造帯)
06 丹那断層(静岡県/北伊豆断層帯)
07 静岡ー小淵沢断層(静岡県/糸魚川ー静岡構造線)
08 糸魚川ー静岡断層(新潟県/糸魚川ー静岡構造線)
09 赤石断層(長野県/中央構造線)
10 跡津川断層(岐阜県/跡津川断層帯)
11 阿寺断層(岐阜県/阿寺断層帯)
12 根尾谷断層(岐阜県/濃尾断層帯)
13 養老断層(岐阜県/養老ー桑名断層帯)
14 柳ヶ瀬断層(滋賀県/柳ヶ瀬断層帯)
15 比良断層(滋賀県/琵琶湖西岸断層帯)
16 花折断層(滋賀県〜京都府/花折断層帯)
17 五月丘断層(大阪府/有馬ー高槻断層帯)
18 生駒断層(大阪府/生駒断層帯)
19 上町断層(大阪府/上町断層帯)
20 諏訪山断層(兵庫県/六甲ー淡路島断層帯)
21 安富・土万・大原断層(兵庫県/山崎断層帯)
22 伊賀断層(三重県/木津川断層帯)
23 多気断層(三重県/中央構造線)
24 根来断層(和歌山県/中央構造線)
25 池田断層(徳島県/中央構造線)
26 石鎚断層(愛媛県/中央構造線)
27 長者ヶ原断層(広島県/長者ヶ原ー芳井断層帯)
28 筒賀断層(広島県/筒賀断層帯)
29 大竹断層(広島県/大竹ー岩国断層帯)
30 菊川断層(山口県/菊川断層帯)
31 西山断層(福岡県/西山断層帯)
32 日奈久断層(熊本県/日奈久断層帯)
33 人吉断層(熊本県/人吉盆地南縁断層帯)
34 鹿児島湾東縁・西縁断層帯(鹿児島県/鹿児島湾東・西断層帯)
●コラム
チュルンプ断層(台湾)
梁山断層(韓国)
スマトラ断層(インドネシア)
パル断層(インドネシア)
ギャオ(海嶺溝、アイスランド)
中央構造線とは
世界に延びるフォッサマグナ
東北大震災以降、各地域で起こりうる地震が詳しく検討されている。なかでも危惧されるのが首都直下地震だ。さし迫った東京湾北部地震では、首都圏に重大被害をもたらし1万人が死亡するという。しかしそういった被害想定はどれくらい信憑性があるか?地震のシナリオのそれぞれはどうか?最新想定と活断層。
ポケットマニュアルのように簡潔。見開き、箇条書き。超音波診断装置の運動器疾患に対する診断と治療における有用性について、超音波解剖を提示したうえで、優れた画質の描出法と得られた画質の解釈、目標とする部位へのブロック針の刺入などについて、分かりやすい懇切丁寧な説明や図・写真を用いて示してある。
教科書&問題集で学んだことをこの1冊でガッチリ固める!!横断総まとめ本。全科目横断編で科目横断の共通事項、類似事項を一気に整理!総まとめ編で科目別に最重要事項を一気に確認!複雑な内容もフルカラーで瞬時に整理!こだわりのレイアウト!図解も満載!暗記がみるみる進む、最強の1冊!
青島で太平洋で地中海で戦い、さらには氷雪のシベリア、樺太へ。中国問題を軸として展開する熾烈なる三つの外交戦。これら五つの複合戦争の実相とそこに萌した次なる戦争の意義を問う!遠き戦火、認識の空白をいま解き明かす。
はじめに 希薄な戦争体験と歴史認識の空白
第1章 「世界大戦」という名づけー日本からの眼差し
第2章 日英外交戦と対独・対中問題
第3章 日独戦争の展開と日本の政略
第4章 日中外交戦と日中関係の転形
第5章 日米外交戦と東アジアの政治力学
第6章 シベリア戦争における四つの出兵
おわりに 「非総力戦」体験と総力戦への対応
断層沿いに道はでき近くにたいてい温泉がある。のんびり景色をながめながら大地の不思議にふれる。近畿圏28ヵ所の活断層を案内。
ハンセン病回復者で短歌と絵をよくする著者が、絵画制作者の視点でとらえた明石海人の短歌世界。高名な評論家にもない視点と高く評価された初版から6年、深化した思索により書き改められた増補版。
素人の発想
絶詠歌ーダブル・イメージとふるさと
明石海人の歌・「診断」
『白描』の「第二部 翳」-心の表現・共感覚と存在証明
『白描』「第二部 翳」"軌跡"銀の月夜茸と他
『白描』の「第二部 翳」の"天"よりー隠された病気と時代への思い
『白描』「第二部 翳」"軌跡"海蠍・月夜茸・他ー明石海人と存在理由への思い
『白描』「第二部 翳」"軌跡"コロンブスと引力と空ー光への恐れと長島愛生園、絶対隔離
『白描』「第二部 翳」"軌跡"魚貝の夢・落葉の声・合図ー創作と未来への夢
「翳」リズムとふるさと ふうてんくる追記とポエジー短歌・詩・他
探したポエジー短歌とは 時代
アーチストとしての明石海人 色のイメージ("斜面"と"翳"から)
海人の「翳」"軌跡"の歌とダリのダブル・イメージ
ふるさと 追記
一区切りの一端
明石海人と背景、社会など略年表の一端
理解のための海人の詩、随筆と若干の説明
鎌倉女子大学の理事長・学長である著者が、折々に触れ、学生やその家族、教職員に発信してきた、教育・文化・文学・宗教・政治・社会等への考えをまとた随筆集。著者の世界観・人生観を表わす好著。
本当の青春とは/懐かしいシルスマリア/授業中に学ばなかったこと/「さようなら」ということ/食を通して文化が見える/和顔愛語/東京オリンピック・パラリンピックの開催/新しい年の始まり/菩提樹/70年に一度の開花/子どもの遊び/食はめぐる/科学へのあこがれ/天才もまた努力によって/「仰げば尊し」のこと/夏休みの感想文/図書館「武藤光朗文庫」の開設/横澤彪さんのこと/呉清さんの指 尚先生の言葉 そして新しい年/学園主・松本紀子先生の米寿をお祝いする会/「個性尊重」という言葉の錯覚/「道理の感覚」を育てる教育/IQも大事だが、CQ、PQは、もっと大事/「子曰く、…」/ハーバード大学白熱教室/インターネットによる授業配信に向けて/産学連携プログラムから見えてくる学問の可能性/女子と文化/女子大学/ある卒業生の修養日誌/学校と家庭が力を寄せ合って/『沈黙』について/卒業生に贈る言葉/アシタ仙人の涙/空海と密教美術展/自浄其意/沖縄旅行のひとこま/ベトナム訪問記/東南アジアへの教育支援/誇りを忘れつつある日本人/思い当たること/総選挙を前にして思うこと/点は自ら助くる者を助く/いざ、もう一度/震災の体験の中から/秋入学へ移行したいなら幼稚園から/一様化と多様化の間で/ある個人的な見解/憲法89条と私学助成金の問題/格言に二種あり
雨かんむりの漢字の一群は漢字の成り立ちを知るためには典型的で格好の一群でもある。
なにせ雨は古来、人々の上に降っていたのだから。
「霽(は)れる」という字は「晴れる」よりも古くからあった。
これは漢字の呪術的起源と関係がある。
「零」はなぜ「0」を意味するようになったかーーなど
「霙」「霜」「雷」から「霹靂」「霍乱」まで、
さまざまなエピソードで解き明かす無類に面白い漢字エッセイ。
<目次より>
1 雨の章
天から降るものは何もかも雨
三日続けば霖、一〇日だと霪?
涙はこぼれて零になる
霤と反逆者たちの系譜
永遠の命は露とともに
鬼の霍乱と男装の麗人
2 雲の章
雲は空想力をかき立てる!
深い霧のその中で
霞の色はどんな色?
大地に霾が吹き荒れて
3 雷の章
雷は激しく鳴り、電は鋭く光る
大地が震えるそのわけは?
霹靂という名のハイテク・カー
4 雪の章
すべてを雪に流しましょう
歴史の雹と文学の霰
わびしい霙の美しさ
厳しさは秋の霜のように
5 晴れの章
神よ、明日は霽れますか?
薄くてはかない霓の魅力
幽霊と需要と舞雩の台
1 雨の章
天から降るものは何もかも雨
三日続けば霖、一〇日だと霪?
涙はこぼれて零になる
霤と反逆者たちの系譜
永遠の命は露とともに
鬼の霍乱と男装の麗人
2 雲の章
雲は空想力をかき立てる!
深い霧のその中で
霞の色はどんな色?
大地に霾が吹き荒れて
3 雷の章
雷は激しく鳴り、電は鋭く光る
大地が震えるそのわけは?
霹靂という名のハイテク・カー
4 雪の章
すべてを雪に流しましょう
歴史の雹と文学の霰
わびしい霙の美しさ
厳しさは秋の霜のように
5 晴れの章
神よ、明日は霽れますか?
薄くてはかない霓の魅力
幽霊と需要と舞雩の台
地震を起こす活断層の正体を明らかにするためには、地道な地表調査から最新の地下探査まで、さまざまなアプローチが必要です。本書の前半では、その「調べ方」について、専門家じゃなくても分かるように、なるべくやさしく解説します。いつか来る地震災害にどのように向き合うか、後半ではその「つきあい方」について、地域住民の取り組みを紹介しつつ考えます。活断層を理解しようとする努力が続けられていることと、多くの人々が災害に備え助け合う意識を育てていることを読者に伝えたい、それが本書のテーマです。