現代の言語哲学を理解する上で必要となる古典的理論の知識を、要所を捉えて評価し意義づける不朽の名著。増補改訂版の第?巻が登場!
ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』からクワインまで、論理実証主義の主要テーゼのひとつであった規約主義の成立と解体のドラマを追い、20世紀哲学の総決算を目指す。本文はほぼ初版そのままとし註にて文献を多数アップデートするほか、1989年の初版以降現在までの研究の進展を踏まえた書き下ろしの論考を新たに収録する。
増補改訂版へのまえがき
第一版へのまえがき
序 章 必然性小史ーーアリストテレスからフレーゲまで
アリストテレスーー本質と形而上学的必然性
認識論的転回ーー必然性から確実性へ
カントとミル
フレーゲーープラトニストとしての
第一部 分析的真理と言語的必然性
第1章 論理実証主義の言語哲学
1・1 運動としての論理実証主義
1・2 ウィトゲンシュタインと論理実証主義
1・3 意味と検証
第2章 規約による真理
2・1 必然性の源泉としての規約
2・2 数学的真理は規約によって真であるか
2・3 論理的真理は規約によって真であるか
第3章 分析性の退位ーー「経験主義のふたつのドグマ」
3・1 「意味の物化」と同義性
3・2 分析性と同義性
3・3 還元主義とア・プリオリ
3・4 維持しえない二元論:言語的要因と事実的要因
3・5 全体論的言語観
第一部への文献案内
補 註
後記 二〇二三年
1 論理実証主義の再評価
2 論理実証主義と経験主義
3 分析性、必然性、ア・プリオリ性
4 分析哲学と自然主義
索 引
言語の「構造」の発見が20世紀の知を変えた。言語学革命の核心と巨大な影響に迫る。
「言語(ラング)」にしたがってわれ思うーー構造言語学的な概念の拡大適用によって、婚姻規則や神話の構造を次々とあばき出してきたレヴィ=ストロースは、1962年の「野生の思考(=三色スミレ)」の最終章で、当時全盛をほこっていた実存主義の領袖ジャン=ポール・サルトルを攻撃し、構造主義ブームの火つけ役となる。彼の活動によって浮き彫りになってきたのは、当該社会の個々の構成員には感知されぬままになっている「文化の無意識的なシステム」であったわけだが、そこにおいて「われ思う」は、「ランクにしたがって、(われ)思う」となり、「無意識的なシステムにしたがって、(われ)思う」ということになる。当然ながら、主体の実践に重きをおく実存主義やマルクス主義の陣営からの反発が生じることは、火を見るよりも明らかだった。--本書より
●電話リンリンと鳴るか
●ソシュールーー最初の衝撃
●構造言語学の誕生
●音韻論ーー限りなくベッドに近いバッド
●プラーグ学派はなまぬるい!
●ヤコブソンとレヴィ=ストロースの出会い
●構造、この無意識のシステム
●記号論の展開
●生成文法の登場
●開かれた言語学を求めて
カートグラフィーとは、統語構造を地図(cartography)のように詳細に描き出すプロジェクトである。本書は、カートグラフィーのプロジェクトが、どのように誕生し、どのような研究がどのような手法でなされるのか、さらには今後どのような発展の可能性を持つかについて解説している。言語事実としては、英語を中心としながらも日本語やほかの言語にも目を配りながら、カートグラフィーの得意とする詳細な言語事実に焦点が当てられている。
言葉へのアプローチ。近年、研究の多様化著しい言語学を各分野ごとに概説し、同時に現在の問題点と研究方向を平明簡潔に紹介した入門書。巻末の文献解説は言語学小史の役割をも果たす。
言語学の基本になる考え方を示す。日本語の例文をとおして平易に解説。形態論、統語論、意味論、類型論、歴史言語学、音声・音韻論にわたる全体像。諸言語の地図・解説などの資料の充実。
本書は、認知科学の諸分野において明らかにされた「カテゴリー化」に関する知見、とりわけプロトタイプ理論を言語分析に取り入れた認知言語学の概説書…メタファー、メトニミー、スキーマ、フレーム、スクリプト、認知モデル、領域、図と地、輪郭づけ、ランドマーク、トランジェクター、動機づけなど、従来の言語学にはあまり見られない概念が使用されている。…認知言語学は、このような認知一般とのインターフェイスに関わる概念とも深く関わりを持ちながら理論的整備が遂行されている点に特徴がある。
ことばと社会は、どのように結びつき、互いを形づくるのか。社会学、人類学、言語学・コミュニケーション学、宗教学・文化学、社会心理学、教育社会学、ジェンダー研究・子ども研究など、ことばをめぐる全ての学知を横断的に接合し、アラブ・イスラーム圏とユダヤ世界、欧州と南北アメリカ、南アフリカや南太平洋を含む、世界各地に見られることばと社会の多様な関係を体系的に探究・提示する。言語人類学の泰斗による記念碑的著作。
目次
序
第1章 社会学/社会言語学にとって階層とは何かーラボヴ派社会言語学などに見られる連続的ダイグロシアの諸階層
第1節 階層と階級ー社会科学における階層研究とその批判
第2節 アフリカ系アメリカ人(黒人)俗語英語とその社会言語学的分析
第3節 スタイル・シフト
第2章 ジェンダーとー聖/俗なるものの言語
第1節 ジェンダー、権力/権威、そしてアイデンティティの言語とその階層
第2節 ユダヤ教、語用、ジェンダー指標
第3章 アラブ社会言語学ー社会史のなかの言語
第1節 導入
第2節 エジプトの言語政治とイスラーム
第3節 言語をめぐる闘争ーモロッコ、アルジェリア、チュニジアにとってのアラビア語、ベルベル語、フランス語
第4節 言語とジェンダー、そして標準語の記号論
第4章 社会言語学的階層と同化と異化ーー分裂生成の諸例
第1節 潜在的威信ージェンダーと「土着の誇り」
第2節 分裂生成ー差異の昂進
第3節 潜在的威信と差異化の原理
第4節 差異化をもたらす接触ー発散的アコモデーションの過程
第5章 アコモデーション理論、クロッシング、社会言語学的階層、そして政治経済の記号論
第1節 アコモデーション理論の系譜ー社会、心理、言語、そしてミクロとマクロとを繋ぐ再帰的メタ語用
第2節 オーディエンス・デザイン、クロッシング、マクロ・コンテクストー在イギリス南アジア系移民などを事例として
第3節 アコモデーション、同化と異化、 社会階層ーアイデンティティ、葛藤、二重意識
第4節 社会言語と政治経済層ーコミュニケーション論の地平
第5節 結語 現代社会とその言語ーコミュニケーションの過程における社会言語学的階層と政治経済的秩序
結ー社会言語学と社会の全域、あるいは、ことばに関わる全ての学に向けて
本書は、変形生成文法の源流を、17世紀の合理主義思想に求め、デカルトからポール=ロワヤル文法へ、さらにフンボルト、ロマン主義へと連なる言語学の流れを明らかにする。その試みは、言語行動における自由と創造性に光をあて、自らの言語観、人間観を示す「方法序説」となっている。
漢字は言葉ではない。記号である。漢字にはオトは必要ない。どの言語ででも漢字を「訓読み」できる。では、中国文明の周辺地域を含めた「漢字文化圏」とは自明のものなのか。歴史上の突厥・契丹・西夏・女真・モンゴル文字など、漢字からの自立運動は何を意味するのか。漢字を残す日本語は独自の言語であることの危機に瀕しているのか。言語学者が考察する文字と言語の関係。
第一章 日本語という運命
母語ペシミズム 外国人をはばむ漢字語 日本人に八つもの言語が!
「言語共同体」とは ことばの名に「国」をつけるな 言語共同体は運命共同体
第二章 「日本語人」論
日本語人にはみずからの意志によってなる 自分の意志でなるカナダ人
人類共用語のために母語を捨てられるか 漢字はローマ字に勝てない?
文法はかえられない 文字はかえられる
オト文字は言語の構造をより明らかにする
第三章 漢字についての文明論的考察
「漢字文化圏」論 日本は「漢字文化圏」の行き止まり
漢字文化圏からの離脱の歴史 進化する本家の漢字
中国語知らずの漢字統一主義者 漢字に支配されなかった周辺諸族
特に突厥文字の原理について ウラル=アルタイ諸語を特徴付ける母音調和
チベット文字とモンゴル文字 漢字におと7は必要ない
訓読みはどの言語にも起きうる 音読みだって一通りではない
数字の訓読み ローマ字にも見られる象徴性
ふりがな、訓読みは線条性(リネアリテ)に反する 歴史記述と線条性
筆談で伝えるのは言葉ではない もしローマ帝国が漢字を使っていたら
漢字は言語を超えている いまさら「音声中心主義」?
周辺民族の恐るべき言語本能 直接支配下にあった朝鮮語
ハングルによる朝鮮語の闘いはこれから 中国語そのものが漢字と闘っている
日本人と漢字ーー最後に残る漢字圏の問題
第四章 「脱亜入欧」から「脱漢入亜」へ
日本は中国と同文同種か 中国語は日本語よりも英語に近い
モンゴル語が開いてくれた世界 トルコ語もフィンランド語も
ラムステッドに導かれて ウラル=アルタイ語世界
印欧語比較言語学と音韻法則 音韻法則を超えて
カタテオチのカタはウラル=アルタイ共有語 中国語はhave型言語
ロシア人を捉えて放さないユーラシア主義 東方性こそがロシアの特徴
ユーラシア・トゥラン語圏 トゥラン主義の日本への伝播
日本文化の基軸にかかわる漢字問題 漢字という障害物
ドゥンガン語ーー漢字抜きの中国語 「漢字文化圏」の外に経つ漢語
この本は、生態心理学の観点から日常の言語表現の意味を見直すことでどのような展望が開けるかを見ていきます。言葉について、言語学にとどまらない幅広い知見を踏まえて考えていきます。人間が周りの世界をどのように経験しているか、それが言語にどのように現れているかを見ていくことで、世界が自分や言葉とどうつながっているかが広がりをもって見えてくる喜びを味わってください。
現代言語学の雄、エミール・バンヴェニストの代表的論文21篇を収めたものである。最近の言語理論に関する簡潔な展望からソシュールの歴史的意味、コミュニケーションの問題、構造と分析、さらに統辞機能、語彙と文化まで、現代の言語学をめぐる“諸問題”をあつかっている。
本巻では、ことばの感性的・身体的側面にかかわる能力、さらにはこの種の能力を含むより包括的な認知能力を基盤とする言語現象を、認知意味論の観点から解説する。メタファー、メトニミー、イメージスキーマ変換、参照点構造、主体化、意味拡張、スキャニングなど、これまでの形式・構造を中心とする言語研究では扱われていない言語現象を広範に取り上げ、体系的に解説する。
G.レイコフの認知意味論と、R.W.ラネカーの認知文法論を中心に、認知言語学の基本概念と最新理論を分り易く解説。認知言語学の基本的な考え方から最新の理論までカバーしているので、入門書としても、また、最新の理論の解説書としても最適である。
現代中国語文法学界の「謎」を認知意味論の観点から解明しようとしたフロンティア的な研究。