偏見に立ち向かった56人のLGBTヒーローを未来の子供たちに伝えるピクチャーズBOOK。
フレディ・マーキュリー、ナブラチロワ、美輪明宏などの文化に多大な貢献をしたLGBTアーティスト、作家、イノベーター、アスリート、活動家の感動的なストーリー。
LGBTQの歴史における感動的な人物のコレクションについてもっと知りたい人に最適な一冊です。
〈もはや自由と民主主義が両立するとは思っていない。自由至上主義者が取り組むべき大仕事は、あらゆる形態の政治から逃れる方法を見つけることだ〉。テック業界の世界的な大立者で、リバタリアンとしても有名なピーター・ティールは、民主主義なき資本主義という夢をこうぶち上げた。
だが、大仕事に着手したのは彼ではない。徹底的な市場原理に基づいて経営されていた香港。十全の経済的自由を実現しながら民主主義的には不完全な領域……。この「ゾーン」に心酔したのは、新自由主義の偶像ミルトン・フリードマンだ。新自由主義知識人らは、香港をテンプレートとして、ゾーンを世界中に広めることを夢見た。
この夢想は、タックスヘイブン、自由港、経済特区など、さまざまな姿をとった。既存国家の規制から自由な海上都市というSF的構想すら真剣に取り組まれている。ロンドン、シンガポール、南アフリカ、米国、未承認国家ソマリランド、ドバイ、メタバース……実験場は世界各地に及ぶ。
「低能な多数者の専制」を脱出し、ゾーンを建設する願望は、低能とされた人種からの隔離主義や21世紀版植民地主義にしばしば結びつく。テック右派に影響を及ぼすカーティス・ヤービンは、シリコンバレーによるホンジュラスでのゾーン建設構想を〈非欧州人は欧州人に支配されていたときのほうが豊かだった〉と絶賛した。
新自由主義研究の画期を成す歴史家が、急進的市場主義者の夢想と実践を追跡する。
はじめに 崩れ去る世界地図
I 小さな島々の物語
1 世界にもっと香港を
2 ロンドンーー美しき廃墟
3 シンガポール方式
II 部族フュレー化する世界
4 リバタリアン流のバントゥースタン
5 素晴らしき「国家の死」
6 米国ーー「新たな中世」のコスプレ族
7 株式会社リヒテンシュタイン
III フランチャイズ国家
8 ソマリ白人のビジネス族
9 ドバイーー法律のバブルドーム
10 ホンジュラスーーシリコンバレーの植民計画
11 メタバースのクラウド国
結論 水になれ
謝辞
索引/原注
金井美恵子、村上春樹、田辺聖子、松浦理英子、多和田葉子の作品を、クィア批評や批評理論を縦横に組み合わせて読み解く。読者のアイデンティティをも揺さぶる「現代小説を読むことの可能性」を、小説表現とクィア批評の往還からあざやかに描き出す。
はじめに
第1章 金井美恵子「兎」--クィアとしての語り
1 危うい近親相姦願望
2 肉食と殺害に惑溺する少女
3 過剰な模倣のゆくえ
4 「少女」の物語から「私」の物語へ
第2章 村上春樹『ノルウェイの森』--語り/騙りの力
1 男同士の絆と女同士の絆
2 31と13
3 語る/騙る女
4 語られた/騙られた死
5 女性の欲望を読み直す
第3章 村上春樹「レキシントンの幽霊」--可能性としてのエイズ文学
1 不可解な孤独
2 眠りのあとで
3 パーティーに参加しない「僕」
4 記録と距離
第4章 村上春樹「七番目の男」--トラウマを語る男
1 「K」と「私」
2 男性性(ルビ:マスキュリニティ)の呪縛
3 「波」の出来事
4 トラウマの語り
5 「私たち」のセラピー的空間
第5章 田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」--ケアの倫理と読むことの倫理
1 ケアの倫理という思考方法
2 潜在化するニーズ
3 女性障害者の困難
4 ケアの倫理と読みの倫理
第6章 松浦理英子『犬身』--クィア、もしくは偽物の犬
1 ケアされる/ケアする犬
2 犬という伴侶種
3 被傷性とケアの倫理
4 クィアな身体
5 不穏なる暴力の気配
第7章 多和田葉子「献灯使」--未来主義の彼方へ
1 障害者的身体をめぐって
2 クィアな身体と反再生産的未来主義
3 献灯使という子ども騙し
4 可能性としてのケア
おわりに
初出一覧
あとがき
人名索引
事項索引
変態ではない。クィアと呼ぶ。フツウの愛ではない。強制的異性愛と呼ぶ。この性愛の解き放たれた空間ほど又、政治的なトポスもない…。クィアを考え、クィアに読み、クィアへ開く、クィア批判論集。
昨今注目を集めるいわゆる性的マイノリティやLGBTの問題について、特に「クィア理論」に関わる諸テーマを論じる研究論文集。
20世紀初頭のゲットー、若い黒人の女たちは自由に生きたいと抗った。生きることそのものを芸術とする、親密で奔放な彼女たちの物語
どうやって生きればいい?──みだらでわがまま、不逞で犯罪的、「問題」とされた彼女たちは、支配されることを拒み、うつくしいものに焦がれ、もうひとつの世界を夢見て生きのびようとした。アーカイヴの限界から照らし出す、名もなき奔放なものたちのうつくしい生の実験。全米批評家協会賞受賞、ブラック・フェミニズムの傑作。
【原著】Saidiya Hartman, Wayward Lives, Beautiful Experiments, 2019, published by W.W.Norton & Company (USA)and Serpent's Tail(UK).
方法論についてのノート
登場人物/舞台
第1部 シティの道はずれの道をゆく彼女
スラムのおそろしい、うつくしさ
とるに足らぬ存在
好まれざる女
奴隷制と自由の親密な歴史
家事全般のためのマニュアル
奔放なものたちのアトラス
必要と欲求のクロニクル
やわらかな愛の瞬間、未来は可能に思えた
第2部 ブラックベルトの性的地理
一九〇〇年 テンダーロイン 西四十一丁目二四一番地
一九〇九年 西六十一丁目六〇一番地 黒人の新居留地、あるいはリトル・アフリカのマリンディ
ミスタ・ビューティー、元黒人女性の自伝、オスカー・ミショーが配役することのなかった映画のシーンからの抜粋 ハーレム 一九二〇年代
家族アルバム、流れた未来ー幻滅した妻は芸術家になる、七番街一八九〇番地
第3部 うつくしい実験
短調の革命
奔放ーー可能性についての短い記述
暴徒のように集合した黒人の若い女たちのアナーキー
エヴァ・パーキンスのとらわれた生
ライオット、リフレイン
自由愛について講義する社会主義者
コーラスのうつくしさ
コーラスが道を開く
謝辞
解説ーー奔放な生を言祝いで[ハーン小路恭子]
訳者あとがき[榎本 空]
索引
原注
図版一覧
近代アメリカ文学を代表する3人の作家ーセジウィックらによりすでにホモセクシュアルな欲望を論じられたヘンリー・ジェイムズ、レズビアン作家として知られるウィラ・キャザー、男性的異性愛のイコンとされてきたヘミングウェイをとりあげ、テクストが確かに喚起する性的な欲望と向かいあいながらも、フーコー、バトラーらをふまえ、その欲望が生成される過程や構造を分析する。ゲイかレズビアンか、異性愛か同性愛かという二分化されたセクシュアル・アイデンティティのあり方に異議を申し立てる。
“みんな”でいたくない“みんな”のために
「LGBT」に分類して整理したら、終わりじゃない。
「わからない」と「わかる」、「マイノリティ」と「マジョリティ」を
行き来しながら対話する、繊細で痛快なクィアの本。
ときに反抗的で、しなやかな態度は明日への希望にーー。
性、恋愛、結婚、家族、子孫、幸福、身体、未来ーー
バラバラのままつながった壮大な「その他」たちが、
すべての「普通」と「規範」を問い直す。
「『普通』や『みんな』という言葉に己を託したり託さなかったり、託せたり託せなかったりする読者のみなさんを、風通しのよい、というよりは強風吹きすさぶ場所へと連れて行ってしまおうというのが私たちの企みです。どうぞ、遠くまで吹き飛ばされてください」(森山至貴「はじめに」より)
「ワクワクだけでも足りません。ヒヤヒヤするかもしれませんし、何か責められたような気分でイライラしたり、何様だコイツ、という思いでムカムカするかもしれません。逆に、全然言い足りてないぞ、と思うこともあるかもしれません。そのくらいのほうが普通じゃないかと思います。そのくらいでないと、私たちも語った甲斐がありません」(能町みね子「おわりに」より)
LGBTの枠をも相対化する「クィア」な視点から巨匠たちの作品を集約。本邦初訳G.ムア「アルバート・ノッブスの人生」を含む不思議で奇妙で切ない珠玉の8編。
<目次>
わしとわが煙突 ハーマン・メルヴィル
モッキングバード アンブローズ・ビアス
赤毛連盟 アーサー・コナン・ドイル
三人のガリデブの冒険 アーサー・コナン・ドイル
ティルニー 伝オスカー・ワイルド
ポールの場合ーー気質の研究 ウィラ・キャザー
彫刻家の葬式 ウィラ・キャザー
アルバート・ノッブスの人生 ジョージ・ムア
解説 大橋洋一
わしとわが煙突 ハーマン・メルヴィル
モッキングバード アンブローズ・ビアス
赤毛連盟 アーサー・コナン・ドイル
三人のガリデブの冒険 アーサー・コナン・ドイル
ティルニー 伝オスカー・ワイルド
ポールの場合ーー気質の研究 ウィラ・キャザー
彫刻家の葬式 ウィラ・キャザー
アルバート・ノッブスの人生 ジョージ・ムア
解説 大橋洋一
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー等々、ジェンダーやセクシュアリティの点で非規範的であることを意味する「クィア」。キリスト教会の圧倒的大勢は、従来それらを悪とみなして断罪するか、治療すべき病として異常視するかのいずれかだった。だが今や、教会と神学の中から別の、多様な声が聞こえるようになってきた。本書は、クィアとキリスト教に関する基本的な概念を平易に解説すると同時に、これら複数の神学的な冒険の歴史と最前線の議論を紹介する。キリスト教は「クィア」をどう理解しようとしているのか。多くの人の疑問に答え、更なる学びへ促す画期的入門書。
クィアとは何か?/神学とは何か?/なぜクィア神学は重要なのか?/クィアな宗教リテラシー
第1章 様々なクィア神学の発展
解放の神学/フェミニスト神学/レズビアンとゲイの生/ゲイとレズビアンの神学/クィア理論の台頭/フェミニスト、ウーマニスト、そして「クィア」な理論家たち/クィア理論の応用
第2章 「伝統的神学」のクィアリング
下品な神学/神/キリストのクィアリング/クィアな伝統/弁証の戦略を超えて/クィアな礼拝/クィアなサクラメント/洗礼/ユーカリスト(聖餐)/結婚/サクラメントとしてのカミングアウト
第3章 グローバルな社会的文脈におけるクィア神学
ポストコロニアル批評とクィア批評/アジア系アメリカ人のクィア神学/アジアのクィア神学/アフリカのクィア神学/ラテンアメリカのクィア神学/黒人とウーマニストのクィア神学/北大西洋のクィア神学(カナダ、英国、米国)/オーストラリアのクィア神学
第4章 クィアな聖書
権威のクィアリング/レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル神学と聖書/インターセックス及びトランスジェンダーによる聖書の読み/聖書研究におけるクィア・アプローチ/グローバルな社会的文脈におけるクィアな読み/アジア系アメリカ人のクィアな聖書の読み/アジアのクィアな聖書の読み/アフリカのクィアな聖書の読み/ラテンアメリカのクィアな聖書の読み/黒人/ウーマニストのクィアな聖書の読み
第5章 クィアな生からのクィア神学
諸教会の立場/クィア神学としてのライフストーリー/クィアな生と宗教社会/トランスジェンダーの生の神学/インターセックスの生の神学/アセクシュアリティ/禁欲主義/ストレートにとってのクィア神学/型破りな性行為を実践するクリスチャン/クィアな「修道女」たち(SPI)
あとがきーー本書を超えて
用語集
夜な夜な多様な人々が集まるバーが新宿二丁目に。やってくるのはLGBTQの人、アーティスト、作家……。バーのオーナーは木更津出身で元芸能人。普通の人の三倍くらいに濃い経験をした、その数奇な運命が、いま語られる。帯文は、氣志團の綾小路翔さん!
第1部 ひとりの宇宙ー【二倍ダーシ】新宿二丁目のバー「星男」とクィアな私の物語/第2部 新宿二丁目で働く先輩に話を聴く/I 二丁目のママにはそれぞれの役割があり、それぞれのお客様がいる agitの菅原有紀子(YUKKO)さん/II ノンバイナリーかもしれない自分 Tacʼs Knotの大塚隆史(Taq)さん/「星男」という現在進行形のストーリー -- あとがきに代えて
「クィアの時代(In Queer Time)」に香港から届いたアジアンLGBTQI+作家による「クィア小説」17編を「いきする本だな」シリーズ初のフィクション集成として刊行!
フィリピン、マレーシア、バングラデシュ、台湾、パキスタン、インドネシアなどにルーツをもつ作家たちの競演に酔いしれる一冊です。
はじめに イン・イーシェン
ラベルの名前 アルハム・ベイジ(パキスタン)
あのこ ラカン・ウマリ(フィリピン)
バナナに関する劇的な話 ディノ・マホーニー(香港)
ハートオブサマー ダントン・レモト(フィリピン)
よぅアダム アンドリス・ウィサタ(インドネシア)
呪詛 オヴィディア・ユー(シンガポール)
シャドーガール ジェマ・ダス(マレーシア)
生理現象 アッシュ・リム(シンガポール)
重ね着 アーサー・ルイス・トンプソン(香港)
砂時計 アビエル・Y・ホック(バングラデシュ)
リサルストリートの青年たちへ イアン・ロサレス・カソコ(フィリピン)
お茶休憩 スー・ユーチェン(台湾)
上陸さん ジョアナ・リン・B・クルーズ(フィリピン)
蚵仔煎(オアチェン) リディア・クワ(シンガポール/カナダ)
サンクチュアリ ネロ・オリッタ・フルーガー(フィリピン)
スノードームの製図技師 デスモンド・コン・ゼチェン–ミンジ(シンガポール)
命には命 アーリー・ソル・A・ガドン(フィリピン)
編者による解題 リベイ・リンサンガン・カントー
クィアの時代にー「訳者あとがき」にかえて 村上さつき
編者・訳者プロフィール
著者プロフィールと訳者による翻訳ノート
■制作意図
近年、「アート史におけるクィア」を考えるという傾向が世界的に広がり、「クィア・アート」と呼ばれるジャンルの研究が進んでいます。
本書『クィア・アートの世界』は、第一に、抑圧や偏見、差別によってアートとして語られず、それ故にこれまで私たちが目にすることができなかったアートを見直したい。第二に、アートにおける「クィア」を考える上で、社会的に抑圧され差別を受けていたものが、アートにおいては歓迎され、多く取り上げられている、それがなぜなのかという問題を扱いたい。そして第三に、「クィア」という言葉がとても多様で共通の認識がないため、それを考える一つの試みを行いたいとの思いから、制作に至りました。
■書籍の内容
本書では、「クィア」がいかに社会的、歴史的に変遷していったかを述べた上で、「アートにおけるクィア」をセクシュアルマイノリティに限らず、その域を超え、抑圧や差別等によりアートとして語られてこなかった広いジャンルの作品を包括して取り上げました。
LGBTQ+のアート、フェミニズムのアート、カウンターカルチャーやポップ・カルチャーにおける多彩な表現のアート、アンダーグラウンド・アート、ポルノグラフィティのアート……。独自の視点で、古代エジプトから現代までーー美術(絵画、挿絵、彫刻)を中心に、多岐にわたるジャンルの作品とともに、アート史における「クィア」の流れを追っていき、「クィア・アート」の系譜を探究しております。
美術史上の名作とされる作品の中に「クィア」性を見出したり、抑圧や偏見、差別によってこれまで見ることができなかった多様な作品を、驚きと感動、そして問題提起を含んだ解釈で紹介します。
20世紀にイギリスが威信をかけて編み上げた、世界最高峰の辞典「オックスフォード英語大辞典」。しかし実際に語彙を集めたのはひと握りのエリートではなく、無名の市民たちだった。辞書編纂者の著者が未公開の記録を掘り起こし、その知られざる歴史を明かす。
LGBTに関する議論から取りこぼされてきたものがある。
それが「アセクシュアル」「アロマンティック」などのセクシュアリティだ。
アセクシュアルとは「他者に性的に惹かれない」という指向で、アロマンティックとは「他者に恋愛的に惹かれない」指向をいう。
私たちは「誰しも他者を恋愛的な意味で『好き』になったり、性的な関係を持ちたいと思ったりするはずだ」という前提で日々を過ごしがちだが、そういった思い込みは彼らの存在を否定することになる。
本書ではアセクシュアルやアロマンティックの人々の経験や置かれている状況、歴史、そして関連する用語や概念を詳細に解説する。
松浦優(まつうら・ゆう)
一九九六年福岡県生まれ。
九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了。
博士(人間環境学)。
九州大学大学院人間環境学研究院学術協力研究員。
専門はクィア・スタディーズおよび社会学。
共著に『フェミニスト現象学:経験が響きあう場所へ』『アニメと場所の社会学:文化産業における共通文化の可能性』『恋愛社会学:多様化する親密な関係に接近する』『入門・家族社会学:現代的課題との関わりで』。
【目次】
はじめにーー「好きになる」とは
第1章 アセクシュアル/アロマンティックとは何か
第2章 Aro/Ace の歴史
第3章 Aro/Ace の実態調査
第4章 差別や悩み
第5章 強制的性愛とは何か
第6章 セクシュアリティの装置
第7章 結婚や親密性とセクシュアリティの結びつき
第8章 Aro/Ace の周縁化を捉えるために
第9章 Aro/Ace のレンズを通して見えてくるもの
おわりに
日本でも大人気放送中のNetflixの人気ナンバー1番組「クィアアイ」の番組公式ガイドブック。
この番組は、ファブ5(アントニー、タン、ジョナサン、ボビー、カラモ)をメインMCに添え、性的マイノリティの人達を始め、自己不安な人々を励まし人生を豊かにする番組。本誌は、番組に出演する5人の魅力(生き様、考え方、見た目)を、写真付きで紹介するフォトエッセイ風!
※ファブ5とは、ヘアスタイリスト、俳優、デザイナー、司会者など、それぞれの分野で成功した男性五人組の番組ユニット。
本書は、1920年代から現在に至るまで百年にわたる国際政治経済史を背景に据えながら、この40年、散々語り尽くされてきたように思われるネオリベラリズムの起源と発展に関して、理論的にも歴史的にも新たな光を当てる試みである。
ネオリベラリズムというとき、その焦点はアメリカのシカゴ学派に置かれるが、本書は、ジュネーヴ学派という、これまで顧みられなかった思想家群像に注目している。
とりわけ重要なのは、ネオリベラル理論の核心が制度設計に置かれていたということである。それは、ハプスブルク帝国の灰塵を揺籃とした、その出自に刻印されていた。すなわち、帝国後の世界にふたたび秩序をもたらすことが目的の思想運動だったのである。その際、脱植民地化と民主化の波といかに対峙するかがこの運動には重要だった。
本書が提示するのは、1920年代ウィーンのミーゼス・サークルに始まり、1980年代にWTOの創設で絶頂を迎える、三世代にまたがる思想家たちの物語である。国民国家(インぺリウム)と世界経済(ドミニウム)を融合させる連邦を夢見た者たちの勝利ではなく、敗北の軌跡。
序章 世界の諸秩序について考える
第1章 壁の世界
第2章 数字の世界
第3章 諸連邦の世界
第4章 諸権利の世界
第5章 諸人種の世界
第6章 諸憲法の世界
第7章 シグナルの世界
終章 単一の国民の存在しない人びとの世界
謝辞/訳者あとがき
索引/注記
LGBTQの歴史的経験はアメリカに何をもたらし、いかにアメリカそのものを形成してきたか。周縁化されてきた視点から再解釈する。
植民地期から現代に至るまで、アメリカ史の基本的叙述においてジェンダー/セクシュアリティ規範とその撹乱・変容がいかに密接不可分であったか。クィア的視点からとらえ返した〈アメリカ〉を描き、人種やジェンダー・セクシュアリティを歴史叙述の不可欠な構成要素に位置づける。ラムダ文学賞およびストーンウォール図書賞受賞作。
【原著】Michael Bronski, A Queer History of the United States(Beacon Press, 2011)
日本語版の読者のみなさまへ
著者の覚書
凡 例
序
言語とアイデンティティ
歴史が教えてくれること
第一章 迫害社会
見知らぬ土地の見知らぬ人びと
ピューリタニズム─個人と共同体
純粋さと危険
第二章 性的にあいまいな革命
奴隷にされた人びとと市民
ピューリタニズムから啓蒙思想へ
アメリカの男を創造する
ただの友人
革命的なジェンダー
第三章 クィアなアメリカを想像する
西部への膨張
コミュニティのはじまり
新しい国民的文化を記述する──東部
同性間の欲望と人種の民主化
第四章 死と芸術の民主主義
南北戦争
男らしさを演じる
自由に演じる
政体のための新しい身体
政治と詩論
第五章 危険な純潔
政治の語彙
抵抗を概念化する──労働、人種、セックス
言語の政治
第六章 舞台上の生/都会の生
大都市の中で一緒にひとり
ジェンダーについての新しい考えを嗜む
私的/公的文化の出現
第七章 ジェンダーの生産とマーケティング
男らしさを生産する
男らしさを消費する
最初の赤狩り──そして改革
第八章 塹壕でのセックス
戦争、ジェンダー、セックス
恋人たちの軍隊
戦争を家に持ち帰ること
第九章 目に見えるコミュニティ/目に見えない人びとの生活
セックスとひとつの運動の始まり
紙面で公に
丸見えの場所に「隠れて」
ともに成長し、袂を分かつ運動
第一〇章 反乱/バックラッシュ/抵抗
反乱のなかのアメリカ
解放、社会的純潔、バックラッシュ
AIDS──不屈さと抵抗
エピローグ
歴史としてのニュース、ニュースとしての歴史
謝 辞
訳者あとがき
原 注
索 引
進歩という名の暴力に対する、「知性」の闘い──
クィア批評やメディア論における最重要人物、ついに入門書が誕生!
【おもな内容】
”反解釈・反写真・反隠喩”で戦争やジェンダーといった多岐にわたる事象を喝破した、批評家スーザン・ソンタグ。
あらゆる脆さにあらがう、その「カッコよさ」は、しかし生誕から90年を迎え、忘れかけられている。
本書は「《キャンプ》についてのノート」で60年代アメリカの若きカリスマとなったデビューから、「9・11事件」への発言で強烈なバッシングの対象になった晩年までの生涯とともに、ソンタグという知性がなぜ読者を挑発し続けるのかを鮮やかに描き出す。
自身のマイノリティ性や病にあらがい到達した思想の本質とは。
【目次】
はじめに
第1章 誰がソンタグを叩くのか
第2章 「キャンプ」と利己的な批評家
第3章 ソンタグの生涯はどのように語られるべきか
第4章 暴かれるソンタグの過去
第5章 『写真論』とヴァルネラビリティ
第6章 意志の強さとファシストの美学
第7章 反隠喩は言葉狩りだったのか
第8章 ソンタグの肖像と履歴
第9章 「ソンタグの苦痛」へのまなざし
第10章 故人のセクシュアリティとは何か
第11章 ソンタグの誕生
終章 脆さへの思想
おわりに
【著者略歴】
波戸岡景太(はとおか・けいた)
1977年、神奈川県生まれ。
専門はアメリカ文学・文化。博士(文学)〈慶應義塾大学〉。
現在、明治大学教授。
著書にThomas Pynchon’s Animal Tales: Fables for Ecocriticism(Lexington Books)、『映画ノベライゼーションの世界』(小鳥遊書房)、『ラノベのなかの現代日本』(講談社現代新書)など。
訳書にスーザン・ソンタグ『ラディカルな意志のスタイルズ[完全版]』(管啓次郎との共訳、河出書房新社)など。