世界経済フォーラムが公表する男女平等度の指標で、日本はG7最下位、世界でも最低レベルが続く。根本原因を地域から探り、底上げできないかーー。フォーラムに準じた手法で、47都道府県ごとに分析し、政治、行政、教育、経済の4分野で強みや課題を可視化した。データや現場取材から誰もが生きやすい社会へのヒントを示す。
はじめにーー都道府県版ジェンダー・ギャップ指数が目指すこと……………三浦まり
第1章 ジェンダー・ギャップを可視化するーー世界の中の日本、そして地域へ
第2章 都道府県ごとの特徴を知ろうーー2024年版指数が映す「強みと課題」
第3章 日本国内の変化の兆しーー自治体、企業、若者、新聞社の挑戦
コラム 誰もが自分らしく歩める地域に……………赤間早也香
第4章 海外の現状ーー北欧と東アジアは今
おわりにーー地域から、この国のジェンダー平等実現を……………山脇絵里子
関連サイト紹介
女性の生きづらさはどこからきているのか。その解消や緩和のために何ができるのか。臨床現場に近しい心理学者や実践家が真摯に向き合い,女性たちの声をすくいあげる。現代のジェンダーに埋め込まれた生きづらさ,マイノリティ性の問題に対して一石を投じる。
●第1部 子どもの生活とジェンダー
第1章 子どもたちの生活実態とジェンダー──さまざまな相談の現場から(小林幹子)
第2章 はじき出された少女たち──少年院の女子少年からみえる世界とは(鈴木育美)
●第2部 青年期をめぐるジェンダー
第3章 女子大学生の時間的展望──過去,現在,そして未来(都筑 学)
第4章 デートDV──「一心同体の恋人関係」に潜む危険性(松並知子)
第5章 性を超えようとする人たち──マイノリティと呼ばれて(薛 小凡)
●第3部 家族・子育てをめぐるジェンダー
第6章 育児休業の光と影ーー母親に取得が偏る実情が物語るもの(瓜生淑子)
第7章 「子どもを預ける」「子どもを預かる」──女性の仕事の格差と葛藤(清水民子)
第8章 母親の人生は誰のものか──障害児を育てる母親の語りから(沼田あや子)
第9章 保育という仕事──母性的ケアと労働のはざまで(五十嵐元子)
●第4部 社会のなかで生きぬく女性たち
第10章 女性が女性を支援すること──支援される者との対等な関係は成立可能か(沼田あや子・五十嵐元子)
第11章 女性と非正規労働──派遣労働に着目して(田口久美子)
第12章 「となりにいる」フェミニストたち──the personal is politicalのいま(青野篤子)
第13章 戦争と平和と女性──被爆女性のライフヒストリー(青野篤子・田口久美子)
翻訳された言葉には必ずわたし達の社会があらわれ、
そして翻訳されたものは社会に影響を与える。
翻訳小説の女性達は原文以上に「女らしい」言葉で訳されていることがあります。翻訳と社会とわたし達の密接な関係を読みとき、性差別をなくすための翻訳、社会に抗する翻訳の可能性を探る一冊。
「はじめに」より一部抜粋
翻訳には、それまでにあった古い考えにとらわれない、新しい言葉を生み出す可能性があります。そして、社会の中に存在しなかったり、埋もれたりしている概念を言葉によって「見える化」したり、それまでの偏った見方を変えたりする力があります。
【目次(一部)】
はじめに
『プラダを着た悪魔』の主人公はどんな話し方をする?
「ハリー・ポッター」のハーマイオニーには友だちがいない?
小説はフィクション、わたしたちはリアルな存在
[……]
第一章 小説の女たちはどう翻訳されてきたのか
日本語への翻訳とジェンダー
日本語の女ことばと男ことば
翻訳の中の女性はもっとも典型的な女ことばを話す?
翻訳小説の女性の話し方vs現実の女性の話し方
児童文学ではどうなる?
児童文学は保守的。児童文学の翻訳はもっと保守的。
翻訳者が再現しようとすること
汚いとされる表現にも意味がある
[……]
第二章 女たちのために自分たちで翻訳する
一九七〇・八〇年代に、自分でいる力をくれた翻訳があった
女性の健康のバイブル『Our Bodies, Ourselves』
わたしのからだは自分のもの。自分のからだをよく知ろう。
自分を大切に生きる権利は、みんなにある
『Our Bodies, Ourselves』の時代ー個人的なことは政治的なこと
『女のからだ』の時代ーウーマン・リブ
『からだ・私たち自身』の時代ーウーマン・リブからフェミニズムへ
フェミニスト翻訳の三つの具体的な方法
『女のからだ』のフェミニスト翻訳の方法
『からだ・私たち自身』のフェミニスト翻訳の方法
[……]
第三章 これからのために翻訳ができること
これから考えられる三つの変化
1一律の女らしさから、それぞれの個性へ
2ネガティブなイメージのない性器の名称へ
3「彼」と「彼女」だけでなく、インクルーシブな代名詞を
人形で遊ぶメスのチンパンジー、孤児を養子にするオスのボノボ……
彼らの行動は、どれほど人間の行動と共通するのだろうか?
オスとメスの違いは、生まれつきのものなのか。
はたして「ジェンダーがあるのは人間だけ」なのかーー?
★ユヴァル・ノア・ハラリ推薦! 20か国で刊行決定!
霊長類の社会的知能研究の第一人者が、進化生物学とフェミニズムの間で繰り広げられる、性をめぐる論争に風穴を開ける。
「動物と人間の行動における性差は、人間のジェンダーにまつわるほぼすべての議論の核心にあるさまざまな疑問を提起する。男と女の行動の違いは自然のものか、人為的なものか? 両者は本当はどれほど違うのか? ジェンダーは二つしかないのか、それとも、もっとあるのか?」(本文より)
《本書への賛辞》
「性とジェンダーに関する白熱した論争に、科学的で思いやりのあるバランスのとれたアプローチをもたらす、すばらしく魅力的な本」
ユヴァル・ノア・ハラリ(『サピエンス全史』著者)
「……男性か女性か、クィアかストレートか、トランスジェンダーかノンバイナリーかを問わず、より公正で平等な社会を築くために私たち皆が行うべき重要な対話を、間違いなく刺激する」
サイ・モンゴメリー(『愛しのオクトパス』著者)
「女vs男。性vsジェンダー。生物学vs社会的な教え込み。性差というテーマほど、愚か者を誘惑する話題はなかなかないが、ドゥ・ヴァールは賢明だ。人間の性差という魅力的なトピックを、非常に明快に、洞察力と機知に富んだ方法で調べ上げ、結局のところ、私たちも霊長類の一種にすぎないことを決して忘れさせない。じつに刺激的だ」
ロバート・M. サポルスキー(『善と悪の生物学』著者)
「性差という危険地帯に踏み込むには勇気がいる。秀でた語り、文化に対する敬意、そしてボノボやチンパンジーに対する深い知識を頼りに、ドゥ・ヴァールはこの危険な領域を巧みに乗り越えている」
サラ・ブラファー・ハーディ(『マザー・ネイチャー』著者)
《目次より》
第1章 おもちゃが私たちについて語ること:男の子と女の子と他の霊長類の遊び方/第4章 間違ったメタファー:霊長類の家父長制社会を誇張する/第6章 性的なシグナル:生殖器から顔、美しさまで/第7章 求愛ゲーム:慎み深い女という神話/第8章 暴力:レイプと謀殺と戦争の犬ども/第11章 養育:母親による子育てと父親による子育て/第12章 同性間のセックス:虹色の旗を掲げる動物たち 他
暗黙のうちに男性主体で語られてきた歴史は、女性史研究の長年の歩みと「ジェンダー」概念がもたらした認識転換によって、根本的に見直されている。史学史を振り返りつつ、家族・身体・政治・福祉・労働・戦争・植民地といったフィールドで女性史とジェンダー史が歴史の見方をいかに刷新してきたかを論じる、総合的入門書。
はじめに
第1講 女性史研究の始動ーー世界と日本
1 先駆的な女性史研究
2 戦後の日本女性史研究
3 女性史研究の拠点としての地域女性史
第2講 第二波フェミニズムと新しい女性史
1 「新しい女性史」の誕生
2 「新しい女性史」は何をもたらしたか
3 「新しい女性史」の日本での受容
第3講 ジェンダー史
1 ジェンダー史の登場
2 ジェンダー史と構築主義歴史学
第4講 歴史叙述とジェンダー
1 歴史教育とジェンダー
2 ジェンダー視点は歴史叙述を変えたか
第5講 家族を歴史化する
1 家族に関する神話の崩壊と家族の歴史化
2 伝統社会における家
3 近代家族論の精緻化
4 近代家族の普遍化と揺らぎ
5 日本での家族史研究と女性・ジェンダーの視点
第6講 近代社会の編成基盤としてのジェンダー
1 身分制
2 近代的ジェンダー観の形成とその制度化
3 国民・ナショナリズムとジェンダー
第7講 身 体
1 身体は不変か?
2 性・生殖の歴史研究
3 L(レズビアン)G(ゲイ)B(バイセクシャル)T(トランスジェンダー)
第8講 福 祉
1 福祉研究へのジェンダー視点の導入
2 福祉活動の出発点としての戦時福祉
3 福祉活動と女性の社会進出
第9講 労 働
1 働き続けてきた女たち
2 労働概念の転換と女性就業
3 労働と労働者のジェンダー化
4 女性労働者保護法とジェンダー・家族
第10講 植民地・戦争・レイシズム
1 植民地とジェンダー
2 戦争がもたらしたもの
3 戦争・占領と性暴力
図版出典一覧
主要参考文献
近現代のヨーロッパと日本において、職業教育はどのように発展したのか。学校教育・職業教育の機会が限られていた女性たちと、中途で就労困難となってしまった戦争障害者の男性たちに着目しながら、福祉と教育の視点から分析する。好評の〈叢書・比較教育社会史〉シリーズ第十巻。
『叢書・比較教育社会史』の再始動にあたって
序 章 ジェンダーの視点からみた職業教育の比較社会史(北村陽子)
■第1部 女性のライフステージと職業教育
第1章 家庭だけでなく職業も
--帝政末期ロシアの女子中等教育機関卒業生の進路と男性知識人
(畠山禎)
第2章 男性教師の職業的自覚の形成と女性教師の困難
--明治前・中期の学問の「主体」、教育の「対象」としての女性
(加島大輔)
第3章 女性社会福祉職の養成と就労
--前世紀転換期ドイツの「ベルリン女子社会事業学校」(杉原薫)
第4章 優生学と慈善の狭間で
--二〇世紀転換期イングランドの「精神薄弱の女性・女子」用ホーム
(大谷誠)
第5章 女性教員のキャリア・パス
--近代メキシコの女子職業教育とキャリア形成(松久玲子)
■第2部 戦争障害者の職業教育
第6章 「名誉の負傷者」の社会復帰
--日露戦争後の癈兵・傷痍軍人の保護政策(松田英里)
リーダーを目指す女性が直面する障壁とは
リーダーシップとジェンダーに関する最新の研究知見から,女性リーダーが少ない現状と関連する心理的・組織的要因を解説・分析し,女性がリーダーとして活躍する組織や社会を作るための道筋を描く。
第1章 日本におけるジェンダーとリーダーシップの現状
第2章 女性リーダー,女性管理職はなぜ少ないのか?
第3章 ジェンダー・ステレオタイプとその影響力
第4章 能力育成と職務におけるジェンダー
第5章 リーダーシップ・スタイルとジェンダー
第6章 女性活躍推進策の意義と効果
第7章 ダイバーシティと組織・社会
第8章 これからのリーダーシップとジェンダー
集団に起因する不平等や差別。それが個人同士の間で現れる諸相を捉える視点としてのポジショナリティ。沖縄と日本との関係、性差・ジェンダー、多文化社会化など、定量的調査を含む現代日本の具体的な事例から動態を読み解き、状況変革への共通了解と協働条件を提示する一冊。
序章 日本社会におけるポジショナリティの諸問題[池田緑]
第1部 ポジショナリティという“問題”
第1章 ポジショナリティの構造と現れ[池田緑]
第2部 沖縄と日本をめぐるポジショナリティ
第2章 「日本人」と「沖縄人」--ポジショナリティ・アイデンティティ・政治的主体をめぐる一考察[高橋哲哉]
第3章 ポジショナリティ分析で何が分かるのかーー「沖縄の基地問題」をめぐる「受益圏/受苦圏」概念を手がかりとして[桃原一彦]
第4章 「県外移設」の「留保なき拒否」で浮かび上がるものーー鹿野政直さんへ、カマドゥーからの手紙[知念ウシ]
第5章 当事者性の薄い問題に対するマジョリティとマイノリティの意識ーー在沖米軍基地問題とジェンダー問題を中心に[玉城福子]
付論 「沖縄の米軍基地問題」をめぐる沖縄社会と日本社会との齟齬ーー2019年定量調査の結果と分析から[桃原一彦]
第3部 日本社会の複数性とポジショナリティ
第6章 ポジショナリティを認識することーー多文化共生教育の観点から[山根俊彦]
付論 交流経験と外国人への差別意識[定松文]
第4部 性差の諸問題をめぐるポジショナリティ
第7章 ジェンダー・イシューをめぐる相互行為をポジショナリティ論から読み解く[江原由美子]
第8章 DVとポジショナリティーー支援者と被支援者の関係性に着目して[小川真理子]
第9章 育児をめぐる世代間の対立はなぜ起こるのかーーポジショナリティの視点からの考察[仁科薫]
付論 ジェンダー・バイアスの源泉を探る[定松文]
第5部 ポジショナリティの可能性
第10章 権力関係を露現させる用語とポジショナリティーー「人材」の使用をめぐって[定松文]
第11章 ポジショナリティ研究の視点と方法ーー経験的概念という枠組みから[池田緑]
あとがき
規範や権力作用という視点を軸にして、基礎概念からジェンダー論の核心、ポジショナリティなどの新たな概念までを、豊富な具体例を用いて平易に説く。ジェンダー論を学ぶ「はじめの一歩」にとどまらず、二歩目、三歩目を力強く後押しする画期的な入門書。
はじめにーージェンダー論に向き合うこと
第1章 ジェンダーを考えること:1--ジェンダー論の前提
1 ジェンダー論と生活経験
2 ジェンダー論の前提になる諸概念
3 「女性問題」という問題
解説1 構築主義とネイション
解説2 ミソジニー
第1章をより理解するためのブックガイド
第2章 ジェンダーを考えること:2--ジェンダーのポリティクス
1 ジェンダーをめぐる駆け引き
2 脱ー自然化
3 ジェンダーカテゴリーと規範権力
4 性差別をめぐる事実判断と価値判断
第2章をより理解するためのブックガイド
第3章 制度か心かーーフェミニズムが問題にしてきたもの
1 フェミニズムとジェンダー論
2 リベラルな視点による制度への問題提起
3 第2波フェミニズム:1--私的領域への注目
4 第2波フェミニズム:2--性支配
5 第2波フェミニズム:3--労働への注目
解説3 リベラリズム
解説4 良妻賢母
解説5 戦争、そしてボーヴォワールとフーコーの影響
第3章をより理解するためのブックガイド
第4章 差別/区別と自然化
1 差別の順序
2 徹底した差別、すなわち区別
3 区別論の効果
4 自然化と自然の構築
解説6 先史時代の性別役割分業
解説7 ジェンダーと“最新の科学”
第4章をより理解するためのブックガイド
第5章 男もつらいよ?--男たちの欺瞞のポリティクス
1 責任転嫁と「加害者の被害者化」
2 ポジショナリティと男性の利益
3 男もつらいよ?
4 男性内の配分の問題(複数性の問題)
解説8 相殺法
第5章をより理解するためのブックガイド
第6章 ジェンダーと社会的結合
1 男性たちの社会的結合
2 異性愛での社会的結合
3 近代家族の社会的機能
4 制度ということの意味
解説9 母性
解説10 晩婚化・非婚化・少子化は女性の責任?
解説11 イエとカイシャ
第6章をより理解するためのブックガイド
第7章 ジェンダーと権力作用
1 交換という社会的結合
2 代理行為と模倣
3 強制された共犯性
4 ポストコロニアルなジェンダー権力
解説12 学習性無力感(learned helplessness)
第7章をより理解するためのブックガイド
文献表
おわりにーーみる前に跳べ
なぜ「ピンクは女の子、青は男の子」なのか。色による性別区分の実態に迫る実験の数々を紹介しながら、性差を、文化を、そして社会を方向づけるこの強固なメカニズムを解体してジェンダーステレオタイプの超克を目指す、社会心理学からのアプローチ。
はじめに
第1部 基礎パートーーピンクと青の心理学
第1章 ピンクと青は誰の色?--ピンクと青の歴史と現代
1 ピンクと青のイメージをめぐる歴史
2 ピンクと青の現代
3 色は心理に影響を及ぼすのかーー色彩心理学の歴史的背景
第2章 ピンクと青に対するイメージーー「ピンクは女の子、青は男の子」なのか
1 色のイメージと印象に関する研究
2 色に関する認知ーー記憶のなかの色概念と属性概念との結び付き
コラム1 化粧が自分のイメージに与える影響
第3章 ピンクを身に着けた人は女の子らしい?--ピンクと青が印象に及ぼす影響
1 ピンクと青が性別判断に及ぼす影響
2 ピンクと青が印象に及ぼす影響
3 ピンクと青が人々の判断や行動に及ぼす影響
コラム2 ピンクを身にまとった女性は「魅力的」なのか
第4章 ピンクを身に着けている私は女性らしい?--ピンクと青を身にまとうことの効果
1 着衣と自己認知・行動との関係ーー着衣認知理論
2 ピンクを身に着けると自己認知が変わるのか
3 ピンクを着ていても俺は男らしいーーピンクへの反発
4 ピンクは「女性らしい」職業のキャリア意識をアップさせる!?
コラム3 着衣認知研究の再現性
第2部 社会パートーー社会を取り巻くピンクと青
第5章 本当に女の子はピンク、男の子は青を好むのか
1 色の好みの発達的変化
2 親の好みによる影響
3 ピンクと青への好みとジェンダー・アイデンティティ
4 学童期以降の色の好み
コラム4 ピンクと青の好みに関する本質主義
第6章 社会のなかの色とジェンダー
1 社会のなかのジェンダーカラーの利用
2 ジェンダーカラーの脱却に向けた企業の取り組み
3 ジェンダーにとらわれない取り組みはどのように受け止められているか
4 社会的ムーブメントとしてのピンク
おわりに
悪気はなかったでは済まされない時代です
現役新聞記者たちが自省の念を込めて贈る「気づきの書」。
「美しすぎる○○」がダメな理由がわからない。女医、女子アナと無意識に言ってしまう。「女性ならではの気配り」はほめ言葉のつもりだった?「薄着の季節だから痴漢に注意」のどこが問題!?女児の出産祝いになんとなくピンクを選んでしまう・・・。ひとつでも当てはまる人、アウトです。ぜひ本書を一読することをおすすめします。
ジェンダー平等を日本で早く実現したい。それにはまず、メディアが発信する記事から見直さなければならないーーー。この本は、現役の新聞記者たちの強い危機感から生まれたものです。今やSNSや広告、宣伝で誰もが発信者になる時代、ジェンダー表現のリテラシーを高めることは必須。その手引き書的な一冊です。
無意識の偏見と男尊女卑、性別役割分業のすりこみなどジェンダーの視点で改めて見直すとたくさんの問題点がみえてくる。ウエブ記事もしかり。スマホアドバイザー・モバイルプリンスさん、ジャーナリスト浜田敬子さん、弁護士の太田啓子さん、武井由起子さんに聞くインターネットとジェンダー論。性暴力の報道や表現の問題、メディアの現状と取組まで徹底的に追求。
【編集担当からのおすすめ情報】
ジェンダー表現?知ってるし出来てるし。そう思っていました。ちなみに女性です。原稿を読んで、自分がいかに無知だったか、リテラシーが低かったか、思い知らされ、猛省しました。そして今まで無意識に書いてきた、発信してきたことの多さ、罪深さに愕然としました。でもその気づきと反省を経て、”新しいメガネ”を手に入れたような、そんな心持ちになりました。
この新しいメガネをかけて世界を見ると、今まで気がつかなかったいろんなことが見えてきます。当たり前のように繰り返されている小さな表現が、やがて大きな偏見や差別を育てていってしまう悪循環。でも一度それに気づくと、もう平気ではいられない。気づくことで次の世代、新しい世界をつくっていけるなら一刻も早く気づいたほうがいい。そう思います。
全国の新聞記者の皆さんが有志で集まり、自発的に制作したこの本。皆さんの勇気と行動力に敬意を表します。メディア側の人間に限らず、ほぼ全員が何らかの発信者である現代を生きるすべての方に読んでいただきたい一冊です。
あのとき悩んだあのことは、全部ジェンダーの問題だったのかも・・?!
非モテ男性たちのぼやき、仮性包茎に『うっせぇわ』、『おかあさんといっしょ』や母親からの過干渉、ぼる塾、阿佐ヶ谷姉妹のお笑い、ZARDに朝ドラの男性たち、パワハラ、新興宗教、ルッキズム……
ジェンダーを自分事として考えるために。
共同通信配信の好評エッセイ「清田隆之の恋バナ生活時評」を大幅加筆。より正直に、言葉の密度高く書籍化。
日々を暮らす中で感じたモヤモヤを、誰かと話しながら言語化していく営みこそ、ジェンダーという巨大にしてつかみどころがなく、それでいて根源的で影響力も計り知れない問題に向き合うためのきっかけになるのではないか。私というミクロの世界と、社会というマクロの世界は、どこかで確実につながっている。--「まえがき」
目次
第1章 〈男〉について考え続けた2年間のこと
恋バナは楽しい。でも、どんどんしづらいものになっていった/痴漢被害に憤る女、痴漢冤罪に怯える男/男たちは自分のことをわからないままでいいのか…
第2章 コロナと育児と生活の限界
子どもの成長はあっという間。でも、大人の1年だってそれなりに長い/自分を許してくれない“リトル清田〞の厳しさ/子どもが風邪をひくと一瞬で詰む日々…
第3章 #stayhomeと令和のエンタメ
朝ドラの弱くて優しい男たち/阿佐ケ谷姉妹に感じた“男性的〞ではない笑いの感覚/「ガッキーロス」に独禁法まで持ち出す“ノリ〞の気持ち悪さ…
第4章 心を開いて、清田くん!
恋愛のモヤモヤに潜む政治意識のズレ/「暴力とコミュニケーションが紙一重」の領域で傷つく男性たち/「お茶する」ことの醍醐味、ガールズトークの文化に学んだこと…
はじめに
序論 アフリカの女性の生き方と学校教育
一 問題の所在と本書の目的
二 女子教育は何をもたらすのか
三 自律的主体を問い直す
四 ライフストーリーへの注目
五 本書の構成と調査概要
第一章 変わりゆく村
一 コイベ村の概観
二 地理的特徴と生業
三 マーレの社会制度
四 宗教と社会変容
《コラム1》 祈る
第二章 教育開発の展開
一 学校教育の導入
二 公教育の広がり
三 急増する就学者
四 成人教育の実施
五 教育の質の問題
六 学校教育の意義
第三章 進学か結婚か
一 就学した若者のライフプラン
二 マーレ女性のライフサイクル
三 就学と就業の結びつき
四 結婚している生徒の存在
五 就学と結婚の選択
六 就学と結婚をめぐるライフコースの交渉
《コラム2》 売る
第四章 女性性の再構築ー娘を学ばせた女のライフストーリー
一 マーレ女性の語りの態度と語りの場
二 オーコの略歴
三 「私は男を産んだ」
四 八人の娘の教育
五 望ましい暮らし方と現実
六 考察
《コラム3》 食べる
第五章 時代による差異のはざまでー女性教員のライフストーリー
一 教員としてのふるまい
二 就学をめぐる交渉
三 「完全な娘」であること
四 教職への不満
五 望ましいふるまい
《コラム4》 贈る
第六章 結婚後の就学ーー学校に通う母親たちのライフストーリー
一 既婚男性の就学
二 イテネシのライフストーリー
三 アッディスのライフストーリー
四 マルタのライフストーリー
五 既婚女性の就学
《コラム5》 産む
結論 教育を求める女性たちの関係的自律性
あとがき
参考文献
索引
お茶くみや受付係、秘書等の補佐的な仕事をさせられる、リーダーとしての経験を積ませてもらえない……。
そんな「性役割に関するハラスメント」、すなわちジェンダー・ハラスメントを防止する研修をおこなってきた著者が、組織におけるジェンダー・ハラスメントの実態を分析し、対策方法を説く。
セクシュアル・ハラスメントという言葉は社会的に浸透しており、「性的な欲求に起因するハラスメント」であることはある程度理解されている。
一方ジェンダー・ハラスメントも少しずつ認知されてきてはいるが、具体的な定義はあまり理解されていない。
ジェンダー・ハラスメントは多くの職場で発生しているものの、加害者/被害者ともにハラスメントであることを気づかないケースも多い。
本書ではハラスメントの具体例や、研修後のアンケート、落語研修の台本など、研修の意図と内容を丁寧に紹介しているので、読みながら自身の偏見に気づき、対策を講じていけるはずである。
著者は特に「自分には偏見があることに気づいていない」状態のアンコンシャス・バイアス(潜在的ステレオタイプ)に着目して研修プログラムを作成している。
その研修プログラムはジェンダー・ハラスメントだけでなくあらゆる差別解消にも効果が期待できるため、今後ぜひとも広がっていってほしい。
内閣府男女共同参画局や連合が近年アンコンシャス・バイアスを紹介するようになったが、「自分の考えが偏見にあたることに気づいていない」といった誤った意味で使用しており、著者はその問題を指摘している。
女の子にもなりたくないし、男の子にもなりたくない。
私はただ、自分自身でいたい。
クィア、ノンバイナリーのコミック作家マイア・コベイブの自叙伝。
自身の生い立ち。幼少期から思春期で過ごした環境、そして、青年期にかけてクィアをテーマにした音楽や漫画、ファンタジー作品と出会い、自身の性のあり方に向き合い出すことで、生まれた、気づき、葛藤、戸惑いを丁寧に描く。
ひとりの人間の、ありのままの記録。
2020年 アメリカ図書館協会 アレックス賞受賞
2020年 ストーンウォール図書賞名誉賞(ノンフィクション部門)受賞
女の視座をメディアに据え、政治を変革し、家族の形を問い返し、性差別を許さない。男社会の岩盤をうがつ女たち。
1 メディアに生きる
草分けの時代から変わらぬ女性蔑視
自由奔放に非日常を生きた女性記者、中平文子という生き方
日中戦争前夜、竹中繁が訴えた「相互理解」の大切さ
『婦人公論』初の女性編集長 三枝佐枝子の仕事
女性誌を変革した『ミセス』休刊の理由
画期的な告発の書 『マスコミ・セクハラ白書』
2 表現者の自由を拓く
「閨秀」から「女流」「女性」へ
階級やジャンル越える女性作家
武道館を埋めた作家がいた
「倒錯的」「邪道」と蔑まれても 駆け抜けた役者一代
幸田文の「崩れ」に学ぶ、大災害の続く今こそ
太平洋戦争開戦を受け入れた表現者たち
「横浜の大空襲」を記録する小野静枝
戦中・戦後の生活者の記録
資料は「生きた」歴史 軽視・廃棄を恐れる
散逸が懸念される女性史関係資料、保存・公開の動き相次ぐ
3 政治に挑む
明治150年、「明治の精神」願い下げに
「平成」最初の参院選で女性22人当選
「政治参加は女子の本分に背く」のか
政権の看板だった「女性活躍」どこへ?
ツイッターデモと「声なき声の会」が示すこと
『市川房枝の国会全発言集』を読む
国際女性デーの国連議決を無視し続けた政府
民主主義と呼べぬ日本の政治
4章 家族の形を問う
「産めよ死ねよ」への回帰か
ノーベル賞、「内助の功」は必要か
「昭恵夫人」は責任回避の呼称か
選択的夫婦別姓、未だ男性司法の壁厚く
「わたしだけの名」を奪う制度は終わりに
高齢者介護の担い手は今も女
昔「結婚報国」、今「官製婚活」
非正規シングル女性の窮状
関東大震災で犠牲になった沖縄の女工
コロナ禍を家事協働の契機に
5 性差別、性被害を告発する
目をおおう米軍による沖縄の性被害
忘れ去られた「国家売春」の過去
父系主義の国籍法改正に尽力した土井たか子
スポーツ選手は増えたが指導者は?
看護師を再び使い捨てにするな
ケアマネジャー、訪問介護の現場を語る
ジェンダーギャップは過去最低
男女共同参画センター、予算減や廃止で存立の危機
6 悼詞
加納実紀代、被害と加害の二重性から逃げず
山口美代子、ライフワークは「資料と女性」
関千枝子、書き続け訴え続けたジャーナリスト
鹿島光代、女性史学に不抜の基礎を築く
高良留美子、天才的な書き手、多面的な活躍
折井美耶子、 地域女性史のリーダーとして
女性史とわたしーあとがきに代えて
社会の姿を反映する社会科教育に女性の姿が見えない。この現状を変えるには何が必要か。社会科とジェンダーに関わる道徳、性教育について中・高・大学で行なった授業実践の成果と課題、教材を示し、その有効性を検証し、ジェンダーに関する授業普及を目指す。
「体育嫌い」はあなたのせいじゃない!誰ひとり置き去りにしない体育の姿とは?「ジェンダー・セクシュアリティの視点」から「体育の当たり前」を問い直す!
2020年に始まるCOVID-19感染拡大は,わたしたちの日々の生活から,家族関係,親密な関係,社会動態,政治に至るまで,激動の連続をもたらしつづけている。地域に生きる人々の数だけ存在する「生きづらさ」は,だが「居場所を失う」という共通の苦しみを明らかにし,「?き出しのジェンダー不平等」を浮き彫りにしてきた。阪神淡路大震災の1995年,東日本大震災の2011年にも比肩すべきこの「転換期」をいかに読み解くことができるかーーーー
居場所を失った人たち,その点と点を結んで短い線を描き,線を撚り合わせ,糸を紡いで布を織るように「新たな場所」がつくられるとき,共に支え合うために共有される知としてのジェンダーが浮上する。このリアルな世界において露出した加害・被害と権力性に向き合うことを求められるとき,ジェンダーという言葉は,援助職に進むべき指し示すだろう。
そのための壮大な見取図を示す「[討議]抵抗の言葉ーージェンダースタディーズ2022-2023」に次いで,ジェンダースタディーズという知の遺産(フェミニズム,フェミニストカウンセリング,男性学・男性性研究,障害学),ジェンダースタディーズの「ホットゾーン」,知を再編成するための当事者によるジェンダー言説,ジェンダーセンシティブな実践(トラウマケア,性被害,アウティング,マイクロアグレッション,反抑圧的ソーシャルワーク),そして「専門家のポジショナリティ」の問いへ。
新しい現実には新しい言葉がなくてはならないーーーー「いまこの時代を生きるためのジェンダースタディーズ」。
そもそもジェンダーとは何なのか。性別との違いは何なのか。話題のノンバイナリーやトランスジェンダーという言葉の意味は? この両者にはどんな違いがあるのか。わかっているようで意外に難しいジェンダーの基礎知識について、イラストマンガの形でわかりやすく伝えます。本来は多様であるジェンダーが「男」「女」という二元論に括られるようになった歴史的背景から解き明かし、「男らしさ」「女らしさ」に束縛されている現状の問題点を批判します。スティーブン・キングの小説『IT』やマーガレット・アトウッドの『侍女の物語』、映画の「007」「ロード・オブ・ザ・リング」「ゴーストバスターズ」、テレビドラマの「セックス・アンド・ザ・シティ」など身近なエンタメを引用しながらジェンダーについて説明する、最適の入門書。