到来するAI社会。大事なのは、SDGsと正しく向き合う思考法。
持続可能な社会とは、科学的なアプローチで達成すべきもの。しかし現在の国際社会では、科学的なデータが都合よく利用され、本質とはかけ離れた政策が実行されている。さらに、グローバリズムの思想が世界全体の持続性を失わせるとともに、社会的な道徳性や規範も崩れつつある……。
工学博士武田邦彦が、科学的な知見から環境問題とサステナブル政策の欺瞞を解き明かし、AI革命後の未来に光を当てる一冊。
自律的に生きる「個」を育てるデンマークの多様性教育の実態に迫る!昨今の日本に漂う成長無き閉塞感を打開すべく、教育現場では「主体性」・「協働性」と並び第3の学力要素として「ダイバーシティ(多様性)」が叫ばれるようになった。しかし子供らが持つ個性・多様性を学校教育で均質化し、学力テストの結果が学校での序列化を招く我が国の教育でそれを浸透させることは難しい。本書では、日本と同様に国際学力調査PISAショックを受けた北欧・デンマークの「多様性を認め育てる教育」、他者とのコミュニケーションを通じて自らの考えを深め、単一解答にとどまらない複合的な課題に取り組む能力に着目。北欧デンマークが子どもたちの多様な生き方を可能にする学力とその評価方法を緻密な現地調査から明らかにした新進気鋭の良作。
『多様性トレーニング・ガイド』を増補・改訂。参加型学習理論の解説をはじめ、外国人労働者など、近年の社会の変化にもとづく資料、実践のためのアクティビティなどを収録。多様性にかかわるファシリーター必携の書。
異なる文化的背景、ジェンダーやセクシュアリティ、障害など、学校で学ぶ子どもたちの多様性は高まっている。多様性を対処すべき問題ではなく、強みとして捉え、これからの教育をどう構築するのか。本書は世界の教育政策・実践とともにその手がかりを提供する。
世界で存在感を示せなくなった日本にとって
再び国際社会で活躍するために必要な「真の多様性」とは?
日本で行われている建前ばかりの男女雇用機会均等やダイバーシティ経営は、
むしろ「やったつもり」になることで現実を見る目を曇らせてしまいます。
文化や歴史、習慣など世界との違いを学び、
受け入れるところから本当の多様性が身につきます。
そうすることで、「失われた30年」を脱し、
日本人がグローバル社会で活躍できるようになるのです。
かつて世界第1位の国際競争力を誇っていた日本は、バブル経済崩壊後、
低下の一途をたどり、革新的なものを生み出すこともほとんどできていません。
この30年で、パソコンとインターネットが結びつき、
巨大なコミュニケーション環境下で新たな価値観、文化が醸成されました。
しかし、日本は多様性や型破りを認めようとしない社会です。
「男女平等」「女性活躍推進」「ダイバーシティ経営」などが盛んに口にされていますが、
日本のジェンダー・ギャップ指数はランクを下げ、最新の調査で156カ国中120位でした。
この調子では、イノベーションは生まれません。
本書では、ブラジルで生まれ、アメリカの大学で数学を学び、
アフロアメリカンの女性と国際結婚、また重量物ダンボールの会社を世界各国で
大きく発展させてきた著者が、
教育、ビジネスにおいて現在の日本の問題点をあぶり出し、
今後、日本人が国際社会でどう活躍していくべきかを提案します。
人間は物事を理解するために、まず分類をする。だから自然界に境い目などないのに、人間は世界を理解しようとしてさまざまな境界線を引いて分類をしてきた。厳密に見える分類の仕方は実は人類の都合でしかなく、知見を重ねながら分類のものさしは変わってきた。そうまでしても枠に収まらないのが自然界であり、多様性なのだ。多様性を理解するのは大変だ。だが、多様性は美しい。
【登場する生物・植物(一部)】イヌ、ネコ、クジラ、イルカ、パンダ、ミドリムシ、イチゴ、オオバコ、ワスレグサ、ツメクサ。精緻で親しみのある挿画を豊富に掲載(イラスト点数:約30点/イラストレーター:金子貴富)
いま、気候変動、生物多様性の喪失、そして生態系の崩壊という課題に直面するなかで、さまざまな産業分野で〈ネイチャーポジティブ〉への意識が高まっている。
本書は〈ネイチャーポジティブ〉とは何を意味するのかを多様な視点から解説するとともに、それを実現するために必要な取り組み、その実現可能性、そして何よりも、それがなぜ「今」不可欠な行動なのかを明らかにする。
自然を守り、人類の安全な未来を築きたいと願うすべての人にとって、必読の一冊。
環境白書、循環型社会白書及び生物多様性白書の三つの白書は、法律に基づきそれぞれ国会へ提出する年次報告書です。
環境問題の全体像を分かりやすく示すために、三つの白書を合わせて編集し、一つの白書としてまとめています。
■ 令和8年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書のポイント
【循環経済(サーキュラーエコノミー)で日本列島を強く豊かに】
環境政策の目的は、環境負荷を低減すること自体にとどまりません。人々の安全・安心を守り、将来世代を含む全ての世代にとって豊かな暮らしとウェルビーイングを実現していくことにあります。気候変動や資源制約、生態系の劣化といった環境課題が、私たちの社会や経済、日々の暮らしに影響を及ぼす中で、環境政策は、社会全体の持続可能性を支える基盤として重要性を高めています。循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行は新たな成長につながるものです。世界的に資源の獲得競争が激しさを増す中、天然資源への依存を低減し、再生資源を質・量・コストの面で安定的に確保していくことは、環境保全にとどまらず、経済安全保障や産業競争力、地域の持続性を確保する上でも不可欠です。循環経済は、脱炭素や自然環境の保全・再生といった他の環境施策を支える土台であり、経済社会の構造そのものを変革する鍵となります。循環経済、炭素中立、自然再興を連携しながら統合的に進めることで、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
本白書では、こうした視点から、「循環経済(サーキュラーエコノミー)で日本列島を強く豊かに」をテーマに、昨今の環境の状況、施策等を交えて概説しています。(省庁HPニュースリリースより抜粋)
4巻は、性や障がい、民族など、わたしたちの社会にある多様性についてわかりやすく解説。社会のなかで多数を占めるマジョリティと少数のマイノリティの間にある差別や不平等をなくすにはどうすればいいのか? だれもが生きやすい社会に変えていくためのヒントがつまったシリーズ最終巻。
憲法学の基層から、根源的な権利を追求し続けた、憲法研究者としての50年にわたる軌跡の集大成。憲法・比較憲法・ジェンダー法学など広範な著作をテーマ別に編集。第6巻は、日仏憲法原理の比較から「ブルジョア革命論」や「女性人権史」の学問領域を構築し、「新しい人権」を標榜。
★自分の性に関することを自分で決めるために!
授業で使える新しい性教育ワークブック!
心も体も成長する中高生は、自分のからだに悩んだり、異性との付き合い方に悩んだりする時期です。一方インターネットには性の情報が氾濫しており、そのなかには誤った知識も多くあります。簡単に人とつながることができるSNSによって、子どもが大人による性被害を受ける事件もあとをたちません。そのような現代の中高生に対し、自身が性教育をほとんど受けていない教員や保護者も、どう教えていいかとまどうことも多いと思います。
本書は、性のことについて悩む中高生自身が、正しい知識を身につけ、性の多様性を理解し、自分のからだのことを大切にすることができるようになることを目指した、新しい性教育のためのワークブックです。
■この本の特長
・項目ごとに教員向け・保護者向けの「伝え方のポイント」を掲載
・学年や年齢に応じてそれぞれに必要な項目を選んで使うことができる
・生徒自身が調べ、話し合いながら学べる書き込み式
・先生、生徒が具体的に話し合う場面をイラスト付きで紹介
・「Q&A」「コラム」を豊富に掲載
はじめに
本書の使い方(教員と保護者向け)
本書の使い方(生徒向け)
第1 章 性の多様性とジェンダー
1 「性」をどうとらえるか:「セクシュアリティ」って何だろう?
2 「人間の性」を照らす5本のスポットライト:性の多様性を考える
3 「人間は多様」「性も多様」これは当たり前:LGBTQ、SOGIE とは?
4 日本語ではどちらも「性」だけど……:ジェンダーとセックス
5 「男女平等」のさらに先がある?:ジェンダー平等とは?
6 「男らしさ」「女らしさ」って誰が決めるの?:ジェンダーステレオタイプとは?
7 「からだ」をめぐる情報を見つめ直す:メディアやネット情報とコンプレックス、ルッキズム
第2 章 人間関係と性
1 人間関係を振り返ってみよう:どんな人間関係から何を得てきただろうか
2 人間関係が生み出すプラスとマイナス:それを分ける要因を考える
3 「よりよい人間関係」をつくるために:大切にすべきことって何だろう?
4 友だち関係と性:ピアプレッシャーって?
5 家族も多様:世界にはどんな家族の姿があるんだろう
6 「付き合い」をめぐって:恋愛に正解や定義はあるか?
7 恋愛だとおちいってしまう「カン違い」とは?:デートDV を考える
第3 章 からだの権利と安全の確保
1 性的な関係もいろいろ:人間はどういう理由で性的な関係をもつのか?
2 「からだの権利」って?:どんなことが守られるのかを知ろう
3 暴力ってなんだろう?:暴力は人から何を奪うのか
4 性暴力と性的行為:その違いはどんなことか考えてみよう
5 法律と性:未成年者の性的行為、性交同意年齢、性犯罪
6 SNS と性:実際のケースから気をつけるべきことを考えよう
7 友だちに性のことで相談されたら?: 相談することの大切さ
困ったときの相談窓口
料理を通じSDGsを実践するレシピ本。3巻目は多様性がテーマ。イスラム教徒の食事を知る「ハラルレシピ」、アレルギー体質の人の食事を知る「アレルゲンフリーレシピ」、だれもが作りやすい「バリアフリーレシピ」を紹介。
1.料理を通して多様性を学ぼう! 2.イスラム教徒の食べものを知ろう!ハラルレシピ 2-1.大豆のお肉のオムライス 2-2.とりそぼろサラダどん 2-3.パッタイ風焼きうどん 2-4.大豆とツナのナゲット風 2-5.バナナパンプディング 3.どんなものを選べばいいの?貼れるレシピに使える食材 4.特定原材料7品目を使わない!アレルゲンフリーレシピ 4-1.炊飯器でカオマンガイ 4-2.雑穀米の豚しゅうまい 4-3.豆乳のコーンポタージュ 4-4.鮭とじゃがいもの青のり焼き 4-5.ミニスイートポテト 5.加工食品も食べられるものが増えてきた!アレルギー対応食品 6.作る人の多様性にも注目!バリアフリーレシピ 6-1.かんたんチーズパン 6-2.ツナの冷製スープ 6-3.ちぎりキャベツの無限サラダ 6-4.もやしのごまだれ豚しゃぶ 6-5.ツナコーンバターしょうゆパスタ 7.どうすればつくりやすい?バリアフリー調理を考えよう 8.料理のきほん
どんな人も排除せず、ともに支え合う共生社会の実現に貢献する人材育成の観点から、男女共同参画、インクルーシブ教育など多分野の専門家により編まれた初学者向けテキスト。
第1章 共生社会(ソーシャル・インクルージョン)とは
コラム 相模原障がい者施設殺傷事件(津久井やまゆり園事件)
コラム 共生社会実現への第一歩を踏み出す
第2章 我が国における地域共生社会の展開
コラム 地域共生社会と災害ーー「日常」と「非日常」の連続性を考える
第3章 子どもの相対的貧困、シングル・マザー就労支援
コラム 情報デバイドとフィランソロピー
第4章 高齢者福祉と共生社会
コラム 認知症とともに生きる人と介護者にやさしい社会に向けて
第5章 障害児・者の心理・福祉・教育と共生社会
コラム 障害者支援室とは?
第6章 多文化共生の過去と現在
第7章 男女共同参画と共生社会(ジェンダー平等)
コラム ジェンダー・ダイバーシティ
第8章 共生社会学の予見的考察
コラム 実証研究の構成と方法
第9章 インクルーシブ教育の実践(幼児期について)
コラム インクルーシブ保育幼稚園からのメッセージ
第10章 インクルーシブ教育の実践(小学校・中学校・義務教育学校)
コラム 「市民科」とインクルーシブ教育
第11章 インクルーシブ教育の実践(特別支援教育)
コラム 授業のユニバーサルデザイン
第12章 基礎教育保障と共生社会
コラム 映像で伝える夜間中学の存在意義ーードキュメンタリー映画「こんばんは2」
第13章 地域共生社会へのコミュニティ心理学的アプローチ
コラム 支援者の「共生」をどのように考えるか
「神経多様性 ニューロダイバーシティ」をテーマにした1冊。
「ニューロダイバーシティ」とは、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)など、発達障害を神経や脳の違いによる「個性」や「能力」だとする概念のこと。
日本語では、「脳の多様性」あるいは「神経多様性」などと訳されます。
発達障がいの研究と支援は日々進んでいます。
ピカソ(ADHD)、ゴッホ(アスペルガー症候群)、マイケル・フェルプス(ADHD)、トム・クルーズ(ディスレクシア)は特別な能力の持ち主として有名です。
その特性を知って、社会で活躍する場を作るよう教育現場では改革が進んでいます。
近年,土地利用変化,生物の直接利用,気候変動,環境汚染,外来種の移入など,人間活動に起因する生物多様性の急速な損失が世界的な課題となっている.
こうした状況のもと,ネイチャーポジティブ社会の実現に向けて,編著者らは自然生態系を対象とする新たなライフサイクル評価手法である「ネイチャーフットプリント」を開発した.
この手法は,ライフサイクルアセスメント(LCA)と日本発の影響評価手法LIMEを基盤としつつ,地域解像度や評価範囲,評価指標に関する従来手法の課題を克服し,生物多様性と生態系サービスへの影響をバリューチェーン全体で定量的に評価する.これにより,企業の自然関連情報開示や投融資判断,経営戦略の策定のほか,環境政策の立案や評価への活用が見込まれる.
本書は,ネイチャーフットプリントの考え方から評価枠組み,実務適用事例までを体系的に解説し,ネイチャーポジティブ実現に向けた実践的な指針を示している.
第一部 ネイチャーフットプリントの概要
第1章 背景
1.1 社会背景
1.2 ライフサイクルアセスメント
1.3 LIME
参考文献
第2章 ネイチャーフットプリントの概要
2.1 ネイチャーフットプリントの枠組みと原則
2.2 影響評価手法の枠組み
2.3 他の手法や評価枠組みとの関係
参考文献
第二部 被害評価手法
第1章 気候変動
1.1 背景
1.2 既存研究
1.3 評価の方針
1.4 評価方法と結果
1.5 利用方法
参考文献
第2章 土地利用
2.1 背景・既存研究
2.2 評価の方針
2.3 評価方法と結果
2.3.1 生物多様性
2.3.2 生態系サービス
2.4 利用方法
参考文献
第3章 水消費
3.1 背景・既存研究
3.2 評価の方針
3.3 評価方法と結果
3.4 利用方法
参考文献
第4章 資源消費
4.1 背景・既存研究
4.2 評価の方針
4.3 評価方法と結果
4.3.1 生物多様性
4.3.2 生態系サービス
4.4 利用方法
4.5 消費指数
参考文献
第5章 富栄養化
5.1 背景・既存研究
5.2 評価の方針
5.3 評価方法と結果
5.3.1 陸域生態系
参考文献
第三部 経済評価手法
第1章 経済評価手法
1.1 はじめに
1.2 環境価値評価手法の分類
1.3 コンジョイント分析
1.4 コンジョイント分析の統計モデル
1.5 部分プロファイル選択実験
1.6 おわりに
参考文献
第2章 生態系サービスの経済評価
2.1 調査票のデザイン
2.2 調査の手順
2.3 解析結果
2.4 議論
参考文献
第3章 生物多様性フットプリントの経済評価
3.1 概要
3.2 実施方法
第四部 活用と今後の展望
第1章 評価事例
1.1 産業連関表を用いた評価
1.2 事業活動を対象とした評価
1.3 企業による事例評価
第2章 ソフトウェアへの実装
2.1 Simaproへの実装
2.2 MiLCAへの実装
第3章 今後の展望
3.1 金融機関による活用の展望
3.2 まとめと今後の展望
付録 被害係数リスト
付録 統合化係数リスト
自然界を彩る色素の中で、カロテノイドが占める割合は多く、多種多様である。植物の光合成や動物の視覚に必要不可欠であるほか、抗酸化、抗腫瘍、免疫の賦活化など、さまざまな機能が注目されており、現在まで、天然から850 種以上のカロテノイドが見つかっている。
本書は、動物、植物、微生物等におけるカロテノイドのさまざまな機能と生理活性を中心に、生合成経路とその遺伝子・酵素、存在状態、基礎的な反応機構、天然での分布、分離・分析方法まで、カロテノイド全般をわかりやすく紹介する入門書である。
本書に出てくるカロテノイドにはすべて統一番号を記し、巻末にその名称と構造式を一覧にすることで読者が使いやすいように配慮した。また、半体系的命名法やおもなカロテノイドの吸収スペクトル、参考書籍など、付録も充実させた。
増補版では、初版刊行以降の研究の進展などを約100 ページにまとめて巻末に掲載して増補し、目次や各種の索引なども全面的に作りかえた。
1.カロテノイド
2.植物における機能と生理活性
3.動物における機能と生理活性
4.生合成経路とその遺伝子
5.分離・分析方法
猫たちの世話をし、買い物帰りにビールを飲んで、
タヌキと闘い、たまにお客に料理を振る舞う。
そんな女将の胸の内。
独特な味覚の父や女王様のような母を懐かしみ、おかしなルールやお上に怒り、美味しいものを作り続ける……。“人外魔境”より再び届いた、「真っ当な食、真っ当な命」をめぐるエッセイ。
『猫屋台』は赤字上等の道楽仕事。
料理に“愛”があり過ぎたのかもしれない。
50年以上通い続ける実家のような民宿の“メシマズ問題”の解決。安いお店のおひとり様でも、守らなければならない“お行儀”。38年前の阪神優勝祝勝会でのほぼ“遺影”となった記念写真。ネパールの空港で思い知った「食うことは、信教にも勝る」ということ。猫のために開け放した家に上がり込む、タヌキとの合戦。
美味しさとユーモアと、憤りと懐かしさに満ちた、食エッセイ。
特集:ウミウシの多様性と進化 -貝殻の退化がもたらした多様な形態と生態
本特集では,巻貝の革命児,ウミウシの多様性と,したたかな生きざまの一端を紹介する。
巻貝の仲間でありながら殻がない,あっても小さかったり体内に埋もれていたりと,身を守る“鎧”を持たないウミウシたち。
かつてウミウシたちは,後鰓類とよばれる,巻貝類(腹足類)の一大グループを成すと考えられていた。
しかし,分子系統学的研究の進展により,ウミウシにはいくつかの異なる系統のものがいることが明らかになった。
貝殻に頼らない生き方を選んだウミウシたちはどんな進化を遂げてきたか?その過程でどんなことができるようになったか?
ウミウシの進化と系統分類から,各環境での多様性と出現傾向,様々な生存戦略(摂餌生態(専食性),化学防御,盗葉緑体現象,種分化と共生),さらに“泳ぐウミウシ”クリオネに迫る温暖化と海洋酸性化の脅威まで,各研究者たちが巻頭グラビア付きで紹介・解説する。
ほか各連載も必見(「高校生物・ワクワク宣言!!」「実験観察の勘どころ」「植物を集める!! 」「日本列島の多様な淡水生物 その進化と保全」「フォトコンテスト 生物科学学会連合」)。
◎巻頭グラビア
1.沖縄のウミウシ
II.ウミウシクイズ -私はどこ?
3.ただいまお食事中
◎特集:ウミウシの多様性と進化 -貝殻の退化がもたらした多様な形態と生態
総論.ウミウシの進化と系統分類
福田 宏(岡山大学)/平野 弥生(千葉県立中央博物館分館 海の博物館)
1.さまざまなウミウシ,さまざまな暮らし -生息環境から読み解く多様性と出現傾向
柏尾 翔(きしわだ自然資料館)
2.ウミウシの摂餌生態 -専食性に見る生存戦略
西田 和記(鹿児島大学)
3.アメフラシ類の化学防御 -Aplysia californicaのインクとオパリン
神尾 道也(東京海洋大学)
4.葉緑体を飼うウミウシたち -盗葉緑体現象の分子的基盤を探る
前田 太郎(慶應義塾大学)
5.ムカデミノウミウシの多様性 -種分化と共生の研究最前線
依藤 実樹子(新潟大学)/溝端 秀彬(東京大学)
6. 見えない閾値が海を変える:クリオネが告げる温暖化・酸性化の連鎖崩壊 -泳ぐ“ウミウシ”, クリオネにも忍び寄る地球温暖化の脅威
山崎 友資(公益財団法人 東洋食品研究所)
◎連載
高校生物・ワクワク宣言!!
立川高校生物部のゆかいな仲間たち -好奇心を形にする探究活動
田中 菜月(東京都立立川高等学校)
実験観察の勘どころ
泥付き野菜で日本各地の細胞性粘菌を調査 -簡易な種株の入手と同定
細野 春宏(放送大学)
植物を集める!!
[第25回]ユリノキ
長田 敏行(東京大学名誉教授・法政大学名誉教授)
日本列島の多様な淡水生物 その進化と保全
[第15回]富山市ファミリーパーク地内に生息するホクリクサンショウウオの保全および普及啓発活動 -地域と連携した保全活動を目指して
森 大輔/加藤 朋美(富山市ファミリーパーク)
フォトコンテスト
生物科学学会連合「第7回 生きものの“つぶやき ”フォトコンテスト」 -審査結果(5)