学問は現実に対してますます力を失い、衰退に拍車がかかっている。「知の芸能化」や「専門主義化」を克服するにはどうすべきか。その処方箋として、普遍性の追求と同時に「故郷」を持つことの大切さを、自身の研究体験を紹介しながら提言する。
世の中に流布している漢字の字源説の中にも、実は誤りが少なくない。それでは、「正しい」字源とは何なのか。どうすればそこに到達できるのだろうか。『説文解字』から白川静・藤堂明保まで、従来の字源研究を批判的に継承しながら、近年整理されつつある資料の活用と、科学的な方法論によって得られた最先端の成果を平易に紹介する。漢字の原点に関心を持つすべての人に送る新世代の入門書。
災害の進化に“みんな”と立ち向かう。いつかくる想定外にそなえて、いまできることを。
2013年の災害対策基本法の改正に伴い、地域コミュニティ内で住民や事業者が自発的に行う防災活動=「地区防災計画」が法制化されました(2014年4月より施行)。これにより、市町村内の小学校区や複合商業施設、マンション一棟といった単位で防災計画を作成し、市町村防災会議に提案できるようになりました。現時点(2022年1月)で、地区防災計画の策定に向けて活動中のコミュニティは5,000地区にのぼります。
本書では、「地区防災計画制度」の法制化に関わった著者たちが、制度の仕組みと実践にあたってのノウハウを紹介。地域コミュニティに減災・防災を実装するための「共助」を活かしたまちづくりとはーー。日本全国のモデル事例も多数掲載。
第1部 基礎編ー制度と考え方ー
第1章 地区防災計画の必要性と方向性ーー「自助、共助、公助」を乗り越えて
第2章 地区防災計画制度創設の背景とその趣旨
第3章 地区防災計画ーー7つの誤解と7つのホント
第2部 実践編ープラクティスとノウハウー
第4章 まちづくりと地区防災計画
第5章 都市コミュニティの防災活動と地区防災計画づくり
第6章 復興と地区防災計画
第7章 コロナ禍での地区防災計画
【コラム】まつりがいい/県境を越えちゃった/これが「ギリギリの共助」だ/地元企業が避難先!/
あの時計台ビルもやってます!/水害に襲われたとき/リモート防災術
【付 録】地区防災計画実践MAP/地区防災計画づくりに関するQ&A、主な参考文献等
馬という字からはタテガミをなびかせ走るウマの姿が見えてくる。しかし犬からイヌを、象からゾウの姿を想像することは難しい。漢字がもつ四千年の歴史は、捨象と洗練と普及の歴史である。
本書ではそうした漢字の変遷が一目でわかる字形表を用いることで、祭祀や農耕など中国社会の変化の軌跡をたどる。字形の多様さから古代の人々の営為を読み取れば、私たちの社会の成り立ちも自ずと浮かび上がってくるだろう。
民主主義を信じるほど、不幸になっていく。憲法論争、安保法制、無差別テロ、トランプ現象……戦後70年であふれだすのは、民主主義の欺瞞と醜態である。国家を蝕む最大の元凶を、稀代の思想家が鋭く衝く。
目次:第1章 淡墨表現とは?第2章 淡墨表現のテクニック 第3章 淡墨作品を書く 第4章 さまざまな淡墨表現 第5章 淡墨表現の豆知識
日本的精神の核心を衝く! 知的興奮あふれる13章!世の不条理、生きる悲哀やさだめを考え抜き、無類の思想を生んだ稀代の哲人。自分であって自分でなくする「無私」とは? 日本一“難解”な哲学を碩学が柔かく読み解く。
「特集」に佐伯啓思「日本人とは何なのか」、松岡正剛「日本の中のデーモンとゴースト」、
前田英樹「われらの土地に名のあること」、黒鉄ヒロシ「類を見ない不思議の国」、
與那覇潤「﹁お母さま﹂としての天皇」などの渾身の傑作論考、そして一般論考でも、
論者の本領が遺憾なく発揮され、最終号10号にふさわしい内容になりました。
全方位人文誌『ひらく』は佐伯啓思 監修者。内外の社会の激動に晒されながらも、
人間の精神と心の真奥に迫るテーマ設定で「現代文明」というものの本質を
考えた、その精髄には常に「保守の精神」が横たわっています。
無縁社会の何が悪いのか。遁世も悪くない。「ポジティブ」がそんなに善いのか。格差是正なんて欺瞞だー。権利や豊かさや便利さを追求し「幸せになるべき」と刻苦勉励してきたはずの日本人が今、不幸の底に堕ちている。大震災、政権交代、「正義論」ブームなど近年の出来事を稀代の思想家が厳しく見つめた時、偽善の殻に包まれたこの国の正体が露わになる。柔らかい筆致の中に、日本人の禍福の真理が詰まった至高の啓蒙書。
脳腫瘍や脳血管障害、外傷、変性疾患、認知症、感染症、代謝性疾患、先天性疾患など脳神経内科・外科領域の疾患を臨床での遭遇頻度によって3段階に分類して掲載しています。
初めに紙面とWeb動画に掲載した症例情報と画像所見から診断名を想像して、実力を試してみましょう。
その後、疾患の疫学的な知識や画像診断のポイント、治療法と本文を読み進めることで、研修医レベルから専門医レベルまで段階を追って学習できます。
アメリカの金融破錠は、自由と民主主義の名の下に個人の飽くなき欲望を肯定し、グローバル化を強引に主導してきたアメリカ的価値の破錠でもあった。それに追随し、経済だけでなく政治、人心のあらゆる局面で崩壊の危機に瀕する日本。もはやアメリカとの決別なくして再生はありえない。今こそ、「私」ではなく「義」を、「覇権」ではなく「和」を是とする日本的価値を、精神の核に据え直すときなのだ。今日の危機に早くから警告を発してきた思想家があらためて問う「保守」という生き方。
アメリカに代表される大衆化した現代社会ーーその本質と問題点に鋭い批判の目を向ける。京都大学の「現代文明論」講義・完結編。
不良少年は優等生少女から目が離せなかった。彼女の マズそうな弁当に。クラス一の美少女・朝比奈亜梨沙がある日作ってきたマズそうな弁当に、高校生・牧誠也は一目惚れした。「朝比奈さんの弁当が食べたいから付き合ってほしい」──。徐々に交流を深めていった亜梨沙と誠也たち。けれど、どこか昏い影が日常に落ちているようで。そんな中、亜梨沙にアメリカ行きの話が持ちかけられて──。
切なくて、苦くて、愛しくて、美しい。青春物語、第二巻。
❶戦火が収まりを見せないロシアのウクライナ侵攻。
「ひらく」は、テレビやマスコミに氾濫しているロシア軍の戦略やプーチン政権内部の表層的な解説とは一味違います。
ロシア人の心の奥底に迫り、文明論・文化論から「ロシアの本質」を感じていただくために、「3つの論文とインタビュー」を揃えました。
若手の女性研究家で注目されている浜由樹子さん。
2024年で引退することを表明した日本を代表する指揮者である井上道義さん。
いずれもロシア人の本質に迫る素晴らしい内容です。
❷《保守の精神》は、佐伯啓思と大澤真幸が縦横に語る、痛みと懐かしさに包まれた対話篇で始まります。「保守の心」を巡る、誰もが納得する日本文化論です。
他に、日本古典の大家・三浦佑之。
アメリカ保守思想に通暁する会田弘継。切れ味鋭い論説が人気の中野剛志など、今を生きる内外の保守思想のあり方を、分かりやすく読み解きます。
❸本目の特集は、「ロシア帝国の美術」。
ロシア美術研究の第一人者、籾山昌夫さんによる、おそらく初の本格的なロシア美術史論考のお目見えであると自負します。
大地と宗教に裏打ちされたロシア人の美意識と、ロシア絵画の美しさの本質に迫ります。
この他、一般論考には面白く楽しい作品を並べてあります。
・片岡義男さんの「僕の戦後」は、昭和史の傑作。
・荒川洋治さんの「初期の『新世界』」は、芥川賞論として読める優れた文学論です。
・広井良典さんの「『火の鳥』2022」は、画期的な日本文化論の野心作。
・吉岡 洋さんの「美学のアップデート」は、いつもながらエスプリ溢れる語り口に惹き込まれます。
・イザベラ・ディオニシオさんの「日本文学の恋模様」は、日本文学を愛してやまない研究家による軽妙なエッセイ。イタリア女性にいにしえの日本人男女の恋はどう映るのでしょう。太鼓判の一編です。
西洋古典学研究の一歩がここにある
専門的な思考へと導く論集
<名無し>はあなたの隣にいるーー。
「朝日新聞デジタル」大反響連載、待望の書籍化!
全米で急拡大し日本でも広がりつつある「Qアノン」。
その黒幕“Q”とは何者なのか?
朝日新聞記者が約1年をかけて関係者に取材を重ね、知られざる姿に迫り、
陰謀論が蝕む社会を浮き彫りした衝撃のルポ!
プロローグ
第1章 生まれる
第2章 信じる
第3章 追う
第4章 悔いる
第5章 闘う
第6章 広がる
終章 再び、追う
エピローグ
[特集]日本人と信仰する心
仏教・八百万の神・天皇、日本人の奥底に息づく生と死の古層を探る
[特別鼎談]斎藤幸平×佐伯啓思
対極の論者が、時代を撃つ「資本主義」への異論のススメ
[特別鼎談]多和田葉子×岡田利規×塩田千春
小説家、演劇作家、アーティストの世界的に活躍する3人が、「恐れを形にする」というテーマで語りあう。
[巻頭アートシーン]世界的デザイナー、廣川玉枝が見つめる「皮膚のデザイン」とは
マドンナやレディー・ガガといった世界的著名人に衣装を提供した経験がありながらも、
あえてファッションデザイナーという呼称を避け、デザイナーと名乗って活躍する廣川玉枝。
[巻頭言]佐伯啓思
[巻頭アートシーン]
世界的デザイナー、
廣川玉枝が見つめる「皮膚のデザイン」とは インタビュアー=林信行
[特集]
日本人と信仰する心
[特集論考]
佐伯啓思 仏教と日本人の信仰心
佐藤弘夫 わたしたちの周囲にある小さなカミの眼差し
前田英樹 命に信仰の宿ること
三浦佑之 稗史『古事記』と正史『日本書』
大澤真幸 「“空気”の“空気”」を超えて
[特別対談]対極の論者が、時代を撃つ
斎藤幸平×佐伯啓思 「資本主義」への異論のススメ
[アート]
籾山昌夫 ロシア帝国の美術❷
[寄稿]
村上康文 mRNAワクチン接種は科学的に見直すべき
河崎 環 “青髭公”ジャニー喜多川の秘密の城
会田弘継 E・マクレランと江藤淳の『こころ』
泉 麻人 石立鉄男という人生
前田速夫 読むことは、書くこと
イザベラ・ディオニシオ 逍遥する日本文学
[特別鼎談]
多和田葉子×岡田利規×塩田千春 Shaping y/our fears 構成=押金純士
[アート]
松竹京子 私と小早川秋聲
[音楽対談]
岡田暁生×新保祐司 クラシック音楽は、賞味期限切れなのか
[論考]
末木文美士 世俗/カルト/霊性
長谷川三千子 道元を読む㊈
片岡義男 僕の戦後 その3
荒川洋治 いまも流れる最上川
苅谷剛彦 「大衆化」した大学と「中流」のゆくえ
吉岡 洋 美学のアップデート その6
先崎彰容 本居宣長の世紀㊇
平川祐弘 日本近代の歴史思想 第㊃回
[書評]
小田原慎治 努力の実現 荒川洋治著『文庫の読書』
[コラム]
寺下滝郎 トラジック・リアリズム
大畑峰幸 バイロイト音楽祭の二人の巨匠
芦澤泰偉 デザイン修行は味噌汁作り
赤津孝夫 日本列島の自然