「ジェンダード・イノベーション」とは、男女のステレオタイプに陥ることなく性差を知的創造と技術革新に組み込んでいくことで、新たな開発や発見を実現するという概念である。世界的な大きな広がりをもって推進されつつあるジェンダード・イノベーションの本邦初の入門書。
・2020年にはじめて報告されたVEXAS症候群。加齢に伴い造血幹細胞に生じるUBA1遺伝子の後天的変異に起因する中高年男性の疾患で、炎症性疾患と血液疾患の両側面をあわせ持つことが特徴である。
・診断基準や標準治療法は確立の途上にある。また、臨床症状が極めて多彩で、複数の診療科での対応を要する場合も少なくない。臨床上の課題は多いが、国内ではAMEDや厚生労働省研究班による支援のもと基礎研究と診断基盤整備が進展し、国際的にも診療ガイドライン策定や治療薬開発への機運が高まっている。
・本特集では、疫学、病態、臨床症状、遺伝子検査、治療法の最新知見を解説する。診療の一助となる、VEXAS症候群診療の最前線がここに凝縮。
■知っておきたいVEXAS症候群ーー早期診断と治療
・はじめに
・VEXAS症候群の病態
〔key word〕後天性体細胞変異、自己炎症症候群、ユビキチン化、小胞体ストレス応答(UPR)、プログラム細胞死
・VEXAS症候群の遺伝学ーー現在の視点
〔key word〕VEXAS症候群、UBA1遺伝子、体細胞モザイク、自己炎症性疾患、遺伝学的検査
・VEXAS症候群の疫学とレジストリ研究
〔key word〕VEXAS症候群、疫学、レジストリ研究
・VEXAS症候群の皮膚症状
〔key word〕皮膚症状、好中球性皮膚症、血管炎、再発性多発軟骨炎(RP)、皮膚病理
・VEXAS症候群の呼吸器病変と鑑別
〔key word〕胸部陰影、副腎皮質ステロイド、感染症
・VEXAS症候群における免疫不全と感染症リスク
〔key word〕VEXAS症候群、免疫不全、感染症、細胞死
・VEXAS症候群の血管病変と関節病変
〔key word〕VEXAS症候群、血管炎、関節炎
・VEXAS症候群と鑑別すべき疾患
〔key word〕VEXAS症候群、関連疾患、鑑別疾患、UBA1遺伝子バリアント
●TOPICS 癌・腫瘍学
・原発不明がんに対する治療の最新の話題
●TOPICS 脳神経外科学
・外科治療が適応となる認知症ーー特発性正常圧水頭症に対するシャント手術
●連載 自己指向性免疫学の新展開ーー生体防御における自己認識の功罪(30)
・自然免疫応答における自己・非自己RNAの認識
〔key word〕ウイルス、自然免疫応答、cGAS-STING経路、RIG-I様受容体(RLR)
●連載 細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望ーー臨床への展開(16)
・歯根膜由来間葉系幹細胞シートを用いた歯周組織の再生
〔key word〕歯周組織再生、細胞シート、間葉系細胞
●連載 ケースから学ぶ臨床倫理推論(7)
・自殺企図患者
〔key word〕治療拒否、質的無益性、一貫性の検討
●FORUM 病院建築への誘いーー医療者と病院建築のかかわりを考える
・特別編ーー建築からみる周産期母子医療施設
●連載 司法精神医学への招待ーー精神医学と法律の接点(2)
・法的処遇の分岐点における精神科医の関わり
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
差別や偏見の目で見られがちな現象が、動物行動学のアプローチでウソをつくことも、ごまかすこともなく説明できる!
トランスジェンダーとはどのような人たちなのか。
性別を変えるには何をしなければならないのか。
トランスの人たちはどのような差別に苦しめられているのか。
そして、この社会には何が求められているのか。
これまで「LGBT」と一括りにされることが多かった「T=トランスジェンダー」について、さまざまなデータを用いて現状を明らかにすると共に、医療や法律をはじめその全体像をつかむことのできる、本邦初の入門書となる。
トランスジェンダーについて知りたい当事者およびその力になりたい人が、最初に手にしたい一冊。
◆目次◆
第1章 トランスジェンダーとは?
第2章 性別移行
第3章 差別
第4章 医療と健康
第5章 法律
第6章 フェミニズムと男性学
◆著者略歴◆
周司あきら(しゅうじ あきら)
主夫、作家。著書に『トランス男性による トランスジェンダー男性学』、共著に『埋没した世界 トランスジェンダーふたりの往復書簡』。
高井ゆと里(たかい ゆとり)
倫理学者、群馬大学准教授。訳書にショーン・フェイ『トランスジェンダー問題 議論は正義のために』、著書に『ハイデガー 世界内存在を生きる』。
アメリカで流行の“男の生き方革命”。京大・大阪大etc「男性学」講義に学生殺到!全国の市民講座で熟年男女に大人気!!初の決定版入門書。
『ハーバード・ビジネス・レビュー』100年の歴史を踏まえ、「これからの100年」を生き抜くための普遍的な論点を提示
大学・大学院など高等教育機関における理系分野の女性学生の割合は、OECD諸国で日本が最下位。女子生徒の理科・数学の成績は世界でもトップクラスなのに、なぜ理系を選択しないのか。そこには本人の意志以外の、何かほかの要因が働いているのではないかーー緻密なデータ分析から明らかになったのは、「男女平等意識」の低さや「女性は知的でないほうがいい」という社会風土が「見えない壁」となって、女性の理系選択を阻んでいるという現実だった。日本の男女格差の一側面を浮彫りにして一石を投じる、注目の研究報告。
夫婦関係、子育て、兄弟ガチャ、離婚、出世、学歴、お金…
現代人の“幸せ”を経済学でひも解いたら、浮かび上がってきたのは驚きの事実だった!
最新のエビデンスで“幸せの正体”を科学する‼
幸せな人と不幸な人は、何がちがうのか?
「幸せ」は人によっても感じ方が違う主観的、抽象的な概念なので、かつては哲学や倫理学、心理学の研究対象でした。しかし、近年は新たな分析手法が次々に開発されて、経済学の観点から新たな研究結果がこの30年間に次々と発表されています。
しかし、研究でわかった“幸せの正体”は、直視しがたいショッキングなものでした。
・子なし女性より子持ち女性のほうが幸福度は低い
・専業主婦より妻が管理職の夫のほうが幸福度が低い
・夫は妻より幸せになれない
・人生の「幸せのどん底」は48.3歳でやって来る
・経済成長すると子どもの幸福度は大幅に下がる
本書では、結婚や育児、きょうだい構成、出世、学歴といったライフステージごとに幸福度はどう変わるのかを、「幸福の経済学」のアプローチからデータ分析。気鋭の経済学者が、現代人の「幸せの正体」を最新エビデンスからひも解く1冊です。
【目次】
はじめに
序章 「幸せ」の測り方
第1章 幸せはお金で買えるのか──お金と幸せの経済学
・幸せは1000万円で頭打ち
・経済成長しても幸福度は上がらない
・経済成長すると子どもの幸福度は低下する
第2章 出世すると幸せになれるのか──仕事と幸せの経済学
・健康な人ほど昇進するがメンタルを病む
・管理職に昇進しても幸福度は上がらない
・妻が管理職だと夫の幸福度は低い
第3章 結婚したら幸せになれるのか──結婚と幸せの経済学
・独身男性の幸福度が最も低いワケ
・「妻が高学歴」だと世帯年収が低い
・自分より若い相手と結婚したほうが幸せ
第4章 「子どもがいる女性ほど幸福度が低い」のはなぜか──子育てと幸せの経済学
・子どものいる女性のほうが生活満足度が低い
・子どものいる高齢者は生活満足度が低い
・欧州でも「孫育て」でメンタルヘルスが悪化
第5章 離婚したら不幸せになるのか──離婚と幸せの経済学
・熟年離婚の男女間格差
・夫は妻より幸せになれない
・経済学でわかる「離婚しないタイプ」とは
第6章 「家族ガチャ」で人生は変わるのかーーきょうだい構成と幸せの経済学
・弟がいる長女vs妹がいる長女
・なぜブラザーペナルティが生じるのか?
・弟がいる長女の年収は16%低い
第7章 なぜ日本の男性は幸福度が低いのかーー男と女と幸せの経済学
・環境は改善しても幸福度が下がる“パラドックス〞‥
・日本では男性の幸福度が低下している
・幸福度が低いのは高齢未婚&子育て期の男性
第8章 「幸せのどん底」は何歳でやって来るのかーー年齢と幸せの経済学
・人生の中で幸福度が最低なのは48.3歳
・未婚の子との同居は高齢親の幸福度を下げる
・独居高齢の幸福度は、男性は低いが女性は高い
終章 経済学が導き出す「幸せの条件」とは
本物の社長になる人が、本当の自分を見つけ、自分軸で生きる方法『帝王学』を伝授!
西洋マーケティング的な一律の成功法則やマーケティングではなく、その人自身の個性を活かしたビジネス設計法、成功法を伝える。
そのため、2500年の歴史を持つ、東洋哲学である帝王学・陰陽五行論を現代ビジネスに応用し、自分の使命・才能・強み、そしてバイオリズムを知って、最適なビジネスを作り上げられる構成。
本書の総仕上げとして、魅力を付け周囲を動かしていくための帝王学の心得を丁寧に解説する。
女体とは、本来いかなる存在であるのか。オーガズムを与える手段・方策など男女間の問題・疑問を解かりやすく論述する。目から鱗モノの一冊。
本書の課題は、著者が鹿児島で6年間実験をした「女性学+男性学」ゼミを紹介することにより、1980年代末以降、わが国において活発化している女性学教育の実践に「ささやかな経験」を付け加えることである。古典的ゼミナール方式による文献講読から、ビデオ学習を取り入れた「女性学+男性学」の総合的な学習への変化・発展の中で、鹿児島における教育実践を紹介している。
科学の詩人・佐治博士とその主治医で男性医学の第一人者・堀江教授が、たがいの人生を語りながら、宇宙と人体の響きあいや現代医学の真実から、自信喪失した男性の新しい生き方など、みんなが元気になるヒントを探る。
ジェンダー化された存在としての男性とその男性性が、当事者によって、さらに多様に再検討されている。解放運動としての自己省察=メンズ・リブ、DVやさまざまな暴力への取り組み、ゲイムーブメント、学問領域における展開まで、フェミニズムのインパクトを受けて切り拓かれた、実践的再定義の数々を紹介する。
不妊治療の需要増加に伴い,生殖医療に携わる医療者のニーズも拡大している.本書ではそのような医療者にとって必須知識である「精子学」をごく易しく,包括的にまとめた.執筆陣は本領域に造詣が深く,最前線の現場で活躍するエキスパートばかり.単なる情報の羅列ではなく,実践につながる「使える知識」として身につくように解説されている.現場での思考力が深まる,精子学を学ぶうえで最初に手の取る本として最適な1冊だ.
その神話は いま、解体されるーー。
『クレイマー、クレイマー』などの人気映画にひそむ罠とは?
新進気鋭のアメリカ研究者が「イクメン」の文化的イメージを斬る!!
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日常のいたるところで濫用され、消費されている「イクメン」という表現。本書は、自身も子育て中のアメリカ研究者が「イクメン」という言葉そのものに疑義を抱くところから始まる。
日米の保育史と実情を比較するとともに、『クレイマー、クレイマー』や『幸せのちから』をはじめとした誰もが知る映画、雑誌、小説、ビジネス書など、「イクメン」がテーマの日米(英)作品の文化的イメージを分析。その言説が新自由主義と手を組んで「男性の育児」をあくまでビジネス的な観点から評価し、「女性の育児」と区別している事実に迫る。
2022年10月から改正育児・介護休業法により「産後パパ育休」が施行され、23年4月からは育児休業取得状況の公表が義務化。「イクメン」という言葉の流布から10年以上が経ち、再び注目されるキーワードになった今こそ、その意味を構造的に問いなおす。無批判に「イクメン」文化を受け入れてきた日本社会に対する、強烈なカウンターオピニオン!
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私はつねづね、「イクメン」という言葉に違和感を持っていた。
この言葉に込められた「育児をする男性は格好良い」という軽いニュアンスが、どうにも好きになれなかった。
(中略)私は「男性は育児をしなくてよい」と主張しているわけではない。
そうではなくて、「男性が育児をするだけでは不十分である」というのが本書の提起する論点のひとつである。
母親に比べて父親が育児を担う割合が大幅に少ないという日本の現状に鑑みれば、「イクメン」という言葉にはある種の存在意義があったかもしれない。
けれども、いつまでもその言葉に固執していると、見えなくなるものがあるのではないだろうか? (「はじめに」より)
【目次】
第一章 日本の父親は遅れている? 日英版『FQ』を比較する
第二章 アメリカの保育史
第三章 日本における保育と新自由主義
第四章 フレンチトーストの神話を解体する──『クレイマー、クレイマー』
第五章 見えない父親──『ミセス・ダウト』
第六章 黒人の父親と能力主義──『幸せのちから』
第七章 ビジネススキルとしての育児
第八章 ケアする男性、ケアされる男性
【著者プロフィール】
関口洋平(せきぐち・ようへい)
1980年生まれ。フェリス女学院大学文学部英語英米文学科助教。
東京大学大学院人文社会研究科にて修士号、ハワイ大学マノア校アメリカ研究科にて博士号を取得。東京都立大学人文社会学部英語圏文化論教室助教を経て現職。2018年、アメリカ学会斎藤眞賞受賞。専門はアメリカ研究。特に、アメリカ文化における家族の表象について研究している。本書が初の単著となる。
男のプライドと嫉妬はどこからくるのか? 男の話を女はどう受け止めればいいのか? 精神科医の著者が男女関係に鋭いメスを入れる。異性の本音はこんなところにあった!? 目から鱗の実用エッセイ。
人気講義「現代の差別を考える(女性学・男性学)」の12人の講師陣による,ジェンダー視点に立った学問・研究へと誘う入門書決定版.「ことば・アートとジェンダー」「家族と性をめぐる変動と挑戦」「ジェンダーから考える制度・構造」「グローバル社会のジェンダー」といった多岐にわたる断面から,基礎的な知識のみならず,その背後にある考え方や歴史,思想を習得するとともに,より深い考察に至ることができるよう構成されている.