ぴっちん、ぴっちん、ぽっつん、ぽっつん。いろんなあめのおとをききながら、ふたりはもりのなかであまやどり。
倒幕を志す坂本龍馬の仲介で薩摩藩と長州藩は協約を結ばんとしていたが、一件の凶事が締結を阻む。薩摩藩士が長州藩士を斬りつけ行方を晦ませたというのだ。事態を憂慮した龍馬の依頼で、若き尾張藩士・鹿野師光が調査に乗り出す。果たして下手人は、如何にして目撃者の眼前で逃げ場のない鳥居道から姿を消したのか。破格の評価を受けた『刀と傘』の前日を描く長編時代本格推理。
今日は雨降り。それでもぞうくんはごきげん。かばくんと一緒にお池の中を散歩します。ところがお池は深くなって、泳げないぞうくんは…。小学校初級向き絵本。
「勉強ができる」ことを、当たり前だと思っていた。東京の名門大学に入学したものの人生初の挫折に打ちひしがれていた僕は、一人旅のために始めたバイトで、金沢から来た大学生ユミと出会う。ユミが書いた一編の小説、旅中に携えていた数冊の本、そして彼女と目にした“あるもの”-。自尊心が傷つき、自分自身とうまく向き合えなかった僕を揺り動かしたものとは。遠く離れた地での青春が、次第に重なり合ってゆく。
ヤクザが営む少女売春シンジケート。東中野にある、援デリ。リー、美香、木村と暴力団の思惑が交差する場所で、物語は爆ぜた。新宿・歌舞伎町を舞台に、平成から令和にかけて鮮やかに描かれたリーたちの物語。その最終章でリーは因縁深い相手と激突し、相棒の純ちゃんも避けては通れなかった男と対峙する。「飛鳥クリニックは今日も雨」3部作、ここに完結。
2年におよぶ介護の末、母を亡くした名家の令嬢ベスは、財産がすっかりなくなってしまったことを知って愕然とする。相続した株のおかげで飢えることはないが、屋敷は手放すしかない。思い悩んでいたとき、ドアチャイムが鳴った。雨の中、立っていたのはその株を望む会社経営者ジュード。お嬢様育ちの彼女を毛嫌いしている、冷徹な男だ。母親の遺言によれば、ベスが彼と結婚しないかぎり、ジュードは株を手に入れることができないらしい。するとベスは突然、彼に抱き上げられ、屋敷に連れ去られた。
高1の花蓮は人の感情が色で見える。おかげで空気を読むのが得意で、本音を隠して周りに合わせてばかりいた。そんな中、何故か同級生の蒼空だけはその感情の色が見えず…。それに、自分と真逆で意思が強く、言いたいことをはっきり言う蒼空が苦手だった。しかし、本音が言えない息苦しさから花蓮を救ってくれたのは、そんな蒼空でー。「言いたいこと言わないで、苦しくならないのかよ」花蓮は蒼空の隣で本当の自分を見つけていく。そして、蒼空の感情だけが見えない理由とは…。その秘密、タイトルの意味に涙する。感動の恋愛小説。