なぜ、それが“物語・歴史”だったのだろうかー。おのれの胸にある磊塊を、全き孤独の奥底で果然と破砕し、みずからがみずから火をおこし、みずからの光を掲げる。人生的・文学的苦闘の中から、凛然として屹立する、“大いなる野性”坂口安吾の“物語・歴史小説世界”。
本書はトポロジーの入門書として、代数的トポロジーのうち、ホモトピー理論を、直観的に図を多用して易しく解説したものである。
現代の視点に立てば、ベクトル解析の主題は一般の座標変換で不変であるような解析学が展開できる数学的形式の確立とその応用にあろう。本書は微分形式を取り上げ、読者がそれによって立つ場所を一望できる地点に近づけるよう明快に解説。
処女作「風宴」の、青春の無為と高貴さの並存する風景。出世作「桜島」の、極限状況下の青春の精緻な心象風景。そして秀作「日の果て」。「桜島」「日の果て」と照応する毎日出版文化賞受賞の「幻化」。無気味で純粋な“生”の旋律を作家・梅崎春生の、戦後日本の文学を代表する作品群。
地下採石場跡の巨大な洞窟に、核シェルターの設備を造り上げた元カメラマン「モグラ」。“生きのびるための切符”を手に入れた三人の男女とモグラとの奇妙な共同生活が始まった。だが、洞窟に侵入者が現れた時、モグラの計画は崩れ始める。その上、便器に片足を吸い込まれ、身動きがとれなくなってしまったモグラはー。核時代の方舟に乗ることができる者は、誰なのか。現代文学の金字塔。
本書では、固有値問題を2次の行列の場合からはじめて、ヒルベルト空間上の作用素のスペクトル分解に至るまでの道を一気に描いてみた。
スポーツにおける走・跳・投などの基本的運動に焦点を絞り、現在までの科学的研究の到達点を明らかにするとともに、これからの研究の視点及び領域を示した意欲的なシリーズ。
本書の特徴は、統計的推測をていねいにわかりやすく説明し、初めて学ぶ読者にも抵抗なく理解できるようにしていることである。また統計的手法を実際の場面でどのように応用するかを、例を通して具体的に解説している。
民主主義が進展し、「群集」が歴史をうごかす時代となった十九世紀末、フランスの社会心理学者ギュスターヴ・ル・ボンは、心理学の視点に立って群集の心理を解明しようと試みた。フランス革命やナポレオンの出現などの史実に基づいて「群集心理」の特徴とその功罪を鋭く分析、付和雷同など未熟な精神に伴う群集の非合理的な行動に警告を発した。今日の社会心理学研究発展への道を開いた古典的名著。
せかいじゅうを、とびまわって、くたくたのピーマンマン。のんびりおふろにはいっていたら、かぜひきキンがやってきて、ピーマンマントを、ぬすんでいった。ぬれたからだのピーマンマンは、かぜをひいてしまった。そのうえ、マントはとりもどせないで、さあ、こまった。そのあいだ、バイキンたちはおおあばれ。ダイコン、ハクサイ、ニンジンと、やさいはみんなかぜをひいてしまう。さあ、ピーマンマン、かぜなんかにまけないで、げんきになってマントをとりかえせー。
本書は、家畜繁殖学の教科書、特に大学農学部の1、2年生、農業短期大学や農業大学校の学生諸君向きのわかりやすい教科書として書かれたものである。