大学・大学院など高等教育機関における理系分野の女性学生の割合は、OECD諸国で日本が最下位。女子生徒の理科・数学の成績は世界でもトップクラスなのに、なぜ理系を選択しないのか。そこには本人の意志以外の、何かほかの要因が働いているのではないかーー緻密なデータ分析から明らかになったのは、「男女平等意識」の低さや「女性は知的でないほうがいい」という社会風土が「見えない壁」となって、女性の理系選択を阻んでいるという現実だった。日本の男女格差の一側面を浮彫りにして一石を投じる、注目の研究報告。
第20回大佛次郎論壇賞受賞!
彼女たちはなぜ立ち上がるのか
活発化する保守運動に、ジェンダーの視点から迫る
「家族」「性差」を強調する保守に、その社会的抑圧を経験した女性が、なぜ合流するのか。 本書はその実態に、戦後の保守運動史、現代フェミニズム理論、保守派の言説分析、保守団体へのフィールドワークという四つの視点から迫ってゆく。女性による保守運動に内在するアンビバレンスを明らかにし、ジェンダー論にも新たな視角をもたらす社会学研究の力作。
「保守運動内において、女性参加者たちの独自の主張は必ずしもつねに認知されているわけではなく、他の男性参加者の声が優先され女性たちの声は埋もれてしまいがちである。しかし、これまで論じてきたように、保守運動の参加者のジェンダーに着目するならば保守運動は一枚岩ではないことが分かる。女性たちの保守運動は両義的な存在であり、他の男性中心団体や男性参加者と同じ主張を掲げる一方で、彼らと対立する側面も併せ持っているのである。」(本書より)
多くの関心を集めている学問分野の社会学。あらゆる方向に向かって触手を伸ばしつづけている現代の社会学の全貌を捉えるために、本書は見開き構成で簡潔明快にその基幹部分を解説していく。好評既刊の内容を最新情報にアップデートするとともに、より現代的テーマもとりあげて生きた社会学の現在を伝える。
男女平等は明治以後の日本にとって、変革を促す最も重要な原動力のひとつだった。第一次世界大戦後、男女の愛を社会的結合の基礎に置く政治思想が生まれた。戦後も男女平等はデモクラシーをおし進める役目を果たした。
政治思想史の展開を通じ先駆者たちの活動から読み解く。
第1章 ジェンダーと自己実現
第1節 ジェンダーと男女の不平等
第2節 男女共同参画の取り組み
第3節 自己実現とエンパワーメント
第2章 ジェンダーと性差別の構造
第1節 ジェンダーの歴史
第2節 女性解放の先駆者たち
/平塚らいてうー女性解放のテーマセッター
/女性史の孤高の開拓者ー高群逸枝と女性の性的自己決定権
第3章 ジェンダーと女性解放の動き
第1節 与謝野晶子が描いた市民社会
第2節 恋愛から家族と社会をとらえなおす
第3節 自発的な中間団体を起こすー羽仁もと子
第4章 男女平等からジェンダー平等へ
第1節 戦後民主主義と家族ロマンスー第一の文化変容
第2節 女性の自己実現
第3節 カウンター・カルチュアとウーマン・リブー第二の文化変容
第4節 ジェンダー平等の射程の長さー山川菊栄
第5節 女性の政治参画のたたかい
第6節 社会システムをつくるー働く女性のために 奥むめお
本書は、日本製造業の背骨ともいうべき中小・零細・超零細製造業の存立基盤・競争力・人的資源の変化および、サービス業の経営環境の変化と適応行動の解明を試みた尨大な調査結果を、討究に討究を重ねて再分析したものであり、中小企業・各種事業関係者にとり裨益するところ大きな書である。
国内外の気鋭の研究者が『BTSJ日本語自然会話コーパス』を分析。ポライトネスなどの点からコミュニケーションの解明をめざす。
■編者による紹介文
会話は、人間のコミュニケーションの原点である。本書は、国内外で活躍する気鋭の研究者が、世界最大規模の国立国語研究所『BTSJ日本語自然会話コーパス』という材料を、それぞれの観点と方法で自由に料理してコミュニケーションの解明に迫るというユニークな試みである。このコーパスは、「間」、「沈黙」、「発話の重なり」「笑い」など、語用論的分析に必須でありながら、多くのコーパスでは記されていない周辺言語情報も記述し、且つ、定性的分析だけでなく、定量的分析もできるように考案された「基本的な文字化の原則(BTSJ:Basic Transcription System for Japanese)」という文字起こし方法で記述されている。それによって、より細やかに、コミュニケーションの本質に迫っている。語用論的分析に適した『BTSJコーパス』の分析から得られた知見は、日本語教育における「会話教育」にも新しい息吹きを吹き込むものばかりである。語用論研究者だけでなく、日本語教育の研究者、実践者にも是非読んでもらいたい一冊である。
Xジェンダーとは、出生時に割り当てられた男性もしくは女性の性別のいずれかに二分された性の自覚をもたない人々を指します。性同一性障害、同性愛、トランスジェンダーなど多様な性自認や性指向がありますが、本書は、多様なセクシュアル・マイノリティのうち特にXジェンダーを取り上げ、Xジェンダーとは何かを様々な角度から紹介します。Xジェンダー当事者自助サークルのLabel Xを中心に、当事者や医者など多様な執筆陣が、日本独自の呼称であるXジェンダーについて、初心者向けに分かりやすく論じています。
水田宗子、尾形明子、岡野幸江、姜尚中、田代親世による白熱のシンポジウム。初恋・記憶・喪失のドラマ「冬のソナタ」から浮かび上がる日韓性差文化、家族、そして社会の変化。
ジェンダー・スタディーズとは、いろいろな学問領域で行われているジェンダー研究の総称です。
社会政策学、政治学、メディア学、コミュニケーション学、英文学、文化人類学……《ジェンダー》が学際的な教育・研究領域となった現在、ジェンダーの視点から個々の研究を再構築する横断的な試み。論考7篇を収載。
従来のクラシック音楽史が見落としてきた女性たちの豊かな音楽活動の歴史を、その実践がおこなわれた場ーー劇場・公開演奏会・学校・協会・家庭ーーに注目して史料から掘り起こす。女性たちによる音楽の営みを浮かび上がらせる、もう一つのクラシック音楽史。
はじめに 玉川裕子
[劇場]
第1章 ジェンダーの越境者カストラート 梅野りんこ
1 声の高低とジェンダー
2 カストラートとは何か
3 カストラートとオペラ
4 カストラートと女性歌手
5 カストラートとバロック
6 カストラートの衰退と終焉
7 ヨーロッパ社会におけるジェンダー意識の変化
[家庭]
第2章 家庭に鳴り響く音楽 玉川裕子
1 家庭で音楽を奏でる女性たち
2 ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル
3 日曜音楽会
4 改宗ユダヤの一族として
[公開演奏会]
第3章 女性職業音楽家の誕生 玉川裕子
1 十九世紀の女性職業音楽家
2 クララ・ヴィーク=シューマン
3 職業ピアニストとしてのクララ・ヴィーク=シューマン
4 クララ・ヴィーク=シューマンのレパートリー
5 サロンについて
6 公と私のあいだーークララ・ヴィーク=シューマンの場合
7 女性の音楽実践の場ーー十九世紀ドイツ市民社会の場合
[協会]
第4章 開かれた連帯ーー近代イギリスの「女性音楽家協会」 西阪多恵子
1 女性運動のさなかから
2 二十世紀初めのイギリスにおける女性の職業と音楽
3 女性音楽家協会の誕生
4 女性の連帯と男性との協力
5 第一次世界大戦下のSWM
6 音楽する人々のため、女性のため
7 女性の権利
8 その後ーーSWMと男性
コラム クララ・ヴィーク=シューマンに魅せられて 川嶋ひろ子
コラム ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼルへの愛 中田真理子
[学校]
第5章 日本の学校教育を支えた洋楽と女性 辻 浩美
1 音楽ーー女性の領域?
2 明治期の音楽教育事情
3 女学校の音楽教育
4 女性作曲家・松島彜の生涯
5 音楽家としての彜の生き方
[家庭]
第6章 女性と音楽のたしなみの日本近代 歌川光一
1 女性と音楽のたしなみの二十世紀
2 音楽のたしなみの実態
3 「家庭」の成立と「洋楽/邦楽」--明治後期から大正期のピアノ・三味線
4 たしなみの行方ーー昭和戦前期のピアノ・長唄
5 女性音楽家と女師匠ーー職業論からみる「洋楽/邦楽」
6 女性の音楽のたしなみと日本の近代化
コラム ガントレット恒の生き方をみるーーキリスト教受容と洋楽受容の側面から 市川啓子
コラム 平和と平等を願う女性作曲家たち 小林 緑
〈女性と音楽〉参考文献案内 市川啓子
あとがき 玉川裕子
男女共同参画社会をめざして。転換期に立つ現代社会をどう変えていくのか。ジェンダーに敏感な視点に立ち、現状のジェンダー・バイアス是正を目的とする、学際的かつ実践的な学問としてのジェンダー学からの考察。