50年後、記憶の扉を開けた女は……『鯨の岬』と北海道新聞文学賞受賞作『東陬遺事』。喪失と向き合う人々の凄絶な大地の物語2編。
母が皇族殺しの大罪を犯し、自身も母に斬りつけられ、心身に深い傷を負った皇子・高秀麒。そんな彼に皇太子妃候補・念玉兎が花嫁に志願してきた。実は密かに携わっていた刊行の仕事を続けたいためで!?
戦争の気配が増す中、革命の志士たちは…。
ついに憲法が制定され、新しい議員による立法議会が開幕。亡命貴族が巣食う諸外国への宣戦布告を求め、議会も民衆も主戦論に傾いてゆく。ロベスピエールが選んだ道は──。(解説/池上冬樹)
今から約1000年も前の平安時代、宮廷を舞台にした小説『源氏物語』を書いた女流文学者・紫式部の一生と、平安貴族たちの生活を紹介。
北海道に深く刻まれる歴史、文化、食。その魅力に迫る。豪華作家陣による、北の地が舞台の小説&エッセイからなるアンソロジー。
【収録作品】
「鉄道員」浅田次郎
「ニッポンぶらり旅 釧路」太田和彦
「頸、冷える」河﨑秋子)
「あったまきちゃう!/札幌冬の陣」北大路公子
「本日開店」桜木紫乃
「函館 「ラッキーピエロ」のハンバーガー」堂場瞬一
「雪は降る」馳星周
「旅すれば 乳濃いし」原田マハ
「四月の風見鶏」渡辺淳一
打倒平家! 源平合戦の実像に迫る歴史大作
奥州に身を寄せる弟・源義経と伊豆へ流人になっていた兄・頼朝。平家打倒に力を合わせる兄弟にはやがて埋めがたい溝が……。源平合戦の歴史像を塗り替えた、中山義秀文学賞受賞作。
怪異大好きの変人中将・宣能と、それに振り回される中流貴族の青年・宗孝。様々な奇跡が起こるという寺に参拝に訪れるのだが、まさかの騒動に巻き込まれ……。書き下ろし平安冒険小説、第4弾!
総力を結集して激突した南宋軍と金軍。岳飛は漢族の領土奪回に燃え、北進を続け、兀朮は南宋に進攻させた別働隊を活かし勝利を狙う。一方の梁山泊にも変化が訪れた。躍動の第五巻。(解説/諸田玲子)
日本から移住してはや5年。父と二人、オーストラリアに暮らす安藤真人は、現地の名門校、ワトソン・カレッジの10年生(16歳)になった。
Matt(マット・A)として学校に馴染み、演劇に打ち込み、言語の壁も異文化での混乱も、乗り越えられるように思えた。そこに、同じMattを名乗る転校生、マシュー・ウッドフォード(マット・W)がやってくる。
転校生のマット・Wは、ことあるごとに真人を挑発し、憎しみをぶつけてくる。
「人殺し! おれのじいさん、ジャップに人生台無しにされたんだ! 」。
第二次世界大戦、日本とオーストラリアの、負の歴史。
目をそむけてはならない事実に、真人ーーマット・A--は、自らの“アイデンティティ"と向き合う。
【著者略歴】
岩城けい(いわき・けい)
大阪府生まれ。2013年『さようなら、オレンジ』で第29回太宰治賞を受賞しデビュー。14年、同作で第8回大江健三郎賞を受賞。15年に刊行した『Masato』で17年、第32回坪田譲治文学賞を受賞。その他の著書に『ジャパン・トリップ』がある。
1968年、民主化運動に揺れるチェコスロバキア。ひとりの女性を愛したがために、外交官・堀江亮介は時代の奔流に巻き込まれてゆく。現役外交官が自らの体験をもとに描くラブロマン。(解説・吉野 仁)
つかの間の平和。新しき戦いの予感が。排水が成功し、呉用のもと、新体制を築きはじめた梁山泊。一方、岳飛は精巧な義手を身につけ、力を取り戻す。そんな中、金国が南進を始めた。(解説/池上冬樹)
この戦いは、「勇壮」なのか?
戦国末期、三木城当主の別所長治は、信長に反旗を翻す。
織田勢を率いる秀吉の猛攻に耐え、籠城戦が続くなか、飢えに苦しむ領民は、究極の選択へと追い込まれ……
米十俵のために握った薙刀で、家族を守るため、戦う覚悟を決める娘。
「死に損ない」と罵られ、次こそ死のうと、敵軍を斬りつづける武士。
「女らしさ」の呪縛に悩みながら、女武者組の指揮を執る別所家の妻。
華々しい合戦絵巻の裏側に存在した、ひたむきな生の物語。
【著者略歴】
天野純希(あまの・すみき)
1979年愛知県生まれ。愛知大学文学部史学科卒業。2007年、『桃山ビート・トライブ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年に『破天の剣』で中山義秀文学賞、2019年に『雑賀のいくさ娘』で日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞。他の著作に、『青嵐の譜』『覇道の槍』『蝮の孫』『信長嫌い』『有楽斎の戦』『もののふの国』『信長、天が誅する』『紅蓮浄土 石山合戦記』『乱都』など多数。
『目をえぐられて死ぬ…』最恐の呪いから助かる術は、ない
「目々子さんの呪い」
楽しかったはずのパーティー 招かれざる客は突然やって来た…
「ハロウィンホラーナイト」
いつも夢に出てくる男子に 現実世界で出会った主人公が!?
「運命の王子様」
読むと何かが起こる… 恐怖の小説を禁断のコミカライズ!
「怪談のテープ起こし」 原作:三津田信三『怪談のテープ起こし』(集英社刊)
コテージの地下に隠された 恐怖の歴史! 秘密は暴かれ、運命が暗転する
「13人目の宿泊者」
多情丸に復讐心を燃やす宣能と彼を案じる宗孝。その矢先、宗孝の姉たちが次々と襲われ──。平安怪異冒険譚、シリーズは佳境へ!
冬の留置場で、その老人は不思議な声色で遙かな昔を語り始めた……。時は大正ロマンの時代。帝都に名を馳せた義賊がいた。粋でいなせな怪盗たちの大活躍を描く傑作連作第一弾。 (解説・降旗康男)
1792年。捲土重来を期するルイ16世は、開戦派のジロンド派を中心とした内閣改造を実施。フランスは外国との戦争を開始するが──。フランス革命の全貌を描くシリーズ、新章突入!(解説/金原瑞人)
織田信長に深く愛され、側室にもかかわらず後継を産んだ生駒吉乃。
勇将・松平清康に見初められ、徳川家康の祖母となった華陽院。
明智光秀と貧しい時代を支え合い、つつましい夫婦となった妻木煕子。
独眼竜とよばれた伊達政宗に嫁ぐも、正室として人質にとられ、遠い地から政宗を支えた愛姫。
戦国時代の武将と姫の恋、そして夫婦の絆をえがいた、四編の物語。
廃嫡皇子×孤島の盟主…歴史に阻まれた二人が出会うとき、運命が動き出す!
陰謀渦巻く宮中で、誰が誰を呪っているのか。
謎が謎を呼ぶ中華宮廷幻惑奇譚!!
皇后だった実母が禁忌を犯し廃嫡された香綺国の皇子・怜永は、病に倒れた養母の治療法を求め、秘術に通じる孤島の紅紗族を訪ねた。偶然にも紅紗の盟主・雀炎の力を借りることができ、養母を苦しめる原因は呪術だと判明する。折しも宮廷では不可解な事件が相次いでいた。怜永は再び雀炎と共に捜査にあたるが、すべては怜永が廃嫡された15年前に行き着いて…。
陰謀、愛、呪術…点が線になる時、廃嫡皇子は真実を知る!
【目次】
序章:紅紗の凰
第一章:後宮の隠れ花
第二章:蝶々炎上
第三章:桜霧散
第四章:羅玄の印
終章:海を渡る鳥
将軍綱吉に仕える八人の剣士。下された命は行方不明の伏姫の探索。手がかりをもとに大坂に乗り込むが……。痛快伝奇時代小説、開幕!
1968年、民主化運動に揺れるチェコスロバキア。ひとりの女性を愛したがために、外交官・堀江亮介は時代の奔流に巻き込まれてゆく。現役外交官が自らの体験をもとに描くラブロマン。(解説・吉野 仁)