「ことば」との素晴らしい出会い。ある本とのふとした出会いから言語学に引き込まれていった著者。彼をこれほどまでに魅了しつづけてきたものは何か…。際限のない言葉の宇宙を見据え、1つまた1つと新星を見つけ出した時の興奮を伝える。
時間は抽象なので、私たちが時間を認識するとき、なにかに「見立て」るしかない。この「見立て」つまりメタファーを分析することで、“時間”を具体的に意識化することができる。近代において最も強固な「見立て」は“時は金なり”のメタファー。コーパスや、具体的なテキスト(「吾輩は猫である」「モモ」等)を探り、私たちが縛られているさまざまな時間のメタファーを明らかにした上で、新しい時間概念(「時間は命」)を模索したい。
日本語から見た日本人は、個としての自己意識が強く、だからこそ逆に、対人関係に敏感となる。日本人にとって、対人関係は建前として重視しなければならないが、その陰には、本音としての強い自己意識がある。言語学の方法を用いて、この逆説的二面性に日本人の表現構造の本質があることを示すとともに、英語などに比べ、日本語の強い自己志向的側面を浮き彫りにする。
本書は、人の行動が変化する過程を扱う学習心理学の領域と、言語の習得における機序を扱う言語心理学の領域とを扱っている。言語を操ることは人間の特質であると同時に、人間の行動とその変化とは人間心理を客観的に研究することのできる対象であり、心理学の中で基礎的な領域といえる。本書は、このような観点から人間の行動と言語、ならびに研究方法について概説するものである。本書のターゲットは、主に心理学を専攻し、心理学関連の資格を目指す読者であるが、心理学に関心を持つ人にとっても興味深い内容になっている。
1.位置づけ 2.対象(1)心理学から 3.対象(2)言語学から 4.対象(3)生物、生理、障害の観点から 5.目的と方法 6.生得的行動 7.レスポンデント条件づけ 8.オペラント条件づけ 9.弁別オペラント条件づけ 10.言語行動 11.知覚運動学習 12.観察学習 13.マルチメディア学習 14.動機づけと自己制御 15.言語習得
「ことば」をとりまく、無批判に受容されている価値観や、いわゆる権威に保証された規準・規範を今一度疑ってみること。そこから見えてくるものは、何か!そもそも「正しさ」とは、政治的・経済的・文化的な利害関係が交錯する社会のなかでつくられたものにすぎない。「正しい」日本語、「正しい」敬語、「正しい」ことばづかい、といった、その「正しさ」のからくりに迫る試み。
言語の「構造」の発見が20世紀の知を変えた。言語学革命の核心と巨大な影響に迫る。
「言語(ラング)」にしたがってわれ思うーー構造言語学的な概念の拡大適用によって、婚姻規則や神話の構造を次々とあばき出してきたレヴィ=ストロースは、1962年の「野生の思考(=三色スミレ)」の最終章で、当時全盛をほこっていた実存主義の領袖ジャン=ポール・サルトルを攻撃し、構造主義ブームの火つけ役となる。彼の活動によって浮き彫りになってきたのは、当該社会の個々の構成員には感知されぬままになっている「文化の無意識的なシステム」であったわけだが、そこにおいて「われ思う」は、「ランクにしたがって、(われ)思う」となり、「無意識的なシステムにしたがって、(われ)思う」ということになる。当然ながら、主体の実践に重きをおく実存主義やマルクス主義の陣営からの反発が生じることは、火を見るよりも明らかだった。--本書より
●電話リンリンと鳴るか
●ソシュールーー最初の衝撃
●構造言語学の誕生
●音韻論ーー限りなくベッドに近いバッド
●プラーグ学派はなまぬるい!
●ヤコブソンとレヴィ=ストロースの出会い
●構造、この無意識のシステム
●記号論の展開
●生成文法の登場
●開かれた言語学を求めて
生きた言葉にスポットライトを当てる社会言語学の世界を英語を中心に平易に解説。バイリンガル、男女の会話スタイル、セールス現場の言葉、裁判でのやりとり等々の分析を通して、言葉のおもしろさが見えてくる。言語学・英語学の入門テキストとして最適。改訂にあたっては、できるだけ最新の情報を加味し、コラムも新しいものを追加した。
病院、市役所など行政の窓口、ビジネス、学校…。さまざまな現場で直面する専門家と非専門家のあいだのコミュニケーションの壁。それを乗り越えるための方策を、社会言語学的調査をふまえ、ポライトネス理論を援用しつつ提示する。
★第22回和辻哲郎文化賞(学術部門)受賞!
★第27回渋沢・クローデル賞受賞!
ソシュールの〈一般言語学〉を、学の極限を生きた一人の人間の思想劇として、綿密、壮大に描き出す。前田英樹氏推薦!
●互盛央氏の大著を推す●
「互盛央氏のこの本は、ソシュールの〈一般言語学〉を、学の極限を生きた一人の人間の思想劇として、綿密、壮大に描き出すことに成功している。このような人間を、ただ天才と呼ぶだけでは余りに不十分であり、彼の言語学を、ただ独創的と呼ぶだけでは何の意味もない。互氏の力いっぱいの論考を辿っていけば、誰もがその思いを深めていくことだろう。ソシュール論は、なぜ日本でこれほどまでに本質的になるのか、改めて不思議になった」--前田英樹(立教大学教授・フランス思想)
較べてみよう8言語8文化。目指せ、次世代対応国際人!すぐに使える「便利な一言100の表現」8言語(仏、独、英、西、伊、中、韓、日)をCD収録。
この辞典は、一般の辞典とは一線を画すユニークな辞典です。一般の辞典は、知らない単語を調べるために使いますが、本書では、学習者が既に知っている単語を最大限に使いこなすお手伝いをします。「Noun Section(名詞セクション)」では、約2000個の名詞を使って、5万個のコロケーションを習得します。「Adverb Section(副詞セクション)」では、約1200個の動詞と形容詞を用いて、約5000個の副詞的表現を習得します。正確なコロケーションを習得することで、学習者の英語力を効果的に伸ばします。
本書は「やさしさ」を共通のキーワードにしながら、日本語教育、医療のことば、ろう教育、言語景観、震災と原発などのさまざまな事象にアプローチしている。言語や社会現象を研究の対象とするものが、それぞれの実践や思索、具体的な調査に基づいて、「やさしさ」という、古くて新しい価値を再評価し、対話の可能性を提供する。
東京工業大学と東京農工大学で大人気の講義を一挙公開。論理から理論へ。脳内文法のモデルづくりから物の考え方を学ぶ。