短編の名手、“日本のブラッドベリ”こと朱川湊人が、お贈りする「家族」と「写真」にまつわるちょっぴり不思議で哀しい物語。
梅香漂い、江戸が小正月を迎える頃、佐々木磐音はおこんとともに麻布広尾村に出向いていた。御典医桂川国瑞と織田桜子の祝言への列席であったが、折しも、界隈で横行する不逞の輩が花嫁行列を塞ぎ…。春風駘蕩の如き磐音が許せぬ悪を討つ、著者渾身の書き下ろし痛快長編時代小説第二十四弾。
北海道釧路市の千代ノ浦海岸で男性の他殺死体が発見された。被害者は札幌市の元タクシー乗務員滝川信夫、八十歳。北海道警釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、滝川の自宅で北原白秋の詩集『白金之獨樂』を発見する。滝川は青森市出身。八戸市の歓楽街で働いた後、札幌に移住した。生涯独身で、身寄りもなかったという。真由は、最後の最後に「ひとり」が苦しく心細くなった滝川の縋ろうとした縁を、わずかな糸から紐解いてゆく。
男として生まれた。でも、きれいな女の人になりたいなー。蔑みの視線ー。親も先生も、誰に何を言われても関係ない。「どうせなるのなら、この世にないものにおなりよ」その言葉が、糧になった。生まれたからには、自分の生きたいように、生きてやる。リスペクトがあるからこそ、想像力のリミッターを解除できた。事実と虚構の化学反応が生み出す、過酷で、美しく、孤独で、切なく、劇的で、潔く、笑えて、泣ける、ザッツ・エンターテインメント!
出ていかないし、従わない。因習的な故郷に、男性社会からのいわれなき侮蔑に、メディアの暴力に苦しめられた時に、「わたし」はいつも正論を命綱に生き延びてきたー。理不尽で旧弊的な価値観に抗って生きる者に寄り添う、勇気と希望の書。著者初の自伝的小説集。
十五年前、大物歌舞伎役者の跡取りとして将来を嘱望されていた少年・市村音也が幼くして死亡した。それ以後、音也の妹・笙子は、自らの手で兄を絞め殺す生々しい夢に苦しめられるようになる。自分が兄を殺してしまったのではないだろうかー。誰にも言えない疑惑を抱えて成長した笙子の前に、かつて音也の親友だったという若手歌舞伎役者・市川銀京が現れた。音也の死の真相を探る銀京に、笙子は激しい恋心を抱くようになるがー。梨園を舞台に繰り広げられる痛切な愛憎劇。ミステリ界の最注目株・近藤史恵が満を持して放つ、書き下ろし歌舞伎ミステリ。
行方不明の父親を捜すため、倉西美波はアルバイトに励んでいる。そのバイト先で高額の借金を負うハメになり困惑していたところ、「寝ているだけで一晩五千円」というバイトが舞い込んだ。喜び勇んで引き受けたら殺人事件に巻き込まれて…。怖がりだけど、一途で健気な美波が奮闘する、ライトな本格ミステリ。期待のシリーズ第一弾!短編「たった、二十九分の誘拐」も収録。
人生の3分の1もの時間を費やしてまで、ヒトはなぜ眠らなければならないのか?いまだ答えが出ないこの究極の問いに、睡眠研究をリードする著者が迫る!眠りが脳にもたらす恩恵、睡眠と覚醒を切り替えるしくみ、不眠や夢遊病の原因…。睡眠を科学することは、脳の根本的なシステムを知ることである。
中卒の父と、その娘が進学塾にも行かず2人で桜蔭学園を目指すー。話が無茶苦茶すぎて信じてもらえないかもしれません。でもこの物語はすべて真実なのです。そして今、私たち父娘は思うのです。この挑戦が決して無謀ではなかったことに。そして、届かない夢ではなかったことに…。
淡路島で母を看取った百花。満月の夜、散歩に出かけると、閉まっているはずの遊園地に飼い猫が入っていき…。花巻の祖父母の家で療養する少年、宮島で姉妹関係に悩む女子、人生に迷う人々の近くで、満月珈琲店が開店する。星遣いの猫たちのあたたかな言葉と、美しいイラストが共鳴する、大人気書き下ろしシリーズ、第5弾!
安政七年(1860)三月三日、雪にけむる江戸城桜田門外に轟いた一発の銃声と激しい斬りあいが、幕末の日本に大きな転機をもたらした。安政の大獄、無勅許の開国等で独断専行する井伊大老を暗殺したこの事件を機に、水戸藩におこって幕政改革をめざした尊王攘夷思想は、倒幕運動へと変わっていく。襲撃現場の指揮者・関鉄之介を主人公に、桜田事変の全貌を描ききった歴史小説の大作。
めめ・ごま・ふく。お茶目で愛らしく、時に可笑しい3匹のほのぼの生活。ブログで話題の猫家族が本になりました。幸せをたくさん運んでくれたタレ目猫「めめ」の、ほっこり成長日記。
仕事も勉強と一緒。まじめに考えるな。東大合格請負人が教える、人生勝利の仕事術。