第20回大佛次郎論壇賞受賞!
彼女たちはなぜ立ち上がるのか
活発化する保守運動に、ジェンダーの視点から迫る
「家族」「性差」を強調する保守に、その社会的抑圧を経験した女性が、なぜ合流するのか。 本書はその実態に、戦後の保守運動史、現代フェミニズム理論、保守派の言説分析、保守団体へのフィールドワークという四つの視点から迫ってゆく。女性による保守運動に内在するアンビバレンスを明らかにし、ジェンダー論にも新たな視角をもたらす社会学研究の力作。
「保守運動内において、女性参加者たちの独自の主張は必ずしもつねに認知されているわけではなく、他の男性参加者の声が優先され女性たちの声は埋もれてしまいがちである。しかし、これまで論じてきたように、保守運動の参加者のジェンダーに着目するならば保守運動は一枚岩ではないことが分かる。女性たちの保守運動は両義的な存在であり、他の男性中心団体や男性参加者と同じ主張を掲げる一方で、彼らと対立する側面も併せ持っているのである。」(本書より)
本書は、人々が生涯を通していかにジェンダー化されていくのかを明らかにし、社会の中で人々の意識や行動がいかにジェンダーの影響を受けているのかを明らかにすることで、ジェンダーのとらわれから解放される方途を探ろうとするものである。
'なぜこれほどまでに女性差別がなくならないのか。
「森発言」とその経緯は日本社会の女性差別の根深さをあぶりだし、世界中にさらけ出しました。ジェンダーギャップ指数でも、とりわけ政治や経済活動の意思決定の場に女性が非常に少ないことから、日本は156か国中120位と低迷を続けています。
医学部入試で全国的にあからさまな女性差別が行われていたことは衝撃でした。「女性活躍」と言いながら女性に家事・育児・介護労働を押し付け、非正規雇用で安価な労働力として駆り出し、コロナ禍では女性の失業や、女性へのDV、女性の自殺も増加しました。選択的夫婦別姓も進まず、性暴力犯罪に関しても、加害者免罪・被害女性バッシングが続いています。主従関係を表す「主人」という言葉が夫を指す丁寧語として通用しているのが日本社会の現状です。
どうしたら女性差別をなくせるのか、改めて考えたいと思います。
<巻頭グラビア>ひめゆり平和祈念資料館がリニューアルオープン <特集>・山崎摩耶 政治の場におけるジェンダー平等の現状と展望 ・竹信三恵子 コロナ禍で女性たちに何が起きたか ・杉浦浩美 なぜマタニティ・ハラスメントはなくならないのか ・インタビュー 周藤由美子さん「不同意性交を犯罪に」 ・インタビュー 佐藤倫子さん「医学部入試における女性差別は絶対に許さない! ・「森発言」を改めて検証する〜特集解題にかえて〜 ・書評『女性のいない民主主義』『なぜ女性管理職は少ないのか』 ・映画紹介「SNS」 ・動画紹介「セーフアボーションデー 堕胎罪なくそ!」 <連載>康玲子「時代の曲がり角で」 ほか
ハビトゥスからジェンダー論まで。修道士もおこなっていた看護がいつか母性という評価にすり替り、そこに「女性」がとりのこされた理由を、ブルデュー理論と、フランス社会史を遡行しながら探る。
オウム、サイード、アフリカン・アメリカン、ジェンダー、靖国、ゲットー、廃墟…本書は、建築を通じて「世界」を測定する試みである。世界中の都市を歩き回った著者の人文・社会の集大成。
「女らしさ」「男らしさ」のとらわれから自由になるために!「ジェンダーフリー教育」のための待望の実践報告集。
「プリキュアより仮面ライダーのほうが強い」と息子に言われたら、どうすればいい?--前著『これからの男の子たちへ』が大反響だった弁護士の太田啓子さんと、「男性学」研究の第一人者・田中俊之さんが語り合う“令和版・ジェンダーレスな男子の子育て論”。雑誌『STORY』のWEB連載を再構成し、かつ書籍化にあたり、灘中高等学校の名物教師や、YouTubeの性教育コンテンツが話題のバービーさんなど、4名のキーパーソンを取材。
命は守ってほしい。暮らしを楽にしてほしい。でも、人工知能がしてはいけないことがある。黎明期からのAI開発研究者が贈る、全AI、全人類へ向けての手引書。
プログラミング必修の時代に欠かせない、女子&ジェンダーマイノリティのための新しい進路応援ガイド。
国際女性デーに合わせて、3月8日全国発売。
\ITやプログラミングが気になっている人、必読!!/
「女性は理工系に不向き?」「IT分野は男性ばかり?」という不安を吹き飛ばす、
知識とアドバイスが盛りだくさん。読めば力が湧いてくる。
「女子だから」にしばられず、あなたがワクワクする道を進もう!
〈本書の魅力は?〉
◆「なぜ理工系に女子が少ないの?」「IT分野に多様性がないとどうなるの?」という疑問に対して、データを用いながら中高生にもわかりやすく解説。⇒1歩踏みだす勇気が出る!
◆女性ITエンジニアや研究者を含む、16人のインタビューを収録。⇒ロールモデルがきっと見つかる!
◆ITが社会のあらゆる場面で使われ、社会を良い方へ変えてきた事例を多数紹介。⇒ITを身近に感じ、興味が湧く!
◆巻末には「プログラミング学習を今日から始めたい」「仲間と出会えるコミュニティを探したい」といった希望に応える、お役立ち情報をまとめて掲載。⇒次のアクションにつながる!
〈著者はどんな人?〉
IT分野のジェンダーギャップ解消を目指し、女子&ジェンダーマイノリティの中高生〜大学生に無料でプログラミングを学ぶ場を提供しているNPO法人Waffle。
「愛情深く、そして論理的に女性をエンパワーメントしたい。むずかしく捉えられがちなテクノロジーを、お菓子のワッフルのようにポップに」(Women AFFection Logic Empowerment)が名前の由来。
「第5次男女共同参画基本計画素案」に対するパブリックコメントをはじめとした政策提言も積極的におこなう。
〈どんな人におすすめ?〉
◆プログラミングやITに興味がある中高生〜大学生と、その保護者。
◆教育現場で働く人、企業でDXに取り組む人、ITエンジニアの仕事について知りたい人。
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スプツニ子!さんも推薦!!
「この本を読んで、コーディングで未来を切り拓こう。
自分の手で未来を創るって、めちゃくちゃ楽しい!」(帯コメントより)
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文理選択や進路に悩む10代へ。
たくさんのヒントと勇気を与え、カラフルな選択肢を紹介する、新しい未来地図がここに。
やりたいことに性別は関係ない。女子&ジェンダーマイノリティにあらゆる選択肢を!
◆女性管理職登用に必要な施策とは何か
◆どのように行動計画やアクションプランを策定するのか
◆組織成果をあげることのできる推進体制とは
市場の成熟化や少子高齢化、グローバル化が進展し、顧客ニーズが多様化するなかで企業が発展を続けるには、多様な人材を活用していくことが求められます。とりわけ人口が急速に減少していく今後は、女性社員を積極的に管理職そして役員に登用していくことが不可欠です。女性の活用により、企業内のパワーバランスを変え、組織変革を通じて生産性を向上させ、価値創造性を高めていくのです。そのためには、ジェンダー・ダイバーシティ施策とワーク・ライフ・バランス施策を組み合わせて進めることが欠かせません。
本書では、資生堂でダイバーシティ経営に向けた意識改革・行動改革と女性の活躍推進を実践してきた著者が、その具体的取り組みを詳述します。
各社の「女性活躍推進・次世代育成支援行動計画」実現に欠かせない一冊です。
貧困については、原因とその対処法、子ども・高齢者・非正規(特にシングルマザー)の貧困の実態、生活保護制度と社会保障制度の境界を探る。格差については、教育・所得・雇用・社会保障・住宅の格差の実態とその是正策を探る。さらに貧困解消と格差解消は同時並行的に行えるのか、優先順位はあるのか。これらの課題に社会福祉・社会保障の専門家が大胆に提案する。
心はオトコ、体はオンナに生まれてー性自認のジレンマ、うつ、自殺未遂、家庭崩壊、人間不信…八方塞がりのどん底で、ついに全ての差がなくなり「悟り=差取り」に到達した。
社会の根底に潜むアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の根本原因が明確にわかったとき、誰もが本当の「人間のスゴさ」に気づくという著者の人生ストーリー。
SDGsの実現と真の多様性社会のヒントがここにある。
第1章 絶望 私はだれ?
第2章 葛藤 自分らしく生きるとは
第3章 本当の自分との出会い
第4章 最高のチームができる関係性
第5章 多様性を可能にする究極の真実
従来のクラシック音楽史が見落としてきた女性たちの豊かな音楽活動の歴史を、その実践がおこなわれた場ーー劇場・公開演奏会・学校・協会・家庭ーーに注目して史料から掘り起こす。女性たちによる音楽の営みを浮かび上がらせる、もう一つのクラシック音楽史。
はじめに 玉川裕子
[劇場]
第1章 ジェンダーの越境者カストラート 梅野りんこ
1 声の高低とジェンダー
2 カストラートとは何か
3 カストラートとオペラ
4 カストラートと女性歌手
5 カストラートとバロック
6 カストラートの衰退と終焉
7 ヨーロッパ社会におけるジェンダー意識の変化
[家庭]
第2章 家庭に鳴り響く音楽 玉川裕子
1 家庭で音楽を奏でる女性たち
2 ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル
3 日曜音楽会
4 改宗ユダヤの一族として
[公開演奏会]
第3章 女性職業音楽家の誕生 玉川裕子
1 十九世紀の女性職業音楽家
2 クララ・ヴィーク=シューマン
3 職業ピアニストとしてのクララ・ヴィーク=シューマン
4 クララ・ヴィーク=シューマンのレパートリー
5 サロンについて
6 公と私のあいだーークララ・ヴィーク=シューマンの場合
7 女性の音楽実践の場ーー十九世紀ドイツ市民社会の場合
[協会]
第4章 開かれた連帯ーー近代イギリスの「女性音楽家協会」 西阪多恵子
1 女性運動のさなかから
2 二十世紀初めのイギリスにおける女性の職業と音楽
3 女性音楽家協会の誕生
4 女性の連帯と男性との協力
5 第一次世界大戦下のSWM
6 音楽する人々のため、女性のため
7 女性の権利
8 その後ーーSWMと男性
コラム クララ・ヴィーク=シューマンに魅せられて 川嶋ひろ子
コラム ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼルへの愛 中田真理子
[学校]
第5章 日本の学校教育を支えた洋楽と女性 辻 浩美
1 音楽ーー女性の領域?
2 明治期の音楽教育事情
3 女学校の音楽教育
4 女性作曲家・松島彜の生涯
5 音楽家としての彜の生き方
[家庭]
第6章 女性と音楽のたしなみの日本近代 歌川光一
1 女性と音楽のたしなみの二十世紀
2 音楽のたしなみの実態
3 「家庭」の成立と「洋楽/邦楽」--明治後期から大正期のピアノ・三味線
4 たしなみの行方ーー昭和戦前期のピアノ・長唄
5 女性音楽家と女師匠ーー職業論からみる「洋楽/邦楽」
6 女性の音楽のたしなみと日本の近代化
コラム ガントレット恒の生き方をみるーーキリスト教受容と洋楽受容の側面から 市川啓子
コラム 平和と平等を願う女性作曲家たち 小林 緑
〈女性と音楽〉参考文献案内 市川啓子
あとがき 玉川裕子
その活動・理論は、単に男女間の数的変化にとどまらず大学の教育・組織・管理運営の全てを変容させ、社会全体の平等化の牽引力となっているー大学変化の実態をつぶさに示すとともに、それをもたらした女性運動、政策と法的整備等の具体面、またフェミニズム思想・ジェンダー研究等の理論面を論考・総括し、現地在住の研究者として長らくアメリカの大学を見てきた経験を生かし、日本の現状変革に強くアピールする。『女たちが変えるアメリカ』の著者が総括する平等をめざす理論・活動・実態の全て。