ウーマンリブから三十年。男社会の壁に挑んだ女たちが切り拓いた苦闘の道。しなやかなイブたちは時代をどう変えたか。フェミニズム最新リポート。
文学テクストの言葉は、書き手の意織・無意識を問わずその社会的性格によって女性を抑圧する言説に傾きやすい。これまでの批評・解釈では看過されてきた女性の主体がきらめく瞬間をとらえること、性差別を超えた彼方を構想すること。本書はこうした「フェミニズム批評」の関心にもとづき、日本近代文学の著名なテクストの丹念かつ冒険的な読みを試みる。
わずか20年間のうちに、驚くべき成果をあげたフェミニズム批評の歩みと〈現在〉、そして未来への指向を、その豊かな多様性をそこなうことなく紹介する“もっと良く理解するためのフェミニズム文学批評入門書”。
古典古代からポストモダンまで、「天才」という語と概念の歴史に潜む、男の優越のレトリックを解明して、女の文化的業績評価への新しい戦略を提唱する。
あらゆる生命が絶滅の危機にさらされている現在、地球を救おうとする女たちの思想と行動は、エコロジーとフェミニズムの流れをくんで新たな思想を編みだした。その多文化的なビジョンは、古代自然宗教から最先端の生命科学にまでいたる。詩人・小説家・学者・活動家・宗教者らの多彩な声を収録した、エコフェミニズム思想の集大成。
“豪華な衣装”“甘い台詞”“男装の麗人”などで語られる宝塚の魅力を探る。
西欧・男性の視線のエキゾチズムを超えた場所で、アジア・アフリカ・ラテンアメリカの女の言葉は何を生み出しているか。彼女たちは何者なのか、それはどのような差異をかかえた言葉なのか。アカデミックな人類学やフェミニズムの枠を破って“男から盗んだ言葉”の枷をはずし、想像力あふれる言葉や語りの引用と著者自身による映像のコラージュを織り込みながら、文化をめぐる複数の問いを交差させる試み。注目の俊英、ベトナム女性映像作家による、新しい思想の予感に満ちた書。
あなたの生き方を「男社会」に迎合させる必要はない。枠組に囚われないしなやかな生き方を提唱する書き下ろしエッセイ。
「個人的なものは政治的」だろうか。やさしさと感受性に溢れた愛の関係を求めて、繊細で鋭敏な議論をくりひろげる。
本書は、著者がネパールへ行ったときの2週間の旅行記。著者にとっては普段の生活とは離れた非日常の体験をまとめようとして書き出したものだったが、書き進めていくうちに、いつも家族のことが気になる著者の生活にもふれて、女の本音の部分にまで話を進めたものとなった。
天使のように繊細に、悪魔のように大胆に。男性によって独占されてきた哲学パラダイムへ女性からの挑戦。
批判的社会構築主義の射程。グローバル化過程におけるジェンダー・ポリティクスについて、ウェストファリア・システムという制度とその揺らぎとの関連で考察する。
西洋フェミニズムの「普遍的正義」の裏に、異なる文化への差別意識がひそんではいないかー。女性であり、かつ植民地主義の加害者の側に位置することを引き受け、「他者」を一方的に語ることの暴力性を凝視しながら、ことばと名前を奪われた人びとに応答する道をさぐる、大胆にして繊細な文化の政治学。
『女たちの21世紀』に連載の「男性との対話」をまとめたもの。相手の男性は、フェミニズムを理解しようとするか、少なくとも敵視、敬遠しない男性、権力や時流におもねらずにこの社会を変えようとしている男性、それぞれの分野で共感できる仕事や活動や発言をしている男性…多様な意見を持ちながらも、これらの条件をそなえている男性たちに共通しているのは、フェミニストである女性と対話ができる男性だということである。
本書は、メキシコのフェミニズムの歴史を女性たちの言説により再構築しようとしたメキシコ・フェミニズム運動の資料集である。