これから何を、どう変えるべきなのか?これまでの歴史、海外の動向を踏まえ、日本社会の復興・発展にもつながる農協制度のあり方を多角的に提言。
ネットゼロ、循環経済、ネイチャーポジティブ経済の統合的な実現に向けてー環境・経済・社会の統合的向上。
現代のアメリカ外交の展開を、冷戦史をふまえて体系的に解説する。ヨーロッパ、中東、中国、台湾、朝鮮半島に対するアメリカ外交を分析し、激変する21世紀の国際政治、国際関係を読み解く。
残留農薬が問題視され、食の安全性を希求する声の高まりとともに減農薬や有機農業がようやく定着しつつある。本書では、20世紀の害虫防除をふりかえり、減農薬・天敵・抵抗性品種などの手段を使って害虫を管理するだけではなく自然環境の保護・保全までを見据えた21世紀の農業のあり方・手法を解説する。
多様な文化の存在を互いに尊重し、理解することは、多様な言語の存在を理解し、受け入れることである。しかし、言語の多様性について、我々の認識はまだ低い。市民社会における多様な言語の共生について、民主主義、言語権、言語政策などの視点から考察する。
関東平野本来の自然である常緑広葉樹の森。その姿を今日に残す国立科学博物館附属自然教育園に生息する動植物や菌類の多様性、そして無機的環境を説明する。
本書は、エルサレムのヘブライ大学農学部で行なわれた「作物の進化について」の講義を元にして書いたものである。近年は、作物と野生種の交配を意識的に行なうようになり、各種の遺伝資源が作出されている。栽培のもとでの進化の大きな要因の一つに遺伝的浮動があり、経済的に重要視されない形質、つまりDNAマーカーなどの多様性は、野生種に比較して栽培種には少ない。栽培のもとでの進化は、人と自然の成せる業であり、作物ごとに進化の特徴がみられる。ある作物は、植物学上の「科」の一員にすぎず、多くの作物がそれぞれの「科」に属し、それらが人類に豊かな食料資源を提供している。ある作物は、発祥の地域を中心とした小さな領域で、またある作物は広い地域で順化(栽培化)され広く拡散している。人とかかわる利用の面でも、ある作物は一つの目的のために、またある作物は多様な目的により開発され利用されている。進化・改良の過程では、あるものは形態的・生理的に激しい変化を受けたものもあれば、いまだに祖先種とあまり変わらないものもある。本書では、このような栽培に伴う植物進化の主要な側面を、7章に分け記述している。
保全生態学は生物多様性の保全と健全な生態系の持続を担う新しい生態学である。本書は都市の空き地や水田、里山など身近な自然を詳しく観察することをとおして、生態系の微妙な仕組みを最新の知見をふまえてわかりやすく解説し、ならびに「保全されるべき生物多様性はなにか」「生態系の健全性とはなにか」というそもそもの基本的な問題を開示した入門書である。環境保全にまつわる話題が多くの人々の耳目をあつめる大きな関心事となっている今、より科学的、より理知的な視点から自然を見る力を養うために好適な一冊であろう。
地球誕生からヒトが生まれるまで、生物の試行錯誤が面白くてたまらない!豊富なイラストと親しみやすい語り口調で、生き物の歴史が楽しく身に付く。
新幼稚園教育要領では、子どもの「体験の多様性と関連性」が重視され新たに記述された。「体験の多様性と関連性」とは何か。その意味と保育の在り方の理論を、現場の保育者と各専門領域の研究者が多数の保育実践の分析を通して論じた最新の実践研究書。
グローバル化の進展の今日、すでに1970年代初頭、従来の「白豪主義」を一擲し、国是として「多文化主義」を推進してきたオーストラリアの歩みは、今や全世界にとって貴重な経験である。同国の言語教育政策の詳細な分析・考察を通じて、多文化主義が内包する「多様性」と「統一性」との矛盾・葛藤、さらにその持続的努力が拓きつつある「共存」の可能性を具体的に描き出した労作。
古代の王政復古を掲げて近代国家の仲間入りを図った日本では、記紀神話に民族のルーツを求めて大和民族という概念が創り出されるが、古代に遡る民族設定は大和に「まつろわぬ」人々とされた出雲、エミシ、クマソ等の民族も同時に生み出した。混合民族論が主流だった日本で、戦後単一民族論が拡がったのはなぜか。大和中心のNation Building(民族意識や国民の形成)を出雲、エミシ、クマソの視点から捉え直し、同質社会観で覆い隠された日本人内部の多様性を解き明かしながら、多元国家観に基づく民族意識の再構築を説く。
グローバル化し,競争が激化する中でも,なぜ日本の食品小売市場でグローバル小売企業は苦戦を強いられるのか。日本の食品スーパーがもつ地域多様性と現場の組織能力による強みを浮き彫りにし,今後の小売構造の行く末を指し示す力作。方法論の解説も充実。
序章 問題意識と本書の構成/第1章 日本の小売構造の特質と研究の系譜:マクロデータの整理と既存研究から見る日本の小売市場の特質/第2章 小売構造と消費市場の相互作用:食料品を扱う業態において市場集中度が高まらない理由の考察/第3章 小売市場内での小売業者間の競争:学習を伴う創造的競争はいかにして可能か/第4章 本書の分析視点と実証分析の課題・方法/第5章 顧客満足の規定因1:統計アプローチ/第6章 顧客満足の規定因2:集合論アプローチ/第6章補論 fsQCAの具体的手続き/第7章 小売組織内での知識創造:小売店頭の知識創造モデル(r─SECIモデル)/第8章 店頭従業員の進取的行動:現場での創造性とモチベーション/第9章 店頭従業員の能力獲得/終章 結論と展望