金属の関与する化学は元素別に捉えられる傾向にあったが、本書では全元素の化学という立場で有機金属化学を理解できるよう配慮し、基礎的事項のエッセンスをまとめた。
後半では工業的に利用されている触媒反応のいくつかを取り上げ、その詳細を解説するとともに、最新の話題も紹介する。
1.有機金属錯体の化学結合
2.有機金属錯体の合成,構造,命名
3.有機遷移金属錯体の基本的反応
4.錯体触媒を用いる工業触媒反応
5.錯体(有機金属)触媒を用いる合成反応
6.不斉触媒反応と錯体触媒
植物、動物、微生物など多様な生物のはたらきで保たれている地球の生態系。多様性によるめぐみと人間がもたらした危機の現状を紹介。
「生物多様性」をテーマにしたシリーズの第2巻。
第I部では、陸上植物全体の多様性と系統を概観し、第II部にてコケ・シダ・裸子・被子の各植物群の特色を詳説する。第III部は、化石植物を含めた各植物群の綱レベルでの図版解説と興味深いコラムを掲載した。
分類表や形態用語の解説、生物名・学名・事項の各索引など付録も充実。
第 I 部 陸上植物の多様性
1.陸上植物の出現
2.陸上植物の進化
3.陸上植物の分類体系
4.多様性のパターン
5.熱帯植物の多様性
第 II 部 植物門ごとの多様性
6.コケ植物にみる多様性と系統
7.シダ植物にみる多様性と系統
8.裸子植物にみる多様性と系統
9.被子植物にみる多様性と系統
第 III 部 植物群ごとの特徴 -図版解説とコラムー
1.コケ植物門
2.シダ植物門
3.裸子植物門
4.被子植物門
あなたの“性”はなんですか?“LGBTQ+”?“ふつう”?さまざまな性のあり方を通して“私”について考えよう。
イギリスで生まれた日本写真史、入門書。
戦後から現代まで、写真家約70名の作品200余点収録! !
近年、海外で注目が高まる「日本の写真」。世界から日本写真史を概観する書籍が求められるなか、日本に造詣が深いイギリス在住のキュレイターによる画期的な一冊が誕生した。著者自ら、日本を代表する25名の写真家にインタビューを敢行。作家たちの生の声を追いながら、「リアリズム」「ガーリーフォト」など、社会的変遷を背景に発展した日本の写真史を紐解いていく。
イギリスのキュレイターによる新鮮な切り口の日本写真史!
写真家たちの作品世界を、グローバルな視点で解き明かしている。
ー飯沢耕太郎(写真評論家/本書監修者)
インタビュー収録作家
荒木経惟・安齋重男・石内都・伊島薫・大森克己・川内倫子・川田喜久治・北井一夫
澤田知子・志賀理江子・柴田敏雄・須田一政・鷹野隆大・土田ヒロミ
Tokyo Rumando・長島有里枝・蜷川実花・野村佐紀子・畠山直哉・HIROMIX
細江英公・森村泰昌・森山大道・吉行耕平・米田知子
翻訳:小巻靖子
レーナ・フリッチュ
ドイツ出身。アシュモレアン博物館にて、近現代美術のキュレイターとして海外美術の展示や展覧会の企画を担当。以前はテート・モダンの海外美術部門にて、アシスタント・キュレイターとして、アジア太平洋地域の美術品の収集や展示を担当した。著書に『Yasumasa Morimuras“Self-portrait as Actress”: Uberlegungenzur Identitat』(2008 年)など。
飯沢耕太郎(いいざわ・こうたろう)
写真評論家。1977年、日本大学芸術学部写真学科卒業。1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。執筆活動のほか、写真展覧会の審査、企画等も手がける。
本当に役に立つ「環境会計」がわかる!地方自治体等の研修講師やアドバイザーとして高く評価されている著者が生物多様性を表象する「kikyo」という単位で自然環境を「継承財」として位置づけたこれまでにない革新的な理論書。
自生植物の緑化で、地域のアイデンティティを育む。家庭のガーデニングから公園のマネジメントまで、多様な生物と共生する環境づくりの最前線。
「さまざまな「特性」をもつ地銀が数行集まって連携することにより、地銀1行では到底「味わえない」ような「多様性」が「花開く」」。横浜銀行の代表取締役として、数々の地銀連携を引っ張ってきた著者だからこそ書ける地域金融機関の経営者・幹部必読の書!
はじめに
序章 環境ガバナンスはいかに論じられてきたか:行政とNGO のパートナーシップの理念と実態
1 パートナーシップをめぐる動向
2 環境ガバナンス,パートナーシップの理念と実態
3 本書の問いと構成
4 NGO・NPO の捉え方とセクターの区分
第1部 環境政策史・分析視角/方法:分析のために
第1章 パートナーシップの環境政策史
1 市民セクターに向けた環境行政のまなざし
2 資料と時期区分
3 協働・市民参加の萌芽期
4 施策形成期とパートナーシップ
5 選択的確立期と政策決定への参加
6 協働・市民参加の意義とは?
第2章 連携形成条件の分析視角
1 パートナーシップの分析に向けて
2 環境政策過程論の諸アプローチ
3 戦略的連携論の分析視角
4 事例研究の方法
第2部 外来種オオクチバス等の規制・駆除:ローカルな政策提言活動
第3章 NGO-漁業者団体ー行政間の連携が形成されるまで
1 オオクチバス等をめぐる社会的論争
2 組織フレームの分析枠組
3 論争過程の概要
4 第1 期におけるフレームのすれ違い
5 第2 期におけるフレームの一致
6 連携はいかにして可能になったか?
第4章 ローカルなNGOの展開と政策実施体制
1 規制・駆除の政策的成果
2 ローカルな環境NGOの展開
3 外来生物法の政策実施体制
4 不十分な体制の解消に向けて
第3部 生物多様性条約第10 回締約国会議:グローバルな政策提言活動
第5章 NGOのネットワーク組織における連携戦略と運動内的な帰結
1 締約国会議という政治的機会
2 運動組織間の連携
3 NGOネットワーク組織の分析
4 包摂戦略の帰結
第6章 行政ーNGO 間の連携形成をめぐる比較分析
1 日本政府に向けた政策提言
2 比較分析のための分析枠組
3 政策分野ごとの政策提言過程
4 政策分野間の比較分析
5 連携形成条件の選択性
第7章 連携の持続と政策実施体制
1 締約国会議以降の状況
2 質的比較分析によるNGOグループの特徴
3 NGOによる事業展開
4 国連生物多様性の10年の政策実施体制
5 NGO の事業に依存した体制
終章 本書の知見と環境ガバナンスに向けた問題提起
1 事例研究のまとめ
2 他者変革性の発揮を阻む選択性
3 政策実施体制の丸投げ
4 政策的成果の乏しさと循環構造
5 今後の課題
文 献
資 料
おわりに
事項索引
人名索引
「アメリカ」とは何か?「民主主義」「発展」の裏に潜む、複雑な人種・民族問題、国家概念、支配・差別構造を歴史史料の緻密な分析をもとに時代の流れの中で的確に捉え、鋭く解き明かす。
巨大なインドはどのように動いているのか?インドの政治は、経済成長以上の驚異である。独立以降の民主主義体制の変化を軸に、そのダイナミックな実像を叙述的分析と統計的分析によって見通しよく描いた待望作!
グローバル化に対応した教育としてまず挙げられるのは多文化教育である。だが今日多様性は、階層、ジェンダー、地域、障害者等、さらに様々に広がっており、これらの差異を超克した社会的公正をめざす教育がわが国でも強く求められる。その点において、多文化主義を国是に、この種のインクルーシブ教育を推進しているオーストラリアは注目に値する。現代的多様性に対応しうる教員養成のあり方を具体的に紹介し、考察した研究。
女性研究者「一斉開花」の森で生きる昆虫たちの生態にせまる。
SDGsでは性感染症予防やジェンダー平等が明記され、保護者の強力なニーズもあり、性教育に注目が集まっている。国際標準の性教育は学校が拠点となる。日本のボトルネックは何か、いかに打開し実践を切り拓くか、理論的に論じる。
はじめにーー性教育のさわやかな風を吹かそう
第1部 包括的性教育とは何か
第1章 性教育の新しい時代を拓く国際的スタンダード
--『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』初版から改訂版へ
【補足資料1】アメリカ性情報・性教育協議会(SIECUS)の「包括的性教育ガイドライン」(第3版、2004年)
第2章 性教育におけるテーマ主義と課題主義
--テーマ主義を悪用された都議会での性教育バッシング質問にも触れて
第3章 “青少年の性”はどう捉えられてきたか
--戦後日本の性教育政策と国際的スタンダード
第2部 包括的性教育をすすめる
第4章 乳幼児期から包括的性教育をすすめる
--人生のはじめだからこそ偏見のない性の学びを
【補足資料2】乳幼児の性教育で「からだ学習」をすすめる10のポイント
第5章 学校教育の現場で包括的性教育をすすめる
--学習指導要領の問題点と国際的スタンダードへの展望
第6章 包括的性教育の立場で「性教育の手引」を発展させる
--東京都教育委員会「手引」の問題点の解明と性教育実践の展望
第7章 性教育をすすめるとき、すすむとき、そして立ち止まるとき
--ゆたかで多様な実践の可能性
おわりにーーいまこそ性教育政策の転換のとき
2020年ライブラリー・ジャーナル誌BEST BOOK選出(サイエンス&テクノロジー部門)
2020年パブリッシャーズ・ウィークリー誌ベスト・ノンフィクション選出
地球上の生物は、常に動いている!
季節ごとに渡りを繰り返す鳥や昆虫、気候変動で生息地を変える動植物、
そして災害や紛争で移動を繰り返す人類。
生物はどのように移動し、繁栄・衰退してきたのか。
その移動は地球環境にどのような影響を与えてきたのか。
彼らの移動は妨げるべきものなのか。
地球規模の生物の移動の過去と未来を、
気鋭の科学ジャーナリストが、
生物学から分類学、社会科学的視点もふまえた広い視野で解き明かす。
ーーーーー
[原著書評より抜粋]
絶えず移動している私たち人間を素晴らしく独創的に活写。
ーーナオミ・クライン(ジャーナリストで作家。『ショック・ドクトリン』の著者)
移民・移入・侵入種に関する誤った物語を暴き、
ヒトの遺伝子には移動しようという他の生き物と共通の衝動が書き込まれている
とするすばらしい研究。
……対象をあくまでも追跡する推理小説であり報道記事であるこの作品は、
著者シャーを世界の果てまで、また歴史の彼方まで連れ出す。
……話を巡らせながら、ヒトがなぜあちこちへ動き回るのかを語るこの本は
……数ヶ月後の予言も、数年後の予言も等しく的中させそうだ。
なぜなら、本書は何が人類を移動させるのか、
そして、こうした大量移動はより多数が定住しているコミュニティや国家に利益をもたらすのか、
という二つの疑問を発しており、
これらの疑問は私たちの地政学的活動をすでに具体化しつつあるのだから。
ーーガーディアン紙
思慮深く示唆に富む移動擁護論。
ーーサイエンス誌
読者を夢中にさせる本書は、ヒトだろうとヒト以外だろうと
今日の移動は地球規模の危機を表すのだという概念に逆らい、
歴史や取材や広範な科学研究をよりどころとして、
移動は「普通に続いている現実」であることを示している。
ーーニューヨーカー誌
反移民政治家たちが不必要で残酷な防壁を造るために
データをゆがめ、また誤用している、
そしてまた、私たちが社会的、政治的、生態学的に
大幅に変化した世界に直面するのは避けようがないに違いない、
そうシャーが主張するのはもっともだ。
その結果変化したコミュニティは単に変わるだけでなく、
多くの場合温暖化する世界によりよく適応して繁栄することだろう。
ーーネイチャー誌
本書は昆虫類のすさまじいまでの減少とその要因を指摘し、田舎の里山を保全するための現実的な方策を鋭く述べる。その一方で、日本の自然を守るため外来生物を排斥せよとの「原理主義者」に首を傾げ、また、人為的な関与は必要と直言する。 メディアと政治のコトバと化した「生物多様性」擁護・懐疑両派の怪しげな言説を問いただし、イキモノと日本各地の自然環境の実像について興味深い事実を数多く紹介しながら、自然を守る本当の手だてを述べる著者の視野はきわめて広い。 その筆さばきが全編を貫いた本書は、自然、環境、生物多様性を考えるうえで、さまざまな視点を読者に提供するであろう。「自然には自然の理屈があり、人間のコントロールが及ばないことの方が多いのだ。無理にコントロールしようとしても、コストばかりかかってロクなことになはならない」と本書は説き、よりましな認識について説得的に提示していく。