江戸中期、松本藩を根底から揺り動かした「加助騒動」は、重税にあえぐ領内農民のほとんどを巻き込んだ大減税運動であった。運動は成功したかに見えたが一転し、敗北。加助らは刑場の露と消えた。この騒動について、郷土史家、横山篤美が未公開の資料をもとに、新しい光をあてた。
莫大な資産をもつ会社社長未亡人の水尾マユには3人の養女・夏子、雪子、桜がいた。キャサリンと浜口が招かれた晩餐会の日、夏子が殺された。そして雪子にも犯人の魔手が…。マユの息子と称する男の出現。お手伝いの不審な行動。水尾家の莫大な資産をめぐる思惑は、人々を疑心暗鬼へー。京都の宏壮な屋敷を舞台に起こる謎の連続殺人。浜口とキャサリンの名コンビがこの怪事件にたちむかうが…。複雑な伏線と思わぬドンデン返し。推理界の女王が描く、華麗な本格ミステリー。
夏も近づく八十八夜。野にも山にも若葉がしげる。古い歌を口ずさむたびに、亡き母の言葉がよみがえる。「一年のうちで、いちばん美しい季節が八十八夜の頃。あなたの人生の八十八夜を大切に…」加納妙子、23歳。この美しい季節を無駄にすごせない。殺風景なオフィス、平凡な男たち、ありふれたOL生活に別れを告げようと思った。
改革が実践され、緊張緩和外交を推進するソ連だが、日ソ関係には“北方領土”という厚い壁が立ちふさがる。斯界の権威が、その歴史的経緯を明らかにし、新たな展開への道筋を探る。
“我が名は伊耶那美!我につき、我とともに魔と戦わん、いでよ、高天原八百万の神々!”天鳥船に火野天津彦と乗船した朱紗和子の全身から強烈なテレパシーが迸った。二人は、凄ノ王パニックで破壊された紀伊半島の古噴群上空で、神々の武器庫を求めて飛行していたー獣王宮殿の淑景北舎では、瓜生と雪代が呪われたように果てしなく、互いの肉体をむさぼり合っている。同じ頃、再会した真悟と玲奈も狂おしい性の饗宴にひたっていた…。壮大に凄艶に物語がスパークする伝奇SF。
「特別な10年」のいま、新しい世紀の足音が確かに聞こえる。送られてくるサインを見落とさず、「今日」をどう読んで、「明日」を描くか-。現代日本の最高の知性が、行動と思索の現場から両世紀人に送るメッセージ。
真夏のある夜、キャサリンと浜口は宏壮な屋敷に住む莫大な資産家の未亡人、水尾マユの晩餐会に招かれた。ところがその夜、マユの養女の1人が何者かの手で毒殺された。やがて第2,第3の魔の手が屋敷を襲って行く…。一方でマユの息子と名乗る男が出現し、水尾家の遺産を巡め相続争いは一層、深刻になって行った。謎の連続殺人事件を追う名コンビ、キャサリンと浜口を待ち受ける思わぬドンデン返しとは…京都の豪邸を舞台に繰り広げられる莫大な資産をめぐる争い。トリックの女王が描く華麗なる長編ミステリー。
満50歳の誕生日の当日、石井清が愛用のライフル猟銃で謎の死をとげた直後に警視庁嘱託の尾高一幸は盛岡の彼の自宅を訪れた。尾高は遺産相続の件で和歌山を訪れたとき盗難に遭い、その急場を画家仲間と旅行中だった石井たち一行に救われた返礼にやって来たのだった。証言からも自殺の動機が考えられないことから、不審な死に疑問を抱きながら、尾高は秋田の小松茂男宅に向かったが、そこでも異常な事故死の報が待ちうけていた…人間の善意が一瞬にして悪意に暗転、殺意の矢が放たれる恐怖を練達の筆致で描く書下し。
舞鶴順平、三十四歳。有能なファイナンシャル・プランナーである彼は、無類の女好き。抜群のベッド・テクニックを生かして「離婚請負人」とか「絶頂請負人」などもやる自称、導淫師。パーティーで知り合った美貌の未亡人・壇上三千絵から、遺言状の調査を依頼された舞鶴は、天才的な性技を発揮して、疑惑の鍵を握る女性達を次から次へと忘我の淵に…。痛快官能小説。
本書は、編者らが先に著した「果樹の生育調節」(博友社.1990年)の応用編として、現に農薬登録されている果樹関係生育調節剤・除草剤について、その使用方法を取りまとめたものである。
元・東京銀行勤務の俊英がリアルに描く。合併に揺れる銀行員たちのヒューマン・ドラマ。
大企業がすべての権力を握った西歴2050年の“TOKYO”。しかし、そんな大企業に決して屈しないものたちがいたーそれが、影の世界を生きる戦士“シャドウランナー”たちだ。ミステリアスな女性メイジ“ジェーン”の呼び掛けにより、チームを組むことになった六堂、紫雲、殺(シャア)、マオの四人。彼女の目的、それはすべてを奪った六人の虐殺者を倒すことだった。ジェーンは四人の力をかりて復讐を果たすことができるのか。“私はヤツらを許さない”ジェーンの魂の叫び声が大都会に響き渡る。